70.意見受付公告:原子力発電所の確率論的リスク評価の品質確保に関する実施基準:201*(案)(AESJ-SC-RK00*:201*)

日本原子力学会標準委員会は下記の標準を作成中です。
このたび原案がまとまりましたので,制定前に一般の皆様をはじめ多方面の方々のご意見受付いたします。
本標準にご関心をお持ちの方は内容をご検討いただき,「5.」に基づいてメールにてご意見をお寄せ下さい。

1.標準名称

名称
原子力発電所の確率論的リスク評価の品質確保に関する実施基準:201*(案)(AESJ-SC-RK00*:201*)

2.概要

 原子力発電所の確率論的リスク評価(PRA)の品質確保に関する実施基準:201*は,一般社団法人日本原子力学会が標準委員会リスク専門部会の下にPRA品質確保分科会を設けて検討し,リスク専門部会及び標準委員会での審議を経て策定・発行したものです。この標準は,原子力学会標準委員会が発行するPRA標準を適用して実施するPRAの品質を確保する品質保証活動,専門家判断の活用及びピアレビューに関する基本的な要求事項を実施基準として規定したものです。

 

 原子力発電所のPRAの特徴は,リスクにかかわる評価を現実的な仮定の基に論理的かつ包括的に行うことができること,リスクに影響を与える要因について定量的な考察が可能であること,及び原子力発電所やその構成設備に関する特性並びに現象論に関する知識・データの不確実さとそれらによりもたらされる評価結果の不確実さを明示することができることなどにあります。

 

 PRAは,米国をはじめ各国で技術開発,事例適用,及び応用研究が進められてきた結果,今日では,安全規制を含む安全設計・運転管理等の広い分野における意思決定プロセスを支援する効果的な手段と認識されています。

   

 我が国では,PRAは1990年代前半にアクシデントマネジメント策の有効性検討へ適用され,1990年代後半以降の定期安全レビューにおいて活用されてきました。2011年3月に発生した福島第一原子力発電所事故では,安全上重要な設備の広範囲な共通原因故障から炉心の大規模な損傷と環境への放射性物質の放出という事態に至ってしまいました。しかし,PRAは共通原因故障の炉心・格納容器などへの影響評価,重大な事故につながる複雑な事故シーケンスの抽出などに有効な手法であり,2012年に新設された原子力規制委員会において,新しい安全規制の中でPRA を積極的に活用していくことが検討されています。

   

 このように、PRA の有効性が認識され,その活用が進んでくるにつれて,PRA に関する品質確保がより重要な課題となってきます。

 

 現在までに発行されたPRAの手法に関連した標準(PRA手法標準)には,“PRAの品質を確保するための方策”として本文及び附属書(規定)に専門家判断の活用,ピアレビュー,及び品質保証活動の3項目が規定されています。しかし,最近のPRA標準の審議過程での意見から,専門家判断の活用、品質保証活動など見直すべき点も出てきています。また,10 を数えるPRA 標準に同様の規定内容が書かれていることは更新時に手間がかかり,間違いを誘起し易いと考えます。

 

 これらの問題を解決するために,複数のPRA手法標準に分散している規定を統合した独立した標準としてPRA品質確保の実施基準を策定することにいたしました。  

3.ご意見の受付

意見受付開始日
2013年12月20日(金)
意見受付終了日
2014年2月19日(水)

4.お問合せ先,ご意見提出先

一般社団法人 日本原子力学会 事務局 標準委員会担当

所在地:〒105-0004東京都港区新橋2-3-7 新橋第二中ビル3F

E-mail:sc@aesj.or.jp
Tel:03-3508-1263  Fax:03-3581-6128

5.提出方法及び留意事項 ・提出方法:

ご意見は文書(日本語)で郵送,FAX又は電子メールにて「4.」の「ご意見提出先」ご提出下さい(様式は任意)。
なお,冒頭に氏名,連絡先(住所,電話番号,FAX番号又は電子メールアドレス)及び所属(会社名,団体名等)を必ず明記していただくとともに,ご意見が原案のどの箇所に対応するかを明らかにして下さいますよう,お願い申し上げます。
いただいたご意見は,原則として氏名を付けて公開させていただきます。
その際,ご意見中に,個人に関する情報であって特定の個人が識別され得る記述がある場合及び法人等の財産権等を害する恐れがある場合には,該当場所を伏せさせていただく場合があります。

6.標準案の閲覧

現在は公開しておりません。

7.ご意見とその対応

ご意見はありませんでした。