2023年 原子力学会春の年会 学生ポスターセッション 発表概要集

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発表番号がハイライトされている発表者は審査発表となります。




3月13日(月)14:45-16:15の発表者一覧
1-01原 大輔東京工業大学博士2年(D2)専門:核不拡散・保障措置・セキュリティ Nuclear nonproliferation, safeguards, nuclear security
タイトル: 浮体式洋上原子力発電所の3S特性と実現可能性 (1)Shaped Chargeによる生成超高速ジェットの水中挙動の解明
概要: 浮体式洋上原子力発電所(OFNP)は、原子炉と石油産業の浮体式構造物という既存技術の融合として提案されており、福島第一原子力発電所事故の教訓である地震・津波、除熱機能喪失および住民避難に対する大幅なリスク低減等の長所が期待される[1][2]。一方で、洋上特有の核不拡散・核セキュリティ上のリスクとして、数km/secを超え機械的強度が無視される超高速ジェットといった新たな脅威への対応が重要である。本研究ではOFNPの核セキュリティ上重要なShaped Chargeによる生成超高速ジェットの水中挙動を解明する。
キーワード: 浮体式洋上原子力発電所, 核セキュリティ, 物理的防護, 成形炸薬, Shaped Charge

1-02Li ZhanThe University of Tokyo博士1年(D1)専門:核不拡散・保障措置・セキュリティ Nuclear nonproliferation, safeguards, nuclear security
タイトル: Temporal scene graph based action sequence analysis for malicious behaviors identification in nuclear security
概要:  A novel framework is proposed to perform comprehensive human action sequences analysis in nuclear security. First, we employ deep learning-based action recognition model and object detection model to obtain temporal actions and human-object actions, respectively. Subsequently, the human action sequences are structured as temporal scene graphs for malicious identification and visualized for secondary verification.
キーワード: nuclear security, action sequence analysis, deep learning, temporal scene graphs

1-03Xingyu SongThe University of Tokyo修士1年(M1)専門:核不拡散・保障措置・セキュリティ Nuclear nonproliferation, safeguards, nuclear security
タイトル: Game Engine Based Data Augmentation for Malicious Behaviors Identification in Nuclear Security
概要: Nuclear security is potentially seriously compromised by external and internal threats to nuclear facilities. However, commonly employed detection systems rely on manual monitoring and extensive sensor deployment, which is time-consuming and costly. To this end, we introduce deep learning for vision-based automatic malicious behaviors identification. Given that existing benchmark datasets lack actions and characters related to nuclear security, we propose to carry out data augmentation with game engine. We customize the buildings and interiors in the adopted game engine with a 3D map editor to simulate the environment of nuclear facilities. Characters with various clothes and appearances can perform multiple actions in the simulated nuclear facility in the game engine, recording by the in-game camera in arbitrary distance and angle.
キーワード: nuclear security, malicious behaviors identification, deep learning, game engine

1-04三星 夏海東京工業大学博士3年(D3)専門:核不拡散・保障措置・セキュリティ Nuclear nonproliferation, safeguards, nuclear security
タイトル: 高い固有安全・核不拡散性を有する中小型軽水炉の研究-核セキュリティ性の評価-
概要: 本研究では、中小型軽水炉システムに対して、核セキュリティ性を評価し、中小型炉特有の課題を明らかにした。
キーワード: 中小型炉, 核不拡散, 核セキュリティ, 事故耐性燃料, ケイ化物燃料

1-05鈴木 華那京都大学修士2年(M2)専門:材料 Material
タイトル: 遷移前と遷移後のZircaloy-2酸化膜における水素挙動
概要: Zircaloy-2は軽水炉の燃料被覆管として利用される。炉内で高温の冷却水と酸化反応をし、表面にZrO2の酸化膜を生成しつつ水素を発生させる。水素が酸化膜を通過し、Zircaloy-2に吸収されると燃料被覆管にひび割れを発生させる恐れがあるが、この一連のメカニズムは未解明である。そこで、本研究では遷移前と後のZircaloy-2酸化膜の性状と合わせて水素侵入のメカニズムを検討すべく、遷移前と後の酸化膜に導入した重水素の濃度分布を、加速器を用いたNRA法により測定した。
キーワード: 核材料, ジルカロイ, 水素脆化, 加速器, NRA

