日本原子力学会2023年秋の大会 学生ポスターセッション 発表概要集

発表番号がハイライトされている発表者は審査発表となります。

※発表者番号が奇数の方は第一セクション、偶数の方は第二セクションが審査時間となります。

 第一セクション:9月6日(水) 14:10-15:10

 第二セクション:9月6日(水) 15:20-16:20

 第三セクション:9月6日(水) 16:30-17:30



1富田 琉惟東京都市大学修士2年(M2)専門:リスク Risk
タイトル: 地震起因の構造損傷の相関性を考慮した地震リスクのケーススタディ
概要: 福島第一原子力発電所事故以降、地震大国の日本において原子力施設の安全性向上は急務となる。地震のリスクを適切に評価するには大型構造物の損傷相関を適切に取り扱う必要がある。本研究では地震起因の崩壊熱除去設備の喪失による炉心損傷リスクを、機器や構造物の損傷相関を固有周期の変更によって低減させたときのリスク低減効果の評価をおこなう。また、一体構造物である取水口は、その寄与率を鑑みて対策の必要性の有無を検討する。
キーワード: 確率論的リスク評価、DQFM法、周期間相関

2地井 桐理子東海大学修士1年(M1)専門:地層処分 Waste disposal
タイトル: 地層処分問題におけるアプローチ構築と高レベル放射性廃棄物に対する当事者意識醸成のためのコミュニケーション方法の検討
概要: 地層処分が国民の理解を得にくい背景には,国民がHLWについて自分事としてとらえられていないまま,地層処分についての情報を一方的に提供されている現状のアプローチに課題があると考える。そこで本研究では、HLWへの当事者意識に着目し,地層処分の理解醸成のためのアプローチの構築を目的とする,心理学的プロセスに基づくコミュニケーション方法を検討した。その方法のひとつとして実施したグループディスカッションでは,自身の学びをアウトプットすることや他者の考えを知ること,周囲に問題をどのように伝えるかを話し合うことがHLW処分問題における当事者意識の醸成へ有用であると考えられた。
キーワード: 地層処分,高レベル放射性廃棄物,社会受容性,コミュニケーション,当事者意識

3箕輪 一希東京都市大学修士2年(M2)専門:核燃料サイクル Nuclear fuel cycle
タイトル: 放射光XAFSを用いたジアミド系吸着材の吸着機構の解析
概要: ADAAM抽出剤による3価金属イオンの吸着機構を明らかにするため、多孔質シリカ粒子担体中のLa及びNdとADAAM(EH, N(EH))との錯体の局所構造を放射光XAFS測定及び理論計算により評価した。吸着実験により、Laの分配係数がNdの分配係数よりも大きいことがわかった。REを含むADAAM錯体のEXAFS解析から適切な錯体モデルが得られ、その結果に基づいて3次元構造モデルを作製した。N-K吸収端XANESスペクトルと錯体モデルから計算されたXANESの理論スペクトルより、401eVのピークがRE-N相互作用に関連することが示唆された。
キーワード: 錯体解析、放射光XAFS、FDMNES、3価希土類、アミド系吸着材

4Hu Tongxi九州大学修士1年(M1)専門:核融合 Fusion
タイトル: Study on tritium extraction method by direct decomposition using RF plasma
概要: Tritium, which is fuel in nuclear fusion reactions, is very valuable. However, more than 90% of tritium input in plasma is released without fusion reaction. A small amount of tritium is released as chemical form of water vapor and hydrocarbon, ammonia. Due to the preciousness of tritium, tritium should be extracted from these chemical species. In this study, feasibility of tritium extraction method by direct decomposition using RF plasma will be discussed. The experiments by Ar plasma and He plasma has been performed and methane or water vapor was quickly decomposed in the plasma.
キーワード: プラズマ、核融合、水素同位体

5周藤 優子芝浦工業大学修士2年(M2)専門:再処理 Reprocessing
タイトル: 蒸発乾固事故における揮発性ルテニウムの壁面素材への沈着挙動の検討
概要: 再処理工場における重大事故の一つである,高レベル濃縮廃液の蒸発乾固事故について様々な研究がなされており,事故により揮発した放射性RuO₄の経路中への沈着挙動の解明は非常に重要である.吉田らは硝酸蒸気下ではRuO₄が安定化されガラス壁面へ沈着しないとする一方,Philippeらは揮発RuO₄の15 %がSUS壁面へ沈着するとしており,壁面素材が沈着挙動に影響を与えると考えられる.本研究では,SUS及びガラス容器への揮発性RuO₄の沈着挙動を比較する.
キーワード: ルテニウム,高レベル濃縮廃液,再処理,重大事故

6樽見 直樹東京都市大学修士2年(M2)専門:核燃料サイクル Nuclear fuel cycle
タイトル: 照射済燃料中における核分裂生成物の有効利用に関する研究 -白金族合金の水素低減に関する触媒機能向上に係る検討-
概要: 福島第一原子力発電所事故で発生した燃料デブリ収納缶で使用される水素低減触媒開発の一環として、照射済燃料内で析出する白金族合金を利用することを提案している。模擬白金族合金による水素の低減能力はMoの含有量に反比例するため、合金からMoを除去する手法を考える必要がある。本研究では、加工法の一つとして考えている減圧下での加熱処理を実施し、冶金学的観察により模擬合金元素各々の挙動を観察した。
キーワード: 核分裂生成物、触媒、白金族合金、冶金学、酸化・蒸発

7山中健吾岡山大学修士2年(M2)専門:地層処分 Waste disposal
タイトル: 粒子拡散モデルに基づく緩衝材内の密度分布変化を考慮した周辺岩盤亀裂への緩衝材の侵入挙動に関する研究
概要: 本研究では,地層処分実施に向けて行われている様々な研究の一つとして,周辺岩盤亀裂中への緩衝材の侵入挙動についてモデル解析した.侵入挙動を拡散現象とみなし,円筒座標系半径方向の拡散方程式を用いて解析した.侵入距離は時間経過に伴い収束する傾向を示し,実測結果と概ね一致した.
キーワード: 高レベル放射性廃棄物, 地層処分, 岩盤亀裂, 拡散方程式, 粒子拡散モデル

