2020年 原子力学会秋の大会 学生ポスターセッション 発表概要集

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コアタイム1➡︎10時-12時, コアタイム2➡︎14時-16時

発表番号がハイライトされている発表者は審査発表となります。


コアタイム1の発表者一覧
1-1一本杉旭人九州大学修士2年(M2)専門:核融合 Fusion
タイトル: 水素雰囲気下での長時間加熱によるLi添加型Li2TiO3からのリチウム質量移行と構造変化
概要: 固体トリチウム増殖材料は,ブランケットの厳しい環境下で長期間使用されるため,増殖材充填層における材料からのリチウム蒸発は避けられない.従ってブランケット環境下でのリチウム物質移動挙動を把握することは,放射性物質であるトリチウムの燃料サイクルの確立と安全な管理運用の観点から重要な問題である.そこで本研究では,我が国の固体トリチウム増殖材の第一候補材料であるLi2TiO3に予め材料特性劣化を補うためにリチウムが添加されたリチウム添加型微小球(Li/Ti = 2.10)を用いて,1000 Pa水素含有アルゴンガス環境下にて900℃で最大1200時間まで加熱し,材料からのリチウム蒸発量を定量した.その後,微小球内部の構造変化を観察した.結果として,微小球からのリチウム質量移行量と内部構造の変化は240時間以内に生じ,それ以降は有意な変化は確認されなかった.また,リチウム質量移行現象と微小球内の結晶粒成長には関連性があることが示唆された.
キーワード: 固体トリチウム増殖材, Li添加型Li2TiO3微小球, リチウム蒸発, 水素雰囲気 構造変化

1-2遠藤理帆静岡大学修士2年(M2)専門:核融合 Fusion
タイトル: イットリア安定化ジルコニア被覆の水素同位体透過挙動及びリチウム鉛中腐食挙動
概要: 核融合炉ブランケットにおける構造材料からのトリチウム透過漏洩及び液体金属による腐食を低減するために,配管等の内面に機能性被覆を施すことが検討され,これまでセラミックスが被覆材料として主として検討されてきた.中でも,酸化ジルコニウムに酸化イットリウムを添加したイットリア安定化ジルコニア(YSZ)は,これまで提案されてきたセラミックス材料よりも耐熱性や破壊靭性に優れており,機能性被覆として用いることで,熱サイクルに対する安定性や亀裂の進展を抑制する自己修復性を被覆に付与できる可能性がある.そこで本発表では,マグネトロンスパッタリング法で作製したYSZ被覆の水素同位体透過挙動及びリチウム鉛中腐食挙動について報告する.
キーワード: トリチウム,透過,腐食,被覆,イットリア安定化ジルコニア

1-3赤星江莉加静岡大学修士2年(M2)専門:核融合 Fusion
タイトル: セラミックス多層被覆の水素同位体透過に及ぼすリチウム鉛中腐食の影響
概要: 核融合炉液体ブランケットシステムの構築において,リチウム鉛(Li-Pb)などの液体トリチウム増殖材による腐食を抑えつつ,構造材料からのトリチウムの透過漏洩を低減する被覆技術の確立はきわめて重要である.先行研究において,酸化エルビウムと酸化ジルコニウムを用いた二層被覆が,単層被覆と比較して高い透過低減性能を示した一方,高温でのLi-Pb曝露試験後には被覆の亀裂や剥離などの劣化が確認され,耐食性に課題が残った.そこで本研究では,水素同位体透過低減性能とLi-Pb耐食性を両立した被覆を創製するために,酸化エルビウムと酸化ジルコニウムを材料として多層被覆試料を作製した.被覆試料を用いて静置場Li-Pb曝露環境下重水素透過試験を実施し,Li-Pb腐食が透過性能に与える影響を調査した.
キーワード: リチウム鉛,腐食,透過,トリチウム,被覆

1-4島田和弥東京工業大学博士1年(D1)専門:核データ Nuclear data
タイトル: 4次元ランジュバン模型による236U, 240Puの核分裂片全運動エネルギーの励起エネルギー依存性
概要: ウランやプルトニウムの核分裂過程の理解を深めることは,原子炉反応や廃棄物管理などの理解につながり,重要である.核分裂に関する観測量の一つに核分裂片の全運動エネルギー(Total Kinetic Energy: TKE)がある.235U, 239Puに中性子が入射して生起する核分裂の場合,中性子の運動エネルギーが増加するとTKEは小さくなることが実験的には分かっているが,単純に考えると励起エネルギーの増加とともに増加すると考えられるTKEがなぜ減少するかについての理解は得られていない.従来,核分裂片の全運動エネルギー(TKE)の洞察には3次元ランジュバン方程式が用いられてきたが,低エネルギーの核分裂計算には不向きであるなど改善の余地があった.そこで各フラグメントの変形を個別に取り扱えるように4次元ランジュバン方程式が開発された.本研究では4次元ランジュバン方程式を用いて236U, 240Puの核分裂片のTKEの励起エネルギー依存性を計算した.その結果,励起エネルギー増加に伴い重い核分裂片の変形度が変化することによってTKEが減少する傾向を得ることができ,分裂の様子をよく再現することができた.すなわち4次元ランジュバンの取り扱いが必須であることが分った.
キーワード: 核データ,ランジュバン方程式,原子核物理,核分裂,全運動エネルギー

1-5藤尾和樹東京工業大学修士2年(M2)専門:核データ Nuclear data
タイトル: 微視的平均場模型を用いたU-236の核分裂経路を構成するエネルギーの分解
概要: 核子自由度から原子核を記述する微視的平均場模型は,未知の核分裂に関する核データを整備する有効な手段の一つである.現行の微視的平均場模型では,エネルギー密度汎関数法に基づく有効相互作用が利用されているが,核分裂に関するものは整備されておらず,また核分裂現象を記述する際に重要な要素も明らかになっていない.そこで,これまでに原子核物理で整備された有効相互作用を用いて計算し,微視的平均場模型で核分裂経路を調べる事にした.U-236を対象に原子核の伸長と質量非対称度に注目して,三次元座標空間表示で拘束条件付き平均場模型で核分裂経路を計算した.本講演では核分裂経路を構成するポテンシャルエネルギー面を特徴別に7つのエネルギー項に分解し,それぞれのふるまいを報告する.
キーワード: 核データ, 核分裂, 平均場模型, 有効相互作用, ポテンシャルエネルギー面

1-6CHEN XINRUNNagaoka University of Technology修士2年(M2)専門:材料 Material
タイトル: Diffusivity of Alloying Element in Reactor Pressure Vessel Model Materials under Irradiation Studied Using Advanced Microscopic Technology
概要: The migration of Mn,Ni and Si atoms to form Mn-Ni-Si clusters is important mechanism of irradiation embrittlement of reactor pressure vessels (RPVs). In order to develop the clustering model , diffusion coefficients of alloying elements are essential. However, diffusion coefficients only at temperature nearly half of melting point is known. Therefore, here a new measurement method of diffusion coefficients of alloying elements in reactor pressure vessel materials under irradiation at around the operation temperature of a nuclear power plant was adopted.
キーワード: Diffusivity, RPV, Irradiation, APT

