日本原子力学会2024年春の年会 学生ポスターセッション 発表概要集

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発表番号がハイライトされている発表者は審査発表となります。




3月26日(火) 15:30-17:30の発表者一覧
1-1村松 平蔵静岡大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:核融合 Fusion
タイトル: 酸化ジルコニウム被覆の電気化学特性と重水素透過挙動に与える金イオン照射影響
概要: 核融合炉ブランケットでの適用が検討されている機能性被覆に対して、中性子による照射影響の模擬として金イオン照射を行った後に電気化学インピーダンス測定および重水素透過試験を行い、機能性被覆の諸特性に与える影響を調査した。
キーワード: トリチウム, 透過, 被覆, 照射, 電気特性

1-2祝 梁帆京都大学博士2年(D2)専門:材料 Material
タイトル: 中性子照射下におけるFe内のミクロ構造発達に関する評価
概要: 分子動力学法により計算された20 eV~50 keVのPKAエネルギーの衝突カスケードデータベースを用いて、複数の中性子照射場における点欠陥やカスケードクラスターの生成率の平均値やゆらぎを評価し、そのミクロ構造発達と照射場依存性を調査した。
キーワード: 照射損傷,照射相関,衝突カスケード,照射欠陥,ミクロ構造発達

1-3山本 由理東京都市大学修士1年(M1)専門:核燃料サイクル Nuclear fuel cycle
タイトル: 沈殿形成時におけるマンガン及びコバルトの溶融塩中挙動調査
概要: 使用済み核燃料の乾式再処理法では、浴塩を繰り返し使用するが、最終的には核燃料物質等をわずかに含む使用済み塩が発生する。核物質管理上、この使用済み塩に含まれる核燃料物質は単離回収されることが望ましい。沈殿法と蒸留法にて核燃料物質を回収する手法を提案している。本研究では、原子炉構造材等の放射化物であるマンガン及びコバルトの、提案している手法中での挙動に関して検討を行った。
キーワード: 溶融塩,沈殿,マンガン,コバルト,XAFS

1-4北藤 健太郎九州大学修士1年(M1)専門:核データ Nuclear data
タイトル: Siにおける負ミューオン原子核捕獲反応によって放出される軽荷電粒子のエネルギースペクトル測定
概要: 宇宙線負ミューオン起因ソフトエラー発生確率の高精度な推定には、負ミューオン原子核捕獲反応で放出される軽荷電粒子のエネルギースペクトルが必要である。そのため、英国Rutherford Appleton Laboratory においてSi における負ミューオン原子核捕獲反応によって放出される軽荷電粒子のエネルギースペクトルの測定実験を実施した。本発表では、実験の概要と結果について発表を行う。
キーワード: ミューオン原子核捕獲反応, ソフトエラー, 軽荷電粒子, エネルギースペクトル

1-5ZHOU WENThe university of Tokyo博士2年(D2)専門:熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: Physics-Informed Neural Networks for Two-Phase Flow Simulations: An Integrated Approach with Advanced Interface Tracking Methods
概要: This study aims to develop a robust and generic physics-informed neural networks (PINNs) for two phase flows by incorporating the Navier-Stokes equations and three advanced interface tracking methods—specifically, the Volume of Fluid (VOF), Level Set (LS), and Phase-Field (PF)—into an improved PINNs framework. The case of single rising bubble in two-phase flows is simulated to validate the accuracy of the improved PINNs. The accuracy of the simulations is compared with the velocity, pressure, and phase field against CFD solutions. The results indicate that the improved PINNs coupled with these interface tracking methods offers a satisfactory consistency in simulating rising bubble.
キーワード: physics-informed neural networks, Navier-Stokes equations, interface tracking methods, two-phase flow

1-6山崎 友資東京大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:核融合 Fusion
タイトル: 核融合原型炉のDD反応による起動時の電力収支について
概要: トカマク型核融合原型炉の重要課題として、希少資源であるトリチウム(T)の初期装荷確保がある。その打開策として、重水素(D)のみによる DD 反応によってTを生成しながら起動する運転(DD スタートアップ)がある。DDスタートアップの欠点として、DD反応の燃焼率の低さによりDT定常までに数ヶ月を要する。本研究では、DDスタートアップにおける発電量およびプラズマ電流駆動と BOP に必要な電力の時間変化をシステムダイナミクスによって解析した。
キーワード: 核融合原型炉, DDスタートアップ, プラズマ電流駆動, 燃料循環, 電力収支

1-7岩原 聖樹東北大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:廃炉 Decommissioning
タイトル: U3O8-Fe2O3系共晶反応に対する酸素濃度の影響
概要: 福島第一原子力発電所においてU-Fe-O系粒子の存在が確認されているが、U-Fe-O系高温反応の基礎研究データは限られている。今後行われる燃料デブリの取り出しや分析、保管、処分に当たり、U-Fe-O系の相関係の理解が重要である。そこで本研究では、U3O8 とFe2O3の混合物のTG-DTAを行い、U3O8-Fe2O3擬二元系で起こる反応について検討した。
キーワード: U3O8-Fe2O3系, 共晶, TG-DTA, 燃料デブリ

1-8吉田 旭静岡大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:核融合 Fusion
タイトル: タングステンの水素同位体滞留挙動へ及ぼすガンマ線照射効果の解明
概要: 核融合炉プラズマ対向壁の材料として研究されているタングステンでは、高エネルギー中性子の照射による欠陥生成に伴う水素同位体滞留量の増加が懸念されている。一方、核融合炉は高線量のガンマ線照射環境でもあるが、水素同位体滞留に対するガンマ線の影響はほとんど調べられていない。そこで本発表では、水素同位体を滞留させたタングステンにガンマ線照射を行い、滞留した水素同位体を測定することで、水素同位体滞留挙動に対するガンマ線照射効果を調べた結果について報告する。
キーワード: トリチウム, タングステン, 滞留, 照射, ガンマ線

