2022年 原子力学会秋の大会 学生ポスターセッション 発表概要集

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発表番号がハイライトされている発表者は審査発表となります。




9月7日(水)14:45-16:15の発表者一覧
1-01向原 悠太東京工業大学修士2年(M2)専門:核データ Nuclear data
タイトル: 反対称化分子動力学を用いた重イオン入射反応における平均場模型依存性の二重微分断面積による評価
概要: 反対称化分子動力学は平均場効果と2核子衝突の効果が含まれていることによってフラグメント生成がよく再現でき、重イオン入射反応に対して有効なモデルである。本研究では 12C + 27Al 反応を例にとって、異なる平均場模型が粒子生成の予測にどのような違いがあるのかを、二重微分断面積によって実験値と照らし合わせながら評価する。
キーワード: 反対称化分子動力学, 粒子生成, 平均場, 2 核子衝突, 核データ

1-02毛利 晨東北大学修士2年(M2)専門:材料 Material
タイトル: タングステン中の重水素滞留挙動に及ぼすカリウムドープの影響
概要: タングステン(W)中に第二相としてカリウム(K)のバブルを分散させたKドープWは、ダイバータのプラズマ対向材料として期待されている。 一方でKドープW中に存在するKバブルは、材料中に侵入した水素同位体のトラップサイトとして機能し、その滞留量を増加させる可能性がある。 本研究では、種々の条件で作製した純WおよびKドープWに重水素ガス曝露およびTDSを実施し、その結果を比較することで、タングステン中における重水素滞留挙動に及ぼすKドープの影響を評価した。
キーワード: タングステン,カリウムドープ,重水素

1-03Tsendsuren AmarjargalTokyo Institute of Technology博士2年(D2)専門:炉物理 Reactor physics
タイトル: Feasibility of rotational shuffling Breed-and-Burn fast reactor with nitride fuel and sodium coolant
概要: This study aims to make clear the possibility of designing a small Breed-and-Burn (B&B) reactor with nitride fuel and sodium coolant when rotational shuffling is adopted. Serpent 2.1.0 Monte Carlo simulation code is used for burnup calculation with shuffling program. It is found that rotational shuffling B&B fast reactor can reach equilibrium conditions with natural uranium fuel.
キーワード: Rotational Fuel shuffling Breed-and-Burn fast reactor (RFBB), nitride fuel, and sodium coolant

1-04Xucheng Zhao東京工業大学修士2年(M2)専門:炉物理 Reactor physics
タイトル: Burnup analysis of Rotational Fuel-shuffling Breed-and-Burn fast reactor with lead-bismuth coolant
概要: The purpose of the study was to clarify the feasibility of lead-bismuth cooled rotational fuel-shuffling reactor (RFBB) with nitride fuel by analyzing for equilibrium burning conditions. The Monte Carlo calculation code SERPENT with ENDF/B-VII.0 nuclear data library is used to perform the neutron transport calculation and burnup calculation in this study. The rotational shuffling strategy is achieved by the Python program. The concept is that natural uranium is loaded from the periphery region and moved toward the center along a zigzag path, then discharged at the center of the core. The results showed that the 750 MW RFBB core attained criticality at the equilibrium state and the maximum DPA is less than 600 dpa.
キーワード: RFBB, nitride fuel, lead-bismuth coolant, Breed-and-Burn fast reactor

1-05奥谷 健汰東北大学修士2年(M2)専門:材料 Material
タイトル: タングステン合金の延性に及ぼす結晶粒組織の影響
概要: 核融合炉への応⽤が期待されるタングステン(W)は、低温脆性、再結晶脆化、中性⼦照射脆化などが課題である。本研究では、それらを克服するため開発された種々のW合金について、衝撃試験や引張試験における延性に及ぼす結晶粒組織の影響を評価した。
キーワード: タングステン合金,延性,延性脆性遷移温度,伸び,結晶粒組織

