第12回研究会

講演5<講演資料>
  講演タイトル:423および453Kの高温純水中における鋭敏化ステンレス鋼のSCC感受性に及ぼす過酸化水素の影響
        財団法人電力中央研究所  加古謙司氏

講演概要:高温純水中における鋭敏化ステンレス鋼のSCC感受性に及ぼす過酸化水素の影響に関する試験研究の概要について紹介があった。この研究は、BWRの起動時水素注入の条件の最適化を目的とし、起動時に発生する過酸化水素濃度と酸素濃度の指標となる実効酸素濃度条件および温度条件をパラメーターとして、過酸化水素共存環境下においてSSRT試験によりステンレス鋼のSCC感受性を評価したものである。423Kでは、実効酸素濃度400ppb条件でSUS304鋭敏化材にSCC感受性が認められず、453Kでは、実効酸素濃度20ppb条件でSCC感受性が認められなかったことから、423Kまでは、水素注入を実施しなくてもSCC発生域に入らず、453Kでは、実効酸素濃度を20ppbまで低減することでSCC発生域に入らないとの結果を示した。       ECP測定、起動時を考慮した温度域での影響評価、および実効酸素濃度に関する議論があった。