1-06阿部 哲東京大学修士1年(M1)専門:原子炉安全 Safety
タイトル: 原子力発電所の事故時の対応策自動生成のためのフレームワーク
概要: 原子力安全を確保するためには設計基準外事象の対応が必要不可欠である。そのため本研究では、深層学習を用いた事故時対応策生成フレームワークの構築を目指している。異常時の対応については明確なマニュアルが存在せず、一つ一つの行動に対して明確な正解ラベルを付与することが困難である。そこで本研究では、エージェントが自律して試行錯誤を繰り返すことで、最適な行動の探索を行う強化学習の利用を検討した。
キーワード: 強化学習, 異常時対応策提案, サロゲートAIモデル

1-07向原 悠太東京工業大学修士2年(M2)専門:核データ Nuclear data
タイトル: 反対称化分子動力学における100-200MeV領域のp+12C, 27Al反応断面積の平均場模型依存性
概要: 本研究では反対称化分子動力学を用いる12Cと27Alに対する100~200MeV陽子入射反応の断面積計算における平均場模型依存性を調べた。重イオン入射反応においては最大で 500%程度の違いがあることが分ったが、陽子入射でも (p,xn) 反応の二重微分断面積で数倍程度の差があることが分った。これまで中間エネルギーの核子入射反応反応ではカスケードモデルやQMDが用いられてきたが、データを再現できない場合の原因として平均場が考察されることは無かった。本研究により平均場が核子入射反応においても重要な差をもたらすことが分った。
キーワード: 反対称化分子動力学, 粒子生成, 平均場, 2核子衝突, 核データ

1-08藤田 祥太朗大阪大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:社会・環境 Social・Environment
タイトル: DNA二重鎖切断の発生数を予測する数理モデルの開発
概要: 放射線被ばくが病気リスク増加を誘発するメカニズムには、多くの謎が残されている。メカニズムを明らかにすることで、放射線被ばくのリスク評価の精度向上が期待できる。本研究では,DNA損傷の中でも深刻な損傷と言われているDNA二重鎖切断(DSB)に注目し,細胞内に発生するDSB数を予測する数理モデルの構築を行った.また、構築した数理モデルでRusselらのメガマウス実験の再現を試みた。
キーワード: DNA二重鎖切断(DSB), 数理モデル, Russelらのメガマウス実験, LNT仮説

1-09Thuong NGUYEN Thi HongSOKENDAI修士2年(M2)専門:核データ Nuclear data
タイトル: The comparison of nuclear data, theoretical calculations, and experimental results for photoneutron spectra on Ta, W, and Bi targets for 17 MeV photons
概要: The photoneutron energy spectra obtained from nuclear data and theoretical calculations were compared with the experimental data for 17 MeV photons on Ta, W, and Bi targets. The results of PHITS code, CoH3 code, JENDL/PD-2016, JENDL-5, and TENDL-2019 nuclear data were included for this comparison.
キーワード: photonuclear reaction, photoneutron spectrum, theoretical calculations, nuclear data

1-10岡﨑 陽香東京工業大学修士2年(M2)専門:原子炉安全 Safety
タイトル: 長寿命中小型ナトリウム冷却金属燃料高速炉の固有安全性
概要: 本研究では、スクラム失敗事象時に負の反応性を挿入する受動的炉停止デバイスを備えた長寿命の中小型高速原子炉を提案した。 炉心に重金属密度の高い金属燃料を装荷することで、10年以上の炉心寿命を達成した。 炉心の出力係数を評価した結果、炉心寿命中は金属燃料炉心が負のフィードバック効果をもつことが確認された。 また、燃焼中にNaボンドが燃料中へ流入することによるNa数密度変化の反応度への影響を評価した。
キーワード: Na冷却高速炉, 金属燃料, 長寿命炉心, 受動的炉停止デバイス, Naボンド

