「学生とシニア」の対話実施概要
−対話 in長崎2008 長崎大学WS−
2008.12.13 松永一郎
1.実施主旨
2005年度から続けている「学生とシニアの対話」の長崎大学版。シニアネットワーク(SNW)の活動のとして、教育学部系の学生とシニアの交流を図る。
SNWではこの対話まで24回の対話を実施している。そのうち原子力系の学生を対象としたものが19回、一般工学部系の学生を対象としたものが3回、教育学部系の学生を対象としたものが2回(いずれも愛知教育大学)である。
25回目に当たる今回は教育学部系としては3回目であり、世界で2番目の原爆被災地の長崎市で将来、小学校、中学校の教員を目指す学生に対して、「原子力」をテーマとしてシニアとの対話を通じてその実態に触れてもらい、将来のエネルギー環境教育実践のあり方の一助とすることである。
2.対話の目的
シニアとの対話を通して、学生とシニア間の相互理解を図ると共に、今後の原子力、エネルギー産業について共に考え、「私達の生活を支える技術の表裏を知り、価値判断の重要性を学んでもらう」ことである。
原子力は軍事使用目的から出発し、その後平和利用への道が拓かれたというニ面性を持つ。その軍事使用の直接的な被害をこうむった長崎市の教育学部の学生との対話は、これからの小中学校の児童、生徒への原子力平和利用教育普及の観点から、他所でのどのようなところでの対話よりも大きな意味を持つ。原子力の平和利用はいろいろな問題を孕みながらも、これからの人類の持続的発展のために必要であるということを学んでもらう。
3.対話の実施
(1)日時 平成20年10月25日(土)
10:00〜17:30 (懇親会18:00〜20:00)
(2)場所 長崎大学教育学部11番教室
(3)参加者 合計49名 (添付1)
@学生 27名
・教育学部2年 (初等、中等(理科、社会、国語)) 19
工学部機械系2年 2
博士課程 1
修士課程 3
・学生オブザーバー(武蔵工大M2,早大教育B1) 2
Aシニア 8名
荒井利治、石井正則、加藤洋明、金氏顕、齋藤伸三、坪谷隆夫、林 勉、松永一郎
Bオブザーバー 7名
中島拓男(東電)、入江寛昭(元MHI)、伊佐公男(福井大)、工藤和彦(九大)、田中隆一(放射線教育フォーラム)、落合和彦(原文振)、緒方正嗣(佐賀大)
C教職員 7名
古賀雅夫、藤本登、長島雅裕、山口朝彦、川崎さおり・・・長崎大学
馬場弘明(広島商船高専)、上野公嗣(崎戸中)
4.実施内容 (添付2)
(対話方式)
ワークショップ(WS)形式で行った。
(1)アイスブレーキング
・簡単なゲーム形式を通じた自己紹介・・・・好きな色、朝食種類、出身地、参加理由
→緊張感を解く
(2)グループ分け
・シニアは予め6グループへ振り分け
・学生は自分達の対話したいテーマのもとへ集まる。
テーマ
@グループ:原子力発電の原理、原子力の安全性、原子力に関わる仕事
A原子力発電の必要性、日本や世界の原子力発電の動向
B放射線の性質と利用、
C核不拡散
D放射性廃棄物
E原子力と環境問題、他のエネルギーと原子力エネルギー、未来の原子力発電
(3)グループワーク(6グループ)
@各グループへファシリテーター(対話進行役)を1名配置 (准教授、大学院生)
A疑問点、質問したい事柄の各参加者からの提出/集約化 (ポストイット、模造紙)
B集約化された事項へのシニアの説明(図、PPT配布資料等利用)
C説明内容の書き込み(模造紙)
D説明された内容を発表用PPTにまとめる。
(4)全体ワーク
・各グループのPPTによる発表と質疑応答(ディベート)
グループ別発表内容は別途資料
(5)講演/質疑応答
「我が国における原子力の平和利用」 齋藤伸三氏
・プロローグ・・原子力開発の歴史
・原子力発電・・原理、安全性、必要性(資源・環境問題、他のエネルギーとの比較)、世界の動向、核燃料サイクル、放射性廃棄物、核不拡散
・放射線利用・・放射線の種類と性質、工業・農業・医療・先端研究への利用
・エピローグ・・永井博士の言葉
講演内容は別途試料
(6)ふりかえりとわかちあい
今日の対話を振り返り、感想文にしてグループ内で回覧
@今日うれしかったこと A悲しかったこと B驚いたこと C学んだこと Dその他
(7)講評
古賀雅夫長崎大学教授から本日のWSについての所感が述べられた。
(8)懇親会
対話会終了後、シニア、学生30名あまりが参加し、対話会では十分語れなかった分も含め、対話の延長を行うとともに、懇親を深めた。
5.結果
フォローアップとして参加シニア、オブザーバー(含む学生2名)感想を集め、学生には事後アンケートを実施した。
(1)シニア、オブザーバーの感想概要・・共通的なもの
@WS形式について
*この方式で対話を実施したのは斬新でとてもよかった。通常の対話だと、なかなか自分の意見、質問を出しにくいがこれだと学生達がどんどん意見・質問を出すことができる。
*シニアの立場としも、学生達の疑問や知りたいことの流れが傍から見ていてわかるので、答えやすい。
*学生も対話だけよりも、目と手も動員するので自分達の知らないことや、何を知りたいのかがより具体的にわかる。
*教育系学生の場合には「生徒達に分かりやすく教える」という明確な目的があり、WS方式は体系的に問題点と答えを把握できるので、良い方法である。
A学生の知識、反応
*学生は原子力、放射線その他今回のテーマに関する知識は殆ど持っていなかったが、対話終了時にはPPTのまとめ方、発表のし方からみてかなりの程度まで、理解が進んだと見られる。
*学生への事前調査結果や、原爆被災地ということから原子力アレルギーが強いのではないかと思っていたが、そのようなことは殆ど感じなかった。
*学生は総じてみな非常に素直であり、こちらの言ったことを殆どそのまま受け入れていた。逆に見ると反対派の意見も容易に受け入れるといった素地がないわけではなく、こういったことが無いよう、我々としても何かしなければならない。
B基調講演の順番(今回は最後に持ってきている)など
*学生にものを考えさせる上で有効である。
*学生にとって基調講演(シニアから学生に伝えたいこと)とアンケートに示された学生への回等の二つの機能をどう扱うのが望ましいのか、改めて考えてみる必要性がある。
*学生への事前アンケートでは「なぜ原子力が必要か」「原子力は安全か」といった厳しい質問もあったが、実際には知識がないための質問らしく、対話ではシニアの説明で納得していた。その観点から、対話の前に講演したほうがより深みのある討論になったのではないか。
*講演資料は事前に学生配られていて、目を通してもらっていた方が良かった。
*内容が多少難しくても、対話後は疲れていたようなので、予備知識を持たせると言う意味で前の方が良いのではないか。
*テーマは核不拡散であったが学生は意味を全く知らなかった。そのため前に講演をしていた方が良かった。
*学生は原子力に対する知識を持っていなかったので、講演を先にする方が良かったのではないか。
*講演を先にして分からない点をグループで説明する方が理解が深まったのかもしれない。
*講演を後にしたので、学生からの質問が講演内容に引っ張られず、自由に意見が出されよかった。
Cその他
*アイスブレーキングは初めて出会ったメンバーの緊張感を解きほぐす意味からとてもよかった。
*ファシリテーターの役割は重要。今回の対話でその役割が生かされていたか。事前にファシリテーターとシニアが打ち合わせができればさらによい対話ができるだろう。
*テーマとしてエネルギー問題の歴史などは、原子力の重要性を知る意味から良いのではないか。
(2)学生事後アンケート結果概要
学生27名(オブザーバー参加2名を含む)のうち、21名から回答・・回収率78%
1.講演
@良く理解できた29% A理解できた 67% Bあまりできなかった4% Cできない0
96%が理解している
2.WSの必要性
@大いに感じた 62% A感じた 33% Bあまり感じない0 C感じない0 D 無回答4%
95%が感じている
3.危機意識(WS前)
@大いにあった 4% Aあった38% Bあまり無かった38% C無かった10% D無回答10%
4.危機意識(WS後)
@大いに変った 38% A変った 43% Bあまり変らない 0 C変らない10% D無回答10%
対話後に81%が変っている
5.WS内容
@とても満足 62% A満足 24% Bやや不満 5% C不満 0 D無回答 10%
86%が満足している
6.WSの必要性
@非常にある 57% Aある33% BCあまりない&ない0 D無回答10%
90%があるとしている
7.今後の推進
@大いに推進 43% A推進したい43% Bあまりしたくない5%
Cしたくない0 D無回答10%
83%が推進したい
8.教育研究
@大いに推進 19% A推進したい62% Bあまりしたくない5% Cしたくない0 D無回答14%
81%が推進したい
9.研修希望
@大いにある14% Aある67% Bあまりない 10% Cない0 D無回答10%
81%が希望している
10.普及
@大いに普及29% A普及させたい62% BCあまりさせたくない&ない 0
D無回答10%
91%が普及させたい
6.まとめ
今回の対話は藤本先生の発案によるWS(ワークショップ)方式を取り入れた。結果と
して、原子力について殆ど知識を持っていない教員志望の学生達に、極短時間の内にある程度の知識を持ってもらうことに成功した。この方式の良いところは、学生、シニアそしてファシリテーター全員が参加して、学生達の疑問点、知りたいことをあぶり出し、答えを探っていくことにある。今回のように人的、時間的余裕がある場合には極めて有力な方式である。他所における対話でも、そのような余裕があれば実施してみたいと考える。
学生の理解度はPPTのまとめ、発表そして事後アンケートの結果から予想を超える高さであり、対話は成功したと言えよう。
なお対話に先立ち、学生のエネルギー、環境、原子力に関する知識レベルと関心の所在を知るために事前アンケートを実施し、その結果にしたがって齋藤伸三氏に基調講演の内容を準備してもらい、講演で触れられない部分については補足説明資料をつくり配布した。
基調講演の順番は今回、対話終了後に置かれていた。対話で得られた知識を最後に講演で強化し、確実なものにしようとの判断に立ったためと考える。基調講演を最後に置いたほうがよいのか、最初に置いたほうがよいのかについてはシニア内でも賛否両論があることを付記する。
またこのような企画、実行はメディアを通じて外部に発信されると大きな効果がある。最近では2月に実施した「対話in八戸2008」では地元紙である東奥日報、デリー東北に記事が掲載されたし、7月に実施した「対話in福井2008」では福井新聞、中日新聞に掲載されたほか、福井放送のTV取材を受け、夜のニュースで放映された。次回の長崎での対話では是非実現させたいものである。
最後になりますが、今回のWSを企画実行された古賀先生、藤本先生以下長崎大学エネルギー環境教育研究会の方々に深甚なる感謝の意を表します。
添付資料
添付資料1 長崎大学原子力シニアネットワークWS(企画)
添付資料2 対話参加者名簿
2−1 グループ別
2−2 シニア、オブザーバー、教職員
添付資料3 ふりかえりシート
添付資料4 参加シニア、オブザーバー感想
添付資料5 学生事後アンケート
5−1 アンケート表
5−2 アンケート結果
添付資料6 学生事前アンケート
6−1 アンケート表
6−2 アンケート結果
6−3 事前アンケート事項への回答と補足説明
関連資料(クリックすると参照できます)
1 講演資料 「わが国における原子力の平和利用」(PDF) 齋藤伸三氏
2 長崎大学で行ったWSと放射性廃棄物研修で行われているWSの比較 坪谷隆夫
その他
グループ別対話結果まとめPPT
−対話写真−
@グループ PPTまとめ
Aグループ PPTまとめ
Bグループ PPTまとめ
Cグループ PPTまとめ
Dグループ PPTまとめ
Eグループ PPTまとめ
PPT発表説明 藤本先生
BグループPPT発表
学生からの質問
@グループPPT発表
EグループPPT発表
AグループPPT発表
CグループPPT発表
DグループPPT発表
齋藤伸三氏講演
懇親会1
懇親会2
懇親会3
添付資料1
長崎大学原子力シニアネットワークWS(企画)
開催日時:平成20年10月25日(土)10:00〜17:00
開催場所:長崎大学教育学部11番教室(確保済み)→総合教育実践センターへ移動?
