2021年 原子力学会秋の大会 学生ポスターセッション 発表概要集

▶︎9月8日(水)16:30~18:30の発表者一覧へ

▶︎9月9日(木)16:30~18:30の発表者一覧へ


発表番号がハイライトされている発表者は審査発表となります。


9月8日(水)16:30~18:30の発表者一覧
1-1 見城 俊介 京都大学 修士2年(M2) 専門:核融合 Fusion
タイトル: 燃料の自己供給回収システムを備えた放電型核融合中性子源の開発
概要: 放電型核融合中性子源の重水素–トリチウム(D–T)運転を達成するために、燃料の自己燃料供給回収システムの開発を行なっている。本研究では、水素吸蔵材料であるZrCoを備えた中性子源にて、自己供給回収方式で重水素–重水素(D–D)運転を達成した。また本発表では、D¬–D運転が真空容器内のガス組成へ及ぼす影響も報告する。
キーワード: D-T中性子源, 放電型核融合中性子源, ZrCo, 金属系水素吸蔵材料

1-2 五十川 浩希 九州大学 修士1年(M1) 専門:核融合 Fusion
タイトル: リチウムロッド模擬試験体からのトリチウム透過挙動
概要: 高温ガス炉を利用した核融合炉初期装荷用トリチウムの生産について検討を進めている。課題の一つは、リチウムと中性子との核反応で生成されたトリチウムの閉じ込め技術の開発である。これまでの検討により、高い水素吸蔵性能を有するジルコニウムによりリチウム化合物を挟み込み、全体をアルミナで覆う構造が提案されている。本研究では、片側封じしたジルコニウム管とアルミナ管からなる模擬試験体を作製して、700℃の高温加熱下において、ジルコニウム管内側に水素分子状トリチウム含有ガスを供給し、アルミナ管外側に透過したトリチウムを測定した。トリチウムは、水蒸気状トリチウム含有ガスを供給した場合と比較して、速やかに透過し、検出されたトリチウムの主な化学形は、HTOであった。実験結果より、模擬試験体におけるトリチウム物質移動について議論する
キーワード: 高温ガス炉、トリチウム生産、ジルコニウム、アルミナ、水素透過

1-3 村田 勇斗 京都大学 修士2年(M2) 専門:核融合 Fusion
タイトル: リチウム鉛共晶合金中へのビスマスの溶解度の測定
概要: 核融合ブランケットの液体増殖材候補の一つであるLi–Pbからの放射性物質Poの生成量削減には、Biの低減が有効であり、本研究では、Li–Pb中のBiの溶解度を測定した。溶解度は正の温度依存性を持っており、van't Hoffプロットに従うことを明らかにした。低温領域(共晶点付近)でのBi溶解量はおよそ14w.ppmであり、コールドトラップ等によるLi–Pb中のBiの低減可能性を示唆している。
キーワード: ブランケット,リチウム鉛,溶解度,不純物除去,ビスマス

1-4 増子 元海 東京都市大学 修士1年(M1) 専門:材料 Material
タイトル: 照射済燃料中の白金族合金に対する水素吸蔵評価実験の確立
概要: 使用済み燃料中の核分裂生成物には白金族元素が含まれている。これは水素吸蔵能力を持つことが知られており、再処理の際不溶解残渣として比較的容易に分離が可能である。一方で、福島第一原子力発電所事故によって発生した燃料デブリを収納容器に保管する際に水素発生が問題となっている。これを防止するため不溶解残渣としての白金族元素の有効利用を考えた。本研究では水素吸蔵評価装置と白金族合金模擬体を作製後、水素吸蔵評価実験を行い、白金族元素の水素吸蔵機能について解明していく。
キーワード: 白金族元素, 水素吸蔵合金, 水素吸蔵評価実験, 粒径評価, 真空加熱

1-5 Bo LI University of Tokyo 博士1年(D1) 専門:材料 Material
タイトル: Development of Cr-Zry bonding interface by solid-state diffusion
概要: Accident tolerant fuels (ATFs) are currently of high interest to researchers in the nuclear industry after Fukushima nuclear power plant accidents. Among them, Cr-coated zirconium alloys are considered to be the most promising material to achieve in short term. In this study, an attempt was made to prepare the Cr-coated zirconium alloys by solid-phase diffusion.
キーワード: accident tolerant fuel, solid-state diffusion, interface, Cr, Zircaloy 4

1-6 宮田 健吾 富山高等専門学校 学士3年 高専専攻科1年(B3) 専門:放射線工学 Radiation engineering
タイトル: 形状可変による感度分布調節が可能な高線量率領域用γカメラの開発
概要: 福島第一原子力発電所の事故により、原子炉建屋内に分布した放射性物質をγカメラにより可視化し、円滑に除去することが求められている。しかし、原子炉建屋内の高線量率領域では、計数率の増加によりγカメラが正常動作しなくなる。そこで本研究では、従来から研究を行ってきた形状可変γカメラを高線量率領域に適用するため、小型シンチレータ(4 mm角のGAGG)を用いたシステムを開発した。現状では、線源を用いた実験により10 μSv/h程度まで適用可能なことを確認した。今後、さらに高計数率に対応するため、検討を行う。
キーワード: コンプトンカメラ、福島第一原子力発電所事故、GAGG

