添付資料8.1シニアの「感想・意見」(順不同)

 

1.川合將義氏

短時間の対話でしたが、それぞれ要領よくまとめられ、結構うまく発表していたと思います。総合科学としての原子力であり、ある程度幅広い知識を期待したい。特に最近は、自分が課題とする研究以外に目を向けないで、省力的な勉強しかしない学生が増えており、見方の偏りが心配である。幸い、我々のグループに参加した人が、炉物理、核融合炉、放射線の医学応用とある程度の広がりがあったのは幸い。

大学だから、現在ある技術の後追いだけでなく、荒唐無稽でも良いから自分の頭で考えたシステムを考える自由な発想を期待したい。

そのためにこそ、自らの専門知識技術を磨く一方、幅広い知識獲得も必要。それが、方針変更せざる時に役に立つということもあろう、

 

2.岸本洋一郎氏

参加したグループのテーマは、「エネルギー・セキュリティ」であった。今の学生さんの年代で、セキュリティをどう捉えてているか、大変興味深かったが、対話を通じて、グローバルな視点の中で、ウィン・ウィンの国際関係を作っていくことの重要性に気付いてくれたことは、喜ばしい。また、変貌する世界の中で、技術力という日本の武器を一層強めて、今の生活水準を将来とも維持していきたいという意欲が表明された。技術力は国力の重要な要素なので、こうした心意気は、乱世に益々大切になる。技術力を培うのは、投資力と教育力と人材力であり、若いうちの一層の研鑽を願うものである。科学者や技術者の倫理について教わっているのであろう、

倫理問題が提起されたが、技術的解決へのアプローチがなければ、倫理だけでは問題は何も解決しない、この問題は、難しい問題として回避させて貰った。時間が十分取れれば、議論してよいテーマだろう。ご了解賜りたく。

 

3.林勉氏

 東北大学は先生方、学生さんたち双方の受け皿が大変にしっかりしており、他の模範となるものと思っている。毎年の反省も次にきちんと継承し、そりよい形にもっていけるようになれば素晴らしいと思う。

 

4.小川博巳氏

学生幹事・丹野君はじめ、学生諸君の事前準備のご努力を多としたい。 また対話会開催につきご尽力頂いた、量子エネルギー工学科先生の皆様には、改めて感謝申し 上げます。

 

5.若杉和彦氏

前の項目(5)でも述べたが、「どのようにしたら原子力をより理解してもらえるか」をテーマに選び、原子力社会のかかわり方に興味があるにも拘わらず、ほとんどの学生は世の中に出ている原子力広報、たとえば東北電力等の電力会社や経産省等の政府組織から出ている広報を知らない。東北電力のホームページを見れば、女川の安全対策等知りたいことはほとんど出ているから開けて見てみなさい、と言っておいたが、学生自身もっと勉強して欲しいと思った。

東北を含めた一般的な感想であるが、学生に自分自身の意見があるのかないのか判らない。教科書とインターネットから得た知識をそのまま鵜呑みにしているのか、それらに対する批判や疑問がないのだろうか。知識を咀嚼して自分自身の意見を持って欲しい。特に今は地球温暖化問題のためにCO2排出量削減をどのように達成するかの大切な時機である。自分の将来に大きく影響する問題であり、他人任せでなく、自分の意見を持ち、発言して欲しい。シニアの若い頃(昔の話で笑われるかな?)は、年長者や上長に向かって反論したり、議論を吹っかけたことが多くあった。

このような経過を経て、自分の意見が正され、位置づけが判り、人格が出来て行くものだと思っている。将来は学生諸君のものである。期待している。

 

6.竹内哲夫氏

時代が激変して高度成長一途と期待した社会は、今回の世界動乱で崩れてきており、成長・膨張の津波は崩れて引波の時代になって来た。50年前の原子力勃興時代の我われとは違って日本は原子力不要論が蔓延った後の原子力所望時代到来です。失われた10年カラの夜明けのルネッサンス到来です。

皆さん、もう少し国内の過去の動き、歴史認識を深めて、社会にはいるように祈り切望しています

 

7.石井正則氏

初めてのファシリテーション・システムの採用であったが、ファシリテーターを勤めていただいたが学生リーダーをはじめ、参加者全員がまじめに取り組んでいただいたことが印象に残った。

事前アンケートや質問など、準備段階か綿密な計画を進めていただいたことも、対話が定着してきていることを実感した。そのなかで、自分の思いをもっと前面に出して、自由闊達な対話ができるような仕組みとして、学生とシニア双方でファシリテーション・システムを育ててゆければよいと思う。

 

8.伊藤 睦氏

学生幹事の事前準備が行き届き、司会進行も、落ち着きが有りまた、各発言者の発言の要点を纏める等相当訓練がなされておりお陰様で対話会の運営としてはこれまでで最も良かった。ただ当方の反省でもあるが、質問に対する回答が遅くなってしまいその使い方を協議する時間が無かったために対話がテーマと事前質問中心で平板的になってしまったことである。

まさに次世代炉は学生諸君の問題である。今回の対話で我々シニアの諸君に期待する気持ちを汲み取って、俺たちはこの様に考えているという話を聞けたら嬉しかったです。

最後になりますが、対話会開催につきご尽力頂いた、量子エネルギー工学科先生の皆様には心より感謝申し上げます。

 

9.太組健児氏

発言に より一層の積極性が望まれる。一般的に言って ディベートに不慣れであると感じた。地域性によると思われるが、発声が若干不明瞭なケースが感じられた。

 

10.西村彰氏

今回の学生事務局の丹野さんは大変良くまとめて運営もスムーズにやられていた。

 

11.土井章氏

若いがゆえに知識の範囲が狭く、その範囲ですべての物事を判断してしまおうとの傾向は見られるが、今後知識や経験が広まるにつれ、原子力に対して技術者として正しい判断が出来るようになる若いオピニオンリーダーとして活躍することを期待したい。

 

12.岩本多實氏

       原子力系高学年であるが、さらに踏み込んでやってやろうという意気込みを持つ学生は少なかった。シニアがかつて経験した意気込み、苦労等、話をして聞いて呉れたらなーと思います。

       今回の対話では、個々のテーマごとに詳細にやるのではなく、全体的、大局的な立場で実施したので、少しでも原子力への視野を広げ、研究開発や業務遂行へのモチベーションを高めて呉れたらと思っています。

        

       学生の原子力についてのバックグラウンドが事前のアンケート結果だけでなく、当日対話の直前でも良いので、受けた授業、卒研テーマ、卒業後の進路希望などが分かっておれば、更に懇切な討議対話が出来たように思う。

以上