参加予定人数:30名(初等、中等理科・技術など)・・・9月初旬現在
広報関係:環境科学部・工学部には長崎大学エネルギー環境教育研究会メンバー等
一般には長崎新聞へ事前告知依頼
事前調査:SNWによる事前調査(興味・関心事項、疑問・知りたい点、不安事項)、連想法
【WS】
目的:私たちの暮らしを支える技術の表裏を知り、価値判断の必要性を学ぶ〜原子力を例として
流れ:@オリエンテーション:講師陣紹介と今日のルール(10分)
目的、基調講演者、サポートスタッフ(SNW,ファシリテーター)心構え(LOVE)
Aアイスブレーキング:ゲーム(自己紹介関連)、グループ分け(30分)・・・机の移動
国勢調査:どこから来たの(人間マッピング)
4th・チョイス(今日の朝ごはん?:和食、トースト・マック、麺類、食べてない
参加理由:授業だから、仕事だから、知って欲しい、おもしろそう)
6th・チョイス(下記のEグループ・・・スタッフ以外)
グループワーク「グループ毎に生活の中で役立つ原子力関連技術を挙げ、それに対する長・短所を洗い出そう!」(90分)・・・机の移動
・今日の流れの説明(全体)
・目的:話すテーマについて知識を得て、+面と−面を話し合おう
準備物:模造紙、付箋紙、プロッキー
ファシリテーターの役割:一人の人が話しすぎない(最長1分)、「なぜ」の問いかけ、サポートしながら模造紙に書き出す(文章はなし!)
(模造紙は午後のワークで使用する)
・オブザーバーは、適宜、パワーポイント等の資料を用いて、簡単な説明を行う。(最長でも1シート2分)
昼食(60分)
グループワーク「講師陣の知識・資料を活用し、説明用PPTを作ろう」(60分)
注)その技術の特徴と長・短所を明示
・午前の内容を振り返りながら
・パワーポイントのスライドを3〜7枚にまとめる
・発表者を決める。ただし、発表時は全員前に出る
ファシリテーターの役割:スライドの分かりやすさ、発表内容に対する第3者的なアドバイス
休憩(10分)
全体ワーク「各グループの内容でディベートしよう」:各グループ発表5分+質疑応答10分程度(80分)
休憩(5分)
講義・質疑応答(65分)
ふりかえりとわかちあい:各グループ、個人でシートに記入後グループで(15分)
意図開き(5分)
【ファシリテーター】
全体:藤本 登 准教授 長崎大学教育学部(技術:機械)
@グループ:古賀 雅夫 教授 長崎大学教育学部(理科:物理)
Aグループ:長島 雅裕 准教授 長崎大学工学部(理科:天文)
Bグループ:山口 朝彦 准教授 長崎大学工学部(機械:熱物理)
川口さおり 職員 長崎大学教育学部学務係
Cグループ:野依 慶子 修士2年 長崎大学(技術)
Dグループ:宮本 隆 修士2年 長崎大学(技術)
Eグループ:山木戸 聖 修士2年 長崎大学(技術)
@1.原子力発電の原理、3.原子力の安全性、11.原子力に関わる仕事
A2.原子力発電の必要性、4.日本や世界の原子力発電の動向
B10.放射線の性質と利用
C9.核不拡散
D8.放射性廃棄物
E5.原子力と環境問題、6.他のエネルギーと原子力エネルギー、7.未来の原子力発電
添付資料2 対話参加者名簿
2−1 グループ別
グループとテーマ |
学生氏名 |
専攻・学年 |
シニア、オブザーバー、教員 |
@グループ: 原子力発電の原理・安全性・仕事について |
辻田 智美 |
教育学部2年(初等) |
古賀 雅夫 ◎ |
福田 聖子 |
〃 |
加藤洋明 |
|
大坪 亮平 |
教育学部2年(中等理) |
工藤 和彦 |
|
豊永 哲也 |
同上 |
|
|
川原田 光典 |
工学部2年(機械) |
|
|
Aグループ: 原子力発電の必要性と世界の動向 |
川上 愛未 |
教育学部2年(中等理) |
長島 雅裕 ◎ |
中園 千慧 |
〃 |
荒井 利治 |
|
山口 陽子 |
〃 |
松永 一郎 |
|
柳瀬 匡甫 |
工学部2年(機械) |
伊佐 公男 |
|
高田 正哉 |
早大教育学部1年 |
|
|
Bグループ: 放射線の性質と利用 |
大野 大輝 |
教育学部2年(中等理) |
山口 朝彦 ◎ |
前原 啓志 |
〃 |
川崎 さおり◎ |
|
山口 翔史 |
教育学部2年(中等技) |
金氏 顕 |
|
|
|
田中 隆一 |
|
Cグループ: 核不拡散とは? |
宮本 隆 ◎ |
修士2年(技術) |
齋藤 伸三 |
合田 智美 |
教育学部2年(初等) |
中島 拓男 |
|
木原 亜咲 |
〃 |
|
|
濱田 知世 |
〃 |
|
|
中島 丈雄 |
教育学部2年(中等国) |
|
|
Dグループ: 放射性廃棄物 |
野依 慶子◎ |
修士2年(技術) |
石井正則 |
小原 賢亮 |
科目等履修生D(技術) |
坪谷 隆夫 |
|
田中 克征 |
教育学部2年(中等技) |
|
|
佐藤 拓哉 |
〃 |
|
|
Eグループ: 原子力の環境 未来のエネルギー |
山木戸 聖◎ |
修士2年(技術) |
林 勉 |
枝光 健大 |
教育学部2年(初等) |
入江 寛昭 |
|
宇座 千晴 |
〃 |
緒方 正嗣 |
|
小波津 翔 |
教育学部2年(中等国) |
馬場 弘明 |
|
須山 澄 |
武蔵工大修士2年 |
上野 公嗣 |
2−2 シニア、オブザーバー、教職員
1.シニア
荒井利治 元日立製作所常務、元日本ニュークリア・フユエル社長/会長、SNW副会長
石井正則 元IHIエネルギー事業本部技監
加藤洋明 元日立製作所原子力事業部技師長
金氏 顕 三菱重工特別顧問、元常務機械事業本部長、SNW代表幹事
齋藤伸三 元原子力委員長代理、元日本原子力研究所理事長
坪谷隆夫 原環センター技術統括参事、元動燃事業団理事・環境技術開発推進本部長
林 勉 元日立製作所理事原子力事業部長
松永一郎 元住友金属鉱山エネルギー環境事業部技師長
2.オブザーバー
伊佐公男 福井大学教育地域科学部教授
入江寛昭 元三菱重工
緒方正嗣 佐賀大学キャリアーセンター教授、元三菱重工
落合和彦 原子力文化振興財団参事
工藤和彦 九州大学高等教育開発推進センター、元九大教授
田中隆一 NPO法人放射線教育フォーラム
中島拓男 東京電力原子燃料サイクル部課長
(学生オブザーバー)
須山 澄 武蔵工業大学量子エネルギー工学専攻修士2年
高田正哉 早稲田大学教育学部1年
3.教職員
古賀雅夫 長崎大学教育学部教授(理科:物理)
長島雅裕 長崎大学工学部准教授(理科:天文)
藤本 登 長崎大学教育学部准教授(技術:機械)
山口朝彦 長崎大学工学部准教授(機械:熱物理)
川崎さおり 長崎大学教育学部学務係
馬場弘明 広島商船高等専門学校商船学科教授
上野公嗣 西海市立崎戸中学校教員
添付資料3 ふりかえりシート
記述内容
今日一日
1.うれしかったこと
2.悲しかったこと
3.驚いたこと
4.学んだこと
5.その他
(学生)
初等教育コース学生
1.原子力に付いて多くのことがまなべたこと
今までニュースや新聞などしか情報源がなかったので。
2.原子爆弾と原子力発電の原理は同じと言うこと
「核兵器は広げてはいけない」と分かっていたけれど、生活の中に軍事技術を利用したものがあると分かったため
3.外国では日本が将来核兵器を持つと思う人がいるということ
日本にいる私は、日本には非核3原則があるので将来核兵器を持つとは思ってもみなかったから
4.核不拡散の意味(核兵器が広がらないように)
はじめは「核不拡散」という言葉すら聞いたことがなかったので、今回とても勉強になりました。
5.その他
今まで自分が原子力について知らないことが多く、とても勉強になりました。ニュースや新聞で得た情報をうのみにしていたので、とても驚きました。原子力発電について様々な面から見ることができ、とても有意義だったと思います。これからはエネルギーについて関心を持って、また得た情報を様々な面から見るようにしたいです。
中等理科コース学生
1.皆で原子力について熱く語り合えることができてよかった
2.原子力発電に関する自分の知識の低さ
3.自然放射線の値よりも、原子炉の周辺の境界の値の方が小さかったこと
4.今まで原子力発電に関しては、放射線や放射能など、言葉だけで自分勝手に危険なものであると思い込んでいたが、話を聞き、皆で意見交換をし合うことで、たくさん新しい知識を見つけ学ぶことができた。
機械システム工学科学生
1.原子力の現状について知ることができたこと
2.知っているようで知らなかったことが多かったこと
3.再処理施設などを持っている国は核兵器保有国以外では日本しかないこと。(認められていない国を除く)
4.安全管理など運用面について学んだこと
5.他学部の考えが聞けてよかった
中等理科コース学生
1.普段話すことができない人たちと色んな話をしたり、原子力について熱く語り合ったこと
2.発表のときにガチガチだったこと。「5重の壁」を「5重の事故」と言ってしまい、その後友達に言われるまで気づいていなかったこと。
3.九州の電力の40%弱も原子力発電によって作られているということ。温排水が実は魚の育成を助けていたこと。
4.他の班が発表した事もそうだが、やっぱり自分達の班で話し合い、シニアの方々に直接説明していただいたこと(原子力発電の原理・安全性・仕事について)全部が学んだことと言えると思います。
?