1-7横内優東海大学修士1年(M1)専門:再処理 Reprocessing
タイトル: フルオラス溶媒とイオン液体を用いたトリウム燃料再処理法の開発~TBP誘導体によるセリウム(Ⅳ)の抽出~
概要: THOREX法では溶解液にフッ酸と硝酸の混酸が使用され,さらにTh(Ⅳ)錯体の抽出媒体への低溶解性が課題となっている.そこで我々は,安定性を有するフルオラス溶媒や,溶解性に富むイオン液体をトリウム燃料再処理の抽出媒体として適用することを検討している.本研究では,Th(Ⅳ)の模擬元素としてCe(Ⅳ)を使用し,TBPを骨格に持つフルオラス抽出剤を用いたフルオラス抽出系と,イミダゾリウム型イオン液体[PMI][Tf2N]を用いた抽出系によるCe(Ⅳ)抽出挙動を検討した.
キーワード: 核燃料再処理, フルオラス溶媒, イオン液体, 溶媒抽出, THOREX法,

1-8河野大樹東京工業大学修士1年(M1)専門:核データ Nuclear data
タイトル: 相対論的平均場理論における核分裂障壁の対相関依存性
概要: 核分裂障壁の理論予測は非常に困難であり,現状のベストな理論を用いても 1 ? 5MeV 程度の誤 差を持つことが知られている.特に対相関の取り扱いによって予測値はばらつく.本研究では ω 中 間子の非線形項を含んだラグランジアン密度に基づく相対論的平均場理論 (共変的密度汎関数法) を 用いて核分裂障壁を計算し対相関のモデルやパラメータに対する依存性を調べる.また,その原因を 探り,非相対論的密度汎関数法の結果と比較して報告する.
キーワード: 相対論的平均場理論,核データ,核分裂障壁,対相関

1-9笠井宏哲東京都市大学修士2年(M2)専門:放射線電池
タイトル: 低出力長寿命小型電源として応用する直接充電型β電池の概念設計
概要: 本研究マイクロRTGやβ電池などと熱特性や電気出力などを比較し,直接充電型β電池の適したサイズや線源・使用目的について検討し,その有用性を示すものである.
キーワード: 放射線電池, 高電圧低電流

1-10三星夏海東京工業大学博士1年(D1)専門:核不拡散・保障措置・セキュリティ Nuclear nonproliferation, safeguards, nuclear security
タイトル: 高い固有安全性・核不拡散性を有する革新的中小型軽水炉の研究 (2)シリサイド燃料の効果
概要: 本研究では,高熱伝導率・化学的安定性を有するシリサイド(U3Si2)燃料に着目し,中小型軽水炉の核特性・原子炉安全性・核不拡散性(核セキュリティ性)への影響を,従来のUO2燃料との比較により評価した.
キーワード: 原子力安全, 核セキュリティ, 小型炉, 事故耐性燃料, シリサイド燃料

1-11Md. Abdur Rafiq AkandKyushu University博士2年(D2)専門:熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: Bubble Lift-off Size in Subcooled Flow Boiling for Inclined Heating Surface
概要: The study of bubble characteristics for inclined heating surface is essential to successful implementation of In-Vessel Retention (IVR) technique following the critical heat flux (CHF). For the LWR, the effectiveness of IVR strategy relies soundly on decay heat removal capability, the critical heat flux (CHF), from the external surface of RPV lower plenum, whose orientation angle varies gradually from heading downward horizontal to the vertical position. The heat transfer from the outer surface of RPV to coolant is significantly affected by the vapor quality i.e., the void fraction. The significant void has started from the net vapor generation points (NVG), and it is the point where bubble lift-off from the heating surface. In the case of interfacial heat transfer, void fraction prediction, and interfacial area transport equation, bubble lift-off diameter is more significant than the departure diameter, though a minimal study was conducted on the bubble lift-off process. An experimental facility has been designed with a high-speed video camera system to investigate the bubble lift-off process for different inclination angles of heating surface from downward-facing horizontal to vertical position. The present experimental matrix consists of mass flux of 430 to 1180 kg/m2s, heat flux of 0.07 to 0.271 MW/m2, inlet subcooling of 10 to 40 0C and channel orientation from downward facing horizontal to vertical position. The impact of channel orientation, heat flux, mass flux, and inlet subcooling on bubble lift-off size are thoroughly investigated with the current experimental facility. An increasing trend of bubble lift-off diameter was identified for increasing heat flux, and decreasing mass flux as well as the inlet subcooling. A significant effect of the channel orientation angle on the bubble lift-off diameter was found at low mass flux conditions, and the maximum lift-off diameter was achieved in the downward-facing horizontal heating surface, whereas the minimum one was at the vertical condition.
キーワード: Lift-off diameter, inclination angle, in-vessel retention, subcooled flow boiling, flow visualization.

1-12田渕純平 電気通信大学修士1年(M1)専門:熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: 液膜内核沸騰に起因する液滴飛散現象の観察 (Visualization of droplet entrainment caused by nucleate boiling in a liquid film)
概要: 沸騰水型原子炉の燃料棒は燃料棒表面の液膜によって冷却が行われるため,環状流中での液膜からの液滴飛散現象を把握することは原子炉の安全設計上,非常に重要である.環状流における液滴飛散現象は気流によるせん断や液滴の衝突,核沸騰気泡の破裂に起因するモデルが考えられている.本実験では核沸騰によって引き起こされる液滴飛散現象の可視化実験を行った.実験では,大気圧条件下で水-空気を用いて矩形流路に強制対流液膜を形成し,液膜を加熱することで沸騰による液膜への影響を観察した.熱流束は0.2-1.2 MW/m2の範囲で実験を行い,支配的な熱伝達メカニズムが強制対流蒸発から核沸騰に遷移することと液滴飛散現象が密接に関与していることを確認した.
キーワード: 液滴飛散, 核沸騰, 二相流, ドライアウト, 高熱流束

1-13木本裕子東京都市大学修士1年(M1)専門:放射線工学 Radiation engineering
タイトル: 多摩川水系における放射性セシウムと微量元素の定量
概要: 本研究では首都圏の重要な水源である多摩川の河川水中に含まれる137Csの濃度を定量することで低線量地域での移行挙動解明を行い,機器中性子放射化分析によって微量元素の分析を行った.
キーワード: 多摩川水系,137Cs,リンモリブデン酸アンモニウム共沈法,Ge半導体検出器,機器中性子放射化分析

1-14池田和東京都市大学修士1年(M1)専門:原子炉安全 Safety, リスク Risk, 耐震設計
タイトル: Deep learningを使用した応答スペクトルの減衰補正
概要: 地震大国と称されるほど地震の頻度が多い日本において,構造物や機器に対する耐震設計は極めて重要視されている.その耐震性を検討するに際して,それぞれの構造物や機器の固有周期と地震動から与えられる揺れの強さをグラフとして可視化した応答スペクトルを用いて評価をすることが大半である.耐震設計では構造物や機器によってそれぞれに合った減衰定数を設定し,応答スペクトルを算出する.減衰定数は5%として計算されることが多く,他の減衰定数を求める場合には5%のものを基準に補正を行っている.しかし現状用いられている補正式の精度が問題視されることがある.本研究では,新たな補正方法として近年急速に発展を遂げているAI技術のうちの1つのDeep learningを用いて,現状の減衰補正計算と比較検討を行った.
キーワード: 耐震設計,応答スペクトル,減衰補正,Deeplearning,AI

