みなさんが暮らしているこの関西では、毎日使っておられます電気の半分以上を原子力発電により生み出しています。
 しかしながら、原子力や放射線に対して、漠然とした不安を感じておられる人も少なくないのではないでしょうか。原子力は分かりにくいとか、放射線は見えないので不安だというご意見を耳にします。その理由として、一般の方々に原子力・放射線の情報があまり伝えられていないことや、情報があっても偏ったものも見受けられることがあげられます。
 このため、日本原子力学会では、原子力、核融合、放射線についての学術・技術の進歩・発展をはかるだけでなく、一般の方々に原子力・放射線に対する正しい知識を持っていただくための広報活動を行っています。
 その一環として、学会の活動を一般の方々に広く知ってもらおうという主旨で、「開かれた学校」(原子力オープンスクール)を開催し、さまざまな活動を行っております。
 私たちの関西支部では、平成10年からこの「原子力オープンスクール」活動をスタートし、これまでに、数多くの講演や、霧箱(放射線の通った跡が観察できる箱)等の工作教室、放射線測定の解説など行ってまいりました。
 これらの活動を通じて、皆様方に原子力・放射線について客観的かつ科学的な目で、原子力に対する意識を高めていただくとともに、併せて学生の皆さんには、体験的な学習を通じて、自然科学やエネルギー全般に対する関心を深めていただければと思います。
 この活動は、今後も継続し、実りあるものにしていきたいと考えておりますので、引き続き皆様方のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
          
                   日本原子力学会関西支部長