1.知らなかったことをたくさん知れた
2.発表で考えていたことを上手く説明できなかった。
3.先生方が私達がどんな質問を投げかけても詳しく適格な説明をしてくださったので本当にプロだと思った。
4.核不拡散の意味、その背景についてわかった。環境問題や平和学習につながると思った。
初等教育コース学生
1.今まで知らなかった原子力の事について多くの事を学ぶことができてよかったです。また普段は会って話すこともできない多くの人と話す事ができてよかったです。
2.今までの私の原子力についての認識が殆どと言ってよいほど、現実と異なっていたのが悲しかったです。専門的な用語が分かりにくかったです。
3.原子力発電所から出ている放射性物質が想像していたよりも少なく、大きな事故だと思っていた原発事故がメディアでの大々的な報道ほどひどい事故では無いことを知り驚きました。
4.私達の生活に原子力は密接に関わっていたこと、そして安心して原子力に支えてもらうために、安全性や危険性の両面を正しく知る事が大切であると学びました。子供達へ教える前に自分自身の知識をつけたいと思いました。
5.原子力にはマイナスのイメージが強かったのですが、今回の活動を通して危険なだけではない事が学べてよかったです。ありがとうございました。
初等教育コース学生
1.たくさん情報が得られてうれしかったです。自分の知識を増やせたことです。
2.チェルノブイリやJCOなどの事故は人が誤った行動を取ったことにも原因があり、未然に防ぐことが出来たと思うと残念でした。そしてそれが原子力に悪いイメージを与えてしまっていることも悲しかったです。
3.九州は電力の40%弱を原子力に頼っているということを知り、原子力発電は身近なものだった気づき驚きました。
4.今回は原子力の原理、安全について学ぶことができました。ウランを使ったり、その熱エネルギーを使っていることは知っていましたが、詳しい過程を知ったのは初めてで勉強になりました。また、私が特に気になっていた安全についても、事故にそなえ、止める、冷やす、閉じ込めるという多重性の設備が整っていることがわかりました。
5.原子力発電というと危険なイメージが強かったのですが、今回いろいろな話を聞いて、様々な安全対策について学ぶことで、原子力を身近に感じ理解ができることがわかりました。これからもっと正しい知識を増やしていきたいです。ありがとうございました。
中等理科コース学生
1.自分達の年代、自分達の立場とは違う方々とたくさんお話ができ、かつたくさん学べた。
2.自分の原子力に対する知識のなさ
3.原子力発電、原子力エネルギーは自分がもともと考えていたものより、全然安全であるということ
4.3にも重なるが、原子力エネルギーは正しく使えば人にとっても大事なものであるということ
5.最初は来るのがめんどうくさかったが、最後は本当に来てよかったと思った。また来たいと思う。
機械システム工学科学生
1.ぼんやりしたことが、少しはっきりした。
2.まだまだ知らないことが多い
3.利用分野、数の多さ
4.放射線の射出法
5.学生に何をどのように伝えるのか
?
1.放射線の利用についてたくさん学べたこと
2.放射線が悪いことに使われたこと
3.医療から工業まで幅広く使われているということに驚いた
4.人間からも放射線が出ているということ
5.今まで全く知らないことなどを新しく学んでとてもためになりました。
?
1.放射線についての話で、最初は難しいことばかり話されるのかと思ったが、わかりやすく説明されて、少しでも理解出来たことが良かった。
2.プレゼンテーションの準備をもう少しで出切ればよかった。
3.放射線がいろいろなところで利用されていて、全然知らなかったことに驚いた。
4.利用のされ方や応用していくことを学べた。
5.とてもためになる学習だった。
中等技術コース学生
1.新しい知識を得た
2.せっかく聞いた色々な内容が発表に活かせなかった。発表内容の把握が足りず、悔しかった。
3.原発のしくみ、コスト等、新しく知った事柄にはおどろいてばかりだった
4.色々と多すぎて書けない。会話の中から多くの事を教えていただいた。
5.学生の聞く態度が同じ学生として恥ずかしかった
?
1.多少なりとも人に自分の意見を発表し、提起できたこと
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------
自分が今日最も感じたことは知識というものはどこまでも自分が求めれば身に付くということです。今回この研究会に来て下さったシニアの方々はぼう大な量の知識を持ち、発表し、意見するということを簡単に見せて下さいました。しかしそれには飽くなき研究が必要です。自分も興味を持ったことにとことん熱くなっていきたいと思いました。
中等技術コース学生
今まで原爆のイメージから危険だと思い込んでいた原子力が、実は相でもなく、上手な付き合い方があるのだと知り、未来は明るいと感じ、うれしく、おどろいた。
中等理科コース学生
1.班ごとの発表のあと、シニアの方々に声をかけていただき、さらに説明していただいたこと
2.自分自身、発表のしかたや考えを述べるのが下手だと思ったこと
3.シニアの方たちの知識の多さ。一つ聞いたら、いくつもの答えが返ってくること
4.国により原子力を進める理由はちがうこと。また、歴史、政治、経済などの背景が影響しているということ
5.みなさん、とても親切で、私たちに「教えよう、知ってほしい」という熱い思いが伝わりました。
中等技術コース学生
1.他学部や自分の知らない知識を持っていた方々と議論できたこと
2.時間が足りなかったこと
3.今の自分たちの生活が想像していたよりも原子力というものに頼っていたこと
4.原子力発電の現状や工学以外にも原子力というものは大きく関わっていること
5.またこのような場所を作ってほしい
中等理科コース学生
1.原子力は自分が思っていた以上に安全だと分かった
2.今日勉強したことにより改めて自分はげんしりょくについて何も知識がなかったこと
3.普通に生活している中でも、レントゲンなどより放射線をあびていたということ
4.今後原子力発電について生徒達に知ってもらうことが大切だと思いました。
5.原子力発電は安全性は高いと分かっても長崎には作らないでほしい。
中等理科コース学生
1.今日は全国から来たSNWの方々から原子力について様々な事を教えてもらえた事
2.自分の知識の乏しさ
3.原子力発電が世界的に推進されていること
4.原子力発電の基礎知識、安全性、利便性など
5.今日はワークショップという形で自分の意見を言ったり、知らない人と意見交換をしながら原子力について学べてたのしかった。
?
1.原子力発電は“安心”であると知った
2.先生方の話をあまり理解できなかった
3.日本の原発は世界でトップレベルの安全
4.原子力エネルギーについての知識を学んだことによって、テレビなどの報道で誤った情報に惑わされない
5.原子力発電だけでなく身近な技術にも使われていることにおどろき
?
1.安全ってわかったこと
3.安全に気を配っていること
4.プルサーマル計画があるということ
「原子力と言う言葉を聞いて、思い浮かぶ言葉」
・安全
・私達の生活を支えているもの
・今から、もっともっと発展していくだろう
・プルサーマル計画でもっと長く原子力が使えるようになる
・コスト一番安い
・3つのファンクションとして「止める、冷やす、閉じ込める」がある
・安全性に多く気を配っている
・幼い頃から教育をしたほうがいいこと
?
1.色々なことが知れたこと
3.ありすぎて分からない
4.さまざまな分野について学ぶ大切さ、原子力の大切さ
「原子力と言う言葉を聞いて、思い浮かぶ言葉」
・安全であるし、安心してよい
・効率が良い
・クリーン
・長持ちする
・中心になっていく
・発電だけではなく、生活の身近にある
・プルサーマル計画によって核燃料はリサイクルできる
・日本の技術は進歩しているし、世界的にもトップレベルである
・きちんと現状を理解することが大切だと思った
?
1.何も分からなかった私に、先生方が詳しく、わかりやすく、優しく説明してくれたこと。自分はまだまだ知識が足りないと思った。教師を目指すためにも、いろいろもっと勉強しなければと思った。
「原子力と言う言葉を聞いて、思い浮かぶ言葉」
・放射線、放射能、ウラン、原子力発電所、核、平和利用
プルトニウム・・原子力発電所でも作れている。しかしそれは核兵器には適していない。
中等国語コース学生
1.自分が思っていたことを180度変えられ、逆にうれしかった
3.原子力という話の深さ
4.(一部判読不可)もし日本が「非核3原則を破ったらどうなるのか」専門家の方々に聞いて勉強になったし、感動した。
早大教育学部学生
1.シニア、長崎大学の方と、原子力について議論することができたこと
2.時間がなかったこと
3.原子力の運用について考えている人が多かったこと
4.原子力の有効性、学生の熱心さ
5.本日はこのような貴重な機会をあたえていただいて、ありがとうございます。
(シニア、オブザーバー)
A氏
1.皆さん自分達がわからなかったことを、一所懸命で理解しようと熱心に質問し、また理解してくれたこと
3.はじめは皆さん原子力について殆ど知らなかったのに、終わった時には理解されていたことです。皆さんの感受性の高さに改めておどろきました。
4.長崎は世界で2番目の原爆の被災地です。原子力に対するアレルギーが強いと思っていたのですが、それほどでもなく、話し合えば良く分かるのだなということを学びました。
5.せっかくの休みなのに学校に出てきてあまり面白くないのではと心配していたのですが、皆さん面白そうにしていたので安心しました。質問も数多く出ました。この経験をこれからの皆さんの将来に大いに活かしてください。
B氏
1.長崎という原爆被災地で原子力&放射線に関する理解のための会合を開くことができたこと。学生達がよく質問をし、理解しよう、また将来の授業に生かそうと前向きだったこと。
2.出席学生が予定よりかなり少なかったこと
3.オリエンテーションとアイスブレーキングさらにグループ分けのやり方が大変面白かった
4.@アイスブレーキングの手法
A基調講演をさいごにやったことは少し不安があったが、こういやりかたもあることを学んだ
C氏
1.学生さんが正しく理解し自分の意見を持ったこと
3.原子力の基礎的知識が学校(小中高等学校)で教えられていないことがよく実感できた。
4.学生さんの素直さと積極的な姿勢
5.ファシリテーターの先生の立派な指導ぶり(よく学生から考える力を引き出されていた)
D氏
1.自分の思っていることが伝えられたこと
3.学生の皆が始めて聞いた「核不拡散」についてプレゼンテーションするまでにまとめ上げたこと
4.初めて聞いたことを積極的に理解しようとする姿勢は自分も取り入れたいと思います。
5.世の中にあふれている情報を自ら判断できるような自主性とリテラシー持った生徒を育てて下さい。
E氏
1.たくさんの専門の方がいたこと。そのような方とお話ができたこと。教育への期待を感じたこと
2.自分が大学生の時はこのようなチャンスがなかったこと
3.みなさん熱意をもって参加されていたこと
4.最後の齋藤先生の講義はこの分野についての話題を網羅していて勉強になりました。
5.参加してよかったです。
F氏
1.若い学生さんとコミュニケーションができ、彼らに想いを伝えられた事が大変嬉しいことでした。
5.学生諸君のプレゼンテーションは素直すぎるくらいのものであり、「いやこれは違う」というような学生もいるのかなと思っていましたが・・・・。切り口を変えた観点から、正しい筋の通った批判というのも聞けたらと思いました。
