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原子力学会2019年会・シニアネットワーク企画セッション(速報)

夢に挑戦する人材育成

報告:SNW 櫻井三紀夫氏

座長櫻井三紀夫氏の開会挨拶

日時・場所・参加者など

開催日時:2019年3月20日(水) 13:00~14:30
開催場所:茨城大学水戸キャンパス
会場:N(共通教育棟2号館42教室)
参加者:56名: 内、女性8名、シニアネットワーク会員でない方41名
年代別:10代1名(女性)、20代6名、30代3名、40代12名、50代7名、60代12名、70代~15名
登壇者:高妻 孝光(茨城大学教授),土屋 暁之(日立GEニュークリア・エナジー(株)),大野 崇(SNW),三島 理愛(東工大大学院),村本 武司(東工大大学院)
座長:櫻井 三紀夫(SNW)

2019原子力学会SNW企画セッション概要報告書(pdf)

討論概要

座長よりセッションの進め方について簡単に説明した後、登壇者のプレゼンを開始。

高妻教授:「若者に夢を与える教育について」

日本での原子力の話においては、国内55基の原子力発電所をどうする、廃棄物処理をどうする、というように国内の発電に視点が集中してしまう傾向があるが、原子力分野の将来を語るのであれば、世界での200基、発電だけではない原子力の利用を含めたサイエンス、などを意識して展開すべき。アジア・中東などの優秀な人材が日本での勉学を希望している。そういう広い視点を持った教育で全体レベルを上げていく必要がある

土屋氏「エネルギー産業界としての人材育成の視点」

原子力発電に係わる技術として、再稼働や廃炉等の経験で形成できる要素技術の分野と、プラント建設のようなプロジェクト全体に取組まないと形成できない総合技術の分野とがある。産業界としては、将来型の原子炉構想や新技術開発に注力することで総合技術を担える人材を育成して行く。また、製造技術の維持・向上のために技能五輪やベテラン・若手のマンツーマン訓練を推進する。

大野氏:「原子力にとっての若者への期待」

マスコミ報道などで、若者の原子力離れ、人材不足が懸念されているが、実態はどうか。 SNWの対話を通した印象や、年代別の意見調査の結果をみると、若い世代ほどエネルギー 源としての原子力の必要性を認識している。 21世紀は、原子力復活の時代であり、イノべーションは始まっている。

三島氏、村本氏「若者にとっての夢と課題」

現在、大学の学部生、大学院生である人たちは福島事故の後で大学に入学しており、学科 選定において原子力にどう係わるかを考えた経験を持っている。その学科選定においては、 4つの動機があったと考えられる。①福島事故の対策に取り組みたい、②希望研究分野が原 子力学科にあった、③原子力が身近だった、④好奇心。いずれの動機であっても、学科に入 った後は、真剣に積極的に原子力を学んでいる。 村本氏の経験からすると、海外の原子力機関でのインターンなどは大きな刺激を受ける機会。

フロア・ディスカッション

   

会場の参加者から多数の質問・意見が出され、登壇者から適切かつユーモアのある回答・意見が述べられたため、活発な討論となり規定時間をオーバーする対話を実施できた。 討論そのものの結論集約はできる状況ではなかったが、今後のSNWの活動に参考になる意見が多く、今回のセッションの結果を活かしていきたいと考える。