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倫理規程

用語集

ここでは、より一層、倫理規程の理解を深めるため、使用している語句について、原子力学会倫理委員会としての解釈を記載しています。
そのため、一般とは異なる、あるいはより狭義・広義の場合がございます。
ご注意ください。

◆安心
ある事象、ある事物などに対するリスクが受容可能範囲にあることを自ら理解するか、もしくは自らが信頼している関係者によってリスクが受容可能範囲にあることが確認されたことによって生じる心の安らぎをいう。
安心は他から押し付けるものではないことに、会員は留意すべきである。

◆安心感
ある事象、ある事物などに接して、それから受ける主観的印象が心の安らぎにつながるとき、安心感があるという。

◆安全
死亡、傷害または疾病、財産の損害、職場環境、地域環境、地球環境の損害などの危害、又はそれらの組合せからのリスクが受容できる範囲にあることを確認したとき、ある事象、ある事物などを安全だという。リスクの評価は客観的基準及び客観的証拠に基づく必要がある。リスクの受容範囲は、個人、状況などにより異なる場合がある。

◆安全性
ある事象、ある事物などが有しているリスクの程度を安全性という。
安全性が損なわれた状態とは、ある事象、ある事物などのリスクが受容範囲にない状態をいうが、リスクの評価は、客観的基準及び客観的証拠に基づく必要がある。

◆依頼者の受託者
依頼を受けて行動するときは明確な契約関係がなくても受託者の立場にある。

◆エネルギーの安定供給
 
◆会員
正会員、推薦会員、学生会員及びシルバー会員ならびに賛助会員を含む日本原子力学会に登録された個人または組織をいう。

◆環境
会員をとりまき、それとある関係を持って、直接、間接の影響を与える外界で、大気、水質、土壌、天然資源、動植物、人類など、及びそれらの相互関係をいう。
とりまくとは、会員の組織内部から地球規模までの範囲をいう。

◆環境保全
 
◆関係者
自ら属する組織及びその組織の構成員、株主、顧客、取引先、地域の住民の方々、行政機関、マスメディアなど、会員の行為に関心をもつか又はその影響を受ける個人または組織をいう。
関係者には、直接/間接の利害関係は無いが、会員の行為に関心を持っている個人または組織も含まれる。

◆監査
ある事象、ある事物に関する基準が満たされている程度を判定するために客観的証拠を収集し、それを客観的に評価するためのプロセスを監査という。
監査には第一者監査(内部監査ともいわれる)、第二者監査(利害関係のある他の組織による監査)及び第三者監査(利害関係のない独立した組織による監査)がある。

◆監査体制
 
◆基準
ある事象、ある事物などの評価、監査などをするために用いる明示的であるか否かを問わない対照資料で、その事象、その事物に関する一連の方針、手順、要求事項などをいう。

◆規範
正しい目標、心構え、言行を示す指針。
無理やり矯正する型枠のようなものではなく、正しい理解の基に自主的に従うものでなければならない。

◆教条主義
個々の事例の特殊性を調べて考慮することなく、機械的に原理原則を適用する態度、及びそれを正しいと考えること。

◆協調
自分の正しいと考える意見を捨てることなく相手の意見を尊重し、話し合いによって一致点を見出し、その一致点に向けて協力すること。

◆業務
ある資源を投入し、別の有形又は無形の資源を生み出すための操作を業務という。業務は価値を付加するための変換操作である。
生み出される有形または無形のものには、製品などのプラス価値のもの及び廃棄物などのマイナス価値のものがあるが、会員は、業務によって生み出すものの付加価値の合計をプラスにする必要がある。

◆契約
ある効果を発生させる目的で、二人以上の当事者の申込み、承諾という意思表示の合致(合意)によって成立する行為を契約といい、組織の構成員は、組織のために業務を実施するという契約を組織と結んでいる。
契約はこれ以外に製品供給に関するもの、サービス提供に関するものなど幅広い概念を含む。

◆原子力
原子力発電、核燃料サイクル等のエネルギー利用から、理学・医療・農業・工業等における放射線や同位体の利用技術、並びに加速器、レーザー等の原子力科学技術を含む極めて多岐にわたる分野を含むものである。
又、これらには基礎基盤研究から産業として成立しているものまでの幅広い段階のものがある。

◆公衆
会員の行為に関心をもつか又はその影響を受ける人々すべてを公衆という。
その範囲は、年齢や性別、地域、国籍、知識などいかなるものにも限定されない

◆公衆の安全のために必要な情報
ある事象、ある事物などについて公衆が受けるリスクの程度を、客観的基準に従い、客観的証拠に基づき、見積もり、そのリスクが受容可能か否かを、公衆が決定するに必要かつ充分な情報をいう。

◆公正
公平の原則の基に、正当な手続きを経て決められた規則に則り行動すること。あるいはその態度。

◆公的資格
原子炉主任技術者、核燃料取扱主任者(原子炉等規制法)、第1種、第2種放射線取扱主任者(放射線障害防止法)のような原子力特有の資格のみならず、危険物取扱者その他多くの法令等で定められた資格。
海外での業務においては米国のProfessional Engineer など外国の資格も要求されることがある。