8松丸 望亜東京都市大学修士2年(M2)専門:リスク Risk
タイトル: 原子力発電所の安全性向上のためのリスクプロファイルのバランス化の研究
概要: 福島事故を契機として、原子力発電所では地震や津波などの不確実性が高い様々な自然外部事象への対応が迫られている。不確実性が高く、事故時の影響が甚大な事象に対する安全性向上を目的として、リスクプロファイルのバランス化が海外で提唱され、その重要性が指摘されている。バランス化によって損傷確率の不確実さの減少やロバストネスの向上などの恩恵があると考えられているが、これまでに具体的な検討はなされておらず、当然実機にも適用されていない。本発表ではリスクプロファイルのバランス化手法の確立に向けて新たな手法の提案と、非常用冷却系設備への適用を行ったので、その結果を報告する。
キーワード: RI-PB, 最適設計, リスクプロファイル

9陳 昱婷京都大学博士3年(D3)専門:材料 Material
タイトル: 連鎖衝突による大容積クラスター生成のメカニズムに関する検討:分子動力学シミュレーション
概要: 照射材料では、高エネルギー中性子の入射により高密度の点欠陥や欠陥クラスターを形成し、材料の微視的構造や機械的特性に影響を与える。照射プロセスの複雑さのため,クラスターの生成に対して、異なるクラスターの生成メカニズムが発見されてる。一部大体積のクラスターの生成メカニズムはまだ明確ではない。本研究では、分子動力学法を使用して、クラスター形成プロセスをシミュレートし、大体積クラスターの形成のメカニズムを検討した。
キーワード: 照射欠陥、クラスター形成、大サイズクラスター、生成メカニズム、分子動力学シミュレーション

10岩本 みさ九州大学修士2年(M2)専門:核融合 Fusion
タイトル: 産業としての核融合:多国間産業連関分析による原型炉建設の経済効果推定
概要: 核融合の研究開発は、経済成長や雇用創出にもつながることが期待されているが、我が国における推計結果は未だない。多国間産業連関分析によりJA-DEMOに相当する1.5 GW核融合出力を持つ原型炉の建設がもたらす社会経済効果ならびに環境効果を推定した。結果、原型炉建設には約3.5倍の乗数効果があると推定され、累計で約20万人の雇用創出が見込まれた。今後の原型炉研究開発戦略の立案に有用な示唆が得られた。
キーワード: 核融合, 原型炉, 多国間産業連関分析, 経済効果, 環境影響

11木村 海斗福井大学修士2年(M2)専門:核燃料 Nuclear fuel
タイトル: 3Dプリンターを用いて作成した多層ペレットにおける2種類の非定常平面熱源法による半径方向の熱伝導率測定評価
概要: 高速炉の照射済みペレットでは、同心円状に析出相が生成する。本研究の目的は3Dプリンターで作成されたこの多層ペレットの熱伝導率が非定常平面熱源法を用いて測定することが可能か確認し、試料の軸方向と径方向の熱伝導率の違いを見出すことである。そのため、Hot Disk法を用いて等方的な熱伝導率を、TCi法を用いて軸方向の熱伝導率を測定した。そして、両者から半径方向の熱伝導率評価を試みた。
キーワード: 熱伝導率, 非定常平面熱源法, Hot Disk法, 多層ペレット, 照射済みペレット

12荒谷 舜京都大学修士2年(M2)専門:核融合 Fusion
タイトル: 塩化物溶融塩を用いた液体金属リチウム中窒素不純物の電気化学的抽出における発生 ガスの分析
概要: 液体ブランケットにLiを用いた場合, 不純物としての窒素が腐食等の観点から問題になると考えられる. これまでにLiと塩化物溶融塩を接液させ, Li中の窒素を溶融塩側に移行させ電気化学的な体系を用いて窒素不純物の定量が可能であることが示されている[1]. 本研究では, Liと塩化物溶融塩を接液させ, 電気化学的に窒素不純物の回収を行うことを目標とし, 電極から発生するガスの経時分析を行う.
キーワード: 液体増殖材, リチウム, 電気化学

13田中 駿介北海道大学修士2年(M2)専門:加速器・ビーム Particle accelerator and Beam Science
タイトル: 中性子透過率スペクトルの非弾性散乱成分を用いた温度トモグラフィの再構成法に関する研究
概要: 非弾性散乱解析型パルス中性子透過分光イメージングによる温度測定は、非破壊・非接触での物体内部の温度測定に有用と期待される。しかし、物体内部の温度分布可視化のためには、CTによる温度の断層分布再構成が必要である。パルス中性子透過分光法における物質情報の断層分布再構成法は2種類提案されている。本研究ではその2種類の方法を用いて温度の断層分布再構成のシミュレーションを行い、それぞれの方法の正確度ならびに精度の評価を行った。
キーワード: パルス中性子透過分光イメージング, 中性子全断面積, 非弾性散乱, 温度, トモグラフィ

14Raka Firman B. P.The University of Electro-Communications修士1年(M2)専門:熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: Study on the Effect of Air Flowrate and Subcooled Degree on Boiling Entrainment Rate from a Liquid Film Flowing Downwards on a Vertically Heated Surface
概要: Experiments were conducted to investigate the effect of air flowrate and subcooled degree on the boiling entrainment rate. It was found that the boiling entrainment rate was decreased with an increase in air flowrate and the boiling entrainment rate was increased with a decrease in subcooled degree
キーワード: Annular two-phase flow, Boiling entrainment rate, BWR

15土屋 維吹芝浦工業大学修士1年(M1)専門:再処理 Reprocessing
タイトル: 硝酸水溶液中においてCMPO-[C₄mim][Tf₂N] 混合相が白金族元素の抽出機構に与える影響
概要: PUREX法等の現行の再処理は、多量の有機溶媒を用いるため火災リスクやそれらの放射線劣化に伴う可燃ガスの発生等が懸念される。そこで筆者らは、不揮発性、難燃性を有するイオン液体を溶媒とした新た溶媒抽出プロセスの開発を行っている。本研究では、イオン液体([Cnmim][Tf₂N])と抽出剤(CMPO)の混合相を用いて硝酸水溶液中における模擬核種の基礎的な抽出・逆抽出挙動を検討した。本研究の成果から[Cnmim][Tf₂N]とCMPOには、協同効果による特異的な抽出挙動が確認された。本会では、この協同効果に着目し、抽出機構等についても検討したので報告する。
キーワード: 溶媒抽出, イオン液体, 白金族元素