1-06宮部 拓福井大学修士1年(M1)専門:核燃料 Nuclear fuel
タイトル: 塩系燃料を用いた安全デバイス燃料の熱拡散率測定
概要: 高速炉の早期実用化のために新しく受動的に炉心を停止できるデバイスが提案されている。本研究では、このデバイスにおける塩系燃料の実現可能性を確認するためレーザーフラッシュ法により模擬燃料の熱拡散率測定を行い、熱伝導率を計算した。高温で塩のような固体かつ透明な試料の熱拡散率は測定が困難であり、新たな手法を用いて測定を行った。その精度を評価し、より改良した手法を考案した。
キーワード: 塩系燃料,レーザーフラッシュ法,熱伝導率

1-07森田 大福井大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:炉物理 Reactor physics
タイトル: キャラメル燃料を用いた船舶用原子炉の炉心設計
概要: 船舶において原子炉を主機関として採用することには、航続力・速力の向上や積載量を増加させることができる等、多くのメリットがある。船舶の原子炉は小型かつ大出力であることが望ましく、そのためには燃料の除熱効率を向上させる必要がある。そこで、本研究ではフランスで開発され日本の改良船用炉の試設計で採用されていた、除熱効率の高い形状である板状燃料のキャラメル燃料を用いた小型原子炉の炉心の設計・解析を行う。
キーワード: 船舶用原子炉,板状燃料,炉心設計

1-08水町 涼介福井大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:炉物理 Reactor physics
タイトル: 電磁ポンプを用いた試験研究用NaK合金冷却炉の設計
概要: ナトリウム-カリウム合金は常温でも液体となるため、原子炉が低出力でも流動できる。冷却材の循環には機械式ポンプではなく電磁ポンプを用いる。
キーワード: 試験研究炉, 中性子スペクトル可変原子炉, 液体金属, 電磁ポンプ, NaK合金

1-09永田 峰奈子秋田大学修士1年(M1)専門:廃棄物 Waste Managament
タイトル: V₂O₅を含む模擬放射性廃棄物ガラスのMoO₃溶解度
概要: 高レベル放射性廃棄物の処分のためにガラス固化体を作る際,ガラス固化体内でのモリブデン相の分相が化学的耐久性を損ない問題となっている.ガラス固化体を安全に地層処分するためには,分相を抑制するMoO₃溶解度の高い組成のガラスが必要である.本研究では,ガラス主成分の組成変化とV₂O₅の添加がガラス固化体のMoO₃溶解度に与える影響を検討し,V₂O₅の添加によりMoO₃溶解度は約2.3wt%増加することが分かった.
キーワード: 高レベル放射性廃棄物, ガラス固化体, モリブデン溶解度

1-10福永 将太郎九州大学修士2年(M2)専門:核データ Nuclear data
タイトル: 加速器中性子源を利用した長寿命核分裂生成物79Seの核変換手法の検討
概要: 本研究では、d+Li反応中性子を利用した長寿命核分裂生成物核変換システムの実現可能性を検討している。対象核種である79Seは (n,2n)反応と熱中性子捕獲反応の断面積が大きいことが知られており、10数MeV以上の高速中性子と熱中性子の両方を利用することで79Seの核変換効率の向上が期待される。現段階では、簡易円柱体系を想定したPHITSシミュレーションを行い、各種反射材を配置して、79Seの核変換率に対する影響について調査を行っている。
キーワード: 加速器中性子源,79Se (n,2n)反応,反射体,核変換率,PHITS

1-11小川 大地東京都市大学学士4年 高専専攻科2年(B4)専門:リスク Risk
タイトル: 地震リスク評価におけるDQFMの効率化
概要: 原子力発電所のような複雑なシステムの地震リスク評価をモンテカルロシミュレーションで行う場合、 シミュレーション回数の低減のために、乱数の質の改善が不可欠である。 既住研究では、極低頻度の確率分布が重要となる事象の評価に適した 乱数生成法を提案し、地震ハザード解析への適用やその妥当性を確認した。 本稿では提案した乱数生成法のFault Tree (FT)におけるシステム解析への適用性と有効性について検討した結果を報告する。
キーワード: 地震リスク評価, 地震ハザード評価, 乱数