1-9吉川 将志東京都市大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:核燃料サイクル Nuclear fuel cycle
タイトル: ウラン回収を目的とした硝酸処理済ドライイーストによるジルコニウム(Ⅳ)吸着機構の解明
概要: ドライイーストに吸着したUを回収する場合、元来含まれるNaが問題となる。本研究では、硝酸によってNaの除去処理を施したドライイースト使用して硝酸溶液中のZr(U模擬物質)の吸着率・吸着機構を評価した。硝酸処理によりNaは除去できたが、ドライイーストの構造に変化が生じZr吸着率が低下した。
キーワード: ウラン廃液, 吸着, ジルコニウム, ドライイースト, EXAFS
1-10河野 紀一筑波大学修士2年(M2)専門:熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: プールスクラビングにおける単一気泡に含まれる エアロゾルが上昇挙動と形状変化におよぼす影響
概要: シビアアクシデントの対策のため,解析コード(SAコード)が提案されている.SA解析コードでは単一気泡の形状変化と上昇挙動を示すアスペクト比や上昇速度から物質輸送係数を決定するが,実験相関式による推定とされ濃度マランゴニ効果による影響がコードに考慮されない.本研究では単一気泡の形状変化と上昇挙動におよぼすエアロゾルの影響を調査することを目的とし,数値解析に実験の形状変化を適用させ物質輸送係数を計測した.
キーワード: 形状変化, アスペクト比, 内部速度, 除染係数, 物質輸送係数

1-11柾木 直人筑波大学博士1年(D1)専門:熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: 浅水プール内に落下する液体ジェットの液滴生成と界面不安定の関係
概要: 原子力発電所のシビアアクシデントでは、溶融燃料が冷却材プールへ落下した際に液液系のジェットが形成され、液滴が生成される。ジェット挙動は溶解燃料ジェットの冷却性を評価する上で重要である。また、これらの挙動は界面の不安定化に起因し、ジェット周囲の流れの乱れによる影響を受けると考えられる。本発表では、ジェットおよび液滴に対する周囲流の乱れに伴う界面不安定化の関係の解明のため、流れを乱したプールにジェットを落下させた模擬液液系実験を行った。
キーワード: シビアクシデント, 浅水プール, 液体ジェット, 不安定

1-12増田 健太郎九州大学修士2年(M2)専門:核融合 Fusion
タイトル: タングステン堆積層形成時の水素透過測定とモデル化
概要: 核融合炉炉心プラズマに面するプラズマ対向壁において、壁材料であるタングステン(W)のスパッタにより再堆積層の形成が想定される。また、燃料ロスや安全性の観点から水素透過量の把握は重要であるため、本研究ではタングステン堆積層形成時の水素透過測定を行った。透過フラックスはピークを示した後定常に達した。ピーク挙動は数値計算により、Wの堆積による表面の水素再結合係数の低下が原因であると示唆された。
キーワード: 水素透過, タングステン, 再堆積層

1-13佐藤 衣吹北海道大学修士1年(M1)専門:核融合 Fusion
タイトル: 半導体光電極を用いた高純度な重水製造
概要: 近年新たな発電システムとして注目が集まっている核融合反応には、水素同位体である重水素(D)や三重水素(T)が用いられる。この反応には、高純度なD-T燃料が必要となるが、同位体同士は化学的性質が非常に似ているため、個々の同位体を分離・濃縮することは非常に困難である。今まで、我々は固体高分子形水電解(PEMWE)を使って重水素分離を研究してきた。今回はP型半導体であるInP光電極に着目し、高効率な重水製造を目指した。
キーワード: 水素同位体, 光電極, 水電解, 水素発生

1-14王 抱朴京都大学博士1年(D1)専門:材料 Material
タイトル: 第一原理計算に基づく原子力用SiC材料のモデリング
概要: SiC材料は多くの点で優れた性能を持っているため、核分裂や核融合炉への応用が期待されている。照射はSiCの微細構造に影響を与え、さらにその性能に影響を与える可能性がある。分子動力学シミュレーションを用いて材料の照射損傷挙動を解明することができる。それで、本研究はシミュレーションモデルを構築するために、第一原理計算方法を用いてSiCの原子間ポテンシャルエネルギーなどのパラメータを計算した。
キーワード: SiC材料, 照射損傷, 第一原理計算, 材料モデリング

1-15松本 あずさ富山大学博士1年(D1)専門:核融合 Fusion
タイトル: 高温高圧水/水蒸気雰囲気下におけるインコネル600の酸化挙動がトリチウム透過に及ぼす影響
概要: 核融合炉からのトリチウム(T)放出を最小化するためには,燃料であり水素の放射性同位体であるTが蒸気発生器配管中を一次側から二次側へ透過することを抑制する必要がある.そこで本研究では配管材料候補であるインコネル600を介した高温高圧水/水蒸気雰囲気下でのT透過挙動を調べている.これまでにH2ガスやO2ガスを添加すると透過速度が大きく変化することを見出した.今回はその原因を調べるため,添加ガスが酸化膜厚に与える影響を調べた結果を報告する.
キーワード: トリチウム,透過,酸化膜

1-16新美 秋桜名古屋大学修士1年(M1)専門:加速器・ビーム Particle accelerator and Beam Science
タイトル: 伴侶動物へのBNCT適用のための基礎的研究
概要:  伴侶動物へのBNCT適用に向けて、本研究ではイヌ皮膚悪性黒色腫に対するBNCTの効果を確認した。イヌ皮膚悪性黒色腫細胞に対してBNCTをおこなったところ、細胞の生存率は有意に低下した。
キーワード: ホウ素中性子捕捉療法, 加速器, 放射線影響