1-7 藤尾 和樹 東京工業大学 博士1年(D1) 専門:核データ Nuclear data
タイトル: ランダムウォークを導入した微視的平均場による核分裂片の収率
概要: 核分裂反応で得られる核分裂生成物の収率を理論的に予測する事は核データ整備の上で重要である。 微視的平均場模型は現象論を極力排除した方法で、原子核を計算する有効な手段の一つである。 しかし、本模型は一つの状態を記述できるが、核種毎に異なる核分裂生成物の分布を表現できない。 そこで、微視的平均場模型で計算した236Uの多次元ポテンシャルエネルギー面上でランダムウォークを考えることで、核分裂片の収率を計算した。 講演では有効相互作用依存性や先行研究と比較した結果を報告する。
キーワード: 核データ, 核分裂, ポテンシャルエネルギー面, ランダムウォーク, 核分裂収率

1-8 徳田秀之 富山高等専門学校 学士3年 高専専攻科1年(B3) 専門:放射線工学 Radiation engineering
タイトル: 自作パルス波高分析器を用いる放射線量率マッピングシステムの開発
概要: 福島第一原子力発電所の周辺など、放射性物質が分布している場所での線量率分布の測定が求められている。そこで本研究では、GPS(Global Positioning System)を用いて市販線量計(クリアパルス社A2705)による線量率測定結果と位置情報をクラウドサーバーへ送信する装置を開発した。また、装置全体を小型・軽量化することを目的に、パルス波高分析器を自作した。今後は自作装置によるパルス波高分布もクラウドサーバーへ送信可能とする。
キーワード: 線量率マッピング、GPS、パルス波高分布、MCA

1-9 河野 大樹 東京工業大学 修士2年(M2) 専門:核データ Nuclear data
タイトル: 相対論的平均場理論とガウス過程回帰によるアクチノイド領域核の対相関力の決定
概要: 核分裂障壁や結合エネルギーの理論予測は非常に困難であるが、「対相関力」を調整することによ りこれらの実験値に近い値を比較的容易に再現することができると共に対相関を評価する物理量、 対回転慣性能率も実験値に比較的近い値を再現し正当性が示せることが確認されている。そこで、 本講演では、核分裂障壁、結合エネルギー、対回転慣性能率を相対論的平均場理論と BCS 対相関 を用いて計算しこれらの相対平均二乗誤差の総和が最小となる対相関力をガウス過程回帰を用い て求め、有効性を検証したのでそれらの結果について報告する。
キーワード: 核データ、相対論的平均場理論、核分裂障壁、対相関、 アクチノイド、ガウス過程回帰

1-10 加賀山 雄一 東京工業大学 修士2年(M2) 専門:核不拡散・保障措置・セキュリティ Nuclear nonproliferation, safeguards, nuclear security
タイトル: 照射済燃料の核鑑識シグネチャ核種に関する研究
概要: 本研究では、核鑑識の重要パラメータの一つである燃料核種組成情報を活用した判別シグネチャ核種の検討を行うため、異なる軽水炉型・燃料型による照射済燃料核種組成の違いの比較検討を行った。
キーワード: 核鑑識,核セキュリティ,PWR・BWR,照射済燃料核種組成

1-11 八波 隼 九州大学 修士2年(M2) 専門:熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: 金属多孔質層が飽和プール沸騰限界熱流束に与える影響
概要: 原子炉事故時の緊急冷却として、IVRシステムの開発が望まれている。著書らは、電解析出法により作成した金属多孔質層を伝熱面に設置する手法を提案しており、限界熱流束(CHF)が裸面の3倍以上に向上することを確認している。本報では多孔質の厚さ、WickabilityとCHFの関係性について述べる。
キーワード: 沸騰,限界熱流束,Wickability,多孔質層,電解析出法

1-12 保坂 龍広 東京工業大学 修士1年(M1) 専門:核融合 Fusion
タイトル: 先進核融合中性子源における液体金属伝熱促進材の材料共存性に関する研究
概要: 先進核融合中性子源(A-FNS)における低放射化フェライト鋼F82Hの高エネルギー中性子照射実験が計画されているが、照射キャプセル内に試験片と共に充填する伝熱促進材として液体リチウム、液体ナトリウム、ナトリウムカリウム合金NaKが検討されている。本研究の目的は、これらの伝熱促進材中におけるF82Hの腐食挙動を明らかにする事である。3種類の伝熱促進材中におけるF82Hの共存性試験を、高温条件下(623 K, 723 K, and 823 K)で実施した。伝熱促進材の腐食に伴うF82Hのぺブル状微細組織形成や粒界腐食の発生機構について解明した。
キーワード: 核融合炉,伝熱促進材,液体金属,低放射化フェライト鋼,粒界腐食

