プルサーマルの分かりやすい説明と問答集


(社)日本原子力学会 社会・環境部会 プルトニウムコアグループ




このページは、社会環境部会のプルトニウムコアグループが3年の時間をかけ、平成17年に作成した同名のCDを社会環境部会のホームページにアップしたものです。すべて一問一答形式でまとめられていますが、印刷に向いたPDF版は載せてありません。そちらをご入用の方はこちらから注文用紙を印刷してCDをお求めください。同CDのラベルはこちらに、また同CDのパンフレットはこちらにあります。




「プルサーマルとは何ですか」、「プルサーマルとこれまでの原子力発電はどこが違うのですか」、 「プルサーマルは安全ですか」、等の疑問、質問に対し、初心者から専門家までの人々が理解を 深められるような材料を提供するために本CD(コンパクトディスク)は作成されました。

エネルギー資源の乏しい我が国では、核燃料をリサイクルして有効利用するため、 原子力開発の当初から核燃料サイクルを推進する政策を取り続けています。 この目的の達成のため、再処理、高速増殖炉、新型転換炉、MOX燃料製造等の技術開発が 進められております。軽水炉より技術的には難しいといわれている新型転換炉「ふげん」における 実質的なプルサーマルが1978年より実施され、2002年までの24年間に772体の燃料集合体を燃焼させた という大きな成果はこれら研究開発の成果の一つです。一方、軽水炉使用済燃料の再処理はフランス、 イギリスへの委託が長く続いていますが、最近、青森県六ヶ所村に建設された再処理工場ではウラン試験が始まり、 そこから産出される予定のプルトニウムを軽水炉MOX燃料に加工する燃料加工工場の安全審査も始まりました。 また、九州電力、四国電力でのプルサーマル計画も進められています。

こうした状況にも拘わらず、2000年に関西電力、2002年には東京電力でプルサーマル(軽水炉でのMOX燃料利用) を実施しようとしましたが、諸般の事情で中止になっています。その理由としてプルサーマル自身以外の問題も 含めていくつかの原因がありましたが、もう1つの大きな問題はプルサーマルに対する地域住民、 国民の理解が不十分であったことにもあります。

プルサーマル、MOX燃料といった専門的な表現で始まり、その後もやや専門的な表現で推進側が軽水炉での プルトニウム燃料利用を地域住民、国民に説明しようとしたためなかなか理解が得られなかったこと、 及び原子力推進に慎重なグループの危険性の強調に対して、極端な前提である等の解説がなされていないこと、 等が軽水炉でのMOX燃料利用の理解、認知を難しくしていると考えられます。 

そこで、日本原子力学会、社会・環境部会、プルトニウムコアグループでは、
1. プルサーマルにはじめて取り組む初心者にプルサーマルを理解していただくために、 分かりやすい説明を提供する
2. これまでのプルサーマルに関する地元説明会、公聴会等で議論になった問題点、 疑問点を一般市民に理解していただくために分かりやすい基礎知識と説明を提供する
3. さらに、これらの問題点疑問点の専門的な解説を提供する
を目指して約3年間を費やしこのCDを作成しました。したがって、本CDは、 プルサーマルに興味をもつ初心者から専門家まで利用できます。 多くの皆様に入手、お読み頂き、プルサーマルへの理解を深めていただくとともに、 新たなコメント等がありましたらお寄せいただければ幸いです。

平成17年9月

(社)日本原子力学会 社会・環境部会
プルサーマルの分かりやすい説明と問答集
作成委員会 主査
 九州大学名誉教授  古屋 廣高







■ プルサーマル・データシートのリスト


● 入門編 ●
● 一般説明編 ●
● 専門解説編 ●


(各シートの番号をクリックすると対応したシートにジャンプいたします。またシートにある 戻りマークをクリックすると、各目次に戻ります。)

画像のみのページはこちら
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引用は自由に行っていただいて構いませんが、 内容の変更は御遠慮ください。 引用に当たっては、出典を明記するとともに、引用部分を明確にするよう お願いいたします。
本問答集に含まれる資料は、原子力学会 社会・環境部会 プルトニウムコアグループによって作成されました。(2005年9月)
資料によっては内容的に古くなって、現在のMOXを取り巻く状況を正確に反映していないものがありますので、 ご使用の際には適宜アップデートしてご使用ください。





■ プルサーマルQA集作成委員会 及び作業部会 メンバー

<主査>古屋廣高(九州大学名誉教授)

<作成委員会>古屋廣高(九州大学名誉教授)、佐藤正知(北海道大学)、栃山修(東北大学)、長崎晋也(東京大学)、 藤井靖彦(東京工業大学)、出水一哉 (九州大学)、松村哲夫(電力中央研究所)、上村勝一郎 (原子力安全基盤機構)、楠野貞夫(エネルギー総合工学研究所)、鹿志村元明(サ イクル機構)、佐藤修(日本原子力研究所)、小川順子(WIN)、菖蒲順子(サイクル機構)、 秋山英俊(GNF)、安部田貞昭(三菱重工)、倉重有幸(原子燃料工業)、阿部道子(放射 線医学総合研究所名誉研究員)、北田淳子(原子力安全システム研究所)

<作業部会>古屋廣高(九州大学名誉教授)、太田武(東京電力)、溝上伸也(東京電力)、鹿志村元明(サイクル機構)、 菊野浩(サイクル機構)、小村清一(GNF)、土井荘一(三菱重工)、持田貴顕(日立)、 石田剛(東芝)、山崎紀夫(原子燃料工業)、横井新(原子燃料工業)*、森崎理恵子(関西電力)*、 伊藤勝(東芝)*

<事務局>魚谷正樹(電力中央研究所)、中江延男(サイクル機構)、田中治邦(東京電力)、 真嵜康行(関西電力)、三島毅(日本原燃)、村井健志(関西電力)*
*は過去にメンバー