◆公平
かたよることなく公正・平等に物事に対処する態度。

◆雇用者の代理人
被雇用者は仕事の従事中は他者に対しては契約によって雇用者の代理人を務めていることになる。

◆資源
資源には人的、物的、財政的及び情報があり、会員の活動には人的資源及びその他の資源が何らかの形で関与する。

◆事実の尊重
観測される事実が自らの利益に反するときも、無視せず、あるがままに受け入れ、考察すること。会員は科学的合理性に従った判断をするよう心掛けなければならない。
しかしながら他者の感情等に対する配慮も忘れてはならない。科学的合理性と感情への配慮を整理しないままの判断は避けるべきである。

◆持続的発展
環境経済学などで提唱されている概念で、質的発展でないと資源、食料、環境等の制約の中で持続的達成は困難ということから、量的成長と区別して使われるもの。

◆指導的役割
自ら率先して行動することで手本となるとともに、必要に応じて助言も与えること。

◆社会における調和
自らの存在が他者に著しい不安を感じさせることなく社会全体の信頼を得ること。

◆社会的な評価
「能力や見識のある者がなしうるところの、社会に貢献する仕事である」という評価。

◆周囲の者
所属する組織の者、顧客、規制当局の者、マスメディア関係者等。

◆証拠
ある事象、ある事物の評価、監査などに用いられ、ある基準に関連し、かつ、検証できるデータ、記録、事実の記述、その他の情報などをいう。
例えば、あるデータを原子力の安全性評価の証拠に用いようとする場合、そのデータは原子力の安全性評価基準と関連していなければならず、かつ、検証可能でなければならない。

◆情報の公開
関係者がある事象、ある事物などに関して、ある評価を行うに必要な基準、証拠などにアクセスできる状態を情報が公開されているという。

◆職
担当している仕事。職務や職位の意味も含む。

◆職位
その仕事を行うべき地位。

◆職務
実施する義務を負っている仕事。

◆人類
過去、現在又は未来を問わず、地球上で生活したことがあるか、現に生活しているか又は生活をする可能性のある人々。

◆人類の直面する諸問題
現時点での最大の課題は、経済の持続的発展とエネルギーの安定供給、環境の保全という課題をともに達成することである。

◆生存の質の向上
最低限、健康で文化的な生活を送ることができるようにし、さらにはより多くの幸福を追求すること。発展途上国では最低限の条件も満足されていないことに留意しなければならない。

◆説明責任
会員の業務に関連する事象、事物などについて、その内容が関係者によく理解されたことをもって説明責任を果たしたという。
関係者がある事象、ある事項などをよく理解するか、否かは、会員の説明内容によるものであり、関係者の能力によるものでないことを認識すべきである。

◆専門能力
ある特定の業務の遂行に必要な知識、技能、資源などの能力をいうが、この能力には科学技術に関するものだけではなく、業務に関する法規制要求事項の知識、業務に関するリスク評価の技能も含まれている。

◆組織
公的か私的かを問わず、独立の機能及び管理体制をもつ企業、官公庁、教育機関、研究機関、学協会などの人々の集まり、又はその一部もしくはその結合体をいう。

◆組織の構成員
明示的か否かを問わず、組織との契約のもとに、組織のために業務行う個人又は個人の集まりを組織の構成員といい、自らを除く組織の構成員は関係者ではある。
定型的な知識
 
◆トラブル
事故や故障、規則違反から、細かいミス、モラルに反する行為など不祥事全般のみならず、たとえ自らに責任がない事柄でも自分自身および他者から見て問題だと思われるようなものはすべて含まれる。

◆能力
知識、技能及び資源を用いてものごとを成し遂げる個人または組織の力を能力という。

◆非公開情報
原子力関係では、核物質防護、核不拡散、財産権の保護、外交交渉に関する事項等の公開については慎重に判断することになっており、非公開の場合は理由を示すこととなっている。
この他、個人情報、経営上の秘密事項、開示によって安全を脅かされる恐れのある情報なども公開の必要はないが、公開しない理由を明確にしておくことは必要である。

◆平等
民族、性別、年齢等により権利行使の機会に差がない状態。あくまで機会に差の無いことであって、結果に差が無いことを要求するものではない。後者は悪平等とよび、必ずしも平等ではない。

◆福祉
人類の物的・経済的、または文化的欲求の充足を福祉というが、無制限の欲求充足を指すものではない。

◆利害関係の相反
会員は普通一人の個人としてもいくつもの職業的及び私的立場を有するが、違う立場では追求する利害関係に差異が生じることを利害関係の相反という。
自分と他者との間では利害の対立に伴う緊張関係が存在することは自然である。しかしそれが一人の人間の中に存在することは避けなければならない。

◆リスク
想定される有害な事象発生の可能性と有害さの程度の組合せをいうが、事象発生の可能性と有害さの程度の評価は客観的証拠に基づく必要がある。
事象には、通常事象の他に、過度事象や発生の可能性の低い緊急時事象なども含まれる。

◆リベート等
明確に賄賂と断定できるものだけでなく、他者に不信を抱かせる行為全てを含む。やむを得ず受け取るときには、その正当性を他者に説明できなければならない。
倫理観の多様性
功利主義か個人尊重主義か、命の質尊重か命の尊厳尊重か、子孫への責任をどこまで重視するか、人間以外の生命やその他自然物の権利をどう考えるか、などに関する価値観の違いからくる多様性。

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