16春原 匡伸東京都市大学博士1年(D1)専門:リスク Risk
タイトル: 状態遷移モデルによるATWS発生確率の不確かさ解析
概要: 原子力発電所のディジタル安全保護系の信頼性について、状態遷移モデルに基づいて数値解析的にシミュレーションする手法を開発し、時間変化を考慮したATWSシーケンスからの炉心損傷リスクを評価する枠組みを構築した。更に状態遷移モデルの遷移率に仮定した確率分布に従ってランダムサンプリングを行い、モンテカルロ・シミュレーションにて不確実さを行う手法も併せて開発し、リスク情報に基づく意思決定に資するリスク評価体系を整備した。
キーワード: PRA, ATWS, モンテカルロ・シミュレーション, 状態遷移モデル

17千葉 紗香東京都市大学修士1年(M1)専門:再処理 Reprocessing
タイトル: 白金族合金の廃液共存による溶解挙動評価
概要: 溶融ガラス内での白金族合金の挙動を把握する前段階としてガラス固化に至るまでの合金組成の変化を追う必要があるが、溶解槽以降の廃液中での知見は少なく合金組成の把握は完全ではない。そこで、Mo、Ruの粉末及び模擬白金族合金を各種濃度の硝酸に溶解させたところ、Mo単体は容易に溶解するが、Ru単体や合金はほとんど溶解せず、合金に内包されたMoの溶解も抑制されるという結果を得た。以上を踏まえ、模擬白金族合金及び模擬廃液を共存させた状態での溶解挙動を評価した。
キーワード: 不溶解残渣,白金族合金,廃液共存,溶解挙動

18菅原 健太郎東海大学修士1年(M1)専門:地層処分 Waste disposal
タイトル: 使用済MOX燃料熱特性を考慮した処分場設計の検討
概要: 使用済MOX燃料を再処理すると仮定した場合,その際に発生する高レベル廃液は,軽水炉廃液と比較して,再処理直後の発熱量が約1.5倍大きい。これにより,現行の処分場では,緩衝材の熱的制限値である100℃を超える可能性がある。そのため,MOX・軽水炉由来のガラス固化体を併置処分することを想定し,効果的に除熱するための方策(坑道を用いた換気など)や処分場レイアウトの変更についてその効果を定量的に把握した。
キーワード: 使用済MOX燃料, 地層処分,熱解析, ガラス固化体, 処分場レイアウト

19青野 隼太郎東京都市大学修士2年(M2)専門:熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: 高速炉の安全評価システムSPECTRAにおける炉心損傷モデルの開発
概要: 本研究では、ナトリウム冷却高速炉を対象として、定格運転時の燃料状態から炉心損傷事故の初期段階に至るまでを一貫解析できるモデルを開発し、高速炉の安全評価を統合的に行える解析システムに導入することを目指している。本報では、冷却材の流量減少を想定した場合の冷却材の昇温とボイドの発生及び燃料ピン破損後に冷却材流路中に開放された損傷炉心物質の挙動について解析を行い、その妥当性を検討した結果について述べる。
キーワード: ナトリウム冷却高速炉,シビアアクシデント,炉心損傷モデル

20西村 洋亮東京大学博士2年(D2)専門:核燃料 Nuclear fuel
タイトル: 高温ガス炉用事故耐性燃料の開発と性能評価
概要: 受動的・固有安全性に優れる次世代原子炉の中核である高温ガス炉は、その実用化のためにさらなる熱効率と安全性の向上が求められる。燃料外周の黒鉛スリーブを除去することで通常運転時の熱抵抗を減らし、同時に燃料母材を炭化ケイ素に替えることで、空気侵入事故時の燃料の耐酸化性能を高めることが可能であると期待される。本研究では、この事故耐性燃料の開発を行うため反応焼結法を採用した。焼結条件を最適化し、実際に作成したSiC燃料コンパクトの性能評価を行った。原子炉燃料にとって熱伝導率は最も重要な物性値の一つであり、高い熱伝導率を達成するために理論相対密度が94%を超える稠密なサンプルを作成することに成功した。また、空気侵入事故を想定した環境において、優れた耐酸化性能を示した。今後、TRISO燃料入りの実機核燃料開発へと応用されることが期待される。
キーワード: 高温ガス炉, 事故耐性燃料, 反応焼結, 熱伝導率, 空気侵入事故

21市川 航輔岡山大学修士2年(M2)専門:廃棄物 Waste Managament
タイトル: 相対湿度法によるCa型モンモリロナイトの水に関する熱力学的データの測定
概要: 緩衝材は,岩盤からの地下水の浸透により膨潤応力が発生し,その特性は層間中陽イオンの種類により異なる.Ca型モンモリロナイトの力学的データは,先行研究でもあまり報告されておらず,さらに,Ca型モンモリロナイト中の水の熱力学データはほとんどない.本研究では,相対湿度(RH)と温度を測定することにより,Ca型モンモリロナイトの熱力学的データを取得すると共に,熱力学モデルに基づいてベントナイトの膨潤応力を算出し,実測データと比較検討した.
キーワード: 放射性廃棄物処分, 緩衝材, Ca型モンモリロナイト, 熱力学データ

22Xinrun ChenNagaoka University of Technology博士3年(D3)専門:材料 Material
タイトル: Ion-irradiation Effects on Hardness and Microstructures in RPV Model Alloys with Higher Mn-Ni-Si Concentrations
概要: To investigate the details of mechanism of Mn-Ni-Si clusters evolution in ferric steels, two types of higher Mn-Ni-Si concentration model alloys Fe-7%G and Fe-15%G were fabricated cut and then quenched. The proportion of each element of Mn, Ni and Si was set similar to the stoichiometric proportion of G phase and the concentration ratio of them was set near 7wt.% and 15wt.%. Solute concentration and structure of specimens were observed by SEM-EDS and XRD, respectively. Specimens were mechanical polished and electrochemically polished, and then irradiated by 2.8 MeV Fe ion irradiation at 573±2K and 673±2K in the dosage of 0.3 and 0.9 dpa at the dosage ate of 10-4 dpa/s. Hardness and structure information of specimens were measured and analyzed using nanoindentation (Shimadzu, DUH-211S) and grazing incidence X-ray Diffraction (GIXRD) before and after irradiation. Atom probe tomography(APT) technique and transmission electron microscopy (TEM) were utilized to obtain the 3 dimensional information of clusters and information of defects, respectively. In addition, data from APT was analysis by software IVAS 3.8.0 and Maximum separation Method written by Matlab algorithm. Irradiation induced hardness increasing of all specimens were observed. In Fe-7%G in the dosage of 0.9dpa, there are no large secondary phases precipitates (below 10nm) observed by instant TEM, as well as heterogeneity of MNS distribution that looks like a decomposition and/or columned precipitates were observed by APT. More information of other specimens is expected in the future.
キーワード: Hardening, High Mn-Ni-Si RPV model alloys, Ion Irradiation, spinodal decomposition, G phase