1-11佐々木 華蓮東京工業大学修士2年(M2)専門:核データ Nuclear data
タイトル: 原子炉ニュートリノを用いる原子炉等遠隔監視の研究
概要: 原子炉ニュートリノとは、原子炉内の核分裂生成物がベータ崩壊することで生成される反電子ニュートリノで、その数やエネルギースペクトルから原子炉の運転状況や燃料組成を遠隔監視することが可能とされ、近年保障措置の分野で注目されている。本研究では、総和計算に基づく原子炉ニュートリノ計算手法の開発、本手法が原子炉遠隔監視へ応用可能であるか検討を行い、燃焼中の燃料組成や燃焼度の推定をリアルタイム・遠隔・非破壊で行うことが原理的に可能と分かった。
キーワード: 原子炉ニュートリノ, ベータ崩壊, 核データ, 原子炉遠隔監視, 保障措置

1-12平野 はるか東京工業大学修士2年(M2)専門:炉物理 Reactor physics
タイトル: 小型塩化物溶融塩高速炉の燃焼解析と燃料補給方法の検討
概要: 小型塩化物溶融塩高速炉の燃焼特性の評価と炉心の燃料補給方法の検討を実施した。燃焼解析には、連続エネルギーモンテカルロコードSERPENT-2、最新の核データライブラリENDF/B-Ⅷ.0を使用した。本検討では、安全性を確認するとともに、30年後のTRU核種の核変換割合は約80%を達成し、本炉心がTRUの核変換に有効であることがわかった。
キーワード: 溶融塩炉, 高速炉, 塩化物, 燃焼解析, 核変換

1-13加藤 大典東京工業大学修士2年(M2)専門:放射線工学 Radiation engineering
タイトル: 小型核融合中性子源によるインフラ非破壊検査技術の研究
概要: 東工大で開発された慣性静電閉じ込め式核融合中性子源( IEC 中性子源)を用いてインフラ非破壊検査技術を研究している。コンクリート道路橋の土砂化発生要因である水分に着目し,IEC 中性子源からの中性子 を照射し,床版内の水分によって後方散乱した中性子を検知することで,内部情報を得る手法を実証した。
キーワード: 小型核融合中性子源, DD核融合, インフラ非破壊検査, 中性子計測

1-14伊藤 諒京都大学修士1年(M1)専門:核融合 Fusion
タイトル: 液体金属と3元系塩化物溶融塩間におけるリチウム–6同位体の平衡分配
概要: 核融合炉におけるトリチウム燃料サイクル確立のために、環境負荷の小さいリチウム–6同位体濃縮技術の開発が求められる。本研究では、液体金属LiもしくはLi–Pbと3元系塩化物溶融塩LiCl–KCl–CsClの二液相間でリチウム–6同位体を平衡分配させ、Q–ICPMSを用いてリチウム同位体比の分析を行った。
キーワード: 同位体濃縮,リチウム,リチウム鉛,溶融塩,核融合ブランケット