1-15磯崎一馬東海大学学士4年(B4)専門:原子炉安全 Safety
タイトル: ナトリウム冷却高速炉の炉心崩壊事故時における? 溶融炉心物質の再配置挙動に関する研究? -低水深プール中での枠付き融体流出試験に対する解析モデルの検証-
概要: ナトリウム冷却高速炉は仮想的な炉心崩壊事故(CDA)時に条件によって再臨界が発生し大規模なエネルギーが放出される可能性があり詳細なCDA評価が行われてきた.現状の設計例では,CDA時後の長期的な再配置過程において溶融炉心物質は主に制御棒案内管を通して入口プレナムへ流下することが想定されている.その際,入口プレナムの底板までの液深が十分でない場合は溶融炉心物質が固化する前に底板に接する可能性がある. これまで,底板上での溶融物質挙動等を把握することを目的とし低融点合金による模擬実験が実施された.本報では溶融物質の挙動について模擬実験の数値解析を実施し,解析モデルの妥当性を検証した結果を報告する.
キーワード: ナトリウム冷却高速炉,炉心崩壊事故,IVR,再配置挙動,SIMMER-Ⅲ

1-16日下雄都阿南工業高等専門学校専攻科1年専門:放射線工学 Radiation engineering, 社会・環境 Social・Environment, 学生活動 Student activities
タイトル: 放射線量マップ製作の試み
概要: 各地の放射線量,GPSデータをArduinoに入力することでの放射線量マップ作製の検討.放射線量計の作製.
キーワード: 放射線量,Arduino,みちびき,放射線量マップ,GPSデータ

1-17伊部淳哉東京都市大学修士1年(M1)専門:廃棄物 Waste Managament
タイトル: 沈殿法と蒸留法を用いた核燃料物質を含むアルカリ塩化物の除染プロセス
概要: 乾式再処理試験開発により生じた試験廃塩を廃棄体化する前処理として沈殿剤を添加してUを沈殿分離後,減圧蒸留を行うことでU以外を蒸発分離する2段階のプロセスを検討している.本実験では核物質の模擬としてCeを用い,沈殿剤の添加条件を換えた沈殿生成試験,および蒸留条件を換えた蒸留試験を行った.
キーワード: 乾式再処理,溶融塩,U分離,沈殿,減圧蒸留

1-18岡田諒東京都市大学修士2年(M2)専門:再処理 Reprocessing
タイトル: MA回収用CHON型抽出剤を含浸させた吸着材中に形成される希土類の錯体構造解析
概要: 高レベル放射性廃液中の3価のマイナーアクチニド(MA(III):AmおよびCm)は,半減期が長く,強い放射線と崩壊熱の原因となるため,回収する必要がある.本研究では,MA回収プロセスにおける溶媒抽出法と抽出クロマトグラフィ法のハイブリッドプロセスの構築を目指している.本実験ではAm/Cm相互分離に有効的な抽出剤の1つであるアルキルジアミドアミン(ADAAM)を用いた抽出及び吸着試験を行い,抽出剤の側鎖構造や硝酸濃度による影響をICP-OES分析とXAFS解析により調査し,最も有効的である条件を検討した.
キーワード: MA, HLLW, 溶媒抽出法, 抽出クロマトグラフィ法, EXAFS, ADAAM

1-19和田拓郎静岡大院修士2年(M2)専門:材料 Material, 核融合 Fusion
タイトル: 放射線が及ぼすDNA二重鎖切断への損傷抑制効果
概要: 福島第一原子力発電所事故以来,放射性汚染水による生体への放射線影響が問題視されている.特に,内部被ばくによるDNA損傷が注目されており,放射線防護の観点からDNA損傷を防ぐ機構の理解が必要不可欠である.本研究では,ゲノムサイズの長鎖DNAに抗酸化物質として茶カテキン(EGCg)を加え,種々のLETを持つ放射線を照射した後,蛍光顕微鏡を用いたDNA一分子観察法によって画像解析することで,DNA二重鎖切断効率を定量的に評価した.
キーワード: 放射線生物影響,トリチウム,DNA損傷,蛍光顕微鏡,LET

1-20I Wayan NgarayanaNagaoka University of Technology博士1年(D1)専門:材料 Material
タイトル: Caesium Chemisorption Phenomenon onto Ni-based Alloy Materials
概要: Understanding the chemisorption phenomena is very important to increase the fission products transport prediction both for the normal and accident condition. Chemisorption studies were performing intensively especially for Stainless Steel. However, although Nickel-based alloys are another important material and used widely as the Nuclear Power Plant structures, the study for this material is still very limited. This experimental study is performing especially to find the differences of Nickel-based alloys compared with Stainless Steel chemisorption characteristics, observing the effects of Titanium & Ferro as the solute elements towards the oxidation & chemisorption processes, and understanding the chemisorption mechanism through microscopy analysis. This experiment will be conducted by some stages, starting by understanding the oxidation growth characteristics, deposition CsOH/CsI compounds onto the samples with several parameters & environmental adjustment, and identify chemisorption stability. The analysis will be carried out using several apparatuses such as XRD, SEM/EDX, FIB, TEM, etc. The current hypothesis shows that Caesium chemisorption characteristic onto Nickel-based alloys has similarity with Stainless Steel which is strongly influenced by the availability of oxygen as well as several solute elements such as Titanium, Silicon, Ferro, etc.
キーワード: Caesium, Chemisorption, Ni-based alloy

1-21法月亮介静岡大学修士1年(M1)専門:核融合 Fusion
タイトル: 電気絶縁用セラミックス-鉄接合被覆の作製と特性評価
概要: トリチウム増殖材として液体金属を用いた核融合炉ブランケットでは,磁場との相互作用で起こるMHD圧力損失を低減させるために電気絶縁性被覆を構造材料に施すことが検討されている.この被覆には,絶縁性に加えて液体金属との共存性が求められる.過去に鉄箔をセラミックス被覆の上に覆うことで液体リチウム鉛との共存性が向上することが示されたが,この複層被覆の実用化のためには鉄箔をセラミックス被覆上に接合する必要がある.そこで本研究では,ホットプレス法でセラミックス-鉄接合被覆を作製し,接合被覆の絶縁性とリチウム鉛共存性について評価した.
キーワード: 液体ブランケット, 被覆, 電気絶縁, 接合, 腐食

1-22王海東大阪大学修士2年(M2)専門:放射線工学 Radiation engineering
タイトル: Measurement of long-lived radionuclides produced by DT neutron source facility of OKTAVIAN
概要: The irradiation room in OKTAVIAN has been utilized for 38 years until now. A reaction named DT reaction has occurred and produced 14.1Mev neutrons for 38 years, So the wall of OKTAVIAN is activated and some radioisotopes are generated such as 60Co…Thus that we need to investigate this room to know whether people working in the room have been safe or not and whether we can finally dispose the concrete walls of this room. Calculate to estimate the amount of radioisotopes produced for 38 years. Then measure and find radioisotopes produced in the wall of the heavy irradiation room, compare it with background measurement result to identify produced long-lived radioisotopes. To estimate the total amounts of neutrons produced for the last 38 years we should calculate a concrete sample taken out from the wall in irradiation room in OKTAVIAN. Finally estimate exposure doses to workers. The radioisotope special peaks of Mn-54, Na-22, Co-60, Eu-152, Zn-65 were found. By checking the date of nuclear data, Eu-152 was found the longest half-lived. So we chose Eu-152 to calculate all amounts of neutrons produced in OKTAVIAN. This work will be done in future. The activity of concrete sample is calculated 0.917Bq and specific activity is 0.01037Bq/cm3. This result shows that the irradiation room in OKTAVIAN is still pretty safe for human because the activity is still low. We successfully found out a long half-lived radioisotope Eu-152 and measured the activity of the concrete sample in irradiation room in OKTAVIAN. And the room is still safe for human working in there. In future we will use MCNP5 and FISPACT2007 to do some theoretical calculations to get award of the total amount of neutrons produced for the last 38 years.
キーワード: OKTAVIAN,long-lived radioisotope,neutron,radionuclide,concrete