1-17福田 耕太郎富山大学修士1年(M1)専門:核融合 Fusion
タイトル: タングステンからのHeの放出速度に及ぼすモリブデンの影響
概要: DT核融合で生じるHeがプラズマ対向材料であるWに入射するとバブルが形成され、材料寿命が短くなる。一方で、Moを添加するとW中のHeの拡散係数が桁違いに低下するという計算結果が報告されている(Samin, J. Appl. Phys. 2020)。この結果は、合金化によりHe挙動を制御できる可能性を示唆しているが、実験的確証は得られていない。そこで本研究では、Heプラズマに曝露したWおよびW-Mo合金からの室温でのHe放出速度を調べた。Mo添加により放出速度が桁違いに変化することはなかった。
キーワード: タングステン, モリブデン, ヘリウム, 拡散

1-18加藤 賢一大阪大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:炉物理 Reactor physics
タイトル: 原子炉を用いたIn-115(n,γ)反応による核医学検査及び治療用Sn-117mの生成検討
概要: 核医学検査及び治療とは、RI(放射性同位体)を用いた医薬品を体内に投与し、疾病の検査及び治療を行う医療法である。この医療用RIとしてSn-117mは、骨がんや骨転移がんの検査及び治療に使用できることが分かっている。このRIの原子炉を用いた製造に関する先行研究では、非常に高価な濃縮Sn金属をターゲットに使用していた。そこで比較的安価に手に入る天然In金属に注目し、In-115(n,γ)反応を用いて効率良くSn-117mを生成できないか検討した。
キーワード: 医療用RI, Sn-117m, In

1-19遠藤 永也大阪大学修士2年(M2)専門:炉物理 Reactor physics
タイトル: MA核変換型高速炉におけるUTOPを考慮した設計範囲の検討
概要: 発電時に発生するマイナーアクチノイド(MA)を、高速炉を用いて核変換する検討が行われている。炉心安全性を考えると、Naボイド反応度が負になる事とUTOP時の燃料健全性が担保できる事が望まれる。そこで、本検討では、Naボイド反応度が負になる事とUTOP時の燃料健全性が担保できる事を条件として、MA核変換高速炉の設計範囲について検討を行った。
キーワード: UTOP, 高速炉, マイナーアクチノイド

1-20織田 大暉岡山大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:廃棄物 Waste Managament
タイトル: TRU廃棄物に含まれるNaNO3の溶出を考慮した水溶液に対する蒸気圧測定による水の活量の測定
概要: 原子力発電で発生した使用済燃料の再処理工程にて発生するTRU廃棄物の一部には,大量の硝酸塩が含まれており,地中に処分後に地下水と接触すると,硝酸塩(NaNO3)の溶出が懸念される.硝酸塩を含む地下水は,放射性廃棄物の周囲に設置される人工バリアへ影響を及ぼすと考えられる.本研究では,NaNO3が地下水に溶出した場合について,熱力学モデルに基づいて,ベントナイトの膨潤応力に及ぼす濃度と温度の影響を評価するための基礎データを測定した.
キーワード: 放射性廃棄物処分,TRU廃棄物,ベントナイト,熱力学データ

1-21上坂 昌生長岡技術科学大学博士3年(D3)専門:発電 Reactor operation
タイトル: 洋上浮体原子力発電所の開発
概要: 次世代炉開発の一つとして産業界で研究開発を行っている浮体原子炉について、沸騰水型原子炉(BWR)をターゲットとして開発を進めている。基本構造はマサチューセッツ工科大学で先行研究として実施されたものだがBWRを海洋設備に設置する事例は世界でまだ無い。また約30km沖合に設置することで災害時の住民避難を不要とすることを検討しているがこれによる課題・検討状況についても特徴的な面であり現状の研究課題などについてまとめる。
キーワード: SMR, Advanced Reactor, FLNP, BWR Vibration of Void

1-22Alessio RossiTokyo Institute of Technology修士2年(M2)専門:加速器・ビーム Particle accelerator and Beam Science
タイトル: Development of a Fast Neutron Source Based on the 12-C(d,n)13-N Nuclear Reaction
概要: This work investigates the development of a neutron source with energies between 0.5 MeV and 1.5 MeV exploiting the 12C(d,n)13N nuclear reaction. The latter is induced in a graphite target by a deuteron beam provided by the Pelletron accelerator at the Tokyo Institute of Technology. The study has focused on the calculation routine focused on MCNP..
キーワード: Neutron Source, Nuclear Data Measurement

※発表番号1-23は発表取り消しとなりました。


1-24市川 航輔岡山大学修士2年(M2)専門:地層処分 Waste disposal
タイトル: Ca型モンモリロナイト中の水に関する熱力学データの測定(その2)
概要: 放射性廃棄物の地層処分における人工バリア要素の一つである緩衝材(圧縮ベントナイト)は,周囲の岩盤からの地下水浸透により膨潤応力が発生する.Ca型モンモリロナイトの力学的データおよび熱力学データは,先行研究でもほとんど得られていない.本研究では,相対湿度(RH)と温度を測定することにより,Ca型モンモリロナイトの熱力学データを取得した.実験結果から水の活量と相対部分モルGibbsの自由エネルギーを求め,熱力学モデルを用いてベントナイトの膨潤応力を算出し,実測データと解析データと比較した.
キーワード: 放射性廃棄物処分,緩衝材,Ca型モンモリロナイト,熱力学データ,膨潤応力

1-25PRATEEPKAEW JAKKRIT京都大学博士1年(D1)専門:放射線工学 Radiation engineering
タイトル: ホウ素中性子捕捉療法のための液体減速材の組み合わせの選択法に基づく複層中性子スペクトロメータの実現可能性の検討
概要: ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)用照射場において、中性子エネルギースペクトルの正確な評価結果が重要な情報である。本研究では、正確に評価できる液体減速材の組み合わせの選択法に基づく複層中性子スペクトロメータの最適化検討を行った。最適化検討に基づき、中性子スペクトロメータを試作し、京都大学研究炉のBNCT照射場で有効性を確認した。
キーワード: ホウ素中性子捕捉療法, BNCT, スペクトロメータ, 放射線計測, アンフォールディング