G氏
1.学生さんが原子力のことはそれほど知らないが、一生懸命に学ぼうとしたこと
3.学生さんで核不拡散という言葉を知っている人がいたこと
4.これからももっともっと若い人たちとエネルギーや原子力について語り合うことが大切であることを確認できたこと
5.藤本先生はじめファシリテーターの皆さんのご努力に感謝します。今日参加してくれた学生さんありがとう
H氏
1.現役の教育学部の学生さんと真剣に話し合えたこと。今後、原子力、エネルギー問題に関心を持って貰えそうなこと
2.特にはないが、事前配布資料に目を通してきて欲しかった
4.現役の学生さんのエネルギー、原子力に関する知識レベル
I
1.いろいろな意見を聞けた
2.原子力に依存しなくてはならない現実
3.学生の熱心さ
4.いつまでも情熱を持ち続ける
5.SNWの方々の思いを学生はどのように受けとめただろうか。学生は何を子供達に伝えたいのだろうか。そのための学習をどのようにおこなっているのだろう。
J氏(すべて教育的見地で)
1.長崎大学の積極的な姿勢
3.長崎の原爆被災体験にめげず、若い人たちが現実的に考えようとしている事実
4.廃棄物問題のまとめとものの考え方に共感
5.社会的な問題、とくに国家意識の問題が教育の根本にあることが見えかくれしている
K氏
1.週末の土曜日の一日を教育にたずさわる学生諸君と原子力の話について語らいの場がもてたこと
2.身のまわりのこととして、今まで原子力・エネルギーについて学ぶ機会が与えられずに若い人達が来たこと
3.学生諸君にこのようなW/S形式の教育の場が与えられていること
4.伝えたい立場のシニア各氏と学ぶ立場の学生諸君が一つの課題で学びあう事ができること
5.原子力(エネルギー・環境)について今後もくりかえしてこのような場を設けて頂きたい
L氏
1.これからエネルギーや原子力のことをどう生徒に教えるかを考えてもらえる「なかま」ができたことをうれしく思いました。
5.@長崎が平和利用の発信地になることを期待します。
A講義ではなく生徒の関心事に答える方式・・・必ず聴いてもらえるので理解を深めるのに有効と感じた。
M氏
*基本的には非常に有益なセミナーであった。特に将来の教師の卵に理解してもらう機会で貴重であった。
*ただし、一つ気になるのは、今の学生は「すなおすぎる」気がすることである。マスコミの伝えるところにも影響されやすいのと同様に、こういうセミナーの論調にも同調しやすい。
N氏
原子力は
*安全・安心が届きにくい分野。
*投機の対象から外す仕組み
O氏
*専門家にいろいろぶっけた質問をし、答えていただけて、今後の教えるときの材料になった。
*答えには人それぞれの方にニュアンスの違いがあり、人それぞれのたどられた歴史のようなものが感じられ、あまり一本調子でないセミナーはかえってよかった。
*「正しく知り正しく怖がろう」
「アラブの王様を信ずるより、我が国の科学者を信じよう」
「利益の使い道には教育が関わってくる」
の3文には感銘を受けた。
添付資料4
参加シニア、オブザーバーの感想
荒井 利治
今回の対話会は長崎大での初回、学生のほとんどが教育学部2年生〔工学部2年2名〕、
さらにフアシリテーション形式での進行といったオール初体験であったが、結果は下記のように相互にとってよい刺激と結果であったと思う。
1.この企画のリーダー藤本登先生(教育学部准教授)の統率力とバイタリテイ〔当日ギックリ腰になられたが〕によりスムースに会が進行された。先生方と修士2年の学生がフアシリテーターを勤められたがよく学生とシニアの発言のバランスを取られていた。
2.私のグループのファシリテーターは工学部の長島准教授だったが、学生に自分の意見を言わせるように仕向けられ、代表の女子学生〔代表が嫌でじゃんけんで決めた〕がしっかり自分の言葉で発表したのが嬉しかった。これまで、日本の教育の欠点として自分で考える力の不足が指摘されていただけに大きな感激を覚えた。
3.シニアは事前に『リスクコミュニケーションポケットブック』(JAEAの岸本さんのご好意で配布)によりアドバイザーの立場を認識していたので適切な説明、解説が出来たように思う。その際、斉藤(伸三)さんが苦労してまとめられた講演資料が学生のアンケートで出された質問に丁寧に答えたもので、豊富なかつ深い内容により活用できたのと、当日学生に配布された文科省の「原子力・エネルギー副読本」が広い知識が要領よく網羅されていて便利であった。
4.斉藤さんの講演が最後にされたのは始めてのケースであったが、学生にものを考えさせる上では、有効であったと感じた。もっとも時間の制約でご苦労があったが、それだけに最後の永井隆博士の言葉のエピローグは学生に強く訴えるものがあったと思う。
5.アンケートでほとんど原子力の知識が無い学生が多いことは分かっていたが、実際話してみてその実態は想像以上であった。しかし、学生の純粋さ、素直さは大都会の学生に見られないもので、しっかりした指導により知識の吸収は早いと思え心強かった。問題は知識を綜合しどう考えるかであり、日本の教育が直面している大きな課題である。
石井正則
今回の対話はワークショップという手法を用いて行われた。シニア側も初めての経験であり、まな板の鯉といった感じで参加することになった。類似の手法は認識の共有化、さらには課題解決の手法として活用した経験はあるが、学生と対話のような場でこういった手法が活用されることは驚きであり、藤本先生の熱意に頭が下がる思いであった。
これまでも学生の関心事に応えることにより、一方的な講義とは違って、学生の印象に強く残るような対話を指向してきた。しかながら、ややもすればシニアの発言が多くなり、学生の本当の関心事に迫れたかどうかが懸念されることも多かった。今回のような手法を用いることにより、体系的に一人一人の関心事に迫れるように思った。更にその結果を整理し、自分が教える立場どう考えるか、どう生徒と接するかを考えたいという明瞭な目的があるとのことなので、シニアとしても協力のしがいがある。
現実の対話では多く発言した学生もいる一方、あまり発言しない学生もいた。ファシリテーターも院生で多少も経験は積んでいてもベテランという訳ではない。学生(院生も含め)の場合、年々卒業し後輩にバトンタッチしてゆくので、これば通常の姿であろう。このような場合、シニアとしては、単に学生の関心事に応えるばかりでなく、ファシリテーターのバックアップも必要であると思う。そのため、ファシリテーターとシニアが事前に進め方(作戦)を相談しておけば良かったと思った。
また、基調講演が最後になったが、学生にとって、基調講演(シニアから次世代に伝えたいこと)とアンケートに示された学生の疑問への回答の二つの機能をどう扱うのが望ましいか、改めて考えてみる必要性があるように感じた。
長崎では至るところで「核」という字に接する。このような中で、この対話が、若い学生達に「核」の平和利用へ理性ある対応をしていただくキッカケになってほしいと願っている。
加藤洋明
対話in長崎 ご苦労様でした。皆さんの熱意と長崎大学の藤本先生のご努力で大変よい対話ができたとおもいます。
ワークショップ方式の対話というのは初めてで最初とまどいましたが、藤本先生の巧みなリードにつられて全体の雰囲気も和やかになり、グループワークも和やか中で熱心に進められました。
事前のアンケートでは、「なぜ原子力が必要か」、「原子力は安全か」など厳しい質問もありましたが、実際には原子力発電の知識はほとんどなく、原理、安全性など要点を説明すると素直に聞き、真面目に話し合うことができました。齋藤さんの講演をグループワークの前にした方が、その後の討論がもっと深みのあるものになったのではないかと考えます。
最後の「ふりかえりと分かち合い」で出された大方の意見は次のようでした。
@うれしかったこと:原子力について多くを学べたこと、A悲しかったこと:原子力について知識がなかったこと、B驚いたこと:シニアの人たちの熱心さと情熱、C学んだこと:原子力の原理や安全性、Dその他:これを機会に原子力についてもっと学び、将来子供たちに正しく教えることができるようになりたい。
これらを見ても、今回の対話は十分目的を達成したものと考えます。
終りに、藤本先生はじめ関係の方々に感謝します。
金氏 顯
1.今年3月に長崎大学のエネルギー環境研究会で原文振講師派遣の私の講演がキッカケとなって、5ヵ月後に長崎大学で開催することになった。藤本先生とは大学学部同窓、また共通の同志も多い。全国70校以上ある教育系大学で原子力系のように全部で行うのは不可能、今後も人の繋がりを頼りに徐々に広げていきたい。
2.長崎県内の小中高の先生方に原子力や放射線利用の教育をしますか?と問うたらおそらく大部分の先生が拒否反応を示すだろうことは、翌日有志で原爆資料館や永井隆博士の如己堂など見学し痛感した。何といっても原爆被災地、しかも教育系大学で開催したのは2重の意味で画期的なことであり、藤本先生からも来年は7月にやりましょうと提案され、是非継続したい。また広島から参加された先生との縁で、広島県でも開催する可能性を慎重に模索していきたい。
3.学生たちは事前アンケート段階ではアレルギー状態であったが、1日の対話集会の経験で緩和され正しい理解への道が開けたようだ。やはり正しい知識を分かりやすく説明すれば正しく理解してもらえることが証明された。ただしたった1日の経験では直ぐに授業にはならないので、これからのフォローが重要、藤本先生をはじめ先生方に期待したいし、SNWも必要に応じて、まずは玄海原子力発電所の見学会を支援したい。
4.対話の技術的な面では、午前中のアイスブレーキングという藤本先生独特の手法には驚いた、我々も機会があれば使ってみたい。
5.SNW側としては3年目を迎えマンネリに陥りそうな時期なので、今回初めて参加したシニアの方々からの新鮮な感想、コメントなどは大変参考になります。これからも積極的な参加を期待します。
齋藤伸三
今回は、ファシリテーターをおいたワークショップ方式にサポーターとして参加すると言う形で事前アンケートに答える講演内容を用意した。アンケートでは、地球温暖化についてはほぼ理解しているようであったが、原子力発電に関しては危険だと分かっているものをなぜ使うのかと言う過激なものも見られた。しかし、実際には素直に聞き、真面目に話合いが出来た。
また、最後の総括では、グループのすべての学生からあまりにも物を知らな過ぎた、今後勉強し小学生にも分かるように教えていきたいとの言葉を貰い、これが正しく今回の成果であった。
講演資料は10日前に先方に届けたがほとんど目を通した学生はいなかったのは残念であり、講演が最後であったので、今後彼らが勉強する際に見直してくれることを期待して全般を網羅的に説明した。
坪谷隆夫
1.指導教官、学生、有識者共に熱心に学ぶ姿勢でワークショップ方式の学習が原子力知識の共有と継承にも極めて有効ではないかと思われた。
2.被爆地長崎における開催であったが、学生達は原子力を正しく学ぼうとの意欲が強く感じられた。
3.小中学校の理科・技術の教鞭を執る卵達は主催者の意図を良く理解して学習していた。指導に当たっている古賀先生、藤本先生などの教育の賜であると感じた。
4.放射性廃棄物を一言で説明してほしいとの要望に応えて「原子力発電のゴミ」と助言したところその後のグループワークがスムースに進行した。このような問いかけがなければ彼らが納得しないまま頭の上を説明が通り過ぎる恐れがあった。