1-23中澤章太静岡大学修士1年(M1)専門:核融合 Fusion
タイトル: 有機金属分解法で作製した酸化ジルコニウム被覆中の重水素滞留挙動に対する軽水素雰囲気下ガンマ線照射効果
概要: DT核融合炉ブランケットにおいて,構造材料へのトリチウム透過及び滞留は燃料効率と安全性の観点から精密な予測と評価が必要不可欠である.一方で,ブランケット内は高線量の中性子線とガンマ線照射環境であり,さらに燃料配管内はトリチウムと重水素が混在する環境でもあるため,放射線照射や材料中のトリチウムと周辺の水素同位体との相互作用が滞留挙動へ影響を及ぼす可能性がある.本研究では,トリチウム透過低減用セラミック被覆として研究が進展している有機金属分解法で作製した酸化ジルコニウム被覆を用い,重水素滞留挙動に対するガンマ線照射効果を調査した.予め500 °Cで重水素を滞留させた被覆において,室温,軽水素雰囲気下で2.0 Gy/sのガンマ線照射を行った後,核反応分析による水素同位体濃度を測定すると,重水素滞留量が著しく減少した.このことから,室温においてもガンマ線照射によって被覆中の水素同位体が脱離することがわかり,材料中のトリチウム滞留がガンマ線照射によって大きく変化する可能性が示された.
キーワード: トリチウム,滞留,ガンマ線,被覆

1-24尾関 政文東京大学 修士2年(M2)専門:加速器・ビーム Particle accelerator and Beam Sciecnce
タイトル: Ra-226ターゲットを用いたAc-225製造のための電子ライナック照射システム設計
概要: 近年,核医学分野ではTheranosticsという新しい概念が注目されている.放射性医薬品を用いて,個々の患者の病変の位置や性質を考慮しながら治療を進める方法である.従来の治療法と比べ,患者の負担を軽減して診断と治療を段階的に行うことができる.その新規治療法の一つとして,去勢抵抗性前立腺がんのイメージングを診断薬の68Ga-PSMA-11で行い,治療薬の225Ac-PSMA-617でがん細胞を焼く手法がある. 次世代の治療に用いられる医療用RIとして需要が見込まれるAc-225は,世界的に供給量の限界が懸念されている.そこで東大上坂研究室では,電子ライナックによってAc-225を国内で製造する研究を行っている.Ra-226ターゲットに対してγ線照射を行い,226Ra(γ,n)225Ra反応でRa-225を生成したのち,Ra-225のAc-225への自然崩壊を利用して化学抽出によってAc-225を得る手法である. 臨床研究へ向けた製造量スケールアップと今後の製造実験のため,最適な照射体系を策定することが重要である.今回はPHITS,ANSYSの2つのシミュレーションソフトを用いて計算を行った.本発表では光核反応の効率化によって製造量の最大化を目指しつつ,照射体系中のRa-226ターゲットに対する熱的負担を考慮した熱設計の計算結果について報告する.
キーワード: Theranostics, Ra-226, Ac-225, 電子ライナック, 熱設計

1-25林祐太京都大学博士1年(D1)専門:核融合 Fusion
タイトル: 燃料供給による核融合出力制御と不純物応答
概要: 商用炉に向けたトカマク型核融合炉DEMOでは,必要最小限の制御アクチュエータを用いた核融合出力制御が必要である.本研究では,燃料供給としてペレット入射を制御アクチュエータとした燃焼制御によりプラズマへの不純物混入時の応答を調べた.輸送コードTOTALを用いて,核融合出力の目標値と実績値の差分に応じてペレット入射の燃料供給量を変化させ,核融合出力の制御を行なった.燃料のリサイクリング率は0.98とした.プラズマパラメータは2014年に設計された日本の原型炉のモデルを用いた.このプラズマは,ELMy Hモードの運転でHHファクターは1.13である.不純物としてアルゴンとタングステンを想定した.定常運転時のダイバータ熱負荷軽減用途のアルゴンガスを注入すると,運転密度が9%増加するものの想定されているAr量における核融合出力の制御が可能であることが示された.さらに,炉壁から剥離したタングステンバルクがプラズマ内に混入し核融合出力が低下した場合,ペレット入射を用いて出力復帰することが可能であり,核融合出力制御が不能にするタングステン量の限界値が得られた.
キーワード: ペレット入射,燃料供給,プラズマ制御

1-26Zul Hilmi SaidinUniversity of Tsukuba博士3年(D3)専門:社会・環境 Social・Environment
タイトル: Seasonal variation in radiocesium transport and deposition through stemflow in the aftermath of the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant accident
概要: This study seeks to better understand the seasonal variation in the transport and deposition of radiocesium through the tree canopy and trunk via branchflow and stemflow of the cedar and oak stands.
キーワード: Radiocesium deposition, forest hydrology, branchflow, stemflow, cedar stand, oak stand

1-27沖澤悠輔福島大学修士2年(M2)専門:社会・環境 Social・Environment
タイトル: 2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故によるCo-60飛散の検証
概要: 本研究では,東京電力福島第一原子力発電所(FDNPS)事故により放出されたCo-60の飛散の分布を検証し,放出量を予測することを目的として行なった.FDNPS周辺や2011年に採取されたアーカイブ土壌試料等を用いて,表層土壌や腐植物質中のCo-60をGe半導体検出器で17,000秒以上測定した. FDNPS周辺8か所からCo-60を検出し,Co-60/Cs-137比は,3.0E-05~1.4E-04(平均8.7E-05)であった.陸域へのCs-137放出量3~6PBqから想定されるCo-60放出量は0.3~0.5TBqと見積もられる.今後サンプリング範囲を拡大し測定を継続する計画である.
キーワード: 福島原発事故,中性子放射化生成物,冷却水,Cs-137,腐植

1-28大槻知恵子福島大学修士2年(M2)専門:社会・環境 Social・Environment
タイトル: 蘚苔類への放射性セシウムの蓄積
概要: 2011年のFDNPS事故から8年後の2019年に,福島県,青森県長崎県で蘚苔類を採取した.福島県の蘚苔類中Cs-137濃度と土壌のCs-137インベントリーは正の相関を示し(P値<0.05),放射性降下物の指標生物として有用であることが示唆された.現在,野外調査の地点数を増やすとともに,ハイゴケへの放射性セシウムの移行について,変動要因として最も影響があると考えられるカリウムの影響についての研究を進めている.
キーワード: 野外調査 Cs-137インベントリー 指標生物 カリウム 移行試験

1-29遠藤佑哉福島大学修士2年(M2)専門:放射線防護
タイトル: 2011年東電福島第一原発事故後の土壌中放射性セシウムによる空間線量率と実効線量の関係
概要: 2011年の東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所事故により環境中に放出された137Csおよび134Csは,物理学的半減期が異なることから,空気カーマ,周辺線量当量及び実効線量の関係は時間経過とともに変化する.そこで,帰還困難区域の屋外環境における実測およびモンテカルロ放射線輸送計算コードPHITSによるシミュレーションにより時間経過を踏まえたこれらの関係について調査した結果を報告する.
キーワード: 追加被ばく線量,実効線量,外部被ばく,空間線量率,モンテカルロ放射線輸送計算コードPHITS

