学生とシニアの対話
in九州大学2022概要報告書

1.講演と対話会の概要
(1)日時
- 基調講演:なし
- 対話会:2022年12月14日(水) 13:00~16:20(対面)
(2)場所
- 九州大学伊都キャンパスウエスト2号館931号室
(3)参加者
- 学生
- 九州大学工学科エネルギー科学課エネルギー量子理工学コース:5名(学部4年1名、修士1年3名、修士2年1名)
- シニア
- 4名(金氏顯、古藤健司、山崎智英)
(4)基調講演
- な し
(5)対話会概要
- 対話を活性化するために、「ウクライナ情勢とエネルギー危機、これを受けて原子力の役割」を事前配布し、学生から提出された質問とシニアの回答に沿って対話を行った。
2.対話内容
- ①原子力に関するメディアの報道について
大学に入って原子力を学び始めて知識がある事柄について特に違和がある。マスコミはマイナスのことしか言わない。エネルギー構成に原子力があれば、なぜ原子力があるのだというようなことしか言わない。一般の方に原子力を理解してもらうには、メディアの方に理解していただければならない。
- ②エネルギーの地産地消という、システム自体の大転換はできないの
電気を直流送電で首都圏へ何兆円もかけて送電しようとしている。この状況は地産地消の逆である。
SMRは地産地消には良いのかもしれないが、原子力発電の立地には難しい面がある。コストも厳しいところがあるのではないのか。
- ③原子力発電所の運転期間について
原子力発電所は定期検査を行い、劣化評価を行うとともに交換可能なものについては交換している。このため、安全性への影響は少ない。事業者は申請を行い原子力規制委員会の審査に合格した発電所が運転をすることができるルールとしようとしている。一般の方は原子力の寿命は40年という報道に感化されている。
- ④再処理工場の稼働が何度も延期となっているが、実際に稼働できるのか。
原子力発電所が運転を継続するためには日本原燃の再処理工場が運転開始することがマストであり、このための取り組みをオールジャパン体制で支援している。
- ⑤原子力に未来があるのか。
年末で実行計画ができる予定。原子力政策の転換が図れる予定であり未来がある。
現在のところ、新増設はないが、新規制基準対応工事等が行われており、今であればサプライチェーンも失われていない。新規原子力はないが、新規制基準対応工事があり、今であれば残っている。革新軽水炉を設置することは可能。
3.講 評
実施せず。
4.学生アンケート結果の概要
対話会に参加した学生5名全員からアンケートを回収した。
参加学生は、学部4年1名、修士1年3名、2年1名。
対話内容で得られたこととして、新しい知見が得られたが5名、マスコミと対話会の情報に違いがあったが1名、自分の将来の進路の参考になったが2名。また、カーボンニュートラル政策については、実現した場合にそれまでに払った犠牲が大きくなりそう、火力発電への依存は当面続く、我が国と他国と違い資源のない国であるため世界と歩調を合わせる必要はないとのアンケート結果が得られた。(詳細は別添資料参照)