日本原子力学会シニアネットワーク連絡会
報告
学生・教員・市民とシニアの対話会

学生とシニアの対話
in 九州大学2026年度(第2回)報告書

日本原子力学会シニアネットワーク連絡会(SNW)
世話役: 山崎智英
九州大学 伊都キャンパス
対話を実施
九州大学大学院工学研究院機械工学部門の学生と2回目の対話会を行いました。基調講演は行わず、「日本のエネルギー2025」(資源エネルギー庁)を事前配布して、対話会テーマの選定を行い、事前質問に対する回答を行った。事前質問に対する疑問点を中心として対話会を実施した。今回の対話会開催にあたっては、学生が主体になり運営にあたった。

1.対話会の概要

(1)日時

対話会:2026年9月17日(木)14:00~17:10

(2)場所

九州大学伊都キャンパス

(3)参加者

大学側世話役の先生:大学院工学部研究院機械工学部門 熱流体物理研究室 宮崎康次教授
参加学生:熱流体物理研究室:10名
参加シニア:3グループ
田中治邦、鈴木成光、佐々木太一、笠浩一郎、井上政春、山崎智英、飯田重雄(オブザーバ)

2.対話会の詳細

(1)グループ対話の概要

1)グループ1
テーマ
原子力の安全対策
参加者
学 生:3名(学部4年:1名、修士2年:1名、ポスドク:1名)
シニア:鈴木成光、田中治邦、飯田重雄(オブザーバー)
対話内容
シニア及び学生の自己紹介の後、グループのテーマが「原子力の安全対策」であることから、学生の事前質問「福島の事故以降、原発における多重・多様な安全対策はどの程度取られているか」への回答を説明。その後、学生に質問を促し、それに回答又は追加説明を行う形式で対話を行った。
対話の結果、学生が想像した以上の安全対策が実施されていること、安全対策の実施によりリスクは大幅に下がっていること、万が一事故が発生した際に対応するため、訓練が実施されていることとの結論にまとめた。
2)グループ2
テーマ
原子力と電力
参加者
学 生:3名(学部4年:1名、修士2年:1名、博士2年:1名)
シニア:井上政春、笠浩一郎
対話内容
グループ2には、留学生を含む3名の学生が参加し、学部や研究室の違いを超えて素直な対話が行われた。
シニア及び学生の自己紹介の後、シニアより事前質問(電源バランス。原子力の技術的課題、発電コスト)への回答について補足説明を実施した。その上で、学生から原子力発電や原子燃料サイクル等に関する疑問や意見が出され、相互理解を深めた。
また、AIデータセンターの急速な拡大に伴う電力需要増加を踏まえ、将来の望ましい電源構成について意見交換を行った。特に、原子力発電の役割やメリット、福島第一原子力発電事故後に強化された安全対策、更に原子力発電が抱える課題について議論した。
対話の結果、学生たちは「原子力発電は、2040年度の電源構成比率約20%を担い、安定供給、エネルギー安全保障、脱炭素化に貢献する重要な電源である。一方で、使用済燃料の処分、安全性に対する信頼性確保、社会理解の拡大が今後の主要な課題である。との結論にまとめた。
3)グループ3
テーマ
原子力の未来と次世代技術
参加者
学 生:3名(学部4年:1名、修士1年:1名、修士2年:1名)
シニア:山崎智英、佐々木太一
対話内容
4名の学生が参加(修士2年の1名は急遽参加)し、彼らが日頃接することが少ない原子力に関して対話を行った。
シニアと学生が自己紹介を行い、事前質問への回答について、シニアから補足を加えて説明した。
少人数の対話ということもあり、対話は活気があり積極的に発言があった。
まとめについては、各自が学んだ内容について作成し、それぞれ順にプレゼンテーションを実施した。主な内容は以下のとおり。
  1. ■高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定/自治体同意プロセスにおける難しさ
  2. ■原子力発電の電気代(コスト)/工場の製造コスト上昇による海外競争力低下
  3. ■原子力開発に対する現地住民の理解不足や不安
  4. ■コミュニケーションの重要性/外国語(英語)の習得、海外の先進的な知識の吸収

3.学生アンケートの概要

(1)参加学生について

参加学生10名中、アンケート回答者は7名。
5名が就職、2名が進学の予定。

(2)対話会について

対話会の満足度は、「とても満足」が85.7%、「ある程度満足」が14.3%であった。
対話会の必要性は、「非常にある」が71.4%、「ややある」が28.6%であった。また、友達や後輩に対話会への参加を勧めるかについては、「勧めたい」が85.7%、「どちらともいえない」が14.3%であった。

(3)意識調査について

放射線・放射能については、「一定のレベルまでは恐れる必要はない」が85.7%、「レベルに関係なく怖い」が14.3%であった。
原子力については、「再稼働を進めるべき」が14.3%、「新増設、リプレースを進めるべき」が57.1%、「2030年度目標(20~22%)を達成すべき」が28.6%であった。
再エネについては、「利用拡大を進めるべき」が85.7%、「分からない」が14.3%であった。
脱炭素化に向けた電源のあり方については、「原子力発電と火力発電を最小とし再エネ中心が望ましい」が14.3%、「火力発電を最小とし原子力発電と再エネの組み合わせ」が57.1%、「原子力発電、再エネ、火力発電をほぼ均等」が28.6%であった。
地層処分について関心や興味があるについては、「大いにある」が33.3%、「少しある」が66.7%%であった。
地層処分について関心や興味があるについては、「大いにある」が42.9%、「少しある」が42.9%、「あまりない」が14.3%であった。
アンケート結果の詳細は、別添資料を参照ください。

4.別添資料リスト