1-30岡田ロドリゴユウジ富山高等専門学校専門:材料 Material, 加速器・ビーム Particle accelerator and Beam Sciecnce, 学生活動 Student activities
タイトル: 有機半導体単結晶を用いる新しい放射線検出器の開発
概要: 有機半導体には、柔軟性や軽量であるという長所に加え、生体と同様の元素で構成されているという特徴がある。そのため、人体への放射線影響の直接推定が期待されている。これまでの研究では、結晶性の低いバルクヘテロ型素子を用いてきたが、電荷移動度が小さい上に、膜厚を大きくできないことに起因する大きい静電容量により、暗電流が大きい、パルス計測が難しい等の課題があった。本研究では4HCB、Rubreneなど、電荷移動度などの半導体性能が優れている有機単結晶を用いる放射線検出器の開発を目的とする。これまでに、高エネルギー加速器研究機構(KEK)において、単色X線エネルギーを40keVとして、有機単結晶型素子の応答特性を測定した。その結果、Rubreneより4HCBの方が結晶で測定された電流が大きいことを確認した。また、コリメートしたX線ビームの照射位置を変えて、発生電流の位置依存性を測定したところ、有機単結晶部分ではなく、電極として使用した銀ペーストや電極(金)にX線を照射した場合に電流値が大きくなった。有機半導体の生体等価性を生かした素子を開発するため、今後、カーボンペーストを使用するなどの検討が必要である。さらに、材料の選定や、電極設置方法などの、素子構造の最適化を行い、将来的にはパルス計測による検出器の適用領域の拡大を目指す。
キーワード: 有機半導体, 有機フォトダイオード, 放射線検出器, 有機単結晶, 生体等価

1-31ニ澤佳祐豊橋技術科学大学学士3年(B3)専門:未決定(機械工学課程)
タイトル: 日本原子力学会 学生連絡会活動紹介
概要: 日本原子力学会学生連絡会は現役学生が運営しており,研究交流を通して学生会員同士の情報交換,研究活動の支援,日本原子力学会発展への貢献を目的としている.このポスター発表では2019年度の活動報告と2020年度の運営体制の紹介を行う.特に六ヶ所村原子力施設見学会(討論会)の様子や,運営メンバーへのQ&Aを紹介する.
キーワード: 日本原子力学会,学生連絡会,活動報告,六ヶ所村見学,運営メンバーQ&A,2020年度運営体制


コアタイム2の発表者一覧
2-1遠藤祐哉電気通信大学修士1年(M1)専門:熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: 強制対流サブクール沸騰における合体気泡の離脱直径
概要: 強制対流サブクール沸騰において,ボイド率が急上昇するOSV(Onset of Significant Void)は工業的に重要な現象である.OSVが発生する前後で可視化実験及び計測を行い,OSV後に現れる大気泡の形成原因を調査した.観察された気泡挙動に着目し,気泡径と伝熱面から離脱する確率,また管内にできる乱流渦との関係を検討した.
キーワード: OSV (Onset of Significant Void),Coalescence,Bubble lift-off size,Forced convective subcooled boiling

2-2森彩華早稲田大学修士1年(M1)専門:熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: プール中に熱源を有する体系における温度成層化現象の数値シミュレーション
概要: 原子炉発電所の使用済燃料プール(SFP)上部の作業環境の安全性確保のためには,プール内の伝熱現象とそれに伴う水位変化を定量的に把握することが求められる.この温度成層化メカニズムの解明の為には,燃料の崩壊熱を駆動力とするSFP内の温度・流速分布を明らかにすることが不可欠である.そこで本研究では,数値流体力学解析を用いて,プール中に熱源を有する体系における温度・流速分布をモデル化することを目的とする.本報では,KAERI Kimらの実験結果を参照してプール上部の温度・流速分布の解析結果を比較した.
キーワード: 温度成層化,CFD,SFP,温度分布,流速分布

2-3倉島真希早稲田大学修士1年(M1)専門:熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: プール底面熱源より生じる水中熱プルームの数値シミュレーション
概要: 原子力発電所の使用済燃料プール(SFP)における温度や水位の変化を把握することは,SFPの安全性評価において重要である.本研究では使用済燃料の崩壊熱を駆動力として形成される自然対流のメカニズムについて数値流体力学計算を通じて定量的に把握することを目的とする.本報では,Meyerらが実施したプール底面に熱源を有する体系を対象として,実験結果を参照してプール内部の温度・流速分布の解析結果を比較し,自然対流メカニズムを論じた.
キーワード: 自然対流 , SFP , 温度分布 , 流速分布, CFD

2-4大野倫太郎早稲田大学修士1年(M1)専門:原子炉安全 Safety, 熱流動 Thermal Hydraulics
タイトル: 伝熱面上の銅製多孔質格子構造がプール沸騰限界熱流束に与える影響
概要: 原子力発電所の過酷事故時に炉容器外部冷却により溶融炉心を保持するIVR(In-Vessel Retention)において,高熱負荷に対する余裕を増大させるため,伝熱面の限界熱流束(CHF)を向上させることが重要がある.先行研究では,冷却材にナノ流体を用いることや,ハニカム多孔質板を伝熱面に設置することなどの方法が提案され,実験によりCHFが向上することが確認されている.本研究では.銅合金製多孔質格子構造を伝熱面上に設置し,その構造がCHFに与える影響を実験による把握し,考察した.
キーワード: 限界熱流束,3Dプリンタ,プール沸騰,多孔質格子板,IVR

2-5中村武志九州大学修士1年(M1)専門:原子炉安全 Safety
タイトル: 気液界面で液体エントレインメントを伴う気泡膨張挙動に関する 数値シミュレーション
概要: 高速炉の過酷事故時の炉心膨張過程において,高温高圧の炉心から放出され上部プレナム領域で膨張する気泡中への液体のエントレインメント挙動は,気泡成長と運動挙動に大きな影響を与えると考えられている.本研究では,Corradiniによって提案された気液界面でのRayleigh-Taylor不安定性に基づくエントレインメント・モデルについて,粒子法シミュレーションによってその妥当性を検証した.さらに,同モデルを導入した高速炉安全解析コードにより炉心膨張模擬試験の解析を行い,その適用性について検討した.
キーワード: 高速炉, 過酷事故, 炉心膨張過程, 液体エントレインメント, 粒子法シミュレーション

2-6山崎翔太静岡大学修士2年(M2)専門:材料 Material, 核融合 Fusion
タイトル: 照射欠陥導入タングステンへの重水素プラズマ照射による滞留挙動に及ぼす照射温度依存性/Irradiation temperature dependence on deuterium retention for damaged tungsten by deuterium plasma exposure
概要: 核融合炉のプラズマ対向壁材タングステン(W)には炉運転時に中性子が照射され,水素同位体の捕捉サイトである照射欠陥が導入される.この時の対向壁温度は位置やプラズマの状態により異なる.照射温度により欠陥状態が変化するため,水素同位体滞留挙動にも影響を及ぼすと考えられる.本研究では,中性子または鉄イオン照射をすることによりW中に欠陥を導入した.これらの試料に照射温度を変化させて重水素(D)プラズマ照射を行った後に昇温脱離法により重水素滞留挙動を評価した.その結果,623 Kにおいてプラズマ照射を行った中性子照射試料では同程度の損傷量を導入した鉄イオン照射試料に比べ滞留量が増加していた.また中性子照射試料の陽電子寿命の成分のうち空孔クラスターおよびボイド由来である長寿命成分の割合が33 %となった.ここから中性子照射によって生じたバルク中の安定な欠陥がD滞留を増加させることが示唆された.
キーワード: プラズマ照射/plasma exposure, 中性子照射/neutron irradiation, 昇温脱離法/Thermal Desorption Spectrometry, タングステン/tungsten

