日本原子力学会HMS研究部会2023年度夏期セミナー

「革新技術とユーザーの最適な関係について
 考える」

主催:日本原子力学会ヒューマン・マシン・システム研究部会


開催趣旨

IT技術の革新的な進歩により、潜在的リスクを有する設備産業への適用が始まりつつあります。このような革新的技術はユーザーへの恩恵をもたらすことが期待される一方、その導入までには様々な課題が潜んでいると考えられます。そこで、多様な分野の識者からご講演をいただき、ユーザーを中心に据えたユーザーフレンドリーな革新的技術の活用方策を幅広く考えていきます。
[部会長 高橋 信(東北大学)]

■日 時: 2023年7月13日(木)〜7月14日(金)
■場 所: (一財)電力中央研究所 横須賀地区 新本館1階会議室
(神奈川県横須賀市長坂2丁目6-1) アクセス情報は(こちら

■プログラム

7月13日(木)  
13:30

開会

13:40〜14:40

講演 ドローンのトレンドとこれからの原子力分野における活用方法

晦.L.I. technologies 伊藤 英 氏

近年ドローンを使った点検手法が急速に発達してきている。我が国においては訪米に先んじてドローンの法整備を進めており、インフラ長寿命化計画のもとで国土交通省が管轄している社会アセットに対してドローン点検の導入が進んでいる。ドローンに関するハード・ソフトの技術革新とともに、点検だけでなく、監視、物流、薬品散布など、様々な役務へと広がりを見せている。近年のトレンドと共に、今後の原子力発電所でのドローン導入の可能性について紹介する。

14:50〜15:50

講演 石油化学産業界におけるスマート保安について

アズビル梶@井 努 氏

経済産業省は石油・化学・電力・ガス等の産業・エネルギー関連インフラにおける保安力向上策の一つとしてデジタル技術等を活用した「スマート保安」体制整備を進めている。本講演ではその内の石油化学産業に焦点をあて、プラント運転管理の現状と近年日本で起きた重大事故から見えてくる産業保安上の課題を整理した上で、その対策として当社が進めるいくつかのスマート保安技術について事例を添えて紹介する。

16:00〜17:00

講演 VRを使った原子力発電所運転員の認知・行動特性に関する実験研究

(一財)電力中央研究所 廣瀬 文子 氏

原子力発電所の安全性向上のためには、大規模な自然災害や火災時においても、運転員には的確な判断や行動が求められる。しかし、これらの事象は稀有かつ通常の訓練シミュレータ上では再現しがたいが故に、当該事象下での運転員の認知・行動特性に関する知見は少ない。そこで今回は、運転員の認知・行動特性に関する知見を収集すべく、VR(Virtual Reality)上にて、原子力発電所中央制御室内に地震や火災を発生させ、そこでの運転員の対応状況を観察した結果について報告する。

18:00〜20:00

意見交換会(佐島マリーナホテル内「レストラン・モア」)


7月14日(金)  
9:00〜10:00

講演 プラント建設・定期検査における熟練者ノウハウ伝承基盤構築

鞄立プラントコンストラクション 屋代 裕一 氏

今後の再稼働に向けて熟練者のノウハウ伝承基盤構築が急務である。本研究では、半構造化インタビュー法、ファンクショナルアプローチ法を活用することで熟練者の暗黙知を網羅的に抽出する手法を考案した。抽出した暗黙知を組み込んだ動画による学習(パッシブラーニング)と、インタラクティブに作業訓練出来る体験型VR(Virtual Reality)による学習(アクティブラーニング)を組み合わせることで、非熟練作業者の作業理解度や学習定着率を向上できる見込みを得た。

10:10〜11:10

講演 360°カメラおよびXRを利用した現場支援技術

東芝エネルギーシステム梶@尾崎 健司 氏

原子力発電所における保守作業や現場確認などの現場作業の支援を目的として、360°カメラやARなどXRを利用した技術を開発している。本講では、360°カメラの全方位の映像記録機能と、記録した映像から撮影ルートを推定する技術とを組み合わせた、建屋図面と連携した現場映像管理ツール及び、上記映像から現場の空間座標を抽出する3次元点群化技術について紹介する。併せて、ARやMRを利用した巡視点検を支援するアプリや線量分布の可視化ツールを紹介する。

11:20〜12:20

講演 プラント分野への拡張現実感の適用:現状と課題

京都大学エネルギー科学研究科 石井 裕剛 氏

拡張現実感(Augmented Reality)がプラントの設計・建築・保修・解体の様々な場面で有用であると長年謳われながら、いまだ日常的に使用されるに至っていない。本講演では、拡張現実感を利用するためのソフトウエアとハードウエアの両面から、ここ数年の研究開発の現状を俯瞰し、今後、拡張現実感を有効活用するための課題を整理する。

12:20

閉会

13:30〜15:30

見学会

電中研 横須賀地区
配管減肉評価関連試験設備、大容量電力短絡試験設備など
(見学対象設備は都合により変更されることがあります)
15:30

解散

■費用

○セミナー参加費(テキスト代込み):
 正会員: 7,000円 (不課税)
 非会員: 10,000円 (税込)
 学生会員: 2,000円 (不課税)
〇意見交換会参加費: 5,000円 (税込)
〇宿泊費(朝食付き): 8,600円 (税込)
ホテル:佐島マリーナホテル(最大40名)
https://hpdsp.jp/sajima-hotel-south-of-hayama/
セミナー会場周辺には上記以外にはホテルがありません。こちらのホテルへの宿泊をお勧めします。ただし、4名、もしくは2名の相部屋になります。
〇2日目昼食代(希望者): 1,000円 (税込)
〇テキストのみ購入: 4,000円 (税込)

■申込方法

参加申込書(様式Wordファイル)に必要事項を記載の上、下記3名あてのメールに添付してお送りください。また、各種お問い合わせも以下3名にメールでお問い合わせください。

電力中央研究所 佐相邦英、廣瀬文子、武田大介
  sasou@criepi.denken.or.jp
a-hirose@criepi.denken.or.jp
d-takeda@criepi.denken.or.jp

申込締切:2023年6月30日(金)

費用支払方法:
 セミナー当日、受付にて現金でお預かりします。釣銭のないようご準備ください。

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