1-13 大迫 昇太郎 早稲田大学 修士1年(M1) 専門:熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: MELCOR-2.2を用いた福島第一原子力発電所2号機の減圧後7時間の 熱状態推定に係る感度解析
概要: 東京電力福島第一原子力発電所2号機(1F2)の原子炉圧力容器(RPV)減圧後約7時間のプラント熱状態をMELCOR-2.2による感度解析で推定した。RPVから格納容器ドライウェル(D/W)への気相漏洩、逃し安全弁の不完全な閉止、炉心部から崩落した燃料デブリの割合、崩落した燃料デブリとRPV下部プレナム水との伝熱、炉心部の蒸気による酸化反応等をパラメータに検討した。
キーワード: 福島第一原子力発電所2号機,1F2,燃料デブリ熱状態推定,事故進展解析,MELCOR-2.2

1-14 横山 開 東京大学 修士2年(M2) 専門:廃炉 Decommissioning
タイトル: 福島第一原子力発電所の燃料デブリ⼤規模取り出し工法の開発に向けたジオポリマーの諸物性に関する研究
概要: 福島第一原子力発電所の廃炉を達成するためには、原子炉圧力容器内に残存する燃料デブリの大規模取り出し工法の開発が必要不可欠である。耐熱性や耐放射線性に優れたジオポリマーを、炉内へ充填し、残存する燃料デブリ等を一体的に固化することにより、安全かつ効率的に取り出す工法が検討されている。本研究では、工法に求められるジオポリマーの機能である流動性及び力学的特性に関する検討を行い、ジオポリマーの適用可能性を検討した。
キーワード: 福島第一原子力発電所,廃止措置,燃料デブリ,ジオポリマー

1-15 樽見 直樹 東京都市大学 学士4年 高専専攻科2年(B4) 専門:材料 Material
タイトル: Na冷却高速炉のシビアアクシデント時におけるCsエアロゾル挙動に関する研究 (4)熱力学平衡計算及びエアロゾル発生試験による検討と課題
概要: ナトリウム冷却高速炉におけるシビアアクシデント時のソースタームとなるセシウム化合物エアロゾルの移行挙動について、水蒸気共存下におけるナトリウム化合物エアロゾルとの相互作⽤に注目した実験研究を進めている。ここではこの研究の計画及び進捗状況について報告するとともに課題点を検討する。
キーワード: ナトリウム冷却高速炉,シビアアクシデント,エアロゾル,水蒸気,セシウム

1-16 芦沢 京祐 静岡大学 修士2年(M2) 専門:核融合 Fusion
タイトル: タングステンにおけるH-D-He混合プラズマ照射下における水素同位体プラズマ駆動透過挙動
概要: 核融合炉の運転中、タングステン(W)は高い温度の下で14 MeV中性子に加えて高フラックス重水素(D)、トリチウム(T)およびヘリウム(He)粒子に曝される。本研究ではプラズマ駆動透過(PDP)実験装置を用いてW材料におけるプラズマ駆動重水素(D)透過挙動に及ぼすH及びHeの混合影響およびその照射欠陥の影響について検討した。照射欠陥によりDの拡散が抑制されるとともにHeバブル形成によるDリサイクリングの増加と拡散の抑制が示唆された。
キーワード: タングステン, プラズマ駆動透過, 照射欠陥, H-D-He混合プラズマ

1-17 田中征志朗 東京都市大学 学士4年 高専専攻科2年(B4) 専門:廃棄物 Waste Managament
タイトル: 高レベル放射性廃棄物中の不溶解残渣(白金族合金)に含まれるMoの酸化・蒸発評価 Oxidation / evaporation evaluation of Mo contained in insoluble residue (noble metal precipitation) in high-level radioactive waste
概要: 使用済燃料は再処理され、一部が高レベル放射性廃棄物としてガラス固化され地層処分に供されている。再処理溶解工程において硝酸を利用して使用済燃料を溶かす際に、廃液に溶け残る不溶解残渣(FINE)には白金族合金(Mo、Ru、Rh、Pd及びTc)が含まれている。このうちMoは、イエローフェーズと呼ばれるガラスと別の相を生成し、ガラス固化体の健全性に影響を与えることが考えられるため、溶融炉内環境下における酸化・蒸発挙動について評価を行う必要がある。これまでにアーク溶解法で作製した模擬白金族合金を遊星ボールミルで粉末状に加工し、空気雰囲気でTG-DTA試験(到達温度 900℃)を行った。その結果、Moが他の元素に比べて比較的低温で合金表面から酸化・蒸発することが分かっている。 そこで、本研究では合金中のMoの選択的な酸化・蒸発挙動における微視的メカニズムを詳細に検討するため、TG-DTA試験に供した粉末粒に対する冶金観察を行うことで、Moの酸化蒸発によってもたらされる合金表面近傍の元素分布を明らかにする。
キーワード: 白金族合金、ガラス固化、XRD、酸化、蒸発挙動