1-15西村 洋亮東京大学博士1年(D1)専門:材料 Material
タイトル: 高温ガス炉通常運転時におけるスリーブレスSiC母材燃料コンパクトの酸化挙動に関する研究
概要: 我々は、高温ガス炉の出力密度増大と事故時の酸化に対する安全性向上のため、スリーブレスSiC母材燃料コンパクトを提案している。これまでに、事故時に想定される条件でのSiC酸化挙動を実験により解明し、安定なパッシブ酸化挙動を示すことが分かっている。しかしながら、通常時では高純度ヘリウム冷却材が大きな流速で循環しているため、事故時と比較して温度・酸素濃度・流速の条件がまるで異なる。本研究では、通常時を想定した条件におけるSiC酸化挙動を把握する目的で、TG-DTA装置において反応焼結SiCの酸化実験を行った。結果として、通常時を模擬した条件では安定なpassive酸化挙動が見られた。また、温度1400 ℃および酸素濃度1 ppmかつ流量50 mL/minでは重量減少を示す腐食的なアクティブ酸化が見られたが、流量を増大させると安定なパッシブモードに転移することを発見した。これは流量の増大でガスフロー境界層厚さが変化し、アクティブ-パッシブ転移酸素分圧が見かけ上低下したため酸化モードが安全側に転移したと考えられる。以上のように我々は、過酷環境下におけるSiCの材料健全性を確認し、高温ガス炉通常時および事故時のSiC母材燃料コンパクトの成立性を得た。また、Wagnerによる古典的なSiC酸化挙動モデルの解釈を発展させ、流量が酸化モードに与える影響に関する新たな知見を得た。さらなる高温ガス炉への応用と安全性の向上に繋がることが期待される。
キーワード: 高温ガス炉、スリーブレスSiC母材燃料コンパクト、反応焼結SiC、SiC酸化

1-16武藤 龍平東京工業大学修士1年(M1)専門:核融合 Fusion
タイトル: APMT円管の内壁に形成されたα-Al2O3被膜によるMHD圧力損失低減の検討
概要: 液体鉛リチウム(LiPb)を用いる液体金属ブランケットはエネルギーの回収、トリチウム燃料の増殖、中性子遮蔽という役割を同時に担う。ブランケット内の液体金属はマニフォールドを通じて出入りする。核融合炉内の液体金属が通過する流路では強磁場下での大きなMHD圧力損失が解決すべき重大な課題となっている。本研究では、FeCrAl合金であるAPMT(Fe-21Cr-5Al-3Mo)円管の内壁に形成されるα-Al2O3被膜によってマニフォールドでのMHD圧力損失の抑制効果について検証した。モデル計算を行い、流路内壁に形成された1.4 μmのα-Al2O3被膜がMHD圧力損失を十分に低減させることを確認した。
キーワード: 核融合炉, 液体金属ブランケット, MHD圧力損失, α-Al2O3被膜FeCrAl合金

1-17小池 朱里東海大学修士1年(M1)専門:リスク Risk
タイトル: CMMC法によるナトリウム冷却高速炉の確率論的リスク評価 -外部ハザードに対する運転員の認知確率の検討-
概要: ナトリウム冷却高速炉の事故時の崩壊熱除去系の最終ヒートシンクを大気とする場合が多いため、大気関連の外部ハザードに対する確率論的リスク評価(PRA)は重要である。本研究では、運転員が施設内で認知し難い異常降雪事象を対象とし、運転員がアクシデントマネジメントの必要性を認知することに成功するタイミングの確率を時間依存で考慮した動的PRA解析を実施し、運転員の認知の影響を評価した。その結果、運転員が認知に失敗した場合はより早期に炉心損傷に至ることが明らかになった。
キーワード: 認知確率, CMMC, 動的PRA, 異常降雪

1-18清水 悠加静岡大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:材料 Material
タイトル: 二酸化ケイ素を主成分とする機能性被覆の作製と特性評価
概要: 核融合炉ブランケットにおいて、鋼材からのトリチウムの透過漏洩やトリチウム増殖材による腐食を抑制するため、構造材料に機能性被覆を施す研究が進められている。これまでに、金属酸化物などのセラミックス被覆が高い水素同位体透過低減性能を示した一方で、被覆中を酸素が拡散し基板が酸化することによる被覆の劣化が問題となっている。そこで本発表では、酸素拡散係数の小さい二酸化ケイ素を主成分とする機能性被覆の作製および特性評価について報告する。
キーワード: トリチウム, 透過, 被覆, 二酸化ケイ素

1-19千葉 紗香東京都市大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:再処理 Reprocessing
タイトル: 不溶解残渣模擬合金の硝酸溶解挙動評価
概要: 不溶解残渣中の白金族合金の硝酸への溶解挙動を検討するため、白金族合金を構成する成分のうち、特に最も硝酸に溶解しやすいMo及び合金と同様の結晶構造を持つとされるRuに着目した。金属MoおよびRu単体粉末、アーク溶解後破砕した模擬合金をそれぞれ硝酸へ溶解し、不溶解物及び上澄み溶解液に対して各種定性定量分析を行った。
キーワード: 不溶解残渣, XRD, EXAFS, XANES

