要望  核燃料部会 山脇 道夫

核燃料部会副部会長

 再処理・リサイクル部会の設立は、日本の原子力界にとって最近の快挙と言えると思います。我が国の国策である再処理・プルトニウムリサイクル路線は堅持すべきであり、近年の「もんじゅ」やプルサーマル住民投票などによる計画の遅れを取り戻すためにも、オール日本的な専門家集団の結成は有意義と考えます。

 核燃料部会から見ますと、元来三島良積先生の御指導の下に設立された歴史ある核燃料部会は、核燃料技術全般を対象として活動することを謳っておりますので、再処理・リサイクルもその活動範囲に含まれています。今回の再処理・リサイクル部会の設立は、核燃料部会の活動範囲の一部が独立分離することを意味しますが、核燃料部会自体としては、活動の重点を燃料照射とアップストリームに置きつつも、ダウンストリームも視野に入れて活動を続けていくことになるものと考えております。従って、両部会の関係は兄弟姉妹のように密接でなければならないと考えます。

 ここで、原子力学会における部会の情況についてコメントいたします。私が原子力学会の企画委員長を勤めておりました時期(1〜2年前)に、原子力学会を活性化するには部会数を増やし、部会中心に学会運営を変えるべきことを提唱し、部会増設を容易にするため1部会参加費無料の制度を導入しました。それに応えていただいて、ここ1年余で5つの新しい部会が誕生し、従来の9部会と併せて14部会体制が出来上がりました。再処理・リサイクル部会はその流れの最後を飾る部会となりました。このように多くの部会が設立され、各分野毎に専門家集団としての活動が行われる体制になったことは大変頼もしいことと言えますが、他方弊害も現れてきています。例えば、部会の活動範囲が重複する問題、多部会加入による部会間イベント同時開催の問題などです。これらの弊害を減らすため、重複部会間の協力と調整、イベントの共催による同時開催の防止、長期的には類縁部会同士の統合までを視野に入れた再調整への努力が求められると考えます。

 また、原子力学会には地域毎の問題に取組む組織として支部があり、昨年関東地域に2つの支部が設立されましたので、日本全国が8つの支部で覆われることになりました。部会と支部の連携協力もこれからの重要な課題になるべきと考えています。

 締めくくりとして、再処理・リサイクル部会のご発展をお祈り申し上げますとともに、同じ目的を共有する部会同士として手を携えて協力・協調が進められるよう望む次第です。

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