1-18 武藤 由樹 東京工業大学 修士2年(M2) 専門:廃棄物 Waste Managament
タイトル: 機能性モノリス型シリカカラムの開発と核種分離への適用性検討
概要: 高レベル放射性廃液からの核種分離には、溶媒抽出や抽出クロマトグラフィーに基づく手法が数多く研究されているが、二次廃液の生成や火災・爆発等の安全上の懸念が拭えないという課題がある。本研究では、キャピラリー内に細孔構造及びサイズが制御された機能性モノリス型シリカを作製し、迅速・簡便で低環境負荷のマイクロクロマトグラフィーカラムを開発することを目的としている。今回、作製したキャピラリーカラムを用いてランタノイドを始めとする各種金属イオンの分離性能を評価したので報告する。
キーワード: モノリス型シリカカラム、マイクロキャピラリー、分離、放射性核種

1-19 平田 詩織 静岡大学 修士1年(M1) 専門:核融合 Fusion
タイトル: Li4SiO4 -Li2TiO3混合セラミックス試料のトリチウム脱離挙動
概要: 核融合炉ではLiと中性子の反応によってトリチウムの生成を行う。Li4SiO4(以下LSO)はLi密度が高く、Li2TiO3(以下LTO)はトリチウム回収がしやすいことから共に固体増殖材として注目されている。本研究では両方の長所を兼備すると期待したLSO-LTO混合セラミックス材に注目し、LSO-LTOとLSO-2LTOに中性子照射を行った。室温から1113 Kまで昇温速度を変えた際のトリチウム脱離挙動をTDSにて測定した。その結果、LSO-2LTOの脱離における活性化エネルギーはLSO-LTOよりも小さくトリチウムを放出しやすいことが分かった。発表ではLSO-LTO比を変えた実験についても報告する。
キーワード: 混合セラミックス,トリチウム挙動,ブランケット

1-20 武井 遥来 早稲田大学 学士4年 高専専攻科2年(B4) 専門:熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: MPS法による三次元ピンバンドル体系の溶融金属流下・流路閉塞実験の解析
概要: 凝固時の計算精度・安定性の向上と計算コストの低減を両立する改良MPS法を用いて、7本ピンバンドル体系における溶融金属の流下・流路閉塞実験の解析を行った。溶融金属の凝固による一部の流路の先行閉塞とそれに伴う非閉塞流路への選択的流下挙動を解析することに成功した。
キーワード: 原子炉過酷事故, 燃料ピンバンドル, 流路閉塞, 凝固, MPS法

1-21 Reuben HOLMES 東京大学 博士1年(D1) 専門:核融合 Fusion
タイトル: Corrosion Protection Coating Development for Fusion Reactor Water Coolant Circuits
概要: The reduced-activation ferritic/martensitic steel F82H, developed in Japan, offers excellent properties at high temperature and in neutron irradiation environments. However, its corrosion behaviour must be improved for use in fusion reactor water coolant systems. This research examines the suitability of a pure Cr coating applied to F82H for corrosion protection.
キーワード: Corrosion, Coating, F82H, Fusion, Diffusion Bonding

1-22 Peng Yu tokyo insititute of technology 修士2年(M2) 専門:核燃料サイクル Nuclear fuel cycle
タイトル: Development of selective solidification/recovery method of platinum group metals from waste solutions by using polymer crosslinking reactions
概要: PGMs from high-level radioactive liquid wastes has become a crucial issue for ensuring the quality of the vitrification process. Various separation techniques based on solvent extraction and chromatography have been investigated, but generate environmental and safety risks such as production of secondary wastes and fire and explosion. In this work, we aimed to create a novel crosslinking polymer matrix which has the coordination ability for PGMs and porous structures.
キーワード: Platinum group metals, Crosslinking polymer, Adsorption, Solidification

1-23 RUHEINE NAIDU CHANDREN 長岡技術科学大学 修士1年(M1) 専門:材料 Material
タイトル: Zr-SUS-B4C溶融物の酸化の研究
概要: 研究の背景は、東電福島第一原発1~3号機において損傷した核燃料(燃料デブリ)を取り出すことである。現在燃料デブリは、原子炉格納容器の中で水冷されているが、将来的に燃料デブリを取り出し、より安定な容器へ移し替えることが計画されている。燃料デブリのうち金属の部分、金属デブリは、事故時に発生した水素の吸収と、その後の酸化の影響を受けて、徐々に経年変化していると考えられる。そこで、本研究は金属デブリの模擬物に水素チャージと水蒸気劣化を模擬し、押込み法により酸化した金属デブリの形状安定性を評価する。
キーワード: 福島第一・燃料デブリ・金属デブリ・水蒸気劣化・水素チャージ

1-24 Zul Hilmi Saidin University of Tsukuba 博士3年(D3) 専門:社会・環境 Social・Environment
タイトル: Factors controlling Cs-137 washoff and leaching via branchflow and stemflow between coniferous and deciduous forests in Japan
概要: This study aims to provide more detailed insights into the factors that controlling Cs-137 washoff and leaching via branchflow and stemflow deposited from the tree canopy of a coniferous forest (cedar stand, Cryptomeria japonica (L. f.) D. Don) and a mixed deciduous forest (oak stand, Quercus serrata Murray) in the aftermath of the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident.
キーワード: Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident, Radiocesium contamination, Japanece cedar tree, Japanese oak tree.