1-20五十川 浩希九州大学修士2年(M2)専門:核融合 Fusion
タイトル: 核融合炉用燃料トリチウムの生産手法の検討
概要: 次世代エネルギー源として期待される核融合炉の燃料にはトリチウムが使用される。課題の一つは、核融合炉起動時に必要なトリチウムの確保である。日本においては、高温ガス炉を用いたトリチウムの生産が計画されている。本発表では高温ガス炉におけるトリチウム生産手法を紹介するとともに、課題と解決に向けた研究について発表する。
キーワード: トリチウム生産, 高温ガス炉, 核融合


3月14日(火)14:45-16:15の発表者一覧
2-01陳 昱婷京都大学博士3年(D3)専門:材料 Material
タイトル: 衝突カスケードにおける点欠陥クラスターの生成メカニズム:大規模分子動力学シミュレーション
概要: 照射下Fe内の衝突カスケードに関する大規模分子動力学シミュレーションを行い、主に統計学の視点からカスケードプロセスを分析した。カスケードプロセスの中には、比較的早期に形成するものと、冷却過程終了期に形成するものが観察された。カスケードプロセスを特徴づける様々な因子とカスケードクラスター生成率、サイズ分布、及びその生成メカニズムに関して検討した。
キーワード: 照射カスケード, 欠陥クラスター, 生成メカニズム, 統計分析

2-02伊藤 鉄馬静岡大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:核融合 Fusion
タイトル: 再成膜による機能性被覆の修復技術の検討
概要: 核融合炉ブランケットにおけるトリチウムの透過漏洩を抑制するために、構造材料に機能性被覆を施す研究が進展し、これまでセラミックスを用いた被覆によって高い水素同位体透過低減性能やトリチウム増殖材との共存性が示されてきた。一方、ブランケットでの長時間の運転において、被覆は熱サイクル、照射損傷、および腐食等により劣化する可能性があり、定期点検時に修復や交換が想定されるが、損傷を受けた被覆の修復技術の検討は皆無である。そこで本発表では、損傷を与えた被覆に対して再成膜による修復手法の検討について報告する。
キーワード: トリチウム, 透過, 被覆, 修復

2-03RAKA FIRMAN BASKARA PERMANATHE UNIVERSITY OF ELECTRO-COMMUNICATIONS TOKYO博士1年(D1)専門:熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: Measurement of Boiling Entrainment Rate from a Liquid Film Flowing Downwards on a Vertical Heated Surface
概要: Boiling entrainment in annular two-phase flow is associated with the occurrence of the liquid film dryout in the annular two-phase flow. Therefore, experiments to measure the boiling entrainment rate were made from a liquid film flowing downwards on a vertical heated surface. For the first step in this study, water was used as the test fluid and all the experiments were performed under the atmospheric pressure condition. In the experiments, droplet capturing device was used to collect and measure the produced boiling entrainment. It was found that the boiling entrainment rate was negligible when the heat flux was low and it increased as the wall heat flux increased. It was also found that the boiling entrainment rate was increased as the liquid film flowrate increased. The tendency of the results was consistent with the existing Ueda's model.
キーワード: Annular two-phase flow, Boiling Entrainment Rate, BWR, Dryout

