2024年度(第24回)SNWシンポジウム
(テーマ) 原子力政策大転換をかけ声倒れにするな
~迅速・明確・持続的に成果を積み上げよ!~

第24回SNWシンポジウム開催趣旨

世界が地球温暖化抑制にむけ脱炭素社会の実現に取り組んでいるなかで、2022年2月のロシアのウクライナ侵攻により世界秩序は混乱しエネルギー資源の安定調達が困難な状況になりました。その結果、世界規模で資源ナショナリズムが先鋭化しエネルギー危機は一層厳しさを増しています。資源小国日本は,将来に亘るエネルギー安全保障体制の強化を持続的に取組むことが求められています。さらにAIやEVなどで見込まれる電力需要の増加にも的確に対応するために、脱炭素・大型安定電源である原子力の役割が益々増大するものと予想されます。

このような状況下にあって,わが国では2023年2月に閣議決定された「GX実現に向けた基本方針」で2050年のカーボンニュートラル(CN)実現に向け原子力政策を大転換し再エネとともに原子力を柱とする電源構成の構築を意図した政策を制定しました。しかし、原子力を取り巻く足下の重要課題である新増設、バックエンド事業の促進、規制の予見性確保などの取り組みがかけ声倒れになっていないでしょうか。

資源小国である我が国は、改めてエネルギー安全保障の重要性を喚起した現下の国内外のエネルギー危機を重く受け止めねばならないと考えます。原子力が持続的、安定的に基盤電源であり続けるには、原発の再稼働加速と新増設推進、及び高レベル放射性廃棄物処分場確保などの政策推進のため、制度設計を含めた基盤的政策を機動的に展開することが必要です。これらの実現には強力な司令塔としての政府の役割や産業界が真剣に取り組む姿勢と覚悟並びに衆論の非を正す活動などの一連の取組が不可欠なことは言うまでもありません。

本シンポジウムでは、原子力の最大限活用による安定供給と脱炭素実現への課題と道筋を明らかにし、今すぐその施策に着手することを提起したいと考えます。そのうえでエネルギー問題の専門家にご参集いただき、今後の取り組み課題と展望を深掘りして議論の要点を広く発信したいと考えております。

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