9月9日(木)16:30~18:30の発表者一覧
2-1 島田 和弥 東京工業大学 博士2年(D2) 専門:核データ Nuclear data
タイトル: 4次元ランジュバン模型による中性子誘起核分裂における 核分裂片TKEの研究
概要: 我々は東工大4次元ランジュバン模型を用いて重原子核の核分裂機構の再現・解明を統一的に行って来てきた。しかし、マルチチャンスフィッション補正を考慮した全運動エネルギー再現性に課題があった。本研究では、マルチチャンスフィッション確率引用をTALYS からJENDLへの変更や、途中で生じる分裂核の全運動エネルギーのランジュバン計算結果からの利用で、UとPuの分裂片質量数分布と全運動エネルギーの定量性の向上が見られた。
キーワード: 原子核物理, 核データ, 核分裂, 運動エネルギー, ランジュバン方程式

2-2 南里 圭祐 電気通信大学 修士1年(M1) 専門:熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: 対向高温面の流下液膜冷却における飛散液滴の影響
概要: リウェット速度の予測は、燃料棒の被覆管の酸化、及び破損を防ぐためにスプレー注水冷却を行なう上で重要なテーマである。本研究におけるリウェットは、高温に熱した固体面上部にノズルから冷却水を噴出した際に、直ちには濡れが起こらず、飛散液滴を発生させながら徐々に冷却し、ある速度で濡れ部分が下降していく現象を示す。対向する伝熱面の冷却においては、液膜の存在する部分よりも下流部に液滴が輸送されることが考えられる。そのため、従来の1枚でのリウェット速度よりもリウェット速度が上昇することが考えられる。そこで、リウェットの様子を高速度カメラとIRカメラを用いて、流下液膜先端位置を時間毎に記録し、異なる壁面温度、冷却水流量におけるリウェット速度データを収集した。しかしその結果、1枚時と2枚時では、大きな変化が見られなかった。このことから、飛散液滴による冷却への影響は少ないと考えられる。
キーワード: リウェット, 流下液膜, 熱伝達メカニズム, 液膜内沸騰, ライデンフロスト効果

2-3 土屋 克嘉 東京工業大学 修士2年(M2) 専門:核不拡散・保障措置・セキュリティ Nuclear nonproliferation, safeguards, nuclear security
タイトル: パッシブ中性子線断層撮影法の使用済燃料集合体への適用可能性 -Water Rodによる断層撮影への影響-
概要: 高精度でかつ運用が容易な使用済燃料集合体の部分欠損検認の為の非破壊測定技術が求められている。本研究では、候補技術として開発が開始されたパッシブ中性子線断層撮影法に着目し、BWR燃料集合体のWater Rodの断層撮影への阻害の程度を数値計算により明らかにした。
キーワード: パッシブ中性子線断層撮影法, 非破壊測定, 保障措置, 使用済燃料集合体

2-4 近藤 幸祐 東京都市大学 学士4年 高専専攻科2年(B4) 専門:材料 Material
タイトル: 中性子放射化分析を用いたFP汚染挙動に関する研究 -コンクリート組成中のSi/Al比によるCsの浸出挙動の評価-
概要: 1F廃炉作業における線源分布評価、解体廃棄物の放射能性状評価等に役立てるため、特に原子炉格納容器(シールドプラグ裏面、床・壁等)構造材であるコンクリートを対象とし、中性子放射化分析(INAA)、粒子線励起X線分析(PIXE)、 原子吸光分析(AAS)を組み合わせたCs侵出におけるSiとAlの含有量の影響評価手法の構築を目指す。
キーワード: 吸着・浸透、溶出、INAA、PIXE、AAS

2-5 りょうシミアン 東京大学 博士3年(D3) 専門:材料 Material
タイトル: In-situ TEM observation of the dissolution and re-precipitation behavior of hydrides in Zircaloy-4
概要: This work presents delta hydride dissolution and re-precipitation behaviors in Zircaloy-4 by in-situ heating and cooling observation in the transmission electron microscope (TEM). The hydride dissolves in the range of 473-673 K, depending on the hydrogen content. A dislocation loop is left nearby where the hydride finally disappears. The re-precipitated hydrides, normally exhibit a different growth direction from the original ones, preferentially nucleate nearby the dislocation loop during fast cooling.
キーワード: Zircaloy-4, hydride, dissolution, precipitation, in situ observation

2-6 陳 心潤 長岡技術科学大学 博士1年(D1) 専門:材料 Material
タイトル: Diffusivity of Nickel in Fe under 3MeV Fe Irradiation at 673K Studied by Atom Probe Tomography
概要: For the development of Mn-Ni-Si clustering model in reactor pressure vessels (RPVs), nickel films on iron based alloy were irradiated by 2.8 MeV Fe ions at various temperatures and the depth distribution of Ni atoms was measured using atom probe tomography (APT). The diffusion coefficient of Ni into Fe at 673K under 10-4 dpa/s of Fe irradiation was estimated to be 8.1×10-15 cm2/s, which is larger than the estimation from thermal diffusion.
キーワード: Diffusivity, RPV, Irradiation, APT