1-26向原 悠太東京工業大学博士1年(D1)専門:核データ Nuclear data
タイトル: 反対称化分子動力学による重イオン反応計算における平均場模型依存性の考察
概要: これまでの我々の計算で、反対称化分子動力学(AMD)模型を用いて計算した12Cを入射粒子とする二重微分断面積に大きな平均場模型(有効相互作用)依存性があることが分かってきた。本研究では、平均場模型毎に複数の初期配位を作成し、それらを用いる計算を行い結果の初期配位への依存性(分散)、さらにはそれらの平均値を比較し、確率的に作成される初期配位が計算結果に与える影響を調べ、AMD計算値の平均場模型依存性の原因を考察した。
キーワード: 反対称化分子動力学, 粒子生成, 平均場, 2 核子衝突, 核データ

1-27五月女 優光東海大学修士1年(M1)専門:核燃料 Nuclear fuel
タイトル: 燃料ふるまい解析コードによる温度計算の不確かさの定量化
概要: 軽水炉燃料ふるまい解析では、燃料棒の内圧(IP)、FPガス放出率(FGR)、ペレット-被覆管相互作用(PCI)などを計算するが、その際に燃料ペレット温度を正確に計算する必要がある。本研究では、燃料ふるまい解析コードFEMAXI-8とノルウェー ハルデン実験炉(HBWR)の実験値を用いて、熱伝導率の誤差などもとに、燃料温度計算の不確かさを定量化した。
キーワード: 燃料ふるまい, FEMAXI-8, ハルデン実験炉, 熱伝導率

1-28藤倉 洪治東北大学修士1年(M1)専門:炉物理 Reactor physics
タイトル: 多様な放射性核種の核変換のためのフッ化物溶融塩炉の炉心核設計
概要: 溶融塩炉では、運転中の燃料処理や組成調整が可能であることを活かしたマイナーアクチノイド(MA)の核変換の検討は複数行われている。本研究では、発熱性核種(Sr-90、Cs-137)を含む核分裂生成物(FP)の核変換も可能なフッ化物溶融塩炉の炉心核設計を行い、臨界性と核変換性能を数値解析により評価した。
キーワード: 溶融塩炉, 核変換, 炉心核設計

1-29今谷 俊貴東京大学博士2年(D2)専門:熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: DEM-CFD 法における伝熱の数値解析手法の開発
概要: 伝熱を伴う固気二相流は、様々な工学分野で研究されている。固気二相流のシミュレーションでは、DEM-CFD法 が広く用いられている。DEM-CFD法では、一般的に、弾性力の評価においてソフトスプリングが使われている。ソフトスプリングを用いたDEM-CFD法を伝熱問題に応用するには致命的な問題がある。これは、粒子間伝熱がバネ定数に依存するためである。そこで、本研究は、DEM-CFD法において既存の伝熱モデルの問題を解決するための計算モデルを新たに開発することを目的とする。
キーワード: DEM-CFD, 伝熱モデル, 混相流

1-30鈴木 大河東京工業大学学士3年 高専専攻科1年(B3)専門:核燃料サイクル Nuclear fuel cycle
タイトル: 将来の核燃料サイクル検討のための日本モデルの構築
概要: わが国ではGXの実現に向けて革新炉の導入、核燃料サイクルの推進などが計画されている。将来の革新炉の導入や核燃料サイクルの運用にあたっては発電量・廃棄物量などを制御するためのシナリオ研究が必須となる。本研究ではその前段階として、現在日本に存在する原子炉の過去の運転状況を調査し様々なシナリオの諸量評価に必要なモデルの構築を実施している。本発表では構築したモデルの詳細に加えて、その精度について議論する。
キーワード: 核燃料サイクル, 諸量評価モデル, グリーントランスフォーメーション

1-31譚 欣長岡技術科学大学博士3年(D3)専門:原子炉安全 Safety
タイトル: セシウム水酸化物と金属酸化物の化学反応
概要: In this study, we investigated the chemical reactions occurring between cesium hydroxide (CsOH) and oxides of iron and chromium (Fe₃O₄, Cr₂O₃) within a temperature range of 573K to 773K, under Ar stream. This study demonstrated that CsFeO₂ and Cs₂Cr2O₇ are the main products in this temperature range.
キーワード: セシウム, 金属酸化物, 化学反応


3月27日(水) 16:00-18:00の発表者一覧
2-1藤原 悠大阪大学博士1年(D1)専門:放射線工学 Radiation engineering
タイトル: Development of A Spectrometer for Measurement of Epi-thermal Neutron Spectrum Using Position-Sensitive Proportional Counter -Simulation Study-
概要: ホウ素中性子捕捉療法の治療計画を作成するためには,線質係数のような治療効果推定に寄与する中性子のエネルギー分布の測定が必要である.しかし,ボナー球やアジャストメント方式のような従来の手法では一度での測定が困難,初期値の議論など課題が残る.本発表では,位置敏感型比例計数管を用いて一度で広範囲のエネルギースペクトルを測定し,ベイズ推定の応用によって初期値によらず精度の高い推定を行う手法を紹介する.
キーワード:  Boron Neutron Capture Therapy, Neutron Detection, Spectrum Unfolding, Bayesian Estimation, Monte Carlo Simulation

2-2伊藤 鉄馬静岡大学修士1年(M1)専門:材料 Material
タイトル: 機能性セラミックス被覆への炭化物ナノ粒子添加・分散手法の検討
概要: 核融合炉ブランケットにおけるトリチウムの透過漏洩を抑制するために、構造材料に機能性被覆を施す研究が進展し、これまでセラミックスを用いた被覆によって高い水素同位体透過低減性能やトリチウム増殖材との共存性が示されてきた。一方、ブランケットでの長時間の運転において、被覆は熱サイクル、照射、および腐食により亀裂等が発生し、諸性能が劣化する可能性がある。そこで本研究では、機能性セラミックス被覆の長寿命化をねらいとして、わずかな亀裂等の発生時に化学変化を起こすことで膨張し、亀裂等を塞ぐナノ粒子の添加・分散手法について検討した。
キーワード: トリチウム, 透過, 被覆, ナノ粒子, 自己修復

