第5回研究会

特別講演<講演資料>
  講演タイトル:Flow Effects on Corrosion of Steels in Reactor Primary Coolant - Experience and Understanding
        カナダ、ニューブランズウィック大学 Derek H. Lister教授

講演概要:まず、カナダのニューブランズウィック州の州都レデリクトンにあるニューブランズウィック大学(UNB)の概要、カナダにおける発電炉の状況、およびCANDU炉の概要が紹介された後、Point Lepreau原子力発電プラントにおける炭素鋼配管減肉事象について説明された。同プラントでは、1997年に漏洩した給水配管の検査が行われ、配管壁の貫通割れの原因はFACにより材料中に侵入した水素が低温クリープを加速したためと考えられた。割れを生じた配管では、高い残留応力のある曲げ部で粒界割れおよび配管内表面の鱗片状模様(Scallops)が観察された。UNBでは、高温水中でFACをオンライン計測可能なプローブ等を用いPoint Lepreauプラント材を用いてFAC試験を行っている。さらに、給水配管を模擬する試験装置の製作と熱流動試験および計算による流動シミュレーションも行っており、ビデオ映像により曲げ配管部での流動パラメータと流動状態の関係が紹介された。また、腐食減肉の機構論的モデルとして電気化学、拡散、溶解、析出、エロージョン等の現象を取り入れた予測モデルが作られ、それによる予測とプラントデータの比較結果等が紹介された。