祝辞 長沖YGN副代表

原子力青年ネットワーク連絡会副代表の長沖と申します。

 この度は、再処理・リサイクル部会の設立、誠におめでとうございます。貴部会の設立趣意書にございます様に、現在の再処理技術とそれを取巻く、政治的動向や技術開発の状況は、非常にアクティブであり、この様な状況下での再処理・リサイクル部会の設立は、たいへん意味深いものであると存じあげます。また、炉物理・核燃料・バックエンド・発電等の部会に続き、再処理・リサイクル部会が設立したことは、原子力学会内で核燃料サイクル全体に渡る議論のベースが、ようやく出来たということであり、内外の期待も大きいものと思われます。この様な、部会設立の意味、内外の期待に応える様、再処理・リサイクル部会殿が活発に議論され、内外のコミュニケーションを通じて、一つの学問分野として大きく発展されることを期待しております。

 さて、私の様な若輩者が、再処理・リサイクル部会の設立総会の壇上に立たせて頂いた目的は、もう一つございます。それは、私が属する原子力青年ネットワーク連絡会からの要望を伝えることです。

 原子力青年ネットワーク連絡会は、本年春より活動を開始した日本原子力学会の一連絡会であり、一部の方は御存知かと思われますが、業界内で世代間・分野間を縦横に走るネットワークを構築し、コミュニケーションの活性化を図ることにより、技術継承を含め、今後の原子力を担う若手の活性化を図ることを目的としています。また、将来的にはネットワークを海外関連機関や原子力業界外にまで広げることも考えています。その趣旨は、原子力の持つポテンシャルを認識しながら、より良い技術を目指し、実際にモノを作り、動かし、世に恵みを供給する、今若い世代が、主体的かつ積極的に自らを磨き、意思を示そうというものです。

 そこで、この場をお借りして、原子力青年ネットワーク連絡会として、再処理・リサイクル部会殿に3つの要望をさせて頂きます。

 一つは、貴部会内に若手のみで運営・議論されるコミュニティを作っていただきたいことです。他の部会にも「学生・若手小委員会」なるものがございますが、その趣旨は、『縦の繋がり』を強化し、かつ将来、技術を担う若手の活性化を図ることと解釈しています。再処理分野におきましても、長期的な技術開発であることを鑑み、是非、同様の趣旨で若手コミュニティを作っていただきたいと思います。

 次に、その若手コミュニティのメンバが、当連絡会に積極的に参加することをお願いしたいということです。貴部会の設立趣意書にもございます様に、核燃料サイクルは繋がって意味のあるものであり、分野を超えた『横の繋がり』を強化することは大変重要です。立派な森を育てるには、目前の木だけでなく、周囲とのコミュニケーションを図り、最適な育て方を考えるべきではないでしょうか。当連絡会は、35歳以下の学会員である以上の制限はなく、コミュニケーションの窓口を大きく広げております。

 最後に、若手コミュニティのキーパーソンの当連絡会運営への参画をお願いしたいということです。現在、当連絡会の運営委員は炉関係の人間が中心であり、サイクル技術を知る人間のコントリビュートを必要としています。特定の分野の人間で組織を運営した場合、視野が狭くなるおそれがあり、ネットワーク全体が運営の面においても幅広く議論できる場となるためには、個々の分野の技術者が同じ土俵で話し合い運営する必要があると思います。

 冗長になりましたが、原子力青年ネットワーク連絡会からの要望は、若手コミュニティの設立、メンバの当連絡会への積極的参加、コミュニティキーパーソンの当連絡会運営委員へのエントリです。宜しくお願いします。

 最後に、あらためて再処理・リサイクル部会の今後の発展と皆様のご健勝を祈念し、ご挨拶とさせていただきます。

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