2-7宮地嘉弘大阪大学修士2年(M2)専門:放射線工学 Radiation engineering
タイトル: Am-Be中性子線源を用いたコンクリートの含水量非破壊測定法の実験的検証
概要: 本研究では,コンクリート内部の水分量を非破壊で測定する実験手法を提案する.具体的には,コンクリートに高速中性子を入射させ,コンクリート上に設置した金箔を放射化させる.金箔の放射化量と含水量の相関関係を予め理論計算により求めておくことで,含水量未知のコンクリートの水分量を決定することが出来る.本研究では,この手法を実験的に検証するため,水とセメントを混ぜ合わせた含水率が異なるブロックをいくつか作製し,提案する手順で中性子照射実験を行った.測定値と計算値を比較した結果,それぞれ数%の精度で一致した.セメントと水のみで固めた場合であるが,本研究で提案する手法により,含水率が決定できることが分かった.
キーワード: 非破壊測定法,含水量,中性子線源,金箔,コンクリート

2-8青木計志大阪大学修士2年(M2)専門:放射線工学 Radiation engineering
タイトル: BNCTのための熱外・高速中性子束強度測定検出器の開発
概要: ホウ素中性子捕捉療法(BNCT) 用の熱外 (0.5 eV~10 keV) 中性子束強度測定検出器の設計・製作を行った.京都大学の KURにて試作検出器の性能テストを行った結果, BNCT中性子場の熱外中性子束を 4 %の精度で測定できることを確認した.高速 (10 keV~1 MeV) 中性子 検出器の設計も完了しているので紹介する.
キーワード: ホウ素中性子捕捉療法,熱外中性子,高速中性子,中性子束強度,箔放射化法

2-9三好邦博東京大学大博士1年(D1)専門:加速器・ビーム Particle accelerator and Beam Sciecnce
タイトル: 電子ライナックγ線を用いたAc-225放射性医薬品生成:Ra-226ターゲット抽出と照射担持体検討
概要: α線は高い線エネルギー付与を持つため生物作用が強く,組織内の飛程も短いことから,分子標的薬と組み合わせることで微小転移癌などの治療に有効な放射性医薬品への応用が期待されている.α線放射核のうちAc-225はその物理的・化学的特徴から最も注目されている核種の一つであるが,その製造が核物質に依存していることから供給能力が限られており,広く臨床で利用されるには至っていない.そこで現状の製造方法の代替案として,東大上坂グループではAc-225の親核種であるRa-225を,電子ライナックγ線とRa-226を用いたRa-226(γ,n)Ra-225光核反応にて生成する手法に着目している.照射標的であるRa-226は,過去臨床において密封小線源治療に用いられていたが,現在では日本国内で流通されておらず入手が困難であるという課題がある.一方でRa-226はウラン系列に属するためウラン鉱山廃棄物中に存在することが知られており,ウラン鉱さいなどから高効率でRa-226を抽出することが出来れば,電子ライナックと合わせてAc-225の国内生成が可能になる.本発表では電子ライナックγ線とRa-226を用いたAc-225製造の全体像について概観し,試験的に入手した鉱さい資料の初期分析結果と,Ac-225製造量シミュレーション結果および実験準備中であるターゲット担持体の検討状況について報告する.
キーワード: Ac-225, RI製造, 電子ライナック, 光核反応, ウラン廃棄物

2-10NGUYEN BA VU CHINHNAGAOKA UNIVERSITY OF TECHNOLOGY博士1年(D1)専門:材料 Material
タイトル: IMPROVEMENT OF ATOM PROBE TOMOGRAPHY IMAGE OF SOLUTE CLUSTERS IN REACTOR PRESSURE VESSEL MATERIALS
概要:Recently, atom probe tomography (APT), which can provide three dimensional mapping of atoms, is a key tool for nanoscale characterization of solid materials. The accuracy of APT images is a result of the combination of many experimental and analytical processes such as: specimen preparation, design and instrumentation, data collection and reconstruction. In reactor pressure vessel (RPV) materials, the formation of solute clusters (especially anisotropic solute cluster) under high irradiation dose has an important role contributed to microstructure change, but it still has not been clearly understood. This study, we are focusing on the improvement of APT image of solute clusters in RPV material after long term operation based on the modification of specimen preparation and post – reconstruction process.
キーワード: APT image, nanoscale, solute clusters, anisotropic cluster, RPV.

2-11小池彩華静岡大学修士2年(M2)専門:材料 Material, 核融合 Fusion
タイトル: QUEST2019S/S での水素プラズマ曝露による 水素同位体滞留評価に及ぼす照射損傷影響評価
概要: 九州大学QUEST装置において2019年春夏キャンペーン(2019S/S)で長時間プラズマ曝露したタングステン試料の表面状態と水素同位体滞留挙動の相関について検討した.また,あらかじめ照射損傷を導入した試料との比較を行い,より実機条件下での水素同位体滞留挙動について検討した.その結果,試料における表面状態および水素同位体滞留挙動は壁位置によって異なることが示された.このことからプラズマ放電条件と水素同位体滞留挙動との相関が示された.
キーワード: タングステン,クエスト,プラズマ照射,水素同位体滞留挙動

2-12Pohl MichelThe University of Tokyo博士2年(D2)専門:放射線工学 Radiation engineering, Radiotherapy
タイトル: Prediction of the position of internal points using a recurrent neural network trained with real-time recurrent learning for latency compensation in lung cancer radiotherapy
概要: We predict the position of 3 implanted markers in four series of chest CT scan images for compensation of the radiotherapy system latency. We found a prediction error equal to 1.48mm when using a recurrent neural network trained with real-time recurrent learning. This is below the error given by a linear predictor, equal to 1.80mm, and under the 2mm safety threshold suggested by Murphy.
キーワード: Optical flow, Recurrent neural network, Real-time recurrent learning, Lung Cancer, Radiotherapy

2-13清水雅生東北大学修士1年(M1)専門:核融合 Fusion, 核燃料 Nuclear fuel
タイトル: 核融合中性子を用いたMA核変換により生成されたPuの軽水炉燃料利用可能性の検討
概要: 使用済み核燃料に含まれるマイナーアクチノイド (MA) は長寿命かつ毒性が高く,その処分方法確立は原子力利用における重要な課題の一つである.処分方法の一つとして,核融合炉を利用した核変換処理が提案されている.先行研究のMA燃焼解析により,核変換領域をあえて減速材を用いた熱中性子場とすることで,核分裂による発熱を抑え熱設計条件を緩和しつつ,多くのMA核種がPu偶数核種,特にPu-238へ核変換されることが明らかとなった.これを受け,核変換生成PuをMOX燃料として軽水炉に装荷することで,運転初期においては中性子を吸収する毒物として機能し,運転に伴いPu-239へ変換され出力が増加することで,Pu燃料のみで実効増倍率を一定に維持できる炉心形成が期待される.よって本研究では,軽水炉における核変換生成Puの有効利用可能性を検討する.中性子輸送解析および燃焼解析を実施し,Pu-238やPu-242を主とする核変換生成Puを装荷した場合の軽水炉の炉心特性を評価した.
キーワード: 放射性廃棄物,分離変換,MOX燃料,MVP,MVP-BURN