1-12大原 光晴東京都市大学修士2年(M2)専門:リスク Risk
タイトル: 耐震多様性の評価における床応答スペクトル算出方法の高精度化の検討
概要: 建屋内機器の耐震多様性の評価にはスペクトルモーダル解析法を使用することで簡便に評価が可能である。評価のためには床応答スペクトルの正確な算出が望まれるが、従来床応答スペクトルの算出に使用される安井・他式は、時刻歴応答解析法の結果から算出した床応答スペクトルと比較すると精度があまり良くないため、床応答スペクトルの算出方法の改良・高精度化を検討した。
キーワード: 耐震多様性, 地震PRA,床応答スペクトル,応答スペクトル,減衰

1-13設楽 尚暉東京工業大学修士1年(M1)専門:核燃料サイクル Nuclear fuel cycle
タイトル: マイクロプラグ流抽出を用いた新たなα核種分離分析システムの構築と評価
概要: 1F廃止措置において廃棄物を安全に管理するには、廃棄物中のアルファ核種を効率的に分離分析する手法の確立が欠かせない。本研究では、マイクロ溶媒抽出と質量分析法を統合したマイクロ分析デバイスを構築し、その性能を評価することを目的とした。具体的には、T字型マイクロ流路を用いて、ウランやトリウム等を含む模擬廃液と抽出剤を含む油相による高速マイクロ油水プラグ流抽出を行うと共に、分離した核種のオンラインICP-MS分析を実現し、各アルファ核種の分離分析性能について評価したので報告する。
キーワード: マイクロ流体,アルファ核種,溶媒抽出,微量分析

1-14中村 大輔静岡大学修士2年(M2)専門:放射線工学 Radiation engineering
タイトル: 新規核計装システムに向けた高温中性子半導体検出器の開発
概要: 新たな中性子検出半導体材料として開発を行っているBGaNは大きなバンドギャップを持つことから、耐熱性に優れ、原子炉などの過酷な環境下での動作が期待できる。III族窒化物半導体を用いた高温環境下での放射線検出特性評価において、BGaN-pinダイオードは、BGaNの結晶性の劣化により、高温耐性が300℃であった。そこで、高温環境下での特性改善に向けて、デバイス構造の変更により結晶性を改善させたBGaN-pinダイオードを作製し、放射線検出特性を評価した。
キーワード: 半導体検出器,放射線検出器,窒化ガリウム

1-16山本 耀二郎東京大学修士2年(M2)専門:材料 Material
タイトル: 逐次活性化探索を用いたkinetic Monte Carlo法によるCu中の自己格子間原子クラスタ形態変化の解明
概要: 各時間ステップで発生しうるイベントとその活性化エネルギーを算出するon-the-fly kinetic Monte Carlo (kMC)法に於いて,定期的に活性化エネルギーの閾値を設定することで,分子動力学(MD)法よりも数桁長い時間スケールを再現する方法を構築した.本手法を高エネルギー粒子入射によってCu中に形成した自己格子間原子(SIA)集合体が安定形態に変化するメゾ時間スケールの現象に適用し、低いエネルギーの安定形態へ変化する過程を再現できた。
キーワード: 分子動力学法,積層欠陥ループ,on-the-fly kinetic Monte Carlo

1-17伊藤 慎東京都市大学修士1年(M1)専門:加速器・ビーム Particle accelerator and Beam Science
タイトル: 都市大タンデムにおける加速エネルギー変更時のビーム強度の安定性に関する基礎研究
概要: 都市大タンデムにおける加速エネルギー変更時のビーム安定性を評価することを目的として、PIXE法により発生するX線のカウントのばらつきから安定度を検討した。その結果、2MeV 以上で相対誤差 2%以下という結果を得た。またビームエネルギーに関してイオン化断面積を用いて評価し、測定体系が同じであるにもかかわらず差異が生じていたことが確認できた。
キーワード: 都市大タンデム加速器、PIXE分析、加速電圧、ビーム電流、イオン化断面積