5.丁寧かつ正確な情報提供を欲するあまり受け手側が咀嚼できないまま多すぎる情報提供を試み、結果的に送り手側の自己満足だけが残ることも反省する必要がある。一方、我々が普段使用している用語を使って受け手側を置き去りにして話が進んでいくことにも十分に注意を払う必要がありそうである。
6.多くの学生達は今まで原子力についてこのような経験に裏打ちされた知識を直接・集中的に勉強する機会がなかったのではないか。おそらくSNWの「伝えたい」との思いは学生達に新鮮に伝わったのではないか。繰り返しこのような機会を作っていただくことがシニア・学生双方にとってwin-winの関係となるものと思います。
林 勉
今回は藤本先生のご発想で、ワークショップ形式で行われましたが、最初はどうなることか心配していましたが、結果的にはそれぞれのグループごとに違った観点からのまとめが報告され、学生さん達が様々な観点からの問題点、対応策を学べたのではないかと思っています。原子力について殆ど無知の状態の学生達には確かに今回の試みは有効であったと思います。今後ともこの方式の採用についても検討すべきであると思いました。
私のグループの女子学生が、終了後に私のところに来て「ありがとうございました。お陰で原子力について大変に勉強させていただきました。今までは原子力のことを勉強もせずに、危険だ怖いという感情で原子力には否定的でした。今回勉強させていただいたことで、生徒達にも正しいことをきちんと伝えていかなければと強く思いました。今回は事前勉強を全くしていなかったので、大変恥ずかしい思いをしました。これから今日いただいた資料を良く勉強して、次回の対話の会では、色々と質問をし、またできれば反論などもできるようになりたいと考えています。」と言ってくれました。このことを藤本先生にお話しましたら、「まさしくこのように思ってもらうようにすることが今回の目的であった」ということでした。学生さんたちは大変に素直で、私達の思いをストレートに受け取ってくれたように思います。うれしい限りです。
松永一郎
今回の対話は藤本先生の提案によるWS(ワークショップ)形式によるもので、できるだけ心を開いた双方向対話をするための様々なアイデアが盛り込まれており、エネルギーや原子力に付いての知識の乏しい教育系の学生の興味や関心を引き出すためのよい方法であると思いました。
特にお互いの疑問点、質問事項を紙に書いて提出し、同じような事柄をまとめて一つの質問にする作業は、手と目と耳を総動員するために、単なる対話と違って個人個人の頭の中に入りやすい。シニアとしても、流れが見えているので的確に学生たちの疑問点に答えやすいと言う利点がある。藤本先生は良い方式に目を付けられたものと感心しました。
最後の各グループの発表を聞いていても、殆ど何も知らなかった学生さん達が、かなりの理解度に達していることが感じられました。このような方式は私達の対話活動の大部分を占める原子力系の学生との対話にも使ってみたい気がするが、原子力系学生の場合には基礎知識レベルが高いこと、時間が無い場合には難しいので時間配分に工夫がいることなど、実施する場合にはいろいろと考えなければならないでしょう。
基調講演の順番を最後にしたのには賛否両論ありますが、内容が多少難しくても、あまり疲れていない前の方にしたほうが予備知識を持たせる意味からよかったのかもしれない。
長崎という被爆地での原子力に関する対話ということで、当初かなりのアレルギーがあるのではないかと思っていたが殆ど感じることがなく、若い人にとっては過去の話よりも、これからのことが重要なのだという自分なりの自然な結論に達しました。皆さん間違いなく将来エネルギー、原子力の良い教育者になっていくことを確信しました。
最後になりますが、今回の開催の労をとられた藤本先生ほか長崎大学のエネルギー環境研究会の先生方に深甚なる感謝の意をささげます。
中島拓男(東電)
今回は私が始めて経験する、ワークショップ形式で、最初はどうなることかとも思いましたが最終的には各グループともうまくまとめていたと思います。
但し、学生たちはやはりエネルギー・原子力についてほとんど知識がなく、特に私のGrのほぼ全員が「核不拡散という言葉をはじめて聞く」と言う状態でした。この状態で、学生に自ら考えさせても、結局私のGrは、斉藤さんと私の言ったことをまとめることになっていました。
この意味では、はじめに講義をしたほうが良かったとも思いますが、自ら先に考えた気にさせるという意味で、ワークショップ形式は有意義だと思います。
ただ、いつも感じることですが、(原子力以外の)学生にエネルギー・原子力についてほとんど知識がないことは、早急に何とかしないといけないと思います。今回の理科専攻の先生ですらそうでした。これに加えて、さらに怖いのは、学生が素直すぎると言うことです。言い換えれば、自分で背景だとか論理をあまり考えずに言われたことをそのまま信じる傾向が強いと感じます。このことから、間違った知識・論理で刷り込みをされてしまうのを、われわれで防止しなければいけないと強く思いました。その意味で将来の先生に対する、今回のような活動はぜひとも必要だと思います。
入江寛昭
今回、長崎大学での学生との対話は私にとりまして非常に有意義になまた楽しい時間でした。
シニアーと学生との対話といいますと経験の差、立場の差等々があり片苦しくなりがちですが、そこはこの会を企画運営されました長崎大学の藤本先生の素晴らしいセンスで対話に入る前の自己紹介の演出は集まったシニアー、学生を一気に打ちとけさせ、そのあとに続く対話を成功裏に結びつけたのではないかと思います。そういう意味で企画された藤本先生には感謝を申し上げたいと思います。
グループ討議では学生さん達も限られた短い時間の中で内容をよく咀嚼しまとめあげたと思います。
欲を言いますと90分という実質的なグループ討議の時間は原子力に対して知識を有していない学生さんにとってもその討議をサポートする立場にありましたシニアーにとっても時間が短すぎたのではという気がしました。
また結果論ではありますが今回、プログラムでは一番最後にシニアーからの講演が設定されていましたが、その講演を最初に持ってきていれば特に今回の場合のような学生さんたちにも討議の前知識として有用ではなかったかなと思います。
それから最後に私も本年4月にSNWに入会し、今回初めて主たるシニアーの方々とお話しする機会を得ましたが、どなたも原子力に対する熱い情熱を燃やし続けて、かつ率先して国民各層の中に入り原子力に対する正しい理解の普及に尽力されておられる姿に接し啓蒙されました。
私もSNWの一員としてこれからも原子力に対する熱い想いを国民各層の皆様方に伝えていきたいと思います。
伊佐公男(国立大学法人 福井大学教育地域科学部 理数教育講座)
オブザーバー参加させてもらいました福井大学教育地域科学部理科教育研究室の伊佐と申します。日本エネルギー環境教育学会に属しています。教員養成大学で理科教育を担当しております。このような会合をされるとお聞きし、一度参加させていただきたく事務局に無理申し上げ、押しかけ参加させて貰いました。
通常このような会合は、短期間でおこなわれるか、事務局を仰せつかり等で、とてもゆっくりお話しを聞けたことはありませんでした。今回は、なんのしがらみもなく、討論(round tableというのでしょうか)に参加させて頂き、じっくり大学生(教員養成系の学生・院生達)からシニアの方々への反応を聞かせて貰いました。
テーマとして「原子力発電の必要性、日本と世界との原子力発電の動向」というグループに参加させて貰いました。はじめは、かなり遠慮がちな議論で少し心配しましたが、少しずつ本音もつぶやかれはじめ、核心をつく意見が飛び交う様になりました。小生など原子力をほとんど勉強していない者にとって、福井県でのエネルギー教育の中で、原子力発電所の方々から伺う断片的な知識では、学生さん達と50歩100歩ですが、今回は年長者であり、経験から判断して、シニアから知識を得、学生さん達に伝えるような役割を行いました。ベストミックスなど聞いたことがない学生さんも多かった事が、驚きでした。各班ごとの、まとめには、それなりにしっかりとまとめてくれ、彼らが参加した事は大きく評価できると思いました。シニアの方々の、お話しは、質問を問えば、かならず、含蓄ある納得でかえってくるところが、大学の講義などでは見あたらない、学生さんたちにもすごく新鮮なものだったのではと思います。
福井大学教育地域科学部でもいま、エネルギー教育特に原子力教育に力を入れようと思っています。これまでの種々の経験から、方向性は出していますが、なかなかというところです。
是非教員養成学部でのこのような福井大学原子力シニアネットワークWSを計画しようとしています。また、可能なら、現職の現場の若手の先生方と、教員養成学部の学生・院生達と一緒のWSを開催できたらと思っています。ご協力御願いします。
今回参加して、原子力学会のシニアのかたの一人一人の人間性が、すばらしさが、WSを成功させたと思いました。専門性に裏付けられた人間性が、それぞれの理科教育を進めていくと思います。今回はお世話になりました。ありがとうございました。
(まとまっていず恐縮です。)
工藤和彦(九州大学)
久しぶりに対話集会に参加させていただきました。
文系が中心の集まりは初めてでしたが、全員熱心に参加してくれたことには感心しました。感想を思いつくままに述べさせていただきます。
・あまり原子力や放射線の基礎知識のない状態から出発して、一日でかなりの理解が得られた(と感じました)のは、SNW各位の熱意と、学生たちの吸収慾とが合わさった結果だと思います。
・それにしても各種のエネルギー源の状況、原子力発電の役割、自然エネルギーへの期待が大きいなど、もっともっと現状を理解してほしいと感じました。
グループに分かれての討論は非常に有効、効果的だったと思いますが、斉藤様の講演を先にやっていただいて、わからない点をグループで説明するという順番のほうが、より理解が深まったかもしれないと感じました。
・講演などの場で、私はいろいろなデータ集として、原子力文化振興財団がまとめている冊子「原子力2008」(約150ページ ¥200、毎年改定される)をよく使います。これは図版が多くデータが最新のもので、大学生などの初心者向けには最適のものだと思います。少しカネはかかりますが、これを参加者に配布して説明の時にも参照すれば、さらに理解が得られるのではないかと思います。
・初めて出会ったメンバーも多い集団で、最初にアイスブレーキングを行うことは非常に効果的だと感じました。
ついでに、グループでの討議をはじめるにあたって、ブレーンストーミングを行ううえでの約束ごと量を重視するアイデア創出、意見提出の段階では、質よりも量を重視する。
批評・批判をしない。多くのアイデアが出揃うまでは、各個人のアイデアに対して、批評・批判することは慎む。粗野な考えを歓迎する。誰もが思いつきそうなアイデア、ものの見方よりも、奇抜な考え方や、ユニークで斬新な考えを重視する。
アイデアを結合し発展させる(人の意見のいいとこどり歓迎)。別々のアイデアをくっつけたり、一部を変化させたりすることで、新たなアイデア、考え方を生み出していく。
なども話して、「ディベート」(意見を闘わせることが主)とは違う話し合いのすすめ方があることを意識してもらうことも、理解を深めてもらうことに有効ではないかと思います。
・被爆地長崎では原爆アレルギーが大きいのではないかと心配しておりましたが、それがほとんど感じられなかったのは、やや意外でした。素直に喜んでおいてよいのか・・・??