23新納 圭亮福井大学博士3年(D3)専門:核燃料 Nuclear fuel
タイトル: 超高温領域における酸化物燃料のX線吸収端微細構造測定手法の開発
概要: XAFS(X線吸収端微細構造)測定は物質の原子間距離や化学形態等の構造把握に有効である。しかし、2000 Kを超える高温のXAFS測定の実施例は未だに少ない。そこで、本研究ではUO₂の高温構造把握のために模擬物質で新しい手法を開発した。本手法はスリットを持つタングステン試料ホルダーを通電加熱することで、スリットに充填した試料を間接的に加熱する。その結果、SPring-8にて溶融状態も含む高温XAFS測定を実施し、スペクトルの取得に成功した。
キーワード: 高温, XAFS測定, 酸化物, 溶融状態

24祝 梁帆京都大学博士2年(D2)専門:材料 Material
タイトル: 中性子照射下におけるFe内のミクロ構造発達に関する統計的評価
概要: 分子動力学法により計算された衝突カスケードデータベースから、特定照射場の点欠陥やカスケードクラスターの生成率の平均値やゆらぎを計算し、それが材料ミクロ構造発達に対する影響を統計的に調査した。
キーワード: 照射損傷, 衝突カスケード, 照射欠陥, 統計, ゆらぎ, ミクロ構造発達

25髙橋 正太朗東海大学修士1年(M1)専門:地層処分 Waste disposal
タイトル: 沿岸部での海水準変動を考慮した密度流解析に基づく核種移行経路の評価
概要: 沿岸部の地下水環境は、海水系・降水系の二種類の地下水によって形成される塩淡境界が存在し、内陸の地下水環境とは異なる特性を持つ。本研究では、陸域・大陸棚・大陸傾斜で構成される水理地質モデルを作成し、海水位の時間変化を想定した境界条件を与えることで、海水準変動を考慮した密度流解析を実施した。その結果、塩淡境界に生じる密度流が地表への移行経路となり、さらに塩淡境界の移動に伴って処分場からの移行経路は複雑に変化することが確認された。
キーワード: 地層処分,沿岸部,塩淡境界,密度流解析,Dtransu-2D・EL

26川口 直也名古屋大学修士2年(M2)専門:加速器・ビーム Particle accelerator and Beam Science
タイトル: 名古屋大学BNCT用中性子源Li封入ターゲットの性能向上に向けた特性評価に関する研究
概要: 名古屋大学ではBNCT用加速器型中性子源としてLi封入ターゲットの開発を行っている。Li封入ターゲットは、水冷チャンネルを有するCu基板上のLiをTi箔で覆った構造であり、高熱負荷条件でもLiを封入可能なターゲットの開発を目標としている。ターゲットの除熱性能の向上には、各金属間の密着度が重要である。レーザー照射実験により、除熱性能の評価を行ったところ、Ti箔とLiの接合性向上に中間材Cuが有効であることが確認された。
キーワード: ホウ素中性子補足療法, リチウムターゲット, 赤外線サーモグラフィ

27直江 翔太岡山大学博士2年(D2)専門:社会・環境 Social・Environment
タイトル: ラドンの健康影響研究 -ラドン吸入がマウス脳中タンパク質の発現に及ぼす作用の基礎検討-
概要: ウランの子孫で唯一気体のα線放出核種であるラドンの健康影響が注目されている。本研究では,プロテオーム解析などを用いてラドン吸入がマウス脳中タンパク質の発現に及ぼす作用について検討した。その結果,ラドン吸入は糖・アミノ酸輸送,シグナル伝達,細胞死,抗炎症作用などに関与する各種タンパク質の発現を変動させること,ストレス応答と代謝で注目される硫黄を含むメチオニンに酸化作用を及ぼすことなど興味深い所見が示唆できた。
キーワード: ラドン,脳,タンパク質,プロテオーム解析

28河原 啓介福井大学修士2年(M2)専門:加速器・ビーム Particle accelerator and Beam Science
タイトル: 加速器駆動システム運用に伴い発生する核破砕生成物の鉛ビスマス共融合金からの放出挙動評価
概要: 加速器駆動システムでは鉛ビスマス共晶(LBE)が核破砕中性子ターゲット及び冷却材として使用を検討されており、放射性物質が核破砕生成物(SP)として核破砕ターゲット部に生成します。線量増加等の評価にはLBE中に蓄積したSPの輸送挙動及びカバーガス空間への放出を把握することが重要であるため、SP含有LBE試料の作製及び放出実験及び評価をします。
キーワード: 加速器駆動システム(ADS)、LBE、KEMS

29升水 海登東京理科大学修士1年(M1)専門:社会・環境 Social・Environment
タイトル: 政策選好における意見形成の要因分析
概要: 原子力発電への政策選好については,これまで様々な研究が行われており,賛成者/反対者の選好決定要因についての分析も多く存在する.しかしながら,これらの先行研究において,選好を明らかにしない回答者に着目し,定量的に分析・考察を行ったものは多くはない,そこで本研究では,選好を明らかにしない回答者が持つ特徴に重きを置き,分析を行う.また,賛成/反対の決定要因との比較を行い,選好を明らかにしない回答者にみられる傾向について考察する.
キーワード: 世論,受容性,調査・実験,2項ロジスティックモデル,機械学習

30伊藤 諒京都大学修士2年(M2)専門:核融合 Fusion
タイトル: 塩化物溶融塩を用いた液体リチウム中軽水素の電気化学的抽出における 発生ガスの分析
概要: 核融合炉の燃料循環システムを成立させるために,液体増殖材として使用されるLiからトリチウム燃料を回収する手法の確立が必要となる.本研究では,軽水素を電気化学的に抽出し発生ガスを定量的に評価することを目的として,水素化リチウム(LiH)を直接添加した液体リチウム(Li)と塩化物溶融塩の二重液層に一定の電位差を印加し,ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて発生ガスの経時変化を分析する.
キーワード: 核融合ブランケット,液体増殖材,液体リチウム,トリチウム,電気化学