2-7 角田 浩太 早稲田大学 学士4年 高専専攻科2年(B4) 専門:原子炉安全 Safety
タイトル: スーパー高速炉の設計基準を超えた冷却材喪失事故時格納容器保護対策の検討
概要: 超臨界圧軽水冷却スーパー高速炉のBDBA-LOCA時PCV保護対策の課題を、MELCOR-2.2を用いた過酷事故解析によって明らかにした。 スーパー高速炉のBDBA-LOCA時には炉心崩壊進展が速く、早期のRPV破損に伴うPCV過温破損の防止が課題である。D/WスプレイによるPCV保護効果が期待できるが、非凝縮ガス発生量の影響感度等、更なる感度解析が必要である。
キーワード: 超臨界圧軽水冷却炉, スーパー高速炉, 過酷事故, D/Wスプレイ, MELCOR-2.2

2-8 北村 嘉規 東京工業大学 修士1年(M1) 専門:核融合 Fusion
タイトル: Al含有積層造形材の液体金属環境下における材料共存性に関する研究
概要: 積層構造技術は、接合部のない複雑な形状を造形することが可能であり、次世代エネルギープラントに適用することが考えられている。本研究では、316Lオーステナイト鋼をベースとしてAlを5wt%添加した積層構造材を新たに開発し、各種液体金属冷却材との化学的共存性を調べた。1000℃、10時間の酸化試験を実施し、保護性Al2O3被膜の形成挙動について調べた。更に、複数の種類の液体金属(鉛リチウム・鉛ビスマス・錫)との化学的共存性を500℃、250時間の静止場腐食試験により調べた。
キーワード: 積層造形, 液体金属, 腐食, アルミナ被膜

2-9 工藤 仁美 東京都市大学 学士4年 高専専攻科2年(B4) 専門:リスク Risk
タイトル: 固定屋根付き円形タンクの非線形スロッシングシミュレーション
概要: 原子力発電所の耐震設計における基準地震動レベルの増大に伴い、重要施設のより現実的な応答評価が 求められている。このため、本研究では、固定屋根付き円筒タンクを対象に、内容水の波頭衝突を伴う非線形スロッシング解析を実施した。具体的には、まずCPU数とメッシュ依存性のベンチマーク計算をオープンソースコードOpenFOAMを用いて実施した。それらの結果のうち、最適と判断された設定で計算したところ、圧力のピーク値などの実験結果をほぼ再現出来た。
キーワード: 非線形スロッシング,数値流体解析,固定屋根付き円筒タンク,VOF法

2-10 陳 敬徳 東京工業大学 修士2年(M2) 専門:核データ Nuclear data
タイトル: AMDによる核分裂片の角運動量の研究
概要: 反対称化分子動力学から236Uと252Cf核種の核分裂をシミュレーションし、分裂した後の核分裂片の角運動量をまとめて、角運動量の分布を出し、実験データと比べます。
キーワード: 角運動量、核分裂片、反対称化分子動力学

2-11 天野 翔太 近畿大学 博士1年(D1) 専門:核データ Nuclear data
タイトル: 動力学模型を用いた核子移行反応における 放出角度とスピンの相関性の解析
概要: 核分裂反応において親核が持つ励起エネルギーが大きくなるにつれて、核分裂確率は大きくなる。また親核のスピンの強さによって分裂障壁が変化することで核分裂確率が異なることも知られている。実験ではスピンの強さを測定することが困難であるため、理論計算によってスピンの推定を行う必要がある。 本発表では、動力学模型によって核子移行反応で生成される標的散乱核の放出角度とスピンの強さの関係を調べた結果を報告する。
キーワード: 核子移行反応,放出角度,スピン

2-12 松井 隆祥 東京都市大学 学士4年 高専専攻科2年(B4) 専門:加速器・ビーム Particle accelerator and Beam Science
タイトル: TCU-Tandemにおける大気PIXEビームラインの構築
概要: 2018年から稼働を始めた、本学タンデム加速器の新たなビームライン構築とPIXE法による微量元素分析の定量化に向けた取り組みについて発表する。
キーワード: PIXE,タンデム加速器,微量元素分析,小型加速器

2-13 Zhang Yiwei Tokyo Institute of Technology 修士2年(M2) 専門:核燃料サイクル Nuclear fuel cycle
タイトル: Creation of Smart PDMS Sponge for Selective Recovery of Molybdenum from Radioactive Wastes
概要: Solvent extraction and chromatography have been generally used for the separation of radionuclides from high-level radioactive liquid wastes (HLLWs), but generate negative impacts on the environment and safety such production of secondary wastes and fire and explosion. Therefore, in this research, we aimed to create a novel silica-based adsorption matrix, called as polydimethylsiloxane (PDMS) sponge, for the selective recovery of oxoanions such as molybdate [Mo(VI)O42-] from HLLWs, and evaluate the adsorption performance and mechanism of Mo(VI).
キーワード: Molybdenum, PDMS, adsorption, surface modification