2-3大宮 馨東京工業大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:核融合 Fusion
タイトル: 重水素を燃料とするレーザー核融合炉の燃料増殖シナリオに関する研究
概要: 核融合炉の燃料である三重水素資源量は極めて限定的である.レーザー核融合炉は十分なブラケットスペースを有し,高い三重水素増殖性能を発揮する.重水素(D)を燃料とする運転により,三重水素(T)を生産しながら燃料として使用し,D-T反応による定常運転に至るシナリオとその経済性をシステムダイナミクスシミュレーションにより明らかにした.
キーワード: レーザー核融合炉, トリチウム増殖, システムダイナミクス

2-4星野 柚香静岡大学修士1年(M1)専門:核融合 Fusion
タイトル: タングステンーレニウム合金におけるHD混合プラズマ駆動透過挙動に及ぼす中性子照射欠陥影響
概要:  核融合炉では重水素とトリチウムによる核融合反応からエネルギーを得る。プラズマ対向材の候補であるWは核融合炉稼働中に高エネルギー粒子や中性子から熱負荷や照射損傷を受ける。またWの一部は核融合反応から生じた中性子との核反応によりレニウム(Re)に核変換する。そのため同環境下での水素同位体透過挙動を評価するためにはW-Re合金における水素同位体透過挙動を評価することが必要である。本研究では線形RFプラズマ駆動透過装置を用いてW-Re試料に対しHD混合プラズマ照射を行い、水素同位体透過挙動を評価した。
キーワード: タングステン, レニウム, プラズマ照射

2-5HumamTokyo Institute of Technology修士1年(M1)専門:核融合 Fusion
タイトル: Study on Electromigration Behavior in High-Temperature Liquid Metal Pool
概要: Electromigration is a current-driven mass transfer phenomenon The corrosion test of 304 austenitic steel was performed in liquid Pb pool under electrical current flow. The dissolution corrosion of 304 in the anode side was shown to be promoted because the dissolved elements were driven out from the anode to the cathode in response to the electromigration of Pb atoms.
キーワード: Liquid metal, Electromigration, Corrosion, Dissolution, Impurity

2-6早川 歩静岡大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:核融合 Fusion
タイトル: タングステンーレニウム合金における照射欠陥生成と水素同位体滞留挙動に及ぼす中性子照射影響
概要: 核融合炉では、プラズマ対向材候補としてタングステン(W)が挙げられている。しかし、Wには炉運転時に中性子などの高エネルギー粒子が照射され、照射欠陥が導入される。さらに、Wは中性子との核反応により一部がレニウム(Re)に核変換する。本研究では、中性子照射により照射欠陥を導入したWおよびW-Re合金に対して、陽電子消滅寿命測定法および重水素イオン照射後の昇温脱離法により、照射欠陥生成・消滅と重水素滞留挙動に及ぼす中性子照射影響を評価した。
キーワード: タングステンーレニウム, 中性子照射, 水素同位体挙動

2-7田代 梨々花東京工業大学修士1年(M1)専門:再処理 Reprocessing
タイトル: PUREX-NUMAPハイブリッド再処理における有機相からのU(VI)沈殿回収
概要: 再処理工程における操作数の削減と Pu 単離の原理的回避を目的として現行の再処理技術である PUREX 法と 次世代再処理技術の一つである核燃料物質選択的沈殿法(NUMAP 法)の融合を試みた。TBP を用いて硝酸溶 液から U(VI)を抽出した n-ドデカン相に対して架橋ピロリドン沈殿剤(DHNRP)を添加し、超音波を照射した。 その結果、[UO2(NO3)2(DHNRP)]n という組成を持つ黄色沈殿を高収率で得ることに成功した。
キーワード: 使用済み核燃料再処理, ウラン回収, 硝酸ウラニル錯体, PUREX, NUMAP

2-8遠藤 未郷岡山大学修士1年(M1)専門:地層処分 Waste disposal
タイトル: ベントナイトの膨潤応力に関する熱力学的研究:変質を考慮したK型モンモリロナイト層間水の熱力学データの取得
概要: 本研究では, 緩衝材の研究として, モンモリロナイト層間中の陽イオンを全てK^+イオンに置換したK型モンモリロナイト試料を作製し, 相対湿度法により, 層間水の熱力学データについて含水比をパラメータに取得すると共に, 熱力学モデルにより膨潤応力を解析し, これまでの実測データと比較検討した. K型モンモリロナイトの場合, モンモリロナイト部分密度で1.9Mg/m^3以上の領域で膨潤応力が発生することが分かった.
キーワード: 膨潤応力, K型モンモリロナイト, 熱力学データ, 層間水, 相対湿度法

2-9小林 蓮東海大学修士1年(M1)専門:熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: 炉心崩壊事故時における炉心溶融物質の再配置挙動 -ナトリウムプールでの微粒化・冷却挙動解析-
概要: ナトリウム冷却高速炉の炉心崩壊事故時における炉心溶融物質の冷却挙動の解明を目的とした試験を対象にしてFluentとSIMMER-Ⅲによる解析を実施した。SIMMER-Ⅲでは2次元体系を用いて解析を行い、試験と同様な流況及び温度挙動が確認された。一方、Fluentでは3次元の体系で解析を実施し、その詳細な流況とともに、全般的な温度挙動が確認された。
キーワード: 高速炉, 炉心崩壊事故, SIMMER-Ⅲ, Fluent