31竹林 大騎福井大学修士1年(M1)専門:材料 Material
タイトル: 塩化物共晶塩とNi基合金の照射後腐食試験による照射下共存性研究
概要: 溶融塩炉で使用される塩には塩化物塩とフッ化物塩があるが,塩化物塩に関する知見は少ない.本研究は,イオン照射を用いて反応初期過程における腐食への照射材中の照射欠陥の影響について,組織観察から調査して明らかにする目的で行った.Ni基合金に対し最大損傷量1.7dpa相当のHe1+イオン照射を行い,NaCl-CaCl₂-CeCl₃の三元系共晶塩を使用して反応試験を行った.TEM観察により,反応前後の断面組織観察像を比較し,照射欠陥集合体は高温・溶融塩環境における腐食に影響は及ぼさないということが確認された.
キーワード: 溶融塩炉,塩化物溶融塩,イオン照射,照射欠陥,Ni基合金

32福富 太貴名古屋大学修士2年(M2)専門:放射線工学 Radiation engineering
タイトル: BNCT適応対象拡大に向けたホウ素取り込み量と生存率の評価
概要: ホウ素中性子捕捉療法とはホウ素と中性子の核反応を利用した放射線療法であり、細胞に取り込まれるホウ素量が細胞に与える線量の大たきさに影響する。この取り込まれるホウ素量は細胞の種類や条件によって異なるめ、培地に含まれるホウ素の濃度、培養時間による違いを実験によって評価した。濃度が高いほど取り込まれるホウ素量も増加し、3時間以上の培養時間ではホウ素の取り込み量に増加が見られなかった。
キーワード: ホウ素中性子捕捉療法, 放射線生物学, BPA, BSH

33牧口 奏江東京大学博士3年(D3)専門:リスク Risk
タイトル: 技術者倫理における技術者の役割責任の拡大について ―リスク・コミュニケーション活動を事例として―
概要: 本研究は、東京電力HDで働く原子力技術者を重要な事例とした分析を通じ、技術者固有のリスク・コミュニケーションの在り方を日本の技術者倫理に補完することによって、技術者の役割責任の拡大に関する検討の一助となることを目的とする。
キーワード: 技術者倫理, リスク・コミュニケーション, トランス・サイエンス領域

34齊藤 波音東海大学修士1年(M1)専門:地層処分 Waste disposal
タイトル: TRU廃棄物処分環境下における陰イオン吸着材の適用性検討 ~含水酸化硝酸ビスマス及びAl-Mg層状複水酸化物のヨウ化物イオン吸着~
概要: 再処理施設から発生するTRU廃棄物の中には、超ウラン元素以外にも半減期が長く線量が高い核種を含むため、地層処分を検討しているものがある。例として、オフガス系廃棄物には、129Iが含まれる。地層処分に使用される緩衝材は、陰イオン核種に対し移行遅延効果が見込めない。そこで本研究は、陰イオン交換能を有する吸着材について、ヨウ化物イオンの吸着特性を検討し、地層処分環境下での適用範囲を明らかにする。
キーワード: 地層処分, 陰イオン交換, TRU廃棄物, ヨウ化物イオン

35大岩 祐毅東京都市大学修士1年(M1)専門:廃棄物 Waste Managament
タイトル: 高レベル放射性廃棄物中の不溶解残渣 (白金族合金)における酸化・蒸発挙動の酸素分圧依存性評価
概要: 再処理溶解工程で廃液に溶け残る白金族合金(Mo、Ru、Rh、Pd 及び Tc)は溶融炉内で底部へ堆積し、ガラス固化プロセスに様々な影響を与える可能性がある。そこで、本研究では熱重量・示差熱同時測定(TG-DTA)装置の炉内の酸素分圧を調節し、模擬合金試料に対して加熱試験を実施することによって合金の酸化・蒸発挙動について検討した。その結果、酸素分圧等が酸化速度に影響を及ぼすことなどを確認できた。今後は、酸素分圧の制御をより定量的に実施し、速度論的考察の手法を確立する。
キーワード: 白金族合金, Mo, 酸化, 蒸発, TG-DTA

36西川 さくら京都大学修士2年(M2)専門:材料 Material
タイトル: 機械学習を用いた照射脆化予測法の高度化検証
概要: 本研究では、軽水炉圧力容器鋼の中性子照射脆化の予測精度を向上させるため、これまでの実験及びシミュレーションで得られたデータベースをもとに、機械学習手法を用いて、最適な予測システムの構築を試みた。
キーワード: 照射脆化, 脆化予測, 反応速度論, 機械学習

37田牧 諒哉大阪大学修士2年(M2)専門:加速器・ビーム Particle accelerator and Beam Science
タイトル: ペンタノールとテトラヒドロフランの混合溶媒中の溶媒和電子の吸収スペクトルの解明
概要: 溶媒和電子は極性溶媒に放射線照射により生成する特徴的な反応活性種である。溶媒和電子の吸収スペクトルは、分子内遷移、または、溶媒のつくる伝導帯への電子遷移なのか定説がない。本研究は溶媒和電子の吸収スペクトルの理解が目的である。伝導帯準位は溶媒に依存する為、ペンタノールとテトラヒドロフランの混合溶媒中の溶媒和電子の吸収スペクトルを観測した。溶媒混合はスペクトルのシフト、または先鋭化をもたらすと予想され、それらの混合比依存性から溶媒和電子の電子構造を検討する。
キーワード: 溶媒和電子、パルスラジオリシス、電子構造、CTTS、時間分解分光

38山本 由理東京都市大学修士1年(M1)専門:核燃料サイクル Nuclear fuel cycle
タイトル: マンガンを用いた溶融塩沈殿法と蒸留法による核燃料物質含有アルカリ塩化物の除染プロセス
概要: 既往研究で用いたセリウムよりウランの物性に近いと考えたマンガンで試験を行った。浴塩としてLiCl-KCl共晶塩又はNaCl-2CsCl塩、核燃料模擬物質として塩化マンガン (Ⅱ) 、沈殿剤として酸化リチウムを使用した。試料の混合物を溶融し固化させた後、減圧蒸留を行った。得られた化合物について測定、解析を行った。解析より、核燃料模擬物質と沈殿剤は反応を起こし酸化物へ変化し、浴塩から分離できたことがわかった。
キーワード: 乾式再処理法, 溶融塩, 分離, 沈殿, マンガン