2-14 中野 秀仁 東京工業大学 博士2年(D2) 専門:核データ Nuclear data
タイトル: 中性子核反応により生成される荷電粒子検出のための 3Dプリンタを用いた検出器の開発
概要: 3Dプリンタを用いたプラスチックシンチレータ検出器の開発を行った。中性子核反応によって生成される荷電粒子を検出することを目的とした検出器を製作した。本発表では、背景、目的(開発目標)、検出器の設計、性能試験及び試験結果について報告する。性能試験は大強度陽子加速器施設(J-PARC)の中性子核反応測定装置(ANNRI)で実施した。
キーワード: 3Dプリンタ, プラスチックシンチレータ, J-PARC, 中性子ビーム, 荷電粒子生成反応

2-15 佐竹 大樹 富山高等専門学校 学士4年 高専専攻科2年(B4) 専門:放射線工学 Radiation engineering
タイトル: 有機半導体を用いる放射線検出器の開発
概要: 有機フォトダイオード(有機PD)とシンチレータを組み合わせた有機半導体放射線検出器には、柔軟で軽量であるという⻑所に加え、⽣体と同様の元素で構成されているという特長がある。そのため、放射線計測に適⽤することで、⼈体への放射線影響の直接推定が期待されている。本研究では、有機PD材料の組み合わせの最適化やガードリングによる素子性能の向上を目指している。有機PDにガードリングを採用することで、有機PD端の電界集中の緩和、リーク電流の低減により、暗電流値の低下が観測できた。また、有機PDの高耐圧化により高バイアス印加での測定が可能となるため、今後はパルス法によるエネルギー測定を目指す。
キーワード: 放射線計測,放射線検出器,X線,有機フォトダイオード,ガードリング

2-16 竹石 太一 大阪大学 修士2年(M2) 専門:炉物理 Reactor physics
タイトル: 転換比向上を目指した遺伝的アルゴリズムを用いる軽水炉用トリウム燃料集合体の最適化
概要: 軽水炉用トリウム燃料集合体の転換比を向上させるため、遺伝的アルゴリズムを用いて燃料棒配置の最適化 を行った。集合体計算には SCALEシステムに含まれる Polarisを用いた。結果をふまえ、転換比が高くなる 燃料棒の配置の傾向やその考察を行った。
キーワード: トリウム燃料,転換比,遺伝的アルゴリズム

2-17 本多 沙羅 早稲田大学 学士4年 高専専攻科2年(B4) 専門:原子炉安全 Safety
タイトル: MPS法によるFARO L-26S溶融物広がり挙動の一時停止と再流動の3次元解析
概要: 軽水炉の過酷事故時の影響、緩和策、設計改良の評価と検討のためには原子炉格納容器床に放出される溶融炉心物質の広がり挙動(spreading)の理解を深める必要がある。3次元MPS法の解析によって模擬炉心溶融物質を用いたFARO L-26S実験で観測されたspreadingの一時停止と再開の機構を定性的に示した。流動先端部のクラストが床と左右の側壁から発達し、crust anchoringによりspreadingが一時停止した後、先端部の一部のクラスト破断により再開する機構が示された。
キーワード: 原子炉過酷事故,corium spreading,FARO L-26S実験,crust anchoring,MPS法

2-18 西尾 龍乃介 東京工業大学 学士4年 高専専攻科2年(B4) 専門:核融合 Fusion
タイトル: 静的なガス圧変化を介した液体金属液面の連続測定に関する基礎的研究
概要: 液体金属等の高温融体を用いた熱流動試験において、循環ループ内の各種タンクの液面レベルのモニタリングは必要不可欠である。液体金属の液面レベルの計測には、これまで超音波式や電極式、相互インダクタンス式、ガス吹き込みによる背圧測定式などが用いられてきた。本研究では、液面測定部の不活性カバーガスの静的な圧力変化の測定を介して単純な構造を有する新しい液面計測法を提案する。まず、計測メカニズムについて、タンク内の液面高さとカバーガス圧力値等による関係式を導出した。更に、静的および動的な条件における液面計測のシミュレーション計算を実施し、本研究で提案する手法の妥当性を検証した。
キーワード: 液体金属,液位計,流動ループ

2-19 山本 啓太 長岡技術科学大学 修士2年(M2) 専門:リスク Risk
タイトル: 降雪に着目したレベル3PRAによる被ばくリスク評価
概要: レベル3PRAの包摂性を高めるには、リスク評価の複数の要素に影響を与える外的事象の取り扱いを工夫する必要がある。本研究では降雪に着目し、降雪が放射性物質の移行および防護措置の実効性に与える影響を陽に考慮したリスク評価が、平均的な方法と異なる結果を与えるか考察することを目的とした。評価にはJAEAが開発したOSCAARを使用した。平均的なリスクプロファイルとして、2018年の1時間ごとの全気象条件を計算し、その中央値を用いた。降雪日については、2018年において顕著な降雪が見られた日をサンプリングした。結果として、降雪日は実効線量が増加し、中でも地表への沈着割合が高くなった。
キーワード: レベル3PRA,防災,リスク評価