2-10遠藤 和紀東海大学修士1年(M1)専門:熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: ナトリウム冷却高速炉の自由液面からのガス巻込み評価手法に関する解析
概要: ナトリウム冷却高速炉の主循環系へカバーガスが連行されることを想定した場合、気泡が炉心を通過する際に、反応度の擾乱を発生する懸念がある。従来、静的な伸長渦理論に基づく判定方法が構築されてきたが、広い自由液面上を移動するくぼみ渦によるガス巻込みをやや過剰に予測することが知られており、基礎的なデータの蓄積を進めている。本研究は、自由液面上を移動しながら成長するガスコアのタイプ及び発生数についての解析結果を報告する。
キーワード: ナトリウム冷却高速炉, 熱流動, ガス巻き込み現象
2-11狐塚 透吾東京都市大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:原子炉安全 Safety
タイトル: 配管支持構造物の弾塑性復元力特性に対する解析条件の影響評価
概要: 弾性解析に基づく現行の配管系の耐震設計に対し、弾塑性解析に基づく耐震設計手法の開発が進められている。本研究では配管支持構造物の弾塑性評価取り入れに向け、配管支持構造物の弾塑性有限要素法(FEM)解析を行い、復元力特性をひずみ履歴の評価を行った。また、材料特性の設定が復元力特性、ひずみ履歴に与える影響を調査した。
キーワード: 配管支持構造物、弾塑性解析、復元力特性

2-12田中 舞東北大学修士2年(M2)専門:再処理 Reprocessing
タイトル: 硫黄含有アミド型吸着材を用いた白金族元素およびオキソ酸イオンの吸着分離特性
概要: 高レベル放射性廃液中に含まれている白金族元素(Ru, Rh, Pd)及びオキソ酸イオン(molybdate, 等)は、ガラス固化の操作性を阻害することが知られている。また、それらは希少元素の有効利用の観点から分離回収技術の開発が望まれている。本研究では、高レベル放射性廃液に含まれる白金族元素及びオキソ酸イオンの分離プロセスの開発を目指し、硫黄含有ジアミド型抽出剤であるCrea(N,N’-dimethyl-N,N’-di-n-hexyl-thiodiglycolamide)を含浸担持させた吸着材を調製し、その基礎的な吸着特性やγ線照射による耐放射線性や耐硝酸性といった特性評価、吸着挙動の解明に向けた分析等を行った。
キーワード: 高レベル放射性廃液, 含浸吸着材, 吸着

2-13高野 優東京都市大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:リスク Risk
タイトル: AIを用いた地震後の各種機器損傷判定における定量的推定の検討
概要: 地震により原子炉が停止した後、再稼働を円滑に行うためには、地震後に各種機器の損傷判定を迅速に行えるか否かが重要な鍵になると考えられる。1自由度系の機器構造特性の荷重―変位関係と地震動の加速度と変位の応答スペクトルを図に重ねて描いたものを転移学習し、損傷判定を行った。結果は92.5%の精度であったが、損傷度を定量的に示すことが課題であった。本研究では、転移学習による損傷判定の結果からFNNを用い、地震応答の定量的推定を検討する。
キーワード: 損傷判定, 非線形地震応答解析, 転移学習, FNN

2-14三浦 剣士郎静岡大学修士1年(M1)専門:核融合 Fusion
タイトル: Kの添加がWの重水素滞留挙動と照射欠陥に与える影響
概要: Wにカリウム(K)を添加したW-Kは欠陥によるWの脆化を抑制する効果が報告されているが、照射環境下での水素滞留・透過挙動は未だ十分に理解されていない。本研究では、室温で鉄イオン照射によって欠陥を導入したWおよびW-Kに対して重水素イオン照射、昇温脱離法を行い、Kの添加が重水素滞留挙動に及ぼす影響を評価した。W-KはWと同じ傾向のTDSスペクトルを示し、特に高温側で大きな重水素脱離が見られた。
キーワード: タングステン, カリウム, 照射欠陥, 重水素滞留挙動

2-15堀川 虎之介東京工業大学修士2年(M2)専門:社会・環境 Social・Environment
タイトル: 液体金属技術を応用した海水淡水化ブラインからの有価資源回収法に関する研究
概要: 海水淡水化は、世界中で深刻化する水不足の課題を解決する方法として注目されている。また、海水資源の回収は不足する鉱物資源の安定供給に資する。そこで、原子炉や核融合炉の冷媒として応用される液体金属技術を用いた海水淡水化と海水資源の回収法に関する研究を実施した。100 mLの海水淡水化ブラインを573 Kの液体錫表面に噴霧し、ブライン暴露後の液体錫を徐冷することで有価資源を含有する生成物を回収した。
キーワード: 液体金属技術,海水淡水化,有価資源回収,ブライン

2-16小林 亮斗東京都市大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:リスク Risk
タイトル: 地震リスク評価のためのAI代理モデルの開発
概要: 地震PRAでは、損傷相関を考慮した評価が不可欠である。しかし、損傷相関を考慮したリスク評価では和積の公式は使用できない。そのため地震リスク評価においてはモンテカルロシミュレーションが不可欠となるが、多数回のモンテカルロシミュレーションを実施することは多大な労力と時間を要するため、評価を行う上での課題であった。本梗概では、計算コストの軽減を目的にAIベースの代理モデルを開発し、その適用性と有効性について検討を行った結果について報告する。
キーワード: 代理モデル, 損傷相関, 地震リスク評価, モンテカルロシミュレーション

2-17東 知希東京工業大学修士2年(M2)専門:核不拡散・保障措置・セキュリティ Nuclear nonproliferation, safeguards, nuclear security
タイトル: 高い核不拡散性および資源有効利用性を有する回収ウランケイ化物燃料を用いた沸騰水型軽水炉の研究
概要: 本研究では、事故耐性燃料の一つであるウランケイ化物燃料に再濃縮RepU(ERU: Enriched RepU)を用いることによる沸騰水型軽水炉の安全性・核不拡散性および資源有効利用性を明らかにすること、および濃縮施設における核拡散抵抗性への影響を明らかにすることを目的とした。
キーワード: 核不拡散, 核セキュリティ, 事故耐性燃料, ケイ化物燃料, 回収ウラン