39後長 拓真東京理科大学修士2年(M2)専門:社会・環境 Social・Environment
タイトル: エネルギーミックスの消費者選好と支払意思額 情報ナッジの影響
概要: 現在,日本において原子力発電の再稼働についての議論が活発化している.原子力発電の再稼働に際し,需要サイドの消費者の選好を把握することが必要であると考える。本研究では,原子力発電を含む脱炭素化技術に関する消費者の支払意思額を測定することによって,消費者の選好を明らかにすることを目的とする.また,情報ナッジの支払意思額への影響について分析し,情報付与による消費者の効用の変容について考察する.
キーワード: 情報ナッジ,支払意思額,原子力発電,再生可能エネルギー,二酸化炭素排出削減

40林田 侑也九州大学修士2年(M2)専門:熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: 金属製マイクロハニカム多孔質体の内部微細構造がプール沸騰限界熱流束に与える影響
概要: 近年,原子炉事故時の緊急冷却手法として水の沸騰冷却を用いたIVR(In Vessel Retention)手法が注目されている.IVRにてメルトスルーを防ぐには曲面の圧力容器底部で4 MW/m2の高熱流束を除熱する技術が必要であるが,水の飽和プール沸騰限界熱流束はそれを大きく下回っている.そこで我々は電解析出法により銅製のマイクロハニカム多孔質体を製作し,約4 MW/m2もの高熱流束を除熱できることを明らかにした.本発表では,マイクロハニカム多孔質体の形状、さらには多孔質体内部のぬれ性が限界熱流束に与える影響について実験的に検討を行った内容について報告する.
キーワード: プール沸騰, 限界熱流束向上, IVR, ハニカム多孔質体, 電解析出法

41Li Kunsheng東京大学修士2年(M2)専門:材料 Material
タイトル: Optimizing Inspection Program of Ageing Reactor Pressure Vessels using Probabilistic Fracture Mechanics
概要: This paper presents an optimized inspection plan for ageing RPVs using probabilistic fracture mechanics. Balancing safety risks against costs, it utilizes historical data for crack modeling, transient event analysis, and the PASCAL code for TWCF calculations under transient conditions. Despite RPV ageing increasing failure probability, TWCF stays under safety standards. RPV inspection plan optimization suggestions are given.
キーワード: Probabilistic Fracture Mechanics, Ageing Reactor Pressure Vessels (RPV), Inspection Plan Optimization

42野田 篤志東京大学修士2年(M2)専門:廃炉 Decommissioning
タイトル: 燃料デブリ取り出しに向けたジオポリマーの適用性検討:強度評価および臨界評価
概要: 福島第一原発の燃料デブリ取出しに向けては、原子炉圧力容器内にジオポリマーを注入し燃料デブリを安定化した後に取り出す工法が提案されている。しかし、実現に向けては固化体強度の維持や再臨界の防止などの課題がある。本研究では、割れ対策として多段注入施工を試験し、適否を検討するほか、再臨界防止を目的とした中性子吸収材のジオポリマーへの添加量を解析によって求めることで、大規模取り出し工法の課題に対する解決策を提案する。
キーワード: 福島第一原発, ジオポリマー, 引張強度, 再臨界, 廃止措置

43Jasmine Hamelberg東海大学修士1年(M1)専門:熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: ナトリウム冷却高速炉の自由液面からのガス巻込み評価手法に関する実験
概要: ナトリウム冷却高速炉の自由液面を移動する非定常渦のガス巻込み現象について、回流水槽での可視化実験を実施し、PIV計測により試験体系での詳細な速度分布を明らかにするとともに、高速度カメラにより非定常渦から成長するくぼみ渦を撮影し、画像処理によりガスコア長さの計測を実施し、ガス巻込みのタイプと発生条件を明らかにした。
キーワード: ナトリウム冷却高速炉, ガス巻込み, PIV計測

44森下 裕貴名古屋大学修士2年(M2)専門:リスク Risk
タイトル: 事故シナリオにおける時間依存の人的因子を考慮したリスク評価手法の開発
概要: 過酷事故に対するリスク評価を行うためには、様々な対応手順に対して、空間線量などその場の状況に応じた人的過誤確率を用いる必要がある。本検討では、時間依存性を容易に考慮することが可能であるCMMC法を用いて人的因子を考慮したリスク評価を行った。その結果、行動形成因子の一つであるストレスを詳細に扱うことができることを確認した。
キーワード: 人的過誤事象,CMMC法,人的因子,行動形成因子

45向原 悠太東京工業大学博士1年(D1)専門:核データ Nuclear data
タイトル: Coordination dependence of the ground state of the mean-field model by antisymmetrized molecular dynamics
概要: 本研究では反対称化分子動力学を用いて、12Cを27Alに入射させる反応の断面積計算における平均場模型依存性を調べた。今までは基底状態の束縛エネルギーに差がなくても微視的な断面積に最大で500%程度、12C(p,xn)反応で数倍程度断面積に差があることが分かっていた。本研究からこの平均場依存性が基底状態の構造に大きく依存していることが明らかになった。これまで平均場依存性の影響は明らかになっていたが、影響を予測することは困難であった。本研究により平均場が基底状態の配置に依存し、反応断面積において重要な差をもたらすことが分かった。
キーワード: 反対称化分子動力学, 粒子生成, 平均場, 2核子衝突, 核データ

46大内 航平岡山大学修士2年(M2)専門:地層処分 Waste disposal
タイトル: モンモリロナイト含有率に着目した緩衝材中の熱-水-化学連成解析
概要: 高レベル放射性廃棄物の地層処分における人工バリアを構成する緩衝材中のT-H-C連成解析において,ベントナイトの主成分であるモンモリロナイトの含有率に基づいたパラメータ整理をし,ベントナイトの種類によらないモデルを構築した.緩衝材中の温度分布と水分分布について,解析結果と原位置試験の結果を比較し,モデルの妥当性を議論した.
キーワード: 高レベル放射性廃棄物,連成プロセス,モンモリロナイト,ベントナイト,緩衝材

