第5回研究会

講演4<講演資料>
  講演タイトル:日本機械学会での配管減肉に関する規格の動向
        (財)電力中央研究所 稲田文夫氏

講演概要:まず、配管減肉に関する日本機械学会規格策定の経緯が次のように説明された。平成16年8月の関西電力美浜発電所3号機で配管破損事故が発生し、 日本機械学会では原子力安全保安院からの要請を受け、発電用設備規格委員会傘下に配管減肉特別タスクを設置し、配管減肉管理規格を策定することとなった。規格の策定では、第1段階として「発電用設備規格配管減肉管理に関する規格」(機能性規格)が制定された。機能性規格とは、技術規格に必要な項目と、要求される性能を規定した規格である。次のステップとして、この機能性規格に従い、PWRとBWRが満足すべき技術的要求事項を規定する技術規格が制定された。技術規格の取り扱う現象は、FACと液滴衝撃エロージョンであり、肉厚測定に基づく減肉管理を規定している。さらに、配管減肉に関する技術戦略マップの作成についても説明された。マップ作成の目的は、開発ニーズを明確にした上で技術開発課題を抽出することであり、日本機械学会で策定した技術規格の改定、周辺規格・ガイドラインの制定整備に向けた効率的な技術開発の方向性を示し、各機関がR&Dを実施する際に参考とすることである。最後に、日本機械学会における新たな技術的知見の蓄積と規格の改定に向けた体制が紹介された。