9月8日(木)14:45-16:15の発表者一覧
2-01西村 洋亮東京大学博士1年(D1)専門:材料 Material
タイトル: 高温ガス炉空気侵入事故時におけるSiCマトリクス燃料コンパクトの酸化挙動の解明
概要: 高温ガス炉の高出力密度化運転を目的として、従来の燃料コンパクトから黒鉛スリーブを除去し、母材を炭化ケイ素(SiC)に替える技術が提案されている。事故時の安全性評価のため、空気侵入事象を模擬した環境下(酸素濃度20%〜1 ppmまでの極低酸素濃度、かつ800〜1400度までの高温領域)における、SiCの酸化挙動を解明するための実験を行った。結果として、SiC酸化速度は1000度を境とした2つの領域に定義分けできることが分かった。低温側では酸化速度の温度依存性および酸素濃度依存性が見られ、その活性化エネルギーが決定された。全ての条件でSiC酸化は重量増加を伴うpassive modeであることが確認され、高温ガス炉空気侵入事故を想定した過酷環境において、その燃料材料の健全性が明らかになった。
キーワード: 高温ガス炉、空気侵入事故、SiC酸化

2-02武雄 諒長岡技術科学大学修士2年(M2)専門:社会・環境 Social・Environment
タイトル: 地理条件が地下水ラドン濃度に及ぼす影響
概要: プレート内地震の前兆現象の一つとして,環境中のラドン(222Rn)の濃度変化が報告されている.そこで,将来の地震リスク評価のための基礎情報を取得することを目的として,長岡地域の地下水中の222Rnを指標とし,地質や断層等の地理条件が222Rn濃度に及ぼす影響を評価した.
キーワード: 222Rn,地下水,長岡,地震,環境放射能

2-03Ruheine Naidu Chandren長岡技術科学大学修士2年(M2)専門:廃炉 Decommissioning
タイトル: SUS-Zr-B4C系金属デブリの長期安定性評価のための水蒸気酸化研究
概要: 福島第一原発の燃料デブリには金属溶融物が含まれると考えられている。金属デブリは、事故時に発生した水素の吸収と、格納容器内の水/水蒸気による酸化によって徐々に経年劣化していると考えられる。そこで、本研究は金属デブリの模擬物を300℃で水蒸気+酸素ガスの雰囲気に曝露して表面酸化の特徴を測定すると共に、計装押込み硬さ試験によって酸化した金属デブリの表面に亀裂等が発生するかを調査した結果を報告する。
キーワード: 福島第一、燃料デブリ、金属デブリ 、水蒸気劣化、ジルコニウム

2-04王 浩キン東京都市大学修士1年(M1)専門:核燃料 Nuclear fuel
タイトル: 受動的炉停止デバイスにおける模擬燃料合金材料の物性評価
概要: 本研究では、受動的炉停止デバイス機構として出力上昇・温度上昇に伴う燃料溶融または可溶栓溶融の物理現象を利用し、合金系または塩系燃料としてこれらの模擬材料を選定、製作し、各種物性評価を行っている。本報告では、高周波加熱が可能な試料を得るため、板状の模擬材料に鉄粉を混入する加工を行った結果を示す。また、溶融と落下挙動の関係を確認するための「立て板試験」を予定しており、これも紹介する。
キーワード: 合金燃料,物性,溶融,落下挙動

2-05近藤 幸祐東京都市大学修士1年(M1)専門:廃棄物 Waste Managament
タイトル: 移流の影響を考慮したCs汚染コンクリートに対する溶出挙動の研究
概要: 1F廃炉作業における解体廃棄物の線源分布評価、放射能性状評価に資するため、特に原子炉格納容器構造材として使用されているコンクリートを対象とし、コンクリート中の含水状態を変化させてCsの浸透・溶出実験を行なった。実験後、溶液に対して原子吸光度分析を行い、これらの挙動評価を行なった。
キーワード: コンクリート, Cs, 浸透, 溶出, 原子吸光度分析