2-04祝 梁帆京都大学博士1年(D1)専門:材料 Material
タイトル: 中性子照射下におけるFe内の非平衡欠陥生成に関する統計的評価
概要: 従来の照射脆化予測では、点欠陥生成について、主に平均的なふるまいに関する議論が行われてきたが、生成数や空間的ゆらぎの効果についてはほぼ議論されていない。生成欠陥濃度のゆらぎはミクロ構造発達に影響する可能性があり、照射脆化予測を高度化する上で重要な論点である。そこで本研究では、点欠陥やカスケードクラスターの生成やそのゆらぎについて統計学に基づき評価した。分子動力学法により計算された0.02~50keVのPKAエネルギーの衝突カスケードデータベースと中性子照射場が作るPKAエネルギースペクトルをもとに、各照射場の欠陥生成速度およびそのゆらぎについて議論した。
キーワード: 照射損傷,衝突カスケード,照射欠陥,統計,ゆらぎ

2-05大野 健士東京工業大学修士1年(M1)専門:材料 Material
タイトル: 1173Kの液体LiPb環境下における316Lオーステナイト鋼の化学的共存性に関する研究
概要: 核融合炉の液体LiPbブランケットは燃料の生産,エネルギーの熱変換,中性子遮蔽を担う.その構造材料として,真空容器の外側にはSUS316Lが候補材料となっている.先行研究では,900℃の液体LiPbにおいて316Lオーステナイト鋼は腐食して重量を大きく失う事を報告してきたが,その腐食組織や腐食挙動は明らかにされていない.本研究では,316Lオーステナイト鋼を873K,1023K,1123Kの液体LiPbに浸漬し,その腐食組織を詳細に観察し,腐食組織の硬さの情報などを明らかにした.
キーワード: 腐食, 核融合炉, 316L オーステナイト鋼, 液体鉛リチウム, 液体ブランケット

2-06椎野 直東北大学修士1年(M1)専門:社会・環境 Social・Environment
タイトル: 原⼦⼒発電をめぐる議論の深化のための論点の分析  第2報:原子力発電に関する主観的論理構造の分析
概要: 原子力に対する国民の理解はエネルギー政策確立のため重要だが、世論調査では統計的に態度形成因子を明らかにするものが大半であり、個人の論理構造に着目するものは少ない。 本研究ではインタビュー調査に基づき、原子力発電利用に関する主張を形成する主観的な根拠や論理構造を可視化し分析した。第一報では回答者全体を総合し論点を整理したが、第2報の本報告では個々人の主張の背景について考察した。
キーワード: 原子力発電利用, 対話, 科学コミュニケーション

2-07橋本 ゆうき東京都市大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:リスク Risk
タイトル: 高レベル放射性廃棄物地層処分に向けた、リスクコミュニケーション手法に関する研究
概要: 高レベル放射性廃棄物の地層処分に関して、技術理解や地域の継続的発展に関する話題を取り扱う場として対話の場が開催されている。しかし、対話の場は各調査後の認証プロセスを行う場としては想定されておらず、未だ文献調査後の事業進展は不透明なままである。そこで、類似事例の社会的合意形成の成功例と比較により、対話の場におけるコミュニケーションにさらに社会的合意形成を目的とした手法、内容を組み入れた新たなコミュニケーションの検討をした。
キーワード: 地層処分, リスクコミュニケーション, 対話の場, 高レベル放射性廃棄物

2-08小川 大地東京都市大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:リスク Risk
タイトル: 一様性と独立性を満たした乱数生成法の複雑システム解析への適用検討
概要: 複雑なシステムである原子力発電所における地震リスク評価において、枝分かれしたすべての事象 を考慮することができるMonte Calro Simulation (MCS)に基づく方法に頼らざる得ない状況である。しかしながら低頻度事象や枝分かれしたすべての事象を対象とした評価においては、多数回のシミュレーションが必要となるため、回数の低減が重要な課題であった。本研究では、一様性と独立性が確保された乱数生成法を用いて複雑なシステム解析を行った際の有効性の検討を行った。
キーワード: リスク評価, 乱数, システム解析

2-09Ariel Christ G.Tokyo Institute of Technology修士1年(M1)専門:材料 Material
タイトル: Corrosion behavior of nickel bearing materials in molten salts FLiNaK and LiCl-KCl
概要: Corrosion tests of nickel-based super alloys and stainless steels were conducted in molten salts FLiNaK and LiCl-KCl at 500°C for 200 hours. The mass change of the specimens was measured, and the surface and the cross-section of the specimens were observed and analyzed with SEM/EDS. The cross-section of crucibles were analyzed to clarify the occurrence of galvanic corrosion.
キーワード: Molten salt, Corrosion test, Galvanic corrosion

