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倫理規程

規程改訂の経緯(05年版)

倫理委員会は2003年12月から第2期に入った。そこで全委員で倫理規程を再読し、見直すべき点として約80項目をあげた。また、2003年版制定の過程での意見募集に学会内外からの意見が1件も提出されなかったことから、2004年7月に開催した第2回原子力に関する倫理研究会の出席者に倫理規程に関する意見の提出を依頼した。その結果、約60項目の意見が寄せられた。どのように改訂するかについての委員の意見の集約のため、10から30項目ごとに20回ものアンケート形式の投票が実施された。2005年7月2日に委員会としての改訂案がまとまり、それをホームページ上で発表するとともに、9月9日までの間、意見を募集した。そこでさらに3件の意見が寄せられたため、さらなる改訂作業を実施した上で、2005年改訂版を理事会に提出し、承認された。
この改訂作業における主要な検討項目については解説記事を参照されたい。その記事が出た後に会員外のかたから寄せられた次のご意見に対し、委員会内では議論が沸騰したので紹介する。それは会員に誇りを求めていることと関係している。日本原子力学会には「原子力の開発をやめさせたい、その勉強のため入会している」という会員もいるのではないか。誇りを求めることはそのような会員への踏み絵とならないかというものである。しかし学会の定款では「原子力の開発発展に寄与する」ことを目的として謳っており、また細則でも入会者はこの「目的に賛同する者」としている。そしてこの定款改正は非常に難しい。原子力の開発発展を望まない者は退会すべきという意見、そのような批判論者を内部に持ってこそ健全な学会であるという意見がぶつかり合った結果、「脱原子力を望む者が入会していることは自然なことと考え、退会を迫ることはしないが、そのような会員増加の努力もしない」というのが倫理委員会内の多数意見となった。このようなことも会員全員にきちんと向き合ってもらいたいというのが倫理委員会の要望である。
2005年改訂版の作業で十分検討ができなかった会員外のかたからのご意見や、理事会での2005年改訂版の審議において頂いたご意見については、2007年改訂版のための作業の中で検討することとなった。

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