2-18中原 滉基東京都市大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:廃棄物 Waste Managament
タイトル: 水処理二次廃棄物の水蒸気共存下熱分析及び核種移行挙動の評価
概要: 福島第一原子力発電所より発生する水処理二次廃棄物に対し、その構成成分等をもとに各雰囲気下(Ar,水蒸気)における熱分解処理時の基礎的な分解挙動と核種の移行挙動を推定した。
キーワード: 中間処理技術, 水蒸気共存, ガス分析, 広域X線吸収微細構造, セシウム(Cs), ストロンチウム(Sr)

2-19井上 週東京工業大学専門:核不拡散・保障措置・セキュリティ Nuclear nonproliferation, safeguards, nuclear security
タイトル: 超高速衝突による鉄筋コンクリート構造物の損傷機構の解明と核物質防護システム性能への影響
概要: 本研究では、衝撃解析ソフトを用いて衝突位置や配筋状態の異なる複数の条件下での超高速衝突を再現し、鉄筋コンクリートの損傷メカニズムを解明した。また、核セキュリティ上の新たな脅威に対する堅牢な構造を検討し、核物質防護システム性能及び構造物の安全性への影響を明らかにした。
キーワード: 超高速衝突, 鉄筋コンクリート構造物, 核物質防護

2-20XU RuicongThe University of Tokyo博士3年(D3)専門:核不拡散・保障措置・セキュリティ Nuclear nonproliferation, safeguards, nuclear security
タイトル: Research on Radioactive Aerosol Control and Decontamination at Fukushima Daiichi Nuclear Power Station Decommissioning (3) Development of the electro-scavenging technique using multi-scale charged spray droplets
概要: To improve the aerosol scavenging efficiency during the Fukushima Daiichi (1F) decommissioning, experiments are performed in the UTARTS facility with several electrostatically-charged spray systems to charge the droplets for accelerating aerosol removal via electrical force. Results indicate that increased voltage improves removal efficiency, though benefits diminish at higher voltages. These findings are useful in optimizing spray system for 1F decommissioning.
キーワード: Aerosol removal, Spray scavenging, Droplet charging, Fukushima Daiichi decommissioning

2-21大野 健士東京工業大学修士2年(M2)専門:核融合 Fusion
タイトル: 液体金属環境下において応力負荷が化学的共存性に与える影響に関する研究
概要: 液体金属LiPbやSnは, 核融合炉の液体燃料増殖材や液体ダイバータの冷却材として期待されているが化学的共存性が課題となっている.本研究では, 直径35 mmの316Lオーステナイト鋼(Fe-18Cr-12Ni-2Mo)製のCリング試験片を用いて応力を負荷した状態で液体金属LiPbとSnに浸漬し, 構造材料への応力負荷が化学的共存性に与える影響を調べた.
キーワード: 316Lオーステナイト鋼,リチウム鉛,錫,応力下腐食

2-22Yoshiki KitamuraTokyo Institute of Technology博士1年(D1)専門:核融合 Fusion
タイトル: Adhesion of α-Al2O3 layer formed on ODS FeCrAl alloys after exposure to liquid metals
概要: The adhesion of α-Al2O3 layer on FeCrAl alloys after the exposure to liquid metals Sn and LiPb was investigated by means of a micro-scratch test. The shearing stress required for the layer exfoliation after the exposure to liquid Sn was similar to that before the exposure. The layer adhesion after the exposure to liquid LiPb was degraded possibly due to the Li diffusion through the grain boundaries into the interface between the layer and the substrate.
キーワード: Liquid blanket, Liquid divertor, FeCrAl alloy, α-Al2O3 layer, Layer adhesion

2-23武藤 龍平東京工業大学修士2年(M2)専門:核融合 Fusion
タイトル: FeCrAl合金製円管内の異常酸化現象が与える液体LiPbブランケットMHD流れへの影響
概要: 磁場閉じ込め型核融合炉の液体LiPbブランケットでは、磁場下におけるMHD圧力損失の発生が課題となっている。FeCrAl合金が1273 K以上の大気下で形成するα-Al2O3被膜を絶縁被覆として機能させることによりMHD圧力損失を十分に低減できることが分かってきた。しかし, 本研究において, ワイヤー放電カット加工を施したFeCrAl合金円管の内壁には, α-Al2O3被膜に加え局所的に鉄やクロム等の酸化物が形成される異常酸化現象が生じる事がわかった. STEM分析等により異常酸化現象を調べた.この異常酸化現象がMHD圧力損失低減機能に及ぼす影響を明らかにし, その改善方法について検討した.
キーワード: 核融合炉, 液体金属ブランケット, FeCrAl合金, α-Al2O3被膜, MHD圧力損失

2-24奥村 真郷静岡大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:核融合 Fusion
タイトル: タングステン-タンタル合金における水素同位体滞留挙動に及ぼす損傷効果
概要: 核融合炉の運転中において、プラズマ対向材候補であるWにおける重水素(D)や三重水素(T)などの高エネルギーの荷電粒子や中性子による照射効果の解明と高熱負荷への耐性が課題である。本実験では、優れた再結晶挙動や強度をもつ先進プラズマ対向材として粉末冶金・熱間圧延によって作成したW-Ta合金試料を使用し、鉄イオン照射により照射欠陥を導入した後に、3 keV重水素イオン照射を行い、昇温脱離法によって重水素滞留挙動を評価した。
キーワード: タングステン-タンタル, 水素同位体挙動