同じグループの加藤様が適切に対応下さったことに感謝いたします。
松永様、藤本先生をはじめ開催にご尽力された方々に感謝を申し上げます。
田中 隆一(放射線教育フォーラム)
はじめて対話に参加しました。「放射線の性質と利用」のグループに加わりましたが、とても有益な経験をさせていただきました。連想も含めて勝手な感想を書かせていただきます。
1.原子力をどれだけ正しくかつ効果的に理解してもらえたかということよりも、教育者を志す学生たちと密度の高いコミュニケーションを、長崎という特別な場所でとれたことに画期的な意義があると考えます。学生が一人で参加するには勇気が要ったと思います。学生たちの発言には、社会の動きに対して、先入観に囚われながらもバランス感覚を崩さずに、また、ためらいながらもリアルに向き合って見ようとする姿勢が感じられました。対話後のまとめ方には、対話中に感じられなかった要領のよさを感じました。結構良く対話の内容を把握していると思いました。
2.学生たちとのグループワークは初めての経験ということもありまして、やはりコミュニケーションの難しさを感じました。相手が学校の先生の場合、双方向のコミュニケーションをとりやすいのですが、今回の対話ではどうしても一方向的になりがちでした。放射線についてはマスコミを通じて知った不確かな断片情報しか記憶していないので、どうしても啓蒙が先行する結果となり、対話まで至らないで終わってしまうことが多い。
短い時間設定になかでどうやって双方向性のある対話の土俵に乗せたらよいか?何らかの指導的なアドバイスを受けるのが今後のために良いかもしれないと考えます。原子力・放射線にだけに話題を絞られてしまうと対話が単調になるという問題もあります。
3.藤本先生の冒頭の雰囲気作りには経験を積んだ巧みさを感じましたが、グループワークではファシリテータの役割が活かされたのでしょうか?この役割を実践的にどのように機能させるべきか、課題が残ったように思われます。
4.エネルギー・原子力問題への関心は、環境問題とは違って地球や人類社会という視点よりも、国家社会という視点が身近な動機づけとなるはずです。しかし、いまの学校現場では、おおざっぱに言って、国家よりも地球や地域、共同体よりも個人に力点が置かれており、かつ、国益よりも民意に排他的な正当性があるという雰囲気が強いと思います。もちろん、それがわが国全体の空気でもあるとも言えますが、このことが、アキレス腱とも言えるエネルギー問題の切実さが先生や学生に伝わりにくくしていると感じます。
これを改善する一つの案として、エネルギー問題の歴史、特にわが国における歴史を対話のテーマの一つに加えることができないかと思います。漠とした考えで申し訳ありませんが。
中高の社会科、公民科の教科書におけるエネルギー問題は、理科の教科書も同様ですが、ほとんど環境適合性の視点で記述されており、安定供給・確保の視点が極めて希薄である現状を考えますと、原子力がなぜ必要なのかをより深く理解するために、「歴史」という視点が重要であると考えます。
放射線の知識レベルについては、学習指導要領の改訂で今後徐々に改善されていくとしても、これまで教えてこなかったブランクによる後遺症は長い間尾を引きます。やはり、原子力問題についての対話などの様々なコミュニケーションのなかに、放射線問題を位置づけていく努力も必要であると考えます。
須山澄(武蔵工業大学)
愛知教育大学と比較しても、大変有意義なものになったと思います。その理由は、基調講演を最後に回したことで、学生の質疑応答の内容が自由になったこと。また、グループディスカッションの際、模造紙をつかってのメモをとるなど、新しいやり方でしたが、その後のまとめをする際にも、学生たちがまとめやすかったこと。オブザーバーで参加した私自身も、学生がどう思っているのかを一目でわかることができ、説明をするときに順序良く話すことができたことなどがあげられます。さらに、書き出すことは、手を上げて発言するよりも発言がしやすいものなのではないかと感じました。もしグループディスカッションで挙手性での質疑応答を行っていたら、あそこまで質問が出ることはなかったと思います。
問題点として、挙げさせていただけば、一日のスケジュールが長かったことにより、学生の集中力を最後の基調講演で維持できなかったことです。原子力がない大学ということで、基調講演が長くなってしまうのは仕方がないことですし、グループディスカッションが長くなることも、しょうがないとおもいます。しかし、休憩時間など、もう少しとって行えたらと思います。また、グループ発表の前に、基調講演を行っても良かったのではないかと思います。私感かもしれませんが、グループ発表を終わったことで、『やり遂げた感』から、学生の集中力が切れてしまったのではないかともいました。
ほか、学生は説明の内容を理解してはいないと思いました。説明の技術的なことより原子力は安全であるという表面的なことを理解したのではないでしょうか?しかし、それでも大きな成果だと私は思います。
最後に残念なことは、学生の参加理由が『授業だったから』という点です。学生連絡会でも、参加者集めに苦労することは多々ありますが、自主性をもって参加する学生が増えるのであれば、グループディスカッションの際、原子力の反対意見など、もっと詳しく知りたがる学生などに会えるのではないでしょうか?
余談ですが、長崎大学に行く前に、土地柄、原子力反対の学生が多いと聞いておりましたが、実際に学生たちに聞いてみると、そのような気持ちはないし、周りにも過度に嫌っている学生はいないとのことでした。私も含め、戦争というのは歴史上のものであり、その話を聞く機会も核家族化により少なくなってきました。原爆を知る機会は歴史の教科書と絞られため(他の地域より特別講演などは多いともいますが)、地域の特色がなかったような感じをしました。戦争や原爆の恐怖は今後も伝えていかなければならない事実ですが、過去に縛られ続けるのではなく、過去を踏まえ先に進もうとする現在の学生の姿を、長崎で見ることができたのがオブザーバーとして参加して一番心に残ったことでした。
高田正哉(早稲田大学教育学部)
私は、学生オブサーバーとして対話in長崎に出席した。その中で、私が感じたことは、長崎大学の学生が、プレゼンの質疑応答時や、ディスカッション時に、発言を控えていたことだ。たしかに、ディスカッション時や、プレゼンの質疑応答時に発言しようとするのは、我々の世代では、学校教育においてそのような場がないので、難しいと感じるのはわかる。しかし、大学とは、自分の意見を確立し、発信していく場である。自分の意見を発信し、相手との対話の中で、自分の考えを改めたり、深めたり、正しさを実感する。そのような場こそ大学教育の本来の姿なのではないだろうか。
一方で、長崎大学の学生は、事前に知識がない中、自分なりの意見を考えようとしている姿が見られた。これは、とてもよいことではないだろうか。自分で考えるという姿勢は、意見発信の第一歩である。この姿勢に見習って、私の今後の学生生活を再考してみたい。
学生との対話は、学生に影響を与えるだけでなく、学生を通じて、その次の世代にも良いもの継承されていくだろう。今後、シニア、学生間の対話こそ、日本の今後を変えるのだ、という意識で足り組んでいきたいと思う。今回の対話は大きなものを得られたと感じた。
添付資料5 学生事後アンケート
5−1 アンケート表
「原子力ワークショップin長崎大」 事後アンケート
日本原子力学会シニアネットワークと共催された「原子力ワークショップin長崎大」にご参加いただきありがとうございました。本ワークショップを通して感じたことを記憶の新しいうちにまとめてみてください。本企画は、今後も他の教育系学部と継続的に行っていく予定です。皆様よりいただいた感想は次回以降の開催に役立たせていただきたいと思っております。ご協力をお願いします。
1. 基礎情報について
学年 : 学部 ・ 修士 ・ 博士 ( ) 年
所属 : 工学 ・ 教育 ・ その他( )
希望進路 :教員(小 ・ 中 ・ 高) ・ 進学 ・ その他( )
2. 講演について
(1) 話の内容は理解できましたか
よく理解できた ・ 理解できた ・ あまり理解できなかった ・ 理解できなかった
理由
(2) 講演の題材で「このようなことを聞きたい」というものがあれば書いてください
3. エネルギー教育の実施について
3−1 現在、教員をされている方への質問
(1)今回のワークショップで学校における「エネルギー教育」の必要性についてどのように感じられましたか?
大いに感じた ・ 感じた ・ あまり感じない ・ 感じない ・・・・ ○印をつけてください
理由
(2)エネルギー教育をするとしたら、どのようなテーマで実施したらよいと考えますか?
(3)エネルギー教育には具体的にどのような情報、資料、教材が必要だと考えますか?
3−2 学生・大学院生の方への質問
(1)今回のワークショップで学校における「エネルギー教育」の必要性についてどのように感じましたか?
大いに感じた ・ 感じた ・ あまり感じない ・ 感じない ・・・・ ○印をつけてください
理由
(2)エネルギー教育プログラムを作るとしたら、どのような情報、資料、教材を要望しますか?
4. ワークショップについて
(1) ワークショップの前にエネルギー問題に対する危機意識を持っていましたか?
非常に持っていた ・ 持っていた ・ あまり持っていなかった ・ 持っていなかった ・・・・○印をつけてください
理由
(2)ワークショップの後にエネルギー問題に対する危機意識に変化はありましたか?その理由は?
大いに変わった ・ 変った ・ あまり変らなかった ・ 変らない ・・・・ ○印をつけてください
理由
(3) ワークショップの内容は満足のいくものでしたか?その理由は?
とても満足した ・ 満足した ・ やや不満だ ・ 不満だ ・・・・ ○印をつけてください
理由
(4) 今回のようなワークショップの必要性についてどのように感じますか?その理由は?
非常にある ・ ある ・ あまりない ・ ない ・・・・ ○印をつけてください
理由
5. エネルギー教育に関する考え
(1)今後「エネルギー教育」を推進したいと考えますか?
大いに推進したい ・ 推進したい ・ あまり推進したくない ・ 推進しない ・・・・ ○印をつけてください
理由
(2)今後「エネルギー教育の研究」を進めたいと考えますか?
大いに進めたい ・ 進めたい ・ あまり進めない ・ まったく進めない ・・・・ ○印をつけてください
(3)「エネルギー」や「エネルギー教育」について、他の研修を受ける希望はありますか?
大いにある ・ ある ・ あまり無い ・ ない 【具体的な研修の種類、名称をお書きください( )】
(4)他の学生や教員に「エネルギー教育」を普及させたいと考えますか?
大いに普及させたい ・ 普及させたい ・ あまり普及させたくない ・ 普及させたくな・・・・○印をつけてください
理由
6. 「教育学部の学生とシニアの対話:ワークショップ」の在り方、改善点など自由に記載して下さい
5−2 アンケート結果
学生27名(オブザーバー参加2名を含む)のうち、21名から回答・・回収率78%
1.講演について
(1)話の内容は良く理解できましたか
理由
・仕組みを図や、分かり易い言葉で説明 |
・専門的だがまあ理解 |
・分かり易い言葉で説明 |
・ある程度予備知識があった |
・聞いたことのない難しい言葉をしれた |
・調べたことを詳しく説明してもらった |
・専門用語が少し難しかった |
・説明が分かり易かった |
・良くできた資料なので使いたい |
・図や説明で内容や流れを知ることができた |
・とても分かり易く丁寧に教えて頂いたから |
・分からないと事が聞け、分かるまで説明をもらったから |
・予備知識が少なすぎた |
・所々専門的で分からなかった |
・分からないところを詳しく説明してもらった |
(2)講演の題材で「このようなことが聞きたい」というものがあれば書いてください
・原発の教育内容
・プルサーマルの仕組み
・発電以外の利用方法
・利用されている製品のリスト
2.学生・大学院生への質問
(1)今回のワークショップで学校における「エネルギー教育」の必要性についてどのように感じましたか?