47友野 巧也芝浦工業大学修士2年(M2)専門:廃棄物 Waste Managament
タイトル: 無機系吸着材を用いた燃料デブリ取り出しに伴う放射性核種の吸着特性の調査
概要: 福島第一原子力発電所のようなシビアアクシデントを想定した場合、今後も原子力発電所事故時に生じる放射性核種の吸着挙動やその吸着材を速やかに安定処理する方法の確立が必要である。本研究では、ゼオライトを利用した放射性核種の吸着除去法に着目し、Csに対して良好な吸着材であるモルデナイトを始めとした複数の構造が異なるゼオライトを用いて、Csや他の放射性核種の吸着挙動の調査を行った。
キーワード: シビアアクシデント, 放射性廃液, 放射性核種, ゼオライト, 吸着除去技術

48萩原 駿行東京都市大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:加速器・ビーム Particle accelerator and Beam Science
タイトル: 都市大タンデムにおけるマイクロビーム形成の現状と今後の展望
概要: 「半導体内に、ナノメートル精度で、任意の位置に任意の不純物原子を自由自在に配置する」 技術の開発によって、量子技術基盤にイノベーションが起こるとされている。 任意の個数のイオンを半導体に注入するためには、前提としてnmスケールのホールに対して注入された イオンの個数を信号検出によってカウントする必要がある。現在、都市大タンデムのプロトンビームを5μmのピンホールに通すことで形成される簡易的なマイクロビームを用いて、プロトンの個数を検出する実験を行うための基礎検討を報告する。
キーワード: タンデム加速器, phits, マイクロビーム

49宇野 志音東京都市大学修士1年(M1)専門:リスク Risk
タイトル: 実プラントのPRAモデルを用いた地震リスク評価における周期間相関の適用性と損傷相関の影響評価
概要: 現在の地震リスク評価では機器、構造物の損傷相関の扱いが課題である。この課題に対しては周期間相関を考慮した手法が提案されたが、実プラントの地震リスク評価への適用が今後の課題となっている。本研究は、機器、構造物の実際の配置を考慮した実プラントのPRAモデルを構築し、上記手法を用いたケーススタディにより実プラントへの評価手法の適用性を確認すると共に、地震リスクにおける損傷相関の影響に関する知見を得ることを目的として実施した。
キーワード: 地震リスク評価, 損傷相関, 周期間相関手法, 実機適用

50上坂 昌生長岡技術科学大学博士3年(D3)専門:核不拡散・保障措置・セキュリティ Nuclear nonproliferation, safeguards, nuclear security
タイトル: 浮体原子力発電の開発-核セキュリティに対する脅威への対抗策
概要: 浮体原子力発電の核セキュリティに関する検討について国内産業界で実施しており、成果については継続的に公表してきている。2022年度の成果として核セキュリティに対する脅威への対抗策の具体化検討を実施。この検討として以下の3つのステップで実施。①外部からの浮体原子力発電所に対してのテロ活動を実施する目的の定義。②定義した目的を達成するために取る脅威の手段を検討。③検討した脅威の手段への対抗策を検討。
キーワード: 浮体原子力発電, 核セキュリティ, 核物質防護, 産業競争力懇談(COCN)

51山﨑 晃也東京都市大学修士2年(M2)専門:廃棄物 Waste Managament
タイトル: 溶融ガラス中FINE合金の酸化挙動
概要: 高レベル放射性廃液に含まれるファイン合金(Mo-Ru-Rh-Pd)のガラス溶融時の蒸発挙動解明に資する情報を得るため、各種元素に着目をして模擬合金および乾固させた廃液成分ならびにホウケイ酸ガラスビーズの加熱試料に対する局所構造を、各元素のX線吸収端に着目することにより評価した。Moはモリブデン酸塩が主成分である物質に変化し、RuとRhは酸化物が主成分となり、Pdは金属成分のままガラス内に残留することが確認できた。
キーワード: 不溶解残渣, 白金族合金, 酸化, EXAFS, SEM-EDS

52Eva M. Lisowski東京工業大学修士2年(M2)専門:核不拡散・保障措置・セキュリティ Nuclear nonproliferation, safeguards, nuclear security
タイトル: Material Attractiveness to Non-Peaceful Actors of HALEU Metal Fuel in a Medium-Sized Sodium-Cooled Fast Reactor: Serpent 2 Code Validation for Evaluation of Reactor Physics and Non-Proliferation Features
概要: The material attractiveness of HALEU metal fuel to non-peaceful actors aiming to produce a nuclear weapon was evaluated in order to improve understanding of nuclear security and safeguards requirements of sodium-cooled fast reactors. To verify confidence in reactor physics calculations, a benchmark simulation of the PFBR Monju using Serpent 2 Monte Carlo code was validated against the CITATION diffusion code.
キーワード: HALEU, Sodium-Cooled Fast Reactor, Monte Carlo, Security, Safeguards

53小林 亮斗東京都市大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:リスク Risk
タイトル: 共通原因故障を考慮した組合せ重要度の提案
概要: 原子力発電所のような大規模・複雑システムの安全性を向上するために、継続的に脆弱部を特定し、補強をおこなっていくことが必要である。従来は、脆弱部の特定にFV(Fussell-Vesely)やRAW(Risk Achievement Worth)といった1つの機器に着目した重要度指標が用いられてきた。しかし、外的事象を対象とした場合、複数機器の交互作用効果を反映できる指標が有効と考えられる。本梗概では、システム全体の損傷相関を考慮した2つの機器の組合せ重要度を提案し、検討を行った結果について報告する。
キーワード: FV, RAW, 重要度指標, 共通原因故障

54五十川 浩希九州大学博士1年(D1)専門:核融合 Fusion
タイトル: 核融合炉用燃料トリチウムを生産に向けた、トリチウム閉じ込め技術の開発
概要: 次世代の発電方法として、核融合発電の実現が期待されている。燃料となるトリチウムは天然に存在する量が極めて少ないため、人工的に生産する必要がある。我が国においては、次世代原子炉である高温ガス炉を用いたトリチウム生産が検討されており、高温環境下におけるトリチウムの透過漏洩の対策設計を行う必要がある。本研究ではセラミック材料を用いたトリチウムの閉じ込め手法について議論を行う。
キーワード: 核融合炉、トリチウム、高温ガス炉