2-10直江 翔太岡山大学博士1年(D1)専門:社会・環境 Social・Environment
タイトル: ラドン吸入がLPS誘発マウス肺炎に及ぼす作用に関するプロテオーム解析を用いた基礎検討
概要: ラドン(α線放出核種)吸入は抗酸化・免疫調節機能を亢進し,自己免疫疾患を抑制する。また,マウスへのLPS投与は全身性炎症および肺炎を誘発するが,ラドン吸入はこれらを抑制し得る。他方,組織中の蛋白質を網羅的に同定するプロテオーム解析は,ラドン療法の作用機序の解明に有益である。本研究ではラドン吸入がLPS誘発マウス肺炎に及ぼす作用に関して,プロテオーム解析等を用いて検討した。結果,LPS投与は酸化ストレスを与え,ラドン吸入は免疫を調節した。また,肺中の蛋白質に変動が見られたが,詳細は当日に報告する。
キーワード: ラドン吸入,肺炎,プロテオーム解析,抗炎症作用,免疫調節機能

2-11上坂 昌生長岡技術科学大学博士2年(D2)専門:原子炉安全 Safety
タイトル: 浮体原子炉開発(BWR)
概要: 次世代炉開発の一つとして産業界で研究開発を行っている浮体原子炉について、沸騰水型原子炉(BWR)をターゲットとして開発を進めている。基本構造はマサチューセッツ工科大学で先行研究として実施されたものだがBWRを海洋設備に設置する事例は世界でまだ無い。また約30km沖合に設置することで災害時の住民避難を不要とすることを検討しているがこれによる課題・検討状況についても特徴的な面でありこれらについてまとめる。
キーワード: 次世代炉, 浮体原子炉, 揺動影響

2-12陳 敬徳東京工業大学博士1年(D1)専門:核データ Nuclear data
タイトル: ベイズ深層学習による235Uの核分裂生成物収率のエネルギー依存性評価
概要: 深層学習の一種であるベイジアンニューラルネットワーク(BNN)モデルを利用し、JENDL-5の核分裂生成物質量数分布のデータを学習し、熱中性子、高速中性子及び14MeV中性子入射の核分裂による生成物の収率データを再現し、そのネットワークを用いて、235Uに対してデータの無いエネルギーである1MeVから5MeVまでの核分裂生成物収率の予測を行った。
キーワード: 核分裂生成物収率、エネルギー依存性、深層学習、ベイジアンニューラルネットワーク

2-13Anil Can YILDIRIMThe University of Tokyo 博士2年(D2)専門:地層処分 Waste disposal
タイトル: Multisite Sorption mechanism of Potassium alkalinized Metakaolin based Geopolymer
概要: Potassium and Sodium alkalinized Metakaolin based geopolymers (K-MKGP and Na-MKGP) are the type of barrier systems that have been taking attention of the nuclear industry for nuclear waste disposal and decommissioning works by their radionuclide immobilization behaviors. Throughout, sorption mechanism drives interest by its high metal retention capacity where general sorption mechanism at natural pH expressed as direct cation exchange reaction. However, including the natural pH, surface properties and sorption trend at the different aqueous conditions needs to be evaluated to deepen our understanding on this material for better and safer applications. Therefore in this study, sorption mechanism of the K-MKGP have been studied as a function of pH and Ionic strength (IS) where results were mathematically evaluated through mechanistic model by comparing the numerical sorption values of Na-MKGP.
キーワード: Geopolymer, Sorption, Modelling

