SNW対話in全国複数大学 2022年度概要報告書
日本原子力学会シニアネットワーク連絡会(SNW)世話役 田辺博三
《全国複数大学対話会参加大学》
全国複数大学の学生と対話を実施
全国複数大学対話会は、原子力発電環境整備機構(NUMO)の<選択型学習支援事業>を受託した日本原子力学会学生連絡会が、活動の一環として実施する勉強会、講演会にSNWが協力し、対話会として実施した。
学生連絡会の公募によって6大学から参加した原子力を専攻する学生等9名を対象に実施。対話会は、司会、対話テーマの選定、ファシリテータ(FT)、対話成果とりまとめは学生が実施するという学生主体の形式で行い、シニアは求めに応じて、あるいは必要と判断される場合に、情報提供やコメントを行った。
ファシリテータは、問題点などを整理しながら要領よく進行し、参加学生も活発に意見を出し合うことが出来た。また、対話会の後半はシニアも積極的に参加して、さらに意見交換を充実することが出来た。本形式により一定の成果をあげることができた。
1. 講演と対話会の概要
(1)日時
- 基調講演資料送付:令和4年10月6日(木)
- 事前質疑応答:なし
- 基調講演および対話会:令和4年10月15日(土) 13:00~16:30(オンライン)
(2)場所
- 日本原子力文化財団の協力を得て、オンラインで開催した。
(3)参加者
- 学生連絡会:9名
早稲田大学(M1)(司会)、早稲田大学(D3、M2)、東京工業大学(M2)、東京大学(D2)、東京都市大学(M1、B2)、福井大学(B3)、新潟大学(M1)
- 参加シニア:5名
坪谷隆夫、大野 崇、岡本弘信、湯佐泰久、田辺博三(世話役)
- 一般社団法人日本原子力文化財団
第二事業部 「学習応援事務局」清水敬子様
(4)基調講演
- テーマ
- 「放射性廃棄物の地層処分の現状と今後の見通しについて」
- 講師
- SNW坪谷隆夫
- 講演概要
- 本年度の全国複数大学対話会は、昨年度と同様に原子力機構幌延深地層研究センターの見学に先立つ地層処分に関わる勉強会である。その趣旨に沿うよう基調講演は、DVD「今から始めなきゃ!核のゴミ処分 マジ討論~20代の私たちが考えたこと~」(NUMO制作、出演学生の発言、フィンランドにおけるインタビュー中心に15分程度に短縮)およびそのDVDを補足するためのスライド「高レベル放射性廃棄物対策」(SNW制作、30分)とした。参加者が20代の学生と同世代の若者が出演し、これまでも共感を呼んだ内容のDVDを活用し、グループ対話における意見交換を盛り上げることを試みた。
(5)事前質疑応答
- なし
2.対話会の詳細
(1)開会あいさつ
- 司会者である学生連絡会代表(早稲田大学M1)より、本対話会は日本原子力文化財団とSNWの協力で開催すること、地層処分の理解を目的としたものであり、幌延視察を行わない学生も理解に役立ててほしい旨の挨拶があった。
(2)グループ対話の概要
- グループ対話は、グループ1は5名の学生とシニア2名、グループ2は4名の学生とシニア3名に分かれて行った。
- 以下、各グループ対話の概要である。
- 1)グループ1
テーマ
- 学生より、「地層処分に関する技術(新技術含む)と、その応用や現場での適用に関する議論」が提案され、対話を行った。
- 参加者
- 学生:早大(D3、FT)、東工大(M2)、早大(M1)、東都大(B2)、福井大(B3)
- シニア:湯佐泰久、岡本弘信
- 対話内容
- 以下の認識が共有された。
- まず、今の廃棄物を次の世代に押し付けてはいけない。そのため、今の世代も技術開発を行わなければならない、という世代間倫理を理解した。
- そのため、次世代に負担を残さないために「隔離」という方法をとることになった。地層隔離(処分)は、宇宙放出などの隔離方法とはことなり、土木や鉱山開発などの現有技術で可能なこと、そして、万が一の再取り出しも可能、という特徴がある。
- 超長期の安全性を担保するため、その人工バリア材料も天然材料、もしくはそれに類似する材料とした経緯がある。
- ただし、処分が実施される数十年後に、さらに好ましい新技術が開発されれば、次世代は当然それを選択することになる。
- 2)グループ2
テーマ
- 学生より、「地層処分に関する情報発信をどう工夫すれば市民の理解を得やすくなるか」(副題として「文献調査に応募してくれる自治体がどうやったら増えるか」)、が提案され、対話を行った。
- 参加者
- 学生:東大(D2、FT)、早大(M2)、東京都市大(M1)、新潟大(M1)
- シニア:坪谷隆夫、大野 崇、田辺博三
- 対話内容
- 討議内容と主要な意見を以下に示す。
- 文献調査に応募する自治体が増えるためには
- 首長が決定に踏み切らないのは市民からの反発への懸念では。結局市民の理解(ボトムアップ)が必要では
- 地域振興とセットで考えられるべき
- NUMO対話会の認知度が薄い
- 対話会にインセンティブ(参加に対する報酬)があるべき
- 原子力に対する風向きが変わった。地層処分も同じになるのではないか。行政が重大な問題としてとらえるべき
- 全国民が地層処分受け入れに感謝の心を持つべき。補助金制度は当然
- 地層処分は国の事業という意識が行政側にももっと必要
- ではなぜ現状市民からの要請が期待できないのか
- 文献調査=処分地決定と誤解
- 広報活動の強化。海外の事例にもある戸別訪問も必要
- お金で釣ったという批判は間違い。裁判員制度と同じように意見交換会では参加報酬は出すべき
- 発電所に近い人ほどネガティブ意見は減る。普段から情報に触れ理解が深まっているからではないか
- 地域住民に対し量的アプローチと質的アプローチが必要
(3)講評
- 対話会は、司会、対話テーマの選定、ファシリテータ(FT)、対話成果とりまとめは学生が実施するという学生主体の形式で行い、シニアは求めに応じて、あるいは必要と判断される場合に、情報提供やコメントを行った。
ファシリテータは、問題点などを整理しながら要領よく進行し、参加学生も活発に意見を出し合うことが出来た。また、対話会の後半はシニアも積極的に参加して、さらに意見交換を充実することが出来た。本形式により一定の成果をあげることができた。
(詳細は、参加の学生連絡会とシニアの感想を参照して下さい。)
(4)閉会の挨拶
- 学生連絡会代表より、シニアと日本原子力文化財団の協力に対して、感謝の言葉があ
った。
3.参加の先生とシニアの感想
- 報告書を参照ください
4.学生アンケート結果の概要
- 報告書を参照ください
5.別添資料リスト
(報告書作成:田辺博三 2022年11月10日)