(理由)
・エネルギーを使った生活をしているので、それについて学ぶ必要がある |
・無知だったことを改めて知った |
・自給率4%は悲惨 |
・間違った意識を植え付けられるのは悲しい |
・エネルギーは生活に不可欠なので、作られる過程や種類を教えていくことが必要 |
・将来も原子力は利用されると思うので子どもたちにも知ってほしいから |
・今後エネルギー問題に直面するので、早めの教育が大切 |
・知識のなさに気づいたから |
・あまりにも原子力について無知だった |
・学習指導要領で取り上げられるなど、しっかりと自分の知識をつけないといけない |
・自分が知らないが、大切なことがたくさんあることを知ったから |
・原子力について知識が無いせいで、変な偏見を持っている人が多いから |
・安全性と危険性を正しく理解することが必要で、世間で認知されていない |
・早い段階で知っておくことはよい |
・今の生活がどのようなエネルギーに支えられているか知らなすぎた |
・私たちの生活に必要不可欠だから |
・最終処分場などの建設の時に極端な反対運動が起こるから |
・正しい知識がないと有用に使えない |
・子どもへの教育は教員の仕事 |
(2)エネルギー教育プログラムを作るとしたら、どのような情報、資料、教材を要望しますか?
・発電の仕組みや使用割合、電源構成などの図・表 |
・発電所へ足を運ぶ |
・化石燃料の可採年数 |
・専門家からの情報提供 |
・文章だけでなく図・表などの分かり易い資料 |
・原爆との関連も説明して平和学習につなげたい |
・現状を知る(エネルギー源や用途) |
・原子力はただの怖い・危険なものではない |
・放射線について、どのように使われているか |
・原子力の安全性、世界のエネルギー需要 |
・身近で分かりやすいもの |
・現状でよい |
・今日のパンフや講師陣 |
・発電所見学。今回の資料。 |
・原子力の安全性と危険さ |
3. ワークショップについて
(1) ワークショップの前にエネルギー問題に対する危機意識を持っていましたか?
(理由)
・知らないことばかり |
・知識がなかった |
・授業で扱った |
・テレビなどの報道・情報 |
・発電所が破壊されるととんでもないという危機意識 |
・興味がなかった |
・知識がほとんどなかったのでとても勉強になった |
・身近に感じていなかった |
・石油価格高騰など騒がれているから |
・日本の自給率の低いこと |
・自分の生きている間は大丈夫と思ったから |
・自分には関係のないことと思っていた |
・よくメディアで見かける |
・日頃あまり意識していなかった。それが当たり前と思っていた |
・おおざっぱな知識しか持っていなかった |
・石油は限りがあるし、原子力は危険 |
・化石燃料の枯渇 |
(2)ワークショップの後にエネルギー問題に対する危機意識に変化はありましたか?その理由は?
(理由)
・自分の物として考えることができた |
・安全なことを知った |
・危機意識があった |
・言われているほど原子力は危険でない |
・危険な面もあるが大きなエネルギー源 |
・誤解していた点があった |
・様々な利点や現状について知れた |
・原子力発電の必要性が分かったから |
・正しい知識を知っていかないといけない |
・石油に頼りすぎている。原子力 |
・原子力について全く知らなかった。 |
・原子力の有益さが分かった |
・まだまだ必要だろう |
・日本や世界のエネルギー動向が大変 |
・たくさんの人からそれぞれの知識や考え方が学べた |
・原発は意外に安全そう |
・原子力が思ったより安全だった |
(3) ワークショップの内容は満足のいくものでしたか?その理由は?
(理由)
・話の分かりやすさ |
・話の分かりやすさ |
・内容がしっかりしていた |
・間違った知識が正しい知識に変わった |
・分からなかったことも分かるようになった |
・新たな分野がしれて面白かった |
・講義とは違い、楽しく新鮮な気持ちで学べた |
・自分の疑問が解決した |
・WS、班活動、講演と盛りだくさんだったから |
・話が面白く、集中して聞くことができた |
・好きな内容に分かれて話が聞けたので興味が持てた |
・体調があまり良くなかった |
・新しい知識を得られたため |
・話を直に聞くことができた。講義では分からないことも多い |
(4) 今回のようなワークショップの必要性についてどのように感じますか?その理由は?
(理由)
・話し合うと自分の考えができる |
・このきっかけがないと知らないまま |
・原子力について知ってもらうため |
・分かっていないことをピンポイントで理解できる |
・新たな知識の獲得が今後の課題につながるから |
・ほとんどの人がエネルギーや原子力を理解していないと思うので |
・知らないことを学ぶのも大切だが、今後の問題を話し合えて良かった |
・このような機会がないと聞けない |
・色々な人の意見を聞くことができ、そこから議論が深まるから |
・自分の考えが変わる |
・来るまではめんどくさいが、来たらためになる |
・原子力に対する偏見 |
・知らないことを知ることは良い |
・話を直に聞くことができた。講義では分からないことも多い。 |
4. エネルギー教育に関する考え
(1)今後「エネルギー教育」を推進したいと考えますか?
(理由)
・生活に関する内容なので |
・子どもという早い段階で理解するに越したことはない |
・教育の専門家にお願いしたい |
・学んでみて大いに満足いくのだったから |
・エネルギーは必要不可欠 |
・将来の日本に関係する重要なことなので |
・知らない人が多い |
・今まで受けていないから |
・自分たちの生活に直接関わるため |
・土曜日が復活したら行いたい。時間がないので |
(2)今後「エネルギー教育の研究」を進めたいと考えますか?
(理由)
・知らないことが多い
・教育の専門家にお願いしたい
・土曜日が復活したら行いたい。時間がないので
(3)「エネルギー」や「エネルギー教育」について、他の研修を受ける希望はありますか?
(具体的な研修の種類、名称)
・分かりやすいもの
・WS形式なら
(4)他の学生や教員に「エネルギー教育」を普及させたいと考えますか?
(理由)
・みんなで考える必要性がある問題 |
・自分と同じで知らない人が多い |
・多くの人に知ってもらいたい |
・知っているようで知らないことばかり |
・もっと話し合いの時間がほしかった |
・知識が増やすことができ、他の人にも知ってほしい |
・とても自分のためになるものになるから |
・知識の一つとして知ってもらった方がよい |
・原発はこれからも必要 |
5. 「教育学部の学生とシニアの対話:ワークショップ」の在り方、改善点など自由に記載して下さい
・WS形式はよいと思う |
・学生とシニアの数が丁度良かった |
・予備知識や知識の大きい格差 |
・推進してほしい |
・もう少し時間を多くとっても良い |
・もっと早い時間から。昼食も共に。 |
添付資料6 学生事前アンケート
6−1 アンケート表
長崎大学エネルギー環境教育ワークショップ参加者事前アンケート
(目的)このアンケートは10月25日に開催される「長崎大学エネルギー環境教育ワークショップ」の対話を実りあるものとするために、事前に参加者の要望等を把握し、協力頂く技術者や研究者の方々に、事前に回答や講演資料の作成を依頼するために実施します。なお、作成された回答・資料は、参加者に配布されます。また、このアンケートは本目的以外に使用されません。
1.基礎情報
所属 |
例:長崎大学教育学部中学校教育コース理科専攻(2年) |
氏名 |
ふりがな: |
2.質問:以下の内容にお答えください。できるだけ詳しく記述してください。
(1)環境問題で知っていること(自由記述)
(2)エネルギー問題で知っていること(自由記述)
(3)原子力関係で興味のある話を次の中から選び、○印をつけてください(複数回答可)
1 |
原子力発電の原理 |
7 |
未来の原子力発電 |
2 |
原子力発電所の必要性 |
8 |
放射性廃棄物 |
3 |
原子力発電所の安全性 |
9 |
核不拡散 |
4 |
日本や世界の原子力発電の動向 |
10 |
放射線の性質と利用(食品や医療、材料開発など) |
5 |
原子力と環境問題 |
11 |
原子力に係わる仕事 |
6 |
他のエネルギーと原子力エネルギー |
12 |
その他( ) |
(4) (3)で選択した内容で知っていること、知りたいこと、疑問に思うこと(選択番号と内容:自由記述)
6−2 アンケート結果
質問事項2.(1)、(2)、(3)、(4)(同一、類似項目未集約)
(1) 環境問題で知っていること(自由記述)
1.水質問題です。その場所で見られていた魚たちや植物が見られなくなってきているので、だんだんと数が減ってしまうのかと心配です。自分たちの生活が良くなっていく分、弱いものたちが減っていってると思います。
2.地球温暖化による地球の気候変動、さらにそれの影響による海面上昇。
3.焼き畑農業などでの森林伐採問題
4.自動車などの普及による二酸化炭素の大量排出
5.地球温暖化が進み、毎年日本の平均気温が少しずつ上がってきているという現状。
6.地球温暖化に伴い、北極の氷が減っていて、白熊などの住みかが減ってきている。
そして、白熊などの食べ物も減っていて、白熊も少しやせてきている。
7.地球温暖化:CO2排出が原因で、地球内の熱が外へ逃げることができず、平均気温が上昇している。北極の氷が溶ける異常気象などを引き起こしている。
8.海水の上昇による環境の激変。珊瑚礁の死滅。海洋生物への影響(分布の変化など)。
9.地球温暖化、森林伐採、砂漠化、海水面の上昇、異常気象など様々な問題によって自然環境が変化すると共に、私たちの生活環境も大きく変化すると言うこと
10.酸性雨、地球温暖化、熱帯雨林の消失、砂漠化など人間の都合の良いように伐採や工業を行ってきた結果、自然のバランスがおかしくなり、異常気象が起こっている
12.二酸化炭素の大量排出は、地球温暖化を促してしまう。
13.エコなエネルギーの開発が進められている。
14.地球温暖化のため海面上昇や気温上昇などで動植物の生態系が崩れてきている。
15.地球温暖化、海面上昇、ゴミ処理の問題
16.地球温暖化が問題になっており、CO2を減らすために様々な努力がなされている。
17.地球温暖化:地球を覆っているオゾン層がCO2の増加によりうすくなり、地球全体の気温が上昇している。また、人体に有害な紫外線も降りそそぎ、大きな問題となっている。
18.水質汚染、大気汚染、温暖化→工場から排出されるものが主な原因となっている。
19.化石燃料の使いすぎによる地球温暖化が進んでいると言うこと。
20.地球温暖化、酸性雨、砂漠化、オゾン層破壊
21.温暖化、大気汚染、地盤沈下、水質汚濁、酸性雨、森林伐採、騒音などがあること。
22.温暖化は二酸化炭素の排出によって温室効果が起こるために生じており、酸性雨は工場の排気などが原因で生じていること。
23.ゴミの埋め立て地の問題や分別などのゴミ問題もあるということ。
24.CO2や排気ガスの増加で、地球温暖化が進んでいること。
25.南アメリカや太平洋諸島での森林伐採が進み、土砂崩れや砂漠化が進む地域もある
26.生活用水を下水に流したり、埋め立て上からしみ出した有機ガスが水に溶け込むなどして水質汚染が広がっている。
