第8回研究会

講演6<講演資料>
  講演タイトル:PWR1次冷却系模擬環境下におけるジルカロイ合金へのクラッド付着挙動に及ぼす水化学の影響
        (財)電力中央研究所材料科学研究所 河村浩孝氏

講演概要:国外PWR被覆管クラッド付着による課題として、サブクール沸騰下においてほう素化合物がクラッド中に蓄積し中性子束が減少することにより燃料棒軸方向熱出力に異常が生じるアキシャルオフセットアノマリー(AOA)がある。
クラッド付着とAOA影響因子を調査するため、実機プラントを模擬した試験設備で水化学因子と熱水力因子に着目してスケール付着試験を実施した。
その結果、燃料被覆管へのスケールの付着量はNi濃度、Ni/Fe比及び熱流束の増加、pH低下とともに増加し、クラッド層内のNiとBの含有量は、水溶液中のNi濃度増加とともに増加した。
また燃料被覆管に取込まれる水素量は微量で耐食性低下を示唆するレベルでないとの報告があった。