2-14三浦 颯太静岡大学修士1年(M1)専門:核融合 Fusion
タイトル: 液体ブランケット用機能性被覆の照射ー腐食相乗効果
概要: 核融合炉ブランケットにおけるトリチウムの透過漏洩を低減するために,構造材料に機能性被覆を施す研究が進められている.近年,炉内環境下でのセラミックス被覆の性能を調査するために,放射線照射やトリチウム増殖材との共存性試験が実施された.一方,実機は照射と腐食が同時に起こる環境であるため,個別の研究では見いだせない複合的な効果が発現する可能性がある.本発表では,機能性被覆に対して鉄イオンを照射した後に,液体増殖材であるリチウム鉛への曝露試験を行い,被覆の微細構造に対する照射-腐食相乗効果について報告する.
キーワード: トリチウム, 透過, 被覆, 照射, 腐食

2-15荻野靖之京都大学博士1年(D1)専門:核融合 Fusion
タイトル: 中性子輸送計算によるブランケット模擬体系内部の中性子空間分布の計算および実験にむけた検討
概要: 本研究では核融合炉ブランケットを模擬した体系への約 14MeV の DT 中性子入射,放射化分析による中性子 空間分布計測実験を想定した,中性子輸送計算を行った.模擬体系を構成するベリリウムによる中性子減衰・ 増倍反応,リチウムによるトリチウム生成反応の各効果が顕著である領域を特定し,放射化箔・イメージン グプレートによって計測するための中性子照射条件,照射後の放射能および転写計測時間を明らかにした.
キーワード: 中性子工学,ブランケット,トリチウム増殖比,放射化分析,イメージングプレート

2-16熊谷尚人東京都市大学修士2年(M2)専門:社会・環境 Social・Environment
タイトル: 赤城大沼湖底質における放射性セシウムの動態解明
概要: 本研究では,群馬県の赤城大沼を含む群馬県の12湖沼の底質中のセシウムの局所構造を調査した. 広域X線吸収微細構造(EXAFS)によるフィッティング解析により構造パラメータを求めたところ,赤城大沼の底質中のセシウムは他の湖沼よりも溶脱しやすい状態で存在しているすることが示唆された.
キーワード: 赤城大沼,セシウム,EXAFS,放射化分析,XRF

2-17島崎祐輔香川高等専門学校学士3年(B3)専門:社会・環境 Social・Environment
タイトル: 時空間画像解析技術を用いたγ線源検出器の開発
概要: 本研究では,画像処理技術を用いた霧箱型γ線源検出器の開発を行った.γ線によって生成されたコンプトン電子の飛跡は,霧箱内部で可視化される.霧箱内部の飛跡の様子を,画像処理技術を用いて統計的に十分な量の撮影データを処理することで,γ線源の入射方向の特定ができると考えた.試作した霧箱にγ線を入射させ,霧箱内部に発生するコンプトン電子の飛跡量とγ線の放射線量の相関関係を確認した.
キーワード: γ線源検出,霧箱,画像処理技術,時空間画像解析,二値化処理

2-18水田航平京都大学修士2年(M2)専門:廃炉 Decommissioning
タイトル: リスクに基づく事故炉廃止措置の最適化
概要: 福島第一原子力発電所のような事故炉の構造物は損傷を受けており,構造健全性の低下が予想されている.廃止措置を合理的にすすめるには,構造物の健全性を評価し適宜保全を行うことが必要になる.本研究では構造物の破損確率(リスク)を評価し,リスクをもとに保全を計画する手法について検討した.
キーワード: リスク,事故炉,構造健全性,保全,計画手法

2-19Edmond ChenThe Univeristy of Tokyo修士1年(M1)専門:Nuclear medicine
タイトル: Microwave Antenna for the Study of Combination of Hyperthermia with Radiation Therapy for Breast Cancer Treatment
概要: Hyperthermia consists of heating the targeted cells in order to kill them or make them more sensitive to other treatment. The combination of hyperthermia with radiation therapy has been investigated as a promising therapy for breast cancer with lower dose exposition. However, the mechanism of this sensitization is still unknown and needs to be investigated in order to understand this combination therapy and possibly optimize it. An antenna was designed to perform hyperthermia treatment on culture cells. This antenna is made in order to be able to study and compare cells in the same environment but receiving different treatments which are the combination therapy or the standard radiation therapy. The purpose is to compare them on the gene level and highlight the differences to understand the underlying biological mechanisms.
キーワード: Hyperthermia, Brachytherapy, Microwave antenna, Gene analysis, Breast cancer

2-20室田 拓哉九州大学修士2年(M2)専門:放射線工学 Radiation engineering
タイトル: 九州大学タンデム加速器施設における粒子弁別可能な粒子計測システムの性能評価実験計画
概要: 九大・タンデム加速器施設にてnTD(neutron transmutation doping)-Si 検出器を用いた低エネルギー荷電粒子計測試験を行う.本試験ではAl標的に24 MeVの7Liビームを照射し,核反応によって生じた水素及びヘリウムイオンを計測し,波形解析法の荷電粒子弁別精度を検証する.
キーワード: 放射線計測,Si 検出器,軽荷電粒子,波形解析,粒子弁別

2-21大村涼京都大学修士2年(M2)専門:材料 Material, 核融合 Fusion
タイトル: 軟 X 線分光分析法による鉄チタン合金中窒素の詳細分析
概要: 液体リチウムは国際核融合炉材料照射施設(IFMIF)における中性子源ターゲットや核融合炉の液体増殖材として用いられる.本研究では,構造材料の腐食を促進するリチウム中窒素の除去に有効とされる,鉄中に 5 %のチタンを溶解させた鉄チタン合金の窒素除去特性を合金内部の窒素の分布分析により評価することを目的とした.
キーワード: 鉄チタン合金,ホットトラップ,液体リチウム,軟 X 線分光,窒素

2-22江副樹蘭九州大学修士2年(M2)専門:材料 Material, 原子炉安全 Safety
タイトル: 原子炉制御材と被覆材の共存性
概要: 本研究ではシビアアクシデント時における安全性向上の為B?Cの代替となりうる制御材の候補として,中性子吸収断面積が大きな硼素(B)と4族金属との化合物である二硼化チタン(TiB2),二硼化ジルコニウム(ZrB2)を選定した.更に,高融点の被覆材として耐熱性に優れるSiCを選定した.本研究では熱力学計算によって混合物の溶融反応開始温度を算出・確認すると共に,熱分析実験を行い混合物の反応を調べた.
キーワード: 原子炉制御材,制御材,被覆材,炭化ケイ素,4族金属ホウ化物

2-23山本稜之九州大学大修士2年(M2)専門:材料 Material, 核融合 Fusion, 社会・環境 Social・Environment
タイトル: BaZrO3系導電体の焼結性及び導電率の温度依存性に関する研究
概要: 核融合発電は,環境負荷が小さいことに加えて,燃料が豊富かつ偏在しないことから,将来のエネルギー源として有力視されている.燃料効率の観点から,燃料循環システムは非常に重要である.ペロブスカイト構造をとるプロトン導電体は水素を選択的に透過させるという機能から核融合炉内におけるトリチウムの回収・精製システムへの応用が検討されている.中でも,BaZrO3系プロトン導電体は高い導電性と化学的安定性を持つため,候補の1つとして考えられているが,焼結性が悪いという欠点を持っており,その改善が必要となっている.本研究ではBaZrO3にイットリウム(Y)を添加したBaZr0.9Y0.1O3-αと焼結助剤であるコバルト(Co)を共添加したBaZr0.955Y0.03Co0.015O3-αの2種類を試料とし,構造解析と密度測定から焼結性を評価し,直流2端子法による導電率測定により導電性を評価した.
キーワード: プロトン導電体,バリウムジルコネート,焼結性,導電性,水素同位体