2-25萩原 想大東京工業大学修士1年(M1)専門:核融合 Fusion
タイトル: 液体金属錫環境下におけるZr合金とTi合金の化学的共存性に関する研究
概要: 核融合炉の液体ダイバータでは液体金属錫(Sn)を冷却材として使用する事が検討されているが、構造材料との共存性が課題となっている。ZrやTiが形成する酸化被膜は熱力学的に安定であり液体金属と化学的に共存しうる可能性がある。本研究の目的は、 Zr合金やTi合金の液体金属Sn環境下における化学的共存性を明らかにすることである。試験片をZircally-4や64Tiとして、液体金属Sn浸漬試験を実施した。試験片は予備酸化処理を施した。重量分析やSEM/EDSから、予備酸化試験片は一定の耐食性を有することが示唆された。
キーワード: 核融合炉, 液体錫, 共存性, Zr合金, 酸化被膜

2-26野島 槙人東京工業大学修士1年(M1)専門:再処理 Reprocessing
タイトル: アミド系配位子を用いた次世代再処理技術におけるU(VI)沈殿生成制御因子の探索
概要: 次世代核燃料再処理技術としてアミド配位子を用いた溶媒抽出法や沈殿法が提案されている。いずれの再処理基本原理においても沈殿生成の制御が重要であるにも関わらず、その詳細は十分に理解されていない。本研究では、ジアミド架橋配位子構造がU(VI)沈殿挙動へ与える影響について検討した。その結果、結晶構造中における硝酸ウラニルジアミド錯体の充填効率がU(VI)の沈殿生成を支配し得ることが示唆された。
キーワード: 使用済み核燃料再処理, 沈殿生成, ジアミド架橋配位子, 硝酸ウラニル錯体, 結晶構造

2-27陳 敬徳東京工業大学博士2年(D2)専門:核データ Nuclear data
タイトル: 物理情報を導入したベイジアンニューラルネットワークによる核分裂収率の高精度化
概要: ベイジアンニューラルネットワークモデルに殻効果と奇偶効果を導入し、JENDL-5にある232Th, 233, 235, 238Uと239, 241Puの核分裂収率を高精度に再現し、入射エネルギーが1MeVから5MeVまでの核分裂収率を予測し、実験データと比較し、その予言性能を検証する。
キーワード: 核分裂生成物収率, 物理導入するベイジアンニューラルネットワーク, 殻効果, 奇偶効果

2-28千葉 紗香東京都市大学修士1年(M1)専門:再処理 Reprocessing
タイトル: 白金族合金の廃液共存下における溶解挙動評価
概要: 使用済み燃料の再処理工程にて不溶解残渣廃液中に残存する白金族合金(Mo-Ru-Rh-Pd-Tc)は高レベル濃縮廃液およびアルカリ廃液と混合され、ガラス溶融炉に供給される。白金族はガラス溶融炉内において、溶融初期の仮焼層状態や炉底部への沈降等による流下性に影響する可能性が考えられる。今後燃料燃焼度等の変化に伴い、白金族合金の組成が変動することが考えられる。それに伴い、廃液保管中の白金族合金の溶解挙動も変化すると考えられる。そこで本研究では廃液共存下での白金族合金の溶解挙動評価を目的とし、硝酸、模擬廃液と模擬白金族合金を共存させた溶解試験、及び予備試験として硝酸とRuを共存させた溶解試験を実施した。
キーワード: 不溶解残渣, 白金族合金, 廃液, 溶解挙動気

2-29立石 陸東京大学修士1年(M1)専門:社会・環境 Social・Environment
タイトル: 高経年化対策に資する技術創出・活用の枠組みに関する提案
概要: 原子力分野においては事業者が一義的に安全に関して責任を負っているものの、一事業者が中心となりマネジメントする課題ばかりとは限らず、産業界全体や行政、その他研究機関などが共に取り組むことが有効な課題領域が存在する。特にアドホックに組織化や制度化がなされる技術創出・活用過程においては、様々なアクターが有効に協働する枠組みを構築する必要がある。本研究では、マネジメント理論や様々な事例を参照しながら、高経年化対策に資する枠組みを検討する。
キーワード: マネジメント, 超学際研究, フレーミング, 高経年化

2-30杉崎 麻子東京都市大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:核燃料サイクル Nuclear fuel cycle
タイトル: 核分裂生成物の有効利用に関する検討 -第一原理計算を用いた白金族合金の触媒機能評価-
概要: 核分裂生成物(以下、FPと呼ぶ)を水素吸蔵合金や水素酸素再結合触媒等として有効利用するために、本研究ではFPのうち白金族合金の機能に注目した。機能評価の手法として、繰り返しの試行が行え、ミクロの現象の解明も期待できる第一原理計算を用いた。それによって白金族合金系のエネルギーなどを計算したり、作製した模擬合金と物性値を比較したりすることで、白金族合金の触媒機能や計算の妥当性の評価を行った。
キーワード: 放射性廃棄物(FP), 白金族合金, 第一原理計算, 水素吸蔵合金

2-31吉田 翔冴東京都市大学修士1年(M1)専門:原子炉安全 Safety
タイトル: 浮体式免震建屋に適応する地震応答解析モデルの構築
概要: 小型原子炉SMRの地震応答低減方策として浮体式免震建屋が提案されている。その成立性を評価するため、大型模型を用いた実証実験が計画された。この実験に対し、汎用数値解析ソフトOpenFOAMを用いた地震応答解析を試みた。本研究では、構築した解析モデルの概要および地震応答解析結果について報告する。
キーワード: 浮体免震, OpenFOAM, 地震応答解析

2-32Eva Morgan Lisowski東京工業大学修士2年(M2)専門:核不拡散・保障措置・セキュリティ Nuclear nonproliferation, safeguards, nuclear security
タイトル: Reducing the Proliferation Risk of Utilizing HALEU Fuel in Sodium-Cooled Fast Reactors
概要: Fast reactors are known for their ability to efficiently produce weapons-grade plutonium, posing a potential proliferation risk. This research examines various possible methods to reduce the proliferation risk of utilizing high assay low-enriched uranium (HALEU) fuel in a sodium fast reactor.
キーワード: HALEU, sodium-cooled fast reactor, proliferation resistance, material attractiveness

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