2-20 宮川 幸大 東京工業大学 修士2年(M2) 専門:材料 Material
タイトル: 核融合炉液体SnダイバータにおけるFeCrAl-ODS合金の 化学的共存性に関する研究
概要: 液体金属錫中における予備酸化処理を施したFeCrAl-ODS合金(NF12、SP10、SOC6、SOC4)とAl含有高Mn鋼(RAA-7、RAA-5)の材料共存性を、773Kの攪拌流動場腐食試験(986時間)により調べた。予備酸化処理によりAl2O3被膜を鋼材表面に形成することで、液体錫攪拌流動場における腐食を抑制できる事が分かった。
キーワード: 核融合炉, 液体ダイバータ,錫,FeCrAl-ODS合金,腐食

2-21 金子 雅直 東京都市大学大学院 修士1年(M1) 専門:核燃料 Nuclear fuel
タイトル: 深層学習における地盤の増幅特性を考慮した震度推定に関する研究
概要: 原子力発電所の耐震設計を行う上で、サイトにおける揺れの大きさを推定することは必要不可欠である。地震による揺れの大きさの推定をする際に距離減衰式が用いられており、地盤による揺れの増幅を考慮するためにVs30(地表から30m程度の深さまでの平均S波速度)が使用されている。Vs30によって地盤の硬軟をある程度考慮できるものの、深さ方向のプロファイルの影響を考慮できなかった。本研究では、AIにより深さごとのVsを独立変数として推定に用い、精度の検討を実施した。
キーワード: 距離減衰式, 深層学習, Vs30,

2-22 岡村 知拓 東京工業大学 博士3年(D3) 専門:核燃料サイクル Nuclear fuel cycle
タイトル: NMB4.0:統合的な核燃料サイクルシミュレーションコードの開発
概要: 将来の原子力利用シナリオの検討には、核燃料サイクルにおけるフロントエンド、原子炉運転、バックエンドを統合的に分析する必要がある。一方、これまで国内外で開発されてきた核燃料サイクルシミュレーションコードは、フロントエンドのシナリオ分析に特化しており、バックエンドを柔軟に解析可能なコードは開発されていない。そこで、東工大と原子力機構は共同で、核燃料サイクルのフロントエンドからバックエンドまでのシナリオを統合的かつ、柔軟に解析するための計算プラットフォームNMB4.0を開発してきた。本発表では、NMB4.0の機能全般と計算性能について紹介する。
キーワード: NMBコード、核燃料サイクルシミュレーション、燃焼計算、放射性廃棄物、核燃料サイクルの統合化

2-23 高塚 大地 九州大学 修士1年(M1) 専門:原子炉安全 Safety
タイトル: ジェット・インピンジメント挙動に関する粒子法シミュレーション
概要: ジェット・インピンジメント挙動に関する既往実験を対象とした3次元粒子法シミュレーション解析を実施し、実験から得られた金属プレートの浸食速度について解析結果の妥当性を検証した。解析ではプレートの浸食挙動に影響を与える溶融プール形成やクラスト形成挙動が再現されており、本手法の適用性を確認した。
キーワード: 過酷事故,ジェット・インピンジメント,溶融浸食,粒子法シミュレーション

2-24 矢ヶ崎 誇楠 名古屋大学 修士1年(M1) 専門:核融合 Fusion
タイトル: 中間流領域における中性ガス圧力分布計算手法の開発
概要: ダイバータ排気経路の検討は原型炉設計アクションプランの一つであるが,比較的圧力が高く流れが中間流となるとされる。中間流は分子流と粘性流の間に存在する流れ領域であり,この領域におけるコンダクタンスは複雑な圧力依存性を有するため,圧力分布を計算する際に分子流で採用される線型解法が利用できない課題がある。我々は直線型プラズマ装置 NUMBER を用いたダイバータ模擬実験を行なっており,目標とする非接触プラズマの形成のためにはガス供給量と排気量の調整を通して中性ガス圧力分布を制御することが求められるが,この場合の中性粒子流れも中間流であることが課題となる。本研究では,中間流における圧力分布計算手法を新規に考案し,それを直線装置 NUMBER に適用することで実際に圧力分布を求めることに成功した。本発表では考案した計算手法を解説し,それを直線装置における実測結果と比較して検証する。
キーワード: 中間流,中性ガス圧力,ダイバータ,非接触プラズマ,原型炉

2-25 伊部 淳哉 東京都市大学 修士2年(M2) 専門:廃棄物 Waste Managament
タイトル: 沈殿法と蒸留法を用いた核燃料物質を含むアルカリ塩化物の除染プロセス ~蒸留試験~
概要: 乾式再処理試験開発により生じた試験廃塩の廃棄体化の前処理として沈殿剤を添加してUを沈殿分離後、減圧蒸留にてU以外の浴構成元素を蒸発分離する2段階のプロセスを検討している。本実験ではUの模擬としてCeを用いて、沈殿処理と蒸留処理を連続プロセスで行い、より実際の処理に近い条件で実験を行った。
キーワード: 乾式再処理,溶融塩,U分離,沈殿,減圧蒸留


Copyright(c) 2013 Sample Inc. All Rights Reserved. Design by http://f-tpl.com