2-24林凌祐東京都市大学学士4年(B4)専門:炉物理 Reactor physics
タイトル: 小型原子炉の自律的負荷追従の簡易な動特性解析
概要: 太陽光・風力発電の増加に伴う周波数の変動を抑制するための方法の一つとして,小型原子炉の負荷追従運転に注目した.本研究では原子炉の反応度フィードバック効果だけを利用する自律的負荷追従の可能性を評価するため,簡易な動特性解析コードを開発している.
キーワード: 周波数変動,自律的負荷追従,動特性解析,反応度フィードバック効果,小型原子炉

2-25菊池美保子福島大学修士2年(M2)専門:社会・環境 Social・Environment
タイトル: 避難指示解除地域における自家消費作物の放射性セシウム濃度
概要: 避難指示が解除された地域(浪江町)で作られた自家消費作物を住民から提供していただき,可食部を乾燥し,カッターブレンダーで粉砕・混合した後,ゲルマニウム半導体検出器で長時間測定した.主食である米については,玄米,精米,糠に分けて測定した.自家消費作物中のCs-137 濃度の範囲は,葉菜類0.2~5.0 Bq kg-1FW,果菜類0.6~2.8 Bq kg-1FW,根菜類0.2~11.5 Bq kg-1FW,自生している果物や山菜類6.0~42.9 Bq kg-1FWであった.米は,玄米11.2 Bq kg-1FW,精米5.3 Bq kg-1FW,糠76.3 Bq kg-1FWとなった.これらの値について,福島県と浪江町で公表しているデータから同時期(2019.4~2020.3)に採取された同じ作物の測定結果を抽出,比較し,文献値との検討を行う.
キーワード: 避難指示解除 自家消費作物 米 前処理 放射性セシウム

2-26佐竹大樹富山高等専門学校専攻科1年専門:放射線工学 Radiation engineering
タイトル: 放射線検出器用ペロブスカイト構造結晶の簡易作製と性能評価
概要: ペロブスカイト構造結晶は太陽光電池や放射線検出器の新素材として注目されている。中でも、CH3NH3PbI3(ヨウ化鉛メチルアンモニウム)は、高い電荷生成効率を持つとされる上に、塗布法により安価に形状がフレキシブルな素子の作製が可能である。また、構造中の無機物が少量ならば、医療用CT検査等における放射線イメージングへの外乱が小さいと考えられるため、利用が期待されている。本研究では、学部レベルの学生を対象とした放射線計測分野における人材育成、およびペロブスカイト構造結晶の放射線計測への適用を将来的な目標とし、グローブボックスを用いない簡易な方法での結晶作製を検討した。疑似的な窒素環境下で作製した素子について、プラスチックシンチレータを併用し、X線照射実験を行ったところ、X線照射時の誘起電流や暗電流の大きさにばらつきがみられた。グローブボックスを用いた場合に比べ素子の外観や電気的特性が外部環境に依存することが示された。製膜時のスピンコータの回転速度、電極の種類によっても性能の変化が見られたため、作製条件の最適化による素子性能の向上を目指す。
キーワード: 放射線計測, 放射線検出器, X線, ペロブスカイト構造結晶, CH3NH3PbI3


広報情報委員会ポジションステートメントWGの発表者一覧
3-1服部隆利保健物理環境科学部会コアタイム1 (10時-12時)にて発表
タイトル: PS004 低レベル放射線被ばくの健康に与える影響
概要: 2011年3月に起こった東京電力福島第一原子力発電所の事故により、放射線が人の健康に及ぼす影響について心配している人は少なくありません。そこで、本ポジション・ステートメントでは、低いレベルの放射線被ばくが人の健康に与える影響について広くご理解いただくことを目的として、我が国も含めて世界の多くの国々が 放射線安全規制に取入れている国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告の考え方をベースに解説しました。ここでは、当学会に所属する皆さんが一般市民に問われた際により適切な説明ができるよう、その裏付けとなる情報を示したいと思います。
キーワード: 放射線被ばく、放射線影響、確率的影響、確定的影響、国際放射線防護委員会

3-2今井政孝バックエンド部会コアタイム1 (10時-12時)にて発表
タイトル: PS011 クリアランス
概要: 原子力発電所の運転・補修や廃止措置に伴って様々な種類の廃棄物が発生します。これらの中には、放射線防護のための管理を要する「放射性物質として扱うもの」以外に、元々放射性物質による汚染のないものや、日常生活における放射線と比較しても、放射性物質の放射能濃度が極めて低く人体への影響が無視できるほど小さく「放射性物質として扱う必要のないもの」が含まれています。本ポジション・ステートメントでは、これらの「放射性物質として扱う必要のないもの」を、放射線防護のための管理から外す「クリアランス」の考え方について皆さんにご理解いただけるよう解説を試みています。ここでは皆さんとの対話を通じて、難解と思われる「クリアランス」の考え方について理解を深めて頂ける様に解説したいと思います。
キーワード: 廃止措置、廃棄物、放射線影響

3-3中村博文核融合工学部会コアタイム2 (14時-16時)にて発表
タイトル: PS016 イーター(ITER)計画
概要: 現在フランスに建設中の国際核融合プロジェクトであるイーター(ITER)計画について紹介します。核融合は、水素の同位体を燃料として、核融合反応によりエネルギーを発生するもので、二酸化炭素の発生もなく、安全性も高く、燃料もほぼ無尽蔵という特徴を有します。ITER計画とは日本の他、中国、欧州、インド、韓国、ロシア、米国の7極共同で建設中の核融合の実験炉の建設運転計画です。ITERの建設は、2007年末から建設活動が開始され、2020年7月に装置の組み立てを開始し、2025年に運転開始(初プラズマ)を予定しています。イーターの目的は、①実際の燃料(重水素、トリチウム)での核融合の長時間燃焼(400秒程度)の実証、②核融合の工学技術の実証、及び③核融合エネルギー回収のための試験及び燃料リサイクル試験の3つです。日本は、計画当初から参画しており、ITERの主要機器の製作を担当しています。ポスターでは、ITER計画の紹介の他、ポジション・ステートメント作成以降のITERの状況と日本の貢献等についても紹介します。
キーワード: ITER、核融合炉、国際貢献

3-4加藤正人他3名核燃料部会コアタイム2 (14時-16時)にて発表
タイトル: PS022 「燃料デブリ」とは
概要: 東京電力福島第一原子力発電所事故では、原子炉の炉心が溶融して、その一部あるいは大半が原子炉圧力容器の内部から格納容器の底部へ移行したものと考えられています。そのようなことから、わが国の関係者の間では炉心が溶融して 固化してできる様々な物質は全て「燃料デブリ」と総称するようになりました。現時点では一般市民にはまだまだ認知度の低い用語ですが、今後1Fにおいてこの「燃料デブリ」の取り出し作業が進行するにつれ、TVや新聞、更にはSNS等でも頻繁に目に触れるようになると推察されます。そこで、本ポジション・ステートメントでは、一般市民にその基本的な知識を習得していただくことを目的として「燃料デブリ」の生成過程や代表例についてできる限り簡便な言葉で解説してみました。ここではその要点を紹介すると共に、皆さんとの意見交換を通じて、1Fの現状について一般市民にどのように紹介し、福島復興に向けたコンセンサスを培うべきかを考えるきっかけとしたいと考えています。
キーワード: 1F事故、炉心溶融、デブリ取り出し

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