2-14北村 嘉規東京工業大学修士2年(M2)専門:核融合 Fusion
タイトル: FeCrAl ODS 合金の保護性酸化被膜形成挙動と付着強度に関する研究
概要: 核融合炉等のエネルギープラントでは液体金属の利用が検討されているが、構造材料との共存性が課題として挙げられる。FeCrAl合金は1273 K付近で予備酸化処理を行うことで保護性のα-Al2O3被膜を形成するため、液体金属との化学的共存性が向上することが明らかにされてきた。α-Al2O3被膜の膜厚などの性質は、予備酸化処理温度・時間によって変化するため、最適な予備酸化処理条件を決定する必要がある。 本研究では、1273~1373 KにおいてFeCrAl合金・FeCrAl-ODS合金を予備酸化処理し、表面に形成する保護性のα-Al2O3被膜の挙動を調べた。α-Al2O3被膜の付着強度をマイクロスクラッチ試験により評価し、STEM/EDS分析により被膜の破壊モードや微細組織を明らかにした。ODS合金では添加されている活性元素(Ti, Y, Zr)がα-Al2O3被膜の粒界に沿って偏析しており、膜が成長する上で酸素の拡散経路として機能したと期待できる。
キーワード: 保護性酸化被膜, FeCrAl合金, マイクロスクラッチ試験, 付着強度

2-15西尾 龍乃介東京工業大学修士2年(M2)専門:核融合 Fusion
タイトル: 核融合炉液体増殖ブランケットにおけるFeCrAl-ODS合金上のα-Al2O3被膜によるMHD圧力損失抑制効果に関する研究
概要: 核融合炉液体鉛リチウム鉛(LiPb)ブランケットでは、強磁場下におけるMHD圧力損失が重要な課題の一つである。液体LiPbブランケットの候補材料とされるFeCrAl合金は、1273K程度の大気下での酸化処理によりα-Al2O3被膜を形成する。その被膜はMHD圧力損失に効果的な電気絶縁性能を持つことが分かってきた。本研究では、酸化物分散強化型FeCrAl合金(FeCrAl-ODS)上に形成されるα-Al2O3被膜の電気絶縁性を検証した。FeCrAl-ODS上に形成されたα-Al2O3被膜は、FeCrAl合金であるKanthal@APMT上に形成されたものと比べて膜厚が厚く安定した電気絶縁性を有していた。またα-Al2O3被膜で電気絶縁された矩形管のアスペクト比を変化させることにより、MHD圧力損失は99.9%以上抑制される可能性が示唆された。
キーワード: 核融合炉, 液体金属ブランケット, MHD圧力損失, 電磁流体力学, FeCrAl-ODS合金, 酸化被膜

2-16藤尾 和樹東京工業大学博士2年(D2)専門:核データ Nuclear data
タイトル: 4次元Langevin模型を用いる統計崩壊計算のための収率及びTKE評価
概要: これまで東工大で開発を進めてきた4次元Langevin模型を用いた計算で 定性的な核分裂収率及び全運動エネルギー(TKE)の表現に成功してきた。本研究はLangevin模型を用いた、核分裂反応により生じる観測量の評価をするための研究であり、崩壊計算とつなぐことを目標に実験から得られる評価値との比較を行っている。講演ではネックパラメータや励起温度依存性を含めたLangevin模型で得られる収率及びTKEの考察を発表する。
キーワード: 核分裂, Langevin模型, 核分裂収率, 全運動エネルギー(TKE)

2-17山本 由理東京都市大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:核燃料サイクル Nuclear fuel cycle
タイトル: 沈殿法による核燃料物質を含むアルカリ塩化物の除染プロセス -マンガンを用いた沈殿作製-
概要: 既往研究で用いたCeよりウランへの模擬性が高いと考えたMnで塩化物溶融塩中での沈殿作製試験を、浴塩にはLiCl-KCl共晶塩とNaCl-2CsCl塩、模擬物質としてMnCl2、沈殿剤としてLi2Oを使用して実施した。解析より、マンガンと沈殿剤が反応を起こし、酸化物へ変化したことがわかった。
キーワード: 乾式再処理, 核燃料模擬物質, マンガン, 広域X線吸収微細構造, ICP発光分光分析

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