55細小路 楓東京理科大学修士2年(M2)専門:社会・環境 Social・Environment
タイトル: 日本における原子力発電のリスク認知 文化的認知からの考察
概要: 本研究では,文化的認知と呼ばれる国ごとに異なる文化的志向が,日本の原子力のリスク認知に,どの程度影響を与えているかについて分析を行った.また,科学的リテラシーや計算能力,政治的志向といった個人の知識や認識と文化的認知との関係性を分析した.その結果,日本人は,社会秩序や格差に対しての関心が強い文化的志向を有しており,それがリスク認知に影響を与えていることが明らかとなった.
キーワード: リスク認知,文化的認知,リスク回避度,情報源,社会調査

56Wen Zhou東京大学博士1年(D1)専門:熱流動 Thermal Hydraulicst
タイトル: Integration of AI Technology and Thermal Hydraulics for the Development of a Data-Driven Methodology for Plant Safety Assessment
概要: In the current study, the adaptation of a state-of-the-art artificial intelligence (AI) for efficient and robust subcooled flow boiling analysis method is newly developed. The proposed AI-object detection and object tracking method is applied to extract thermal hydraulic parameters. The comparison of these parameters with existing empirical correlations showed good agreement, proving applicability and validity of the proposed AI method.
キーワード: condensation bubbles, subcooled flow boiling, deep learning, feature extraction, object detection and tracking

57楊 宗霖九州大学修士2年(M2)専門:核融合 Fusion
タイトル: 重水中で成長した水草に取り込まれた重水素量評価
概要: In order to understand the accumulation behavior of tritium in in water plants, the growing experiment using heavy water in different photosynthetic periods was performed. The amount of organically bound deuterium in water plants tended to depend on the duration of light irradiation.
キーワード: トリチウム, 有機結合型トリチウム, 水草, 重水

58譚 欣長岡技術科学大学博士2年(D2)専門:核燃料 Nuclear fuel
タイトル: 水蒸気下でのセシウム水酸化物と金属酸化物の化学反応
概要: In this study, we investigated the chemical reactions occurring between cesium hydroxide (CsOH) and iron (II, III) oxide (Fe₃O₄) within a temperature range of 573K to 773K, under both dry (Ar) and humid (Ar – H₂O) atmospheres. This study demonstrated that the chemical reaction with Fe₃O₄ effectively mitigated the evaporation of cesium. The evaporation of cesium showed similar behavior under both dry and humid conditions.
キーワード: セシウム、金属酸化物、化学反応、水蒸気雰囲気

59Tsendsuren AmarjargalTokyo Institute of Technology博士3年(D3)専門:炉物理 Reactor physics
タイトル: Small sodium cooled RFBB with nitride fuel and LBE Reflector
概要: This study presents the analysis of a Rotational Fuel-shuffling Breed-and-burn fast reactor with nitride fuel and sodium coolant (RFBB-NS). Monte Carlo simulations and COMSOL Multiphysics analysis were performed, revealing that the initial design lacked criticality due to neutron-absorbing materials. Modifications with lead-bismuth reflectors improved neutron economy, enabling criticality, but causing slight radiation damage to cladding material.
キーワード: RFBB, Nitride fuel and Sodium coolant, Breed-and-Burn Fast reactor, Lead Bismuth reflectors

60鈴木 一成名古屋大学修士2年(M2)専門:放射線工学 Radiation engineering
タイトル: 免疫蛍光染色を用いたホウ素中性子捕捉反応(BNCR)解明に向けた基礎的検討
概要: 中性子を用いたがんの治療法としてホウ素中性子捕捉療法(BNCT)がある。名古屋大学では犬への新規適応を検討しており、犬メラノーマ細胞への治療効果を検証している。治療効果の評価方法として、最も重篤なDNA損傷である二本鎖切断に着目し、γH2AXをマーカーとすることで、放射線照射後の二本鎖切断の発生の評価を行った。またγH2AXは二本鎖切断の修復により減衰することを利用して、修復の経時変化に関する評価を行った。
キーワード: ホウ素中性子捕捉療法, 放射線生物学, DNA損傷

61前島 令奈東京都市大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:加速器・ビーム Particle accelerator and Beam Science
タイトル: 液体試料の微量分析を可能とするビームラインの構築と測定および評価
概要: イオンビームを用いた微量元素分析手法は高感度の測定が可能であるため様々な分野で用いられて います。イオンビームの輸送は真空中で行う必要があるため、分析試料も真空中に設置することが 必要な場合が多く、液体などの真空中に入れることのできない試料の測定は困難です。そこで、大 気中に試料を配置し分析可能なビームラインの整備が必要となりますが、大気下にビームを引出す ためビームエネルギーやビーム強度のロスが生じます。当研究室の静電型加速器を用いた実験と解 析により最適な実験条件を見つけ出すことを計画しています。この研究は、燃料再処理技術開発な どの分野での活用が期待できます。
キーワード: 大気IBIL, 大気PIXE, 加速器

62岩佐 枝里子東京都市大学修士1年(M1)専門:加速器・ビーム Particle accelerator and Beam Science
タイトル: COMSOLを用いた冷陰極型PIG負イオン源シミュレーションの作成
概要: 我が研究室には、「TCU-tandem」という、1.7MVペレトロン・タンデム加速器が導入されている。この装置のビームの「素」となるのは、冷陰極PIG負イオン源という、容器内のガスに放電をしてプラズマを発生させ、負イオンを生成する装置である。当研究では、この装置の中のイオンビームの軌道に注目し、COMSOLを用いてシミュレートする事でより詳細なメカニズムを探り、イオン源の機能向上に繋げる事を目的としている。
キーワード: タンデム加速器、負イオン源、COMSOL、水素負イオンビーム

63ZOU Yichen福井大学修士2年(M2)専門:材料 Material
タイトル: Microstructural Changes of V-Cr-Ti Alloys with Low Ti Addition irradiated with He- ions at 700°C
概要: In order to investigate the irradiation hardening and microstructural changes of irradiation-induced defect clusters in the low Ti-added V-Cr-Ti alloy under He ion irradiation at 700°C. A new set of V-Ti-Cr alloys with different interstitial impurities was fabricated and irradiated by He+ ions at 700°C, TEM observation and nano-intender test were carried out.
キーワード: vanadium alloy, irradiation hardening, radiation damage, He-ion irradiation

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