27.地球温暖化:地球の大気中を覆っているオゾン層に穴があき(オゾンホール)、これが原因となり、現在が深刻な問題となっている。
28.中国では北京オリンピックが開催されるにあたって、自動車のナンバープレートの最後の数字が偶数か奇数かで通行を規制して大気汚染の改善に成功している。
29.地球温暖化
30.東京グリーンプロジェクト
31.酸性雨
32.大気汚染
33.ゴミの生み立て地には限界があるので、埋め立てなければならないゴミが多いとゴミが処理できなくなること。
34.紙を再利用しなければ、紙を作るための資源としてパルプが必要になるので、森林伐採につながると言うこと。
35.温暖化が進んでいること。
36.アマゾンの森林が数十年前と比べてかなり減少していること。
37.森林が無くなることで砂漠化が進んでいること。
(2)エネルギー問題で知っていること(自由記述)
1.石油枯渇問題。またそれに端を発する原油の高騰。
2.資源エネルギー全体の枯渇問題
3.石油価格の高騰が問題となっており、世界中の石油が少なくなってきている。
4.原子力発電所はかなりのエネルギーを供給できる。私の地元も原子力発電所にかなり助けられている。
5. クリーンエネルギー:太陽光、風力、水力、地熱などを利用し、エネルギーを作り出す。自然の力を利用しているので環境に優しい。
6.化石燃料の枯渇:現在、化石燃料の採取について枯渇の懸念がある。
7.日本では火力発電や原子力発電が大きな割合を占めているが、原子力発電の安全性が大きな問題となっているということ。
8.原子力の安全性。
8.化石燃料の枯渇による新しいエネルギーの問題
9.後何十年かすれば石油やウランもなくなってしまう。
10.地球温暖化現象を押さえるため、燃料電池や太陽光発電など環境やクリーンなエネルギーが求められている。
11.自然資源が底をついてきている。ガソリン上昇。
12.地球に優しいエネルギーが推奨されている。
13.最近は1人あたりのエネルギー消費が増加しているので、それを減らそうとしている。
14.原子力発電:大量の電気を得ることができるが、その過程で生じる産業廃棄物の処理が問題となっている。
15.化石燃料の消費量の増加など
16.石油の枯渇。
17.化石燃料が少なくなって将来的にエネルギーで困ると言うこと。
18.原子力発電は危険なので、水力発電に切り替えていると言うこと。
19. クリーンエネルギー(太陽発電、地熱発電など)
20.原子力エネルギーについて
20.火力発電、水力発電、原子力発電、風力発電などがあり、それぞれに長所と短所があること。
21.石炭、石油などの化石燃料の枯渇の問題があるということ。
22.化石燃料を使用する火力発電の限界
23.化石燃料が発電などのエネルギーに使われている
24.リサイクルすることで、一から作るよりもエネルギーを使わないので、地球に優しい。しかしゴミを減らす努力をすることが大切である。
25.ゴミの資源化も進んでおり、燃料としての開発も進んでいる。
26.このままのペースで人類が生活していると、石油が数十年でなくなってしまうということ。
27.地熱発電
28.波力発電
29.原子力発電
30.地球温暖化を防ぐためには二酸化炭素を削減しなければならないと言うこと。そのためには車の利用を減らす工夫が必要と言うこと。
31.日本のエネルギー自給率が低いこと。
32.石油などのエネルギー源となるものが少なくなっていること。
33.石油等の化石燃料が減少していること
(3)原子力関係で興味のある話を次になかから選び、○をつけて下さい(複数回答可)
番号 |
テーマ |
件数 |
番号 |
テーマ |
件数 |
1 |
原子力発電の原理 |
12 |
7 |
未来の原子力発電 |
10 |
2 |
原子力発電所の必要性 |
8 |
8 |
放射性廃棄物 |
10 |
3 |
原子力発電所の安全性 |
14 |
9 |
核不拡散 |
4 |
4 |
日本や世界の原子力発電の動向 |
10 |
10 |
放射線の性質と利用(食品や医療、材料開発など) |
15 |
5 |
原子力と環境問題 |
8 |
11 |
原子力に係わる仕事 |
3 |
6 |
他のエネルギーと原子力エネルギー |
8 |
12 |
その他( ) |
1 |
(4)(3)で選択した内容で知っていること、知りたいこと、疑問に思うこと(選択番号と内容:自由記述)
((3)の項目毎に整理した)
1 原子力発電の原理
1.原子力発電の原理…原子の力をつかって発電しているということをなんとなく知っているが、詳細がわからないので知りたいと思う。
2.どのような家庭(注 過程か)で電子が発生しているのか。(原子力発電の原理として講演で触れる)
3.危険なことは知っているがどのようにしているかは知らないので知りたいです。
4.原子力発電にはどのような利点、欠点があるのか知りたい。
5.核エネルギーにより水を沸騰させ水蒸気を発生させる。それによりタービンを回転させ発電する。
2 原子力発電の必要性
1.原子力エネルギーは私たちにとってプラスかマイナスか(他のエネルギーと比べて)。
2.ウランなどを使ってタービンを回すので仕組みを知りたい
3 原子力発電の安全性
1.原子力の安全性…原子力発電所が安全と声を大にして主張するのなら、東京湾になぜ原子力発電所をつくらないのか説明してほしい。
2.地震などでよく放射能漏れなどが言われているが本当に大丈夫なのか。(地震でもれたのは中越沖地震。講演で説明する)
3.原子力発電所で作業していた人が被爆したというニュースや放射能漏れの心配があるということを以前耳にしたことがあるので知りたいと思っている。
4.発電に使用した後は地中へ埋めていると言うことだが、それは果たして確実に安全なのか。他の処理方法はないのか。
5.本当に安全だと言い切れるのか
6.世界各地での原子力発電所の事故があったが、結果、現在はどのような対策がとられているのか。
7.原子力発電所の危険性が問われているが、実際何がどのように問題なのか。
8.原子力発電は少ない燃料で多くのエネルギーが得られるが、放射性廃棄物の処理や安全性についての問題がある。→自分の身近に原子力発電所ができるとして、その安全性が知りたいです。
9.原子力発電所は本当に必要か。現在太陽高エネルギーの活用が最大でも50%未満といわれているので、太陽エネルギーを100%活用することができるような装置を開発したら、原子力発電は不必要ではないか。また、発電所の爆発や放射能漏れ問題など様々な問題を抱え、市民にも不安を抱かせているがそれでも必要なのか。
10.これからは、原子力がエネルギーのメインとして発展していくと思います。そこで、安全でもないのに私たちの生活に溶け込んでいてはとても怖いですし、今はそのことについてよく知りません。なので、間違った知識を持つよりもこの機会に学びたいと思います。
11.現在、大きな力を得ることができる原子力がどんどん利用されるようになっているが、本当に安全なのか。また、放射性廃棄物をどのように処理しているのかということも興味があります。また、改良されていると思うのでどのようなことをしているか疑問です。
(8項とも関連)
12.B(原子力発電)、D(環境)、G(廃棄物)全てにおいて、その安全性を知りたい。最近ではTVCMなので「UMO?(たぶんニューモのこと)」などを宣伝しているが本当に安全が保たれているのだろうか。もし、自分が住んでいる所に建設された場合に不安だと思う。(環境、廃棄物とも関連)
13.原子力発電は本当に安全なのか
4 日本や世界の原子力発電の動向
1.世界の国々では、今はもう原子力発電を止める方向に向かっているという話を聞いているが、実際はどうなのか。また、日本はどうしてそのような動きがもっと大きくならないのだろうか。
2.原子力発電を進めている国はあるのか
3.フランスは原子力発電が良く行われているが、市民の理解は日本とどれくらい違っているのか知りたいです。
4.原子力発電所は現在増え続けているのか。
5.G(注:放射性廃棄物)の問題があるのに原子力発電への移行が進んでいる国があるのはなぜか。また放射性は器物の処理を行っている人や町は安全なのか
5 原子力と環境問題
1.核分裂のエネルギーはすごく効率が良いようだが、使用後のウランを地下に埋めることは環境に全く影響がないのだろうか。
2.原子力発電は環境にどのように影響を与えているのか
3.放射線が人体に悪い影響があうのは知っているが、環境に対して+の面、−の面、それぞれどのような影響があるのか知りたい。
4.安全と関連して自分たちの住む環境にもどのように影響するのか知りたい。良くないのなら使いたくないし、ほかのエネルギーを見つけたいと思います。環境に良いならこれからの未来も知りたい。
5.原子力発電によって起こる環境問題について。
6.原子力発電所を設置するにあたって、近隣の環境や家庭などに影響が出ないのか、また影響が出る場合どのようにしてそれを改善しているのかが知りたいです。
6 他のエネルギーと原子力エネルギー
1.今は風力、波力、地熱などの自然現象をエネルギーに変えている。
2.今現在、何のエネルギーが最も必要とされているのか
3.他にはどんなエネルギーがあってそれぞれどう違うのか
4.どういったエネルギーが何に使われているか、仕組みや利用法について学びたい。
7 未来の原子力発電
1.原子力発電に代わる他のエネルギーがあるのか。またそれの有無にかかわらず、原子力発電はどうなるのか
2.もんじゅはどうなったのか
8 放射性廃棄物
1.放射性廃棄物…放射性廃棄物の廃棄方法や管理方法について詳しく知りたい。
2.海に沈められている他にどのように処理されているのか
9 核不拡散 なし
10 放射線の性質と利用
1.レントゲンを撮っても体に害はないのか。
2.放射線は体に悪いと言うことは知っていますが、その利用方法などは知らないので、知りたいです
3.放射線にはどのような用途があるのか
4.医療についてやどのくらいの値段なのか知りたい。
5.放射線が実際にどのようなもので、人体にどのような影響があるのか。また、どれだけの量を浴びるといけないなど具体的なことを知りたい。
6.放射線がどういうことに利用されているか学びたい。
7.私たちの生活の中でどのような場所や部分で放射線が使用されているのか、身近なものを調べたいと思いました。原子力は世界中で使われていると思うけどまずは日本の中でどのように活用されているかを知りたいと思いました。
11 原子力にかかわる仕事 なし
12 その他
1.原子力以上に信頼性、供給性が高いエネルギーはないのか。
以上
6−3 事前アンケート事項への回答と補足説明
対話に先立ち事前アンケートへの回答をいただきました。この回答を集約・整理した結果は、6−2に示す通りです。
これらの結果は極力講演に反映するようにしましたが、広範な内容に対し講演時間の制約もあり、反映しきれていない点も多々あります。講演に反映しきれない事項を、本書に回答や補足説明としてまとめました。
本書はアンケートの順番に記載してあり、シニアの回答や補足説明、コメント等はイタリック文字で記載しました。引用しているアンケート回答番号は添付資料に示す集約結果の項目番号です。
(1)環境問題で知っていること
アンケート回答結果を、下記のような区分で整理したうえ、補足説明やコメントを記載します。
1)地球温暖化関係
@.気候変動に関する様々な現象
温暖化、北極の氷の減少・白熊の減少、海面上昇、さんご礁死滅・海洋生物への影響、砂