- ウラン資源が21世紀の100億の人口と経済社会と地球温暖化など気候変動問題を調和的に解決に導き得る欠くべからざる鍵であることは間違いない。
- 今までのウラン資源の利用はウラン235を使う第1段階、これをウラン238を使う第2段階へと高度化。この段階は、地球規模・人類的規模の視野をもって国際的な合力へ。
- 第1段階から第2段階へのトラック(走路)には技術的ハードルとそれよりも高い社会・経済・文化的ハードルが立ちはだかっている。どう乗り越えるか。
- 再処理・リサイクルの事業におけるポイントは当然ながら「社会的な信頼」であろう。「核不拡散への十分な取り組みと核物質防護対策」に対する国内外の社会的信用の上に「商用技術・市場商品さらには事業経営としての安全・品質への信用と経済性への確信」という経済界・産業界からの信頼が不可欠。刈羽のプルサーマル問題を直視すべき。
- 「輸送」と「貯蔵」はリサイクルのネットワークを成立させる鍵になる。かっての「原子力パーク」や「IFR」構想は機微技術・製品に対するこれらの配慮。
- 人口100億の世界の地球資源と環境から見れば、「ウラン資源の極限までの利用 と廃棄物の極小化(ゼロリリース)」を目指して、「原子炉系と再処理・リサイクル」を総合した最適なウラン資源利用システムの創造。従来の原子力界に見られた専門縦割り・分野への閉じこもりを廃して知識と知恵の共有を。
- 日本にとっての再処理・リサイクルの意義の再確認。
- プルサーマルは60基を超える軽水炉の燃料の量的・コスト的安全保障。高速炉如何にかかわらず、また資源の効率的利用に当面目をつぶっても、資源の無い日 本にとってプルサーマルは、進展する市場経済でそれ自体に大きな意義がある。
- 21世紀に資源価値が再認識されるであろうウラン資源のリサイクルを中軸に「原子炉と再処理・リサイクル」を総合して、事業としてグローバルな市場をターゲットとしている英・仏のリサイクル政策に注目。
- ドイツは、その国民性から原子力法にウラン資源リサイクルを義務付けていた が、政治情勢変化で1989年再処理を断念、原子力法も直接処分を許容するよう改定された。一方、今年5月の米国新国家エネルギー政策では再処理・リサイクル政策の見直しも言及されている。今後国際的に注目されざるを得ない 日本の再処理・リサイクル施設のあり方は如何。国内的にも電力自由化をひかえて国民益、国家安全保障という観点からも議論が必要。