2-06荘司 渓汰芝浦工業大学修士2年(M2)専門:核燃料サイクル Nuclear fuel cycle
タイトル: 環境調和型の次世代核種分離を見据えたCMPO-ILの可能性とそのアプリケーション展開への展望
概要: MAの分離回収にCMPO抽出剤を用いたTRUEXプロセスが検討されている。CMPOは抽出性能ばかりでなく、耐放射線性や耐酸性等に極めて優れた特性を有しており、次世代再処理やデブリ取り出しに伴う核種除去への適用が期待される。本研究ではCMPOの溶媒としてイオン液体(IL)を用い模擬核種の抽出特性について検討した。本会では、CMPO-ILの抽出性能を報告すると共にアプリケーションについても議論する。
キーワード: イオン液体,溶媒抽出,CMPO,核種分離,次世代型再処理

2-07増子 元海東京都市大学修士2年(M2)専門:廃炉 Decommissioning
タイトル: 照射済み燃料から得られる白金族合金に対する水素吸蔵性能評価
概要: 福島第一原子力発電所事故によって発生した燃料デブリは、再臨界や放射性物質飛散などの危険性から収納容器への保管が検討されている。しかし、燃料デブリに含有される水の放射性分解によって水素が発生するため、安定した保管には何らかの対策を講じる必要がある。本研究では、収納容器内での水素低減を目的として、照射済み燃料から得られるPd、Ru、Rh等を含んだ白金族合金を直接利用した方法を検討しており、それに向けて白金族合金の水素吸蔵性能を評価する。
キーワード: 燃料デブリ,白金族合金,水素吸蔵評価,照射済み燃料

2-08甲斐 晟豪東京工業大学修士2年(M2)専門:廃棄物 Waste Managament
タイトル: 乾式除染装置による小口径配管の 除染効果及びメカニズムに関する研究
概要: 本研究の目的は,廃止措置における除染作業用の乾式ブラスト除染装置による,小口径配管の除染メカニズムの解明および除染効果の高い除染条件の検討である.本報ではブラスト研磨機を単独で稼働させ,小口径の金属配管に対する模擬除染試験を行った.実験の結果から,高い除染効果が期待されるブラスト機構粒子投射方向と小口径配管の角度関係とそのメカニズムについて報告する.
キーワード: 廃止措置,除染,ブラスト,バレル,小口径配管

2-09箕輪 一希東京都市大学修士1年(M1)専門:核燃料サイクル Nuclear fuel cycle
タイトル: FEFF、FDMNESによるアルキルジアミドアミン吸着材吸着原理の解明
概要: MA回収プロセスの最終工程であるMA相互分離プロセスで有効なアルキルジアミドアミン吸着材の吸着原理解明のためにXAFS測定、FEFF、FDMNESを用いて解析を行った。FEFFを用いたフィッティング解析より、酸濃度による錯体構造の違いはないということが分かった。また、FDMNESによる窒素視点のXANESスペクトルの解析を行った結果、スペクトル中に硝酸の窒素と酸素の結合情報と吸着材中の窒素の結合情報が入っていることが分かった。
キーワード: マイナーアクチノイド,ADAAM,高レベル放射性廃液,FEFF,FDMNES

2-10笠原 朋樹北海道大学修士2年(M2)専門:加速器・ビーム Particle accelerator and Beam Science
タイトル: 低速中性子全断面積計算コードと機械学習を組み合わせた中性子透過ブラッグエッジイメージングデータ解析
概要: 中性子透過ブラッグエッジイメージングは、多結晶材料のバルク結晶組織構造情報を広範囲かつ高位置分解能で評価できる手法である。ブラッグエッジスペクトル解析はフィッティング解析コードRITSによって実現しているが、未経験者には扱いが極めて難しい。そこで、未経験者でも容易なデータ解析を実現するために、スペクトルの機械学習を利用した新しいデータ解析法を開発した。この手法で解析した結果とRITSによる解析結果を比較した所、結晶組織構造の実空間分布を両者とも同様に捉えているという結果を得た。
キーワード: 中性子透過ブラッグエッジイメージング, 機械学習, 全断面積, 結晶組織構造解析, RITS

2-11正木 晴也東京工業大学修士2年(M2)専門:核融合 Fusion
タイトル: 不活性ガス環境下における固体増殖材と低放射化フェライト鋼のフレッチング腐食挙動に関する研究
概要: 本研究の目的は固体増殖ブランケット模擬環境下におけるトリチウム増殖材微小球と低放射化フェライト鋼F82Hのフレッチング腐食挙動を明らかにすることである。F82H試験片の温度を最大573 Kとし、大気及び酸素濃度1 vol%のアルゴン雰囲気下でフレッチング試験を実施した。573 Kの温度条件では、アルゴン環境中に僅かに含まれる酸素(1 vol%)により試験片表面が酸化し、この表面酸化層がフレッチング現象を抑制することがわかった。
キーワード: 核融合, フレッチング腐食, ブランケット, 固体増殖材, 低放射化フェライト鋼

2-12LI Ruithe University of TOKYO博士2年(D2)専門:原子炉安全 Safety
タイトル: Validation study on FELMI for a gas-liquid-solid flow
概要: To understand the gas-liquid-solid flows in the sloshing molten fuel pool formed during a postulated Core Disruptive Accident (CDA) of a Sodium-cooled Fast Reactor (SFR), FELMI, which is developed in authors’ group, is shown to successfully simulate the three phase flow system.
キーワード: DEM-VOF, FELMI, Molten Fuel Pool, Coarse Grained DEM

2-13新納 圭亮福井大学博士2年(D2)専門:核燃料 Nuclear fuel
タイトル: 超高温領域における高速パルス通電加熱を用いた酸化物燃料の物性測定手法の開発
概要: 高速パルス通電加熱法を用い、短時間かつ2500Kから融点を超える温度における酸化物燃料の固体・液体状態の物性測定手法の開発を試みた。多段階パルス通電加熱測定法を導入し、UO2の模擬物質として融点が近く、同様の結晶構造を持つYSZ(Y2O3添加ZrO2)を用いて通電加熱をし、エンタルピー測定を実施した。その結果、多段階パルス通電加熱測定法よって融点以下の高温領域では1回の試験で複数温度における比熱容量を取得し、新しい測定手法確立の可能性が示された。
キーワード: 酸化物燃料、物性測定、パルス通電加熱

2-14小野 遼真東京工業大学博士1年(D1)専門:再処理 Reprocessing
タイトル: 架橋ピロリドン誘導体を含む難溶性アクチノイド(IV)-ニトラト錯体の 結晶構造解析およびNUMAP再処理への適用性
概要: シクロヘキシル基を架橋部位として有する架橋2-ピロリドン誘導体(DHNRP)とPu(IV)を硝酸水溶液中で反応させたところ、ヘキサニトラトPu(IV)錯体(HDHNRP)2[Pu(NO3)6]の析出が確認された。この析出物の結晶構造は、これまでに報告している他のアクチノイド(IV)の結晶構造とよく一致しており、また同程度の溶解度を示すことが明らかとなった。
キーワード: 4価プルトニウム, 使用済み核燃料再処理, 結晶構造, 溶解度

2-15平野 はるか東京工業大学修士2年(M2)専門:炉物理 Reactor physics
タイトル: 小型塩化物溶融塩高速炉の炉心核特性と安全性に関する評価
概要: 溶融塩炉は1次系流量を調節することにより炉心反応度の制御が可能であるが、負荷変動、燃料補給、起動・停止の操作に際し細やかな反応度調整が必要となる可能性がある。また、原理の異なる機能と冗長性の観点からは制御棒を設置することも考えられる。しかし、事故時にはこの制御棒の反応度が瞬時に添加される可能性があるため、動特性を考慮の上、運転上最適な制御棒反応度価値の検討を行い、その結果を報告する。
キーワード: 溶融塩炉、高速炉、塩化物、制御棒価値、動特性

2-16平田 詩織静岡大学修士2年(M2)専門:核融合 Fusion
タイトル: QUEST装置にてプラズマ曝露したタングステン試料における不純物堆積と水素同位体滞留挙動の壁温度による影響
概要: 核融合プラズマ対向材料であるタングステン中の水素同位体滞留挙動の解明は燃料リサイクリングの観点において不可欠である。本研究ではQUEST 2020S/Sと2021S/Sキャンペーンに導入し水素プラズマ曝露したタングステン試料の不純物堆積をXPSにて、水素同位体滞留挙動をTDSにて評価した。壁温度はQUEST 2020S/Sキャンペーンでは200 ℃、2021S/Sでは400 ℃にて長時間放電が行われた。TDS結果からどちらのキャンペーンの試料も水素は主に堆積物中にてC-H結合を形成して滞留していることが分かった。
キーワード: タングステン, QUEST, 水素同位体滞留挙動

2-17守家 岳志東京工業大学修士2年(M2)専門:廃炉 Decommissioning
タイトル: 水中探査のための超音波炉内計測システムに関する基礎研究
概要: 東京電力HD(株)福島第一原子力発電所の廃炉作業工程において冷却水等の漏洩箇所特定,滑落構造物・堆積物・デブリ形状や分布等の調査が必要とされている. 格納容器内部は懸濁水の滞留があり,カメラ等の光学的計測手法を補うための調査手法として超音波計測に着目している. 本研究では,原子炉内調査を想定したロボットへの計測手法の適用を目指して,水中未知環境での環境調査と漏洩箇所推定を行う計測システムの基礎構築、検証を行った
キーワード: 超音波計測, ロボット, UVP計測

2-18鎌田 凌河東京都市大学修士1年(M1)専門:加速器・ビーム Particle accelerator and Beam Science
タイトル: PIGE分析を用いた都市大タンデム加速器のターミナル電圧較正の検討
概要: 本発表では、2018年から運転を開始している都市大タンデムのターミナル電圧の較正を検討した。今までGVM(加速電圧計)を使用してタンデム加速器のターミナル電圧を読み取っていたが、その他に較正を行ったことがなかった。そのため、本発表ではPIGE(荷電粒子励起γ線放出)分析を使用し、実験値と文献値との比較により較正を行った。
キーワード: 都市大タンデム加速器、PIGE分析、γ線、核反応

2-19近松 優真東京都市大学修士1年(M1)専門:加速器・ビーム Particle accelerator and Beam Science
タイトル: 荷電粒子誘起発光を用いた分析手法の基礎検討
概要: 使用済み核燃料に含まれる三価のマイナーアクチノイドを分離するために用いられる抽出剤の設計のためには抽出挙動を正確に理解する必要があり、その手段の一つとして荷電粒子誘起発光(IBIL)分析が採用されている。しかし、この分析法はあまり実績が無い。よって本研究ではPIXE分析法、荷電粒子誘起発光(IBIL)分析法とルミネセンスデータを併用して岩絵具の化学組成を明らかにするとともに、これらを併用した測定方法の有用性を明らかにした。
キーワード: 都市大タンデム , MA分離 , 荷電粒子誘起発光(IBIL) , PIXE分析 , 岩絵具

2-20成瀬惇喜東京工業大学修士2年(M2)専門:核燃料サイクル Nuclear fuel cycle
タイトル: 相転移性ゲル化抽出法によるウラニルイオンの分離特性評価
概要: 溶媒抽出法などの優れたウランの分離回収法は、有機溶媒等の大量の二次廃棄物を生成する課題がある。これまで我々は、温度応答性高分子の相転移に伴うゲル化反応を利用して、水系廃液から金属元素を二次廃棄物無しに直接回収できる新規分離法を構築してきた。本研究では、モノアミド系疎水性配位子と温度応答性高分子との疎水性相互作用を駆動力としたウランを選択的に吸着回収する手法を確立すると共に、ウランの分離回収性能や、ウラン-配位子-高分子間の微構造と吸着挙動との関係について評価した結果を報告する。
キーワード: 温度応答性高分子,ゲル化,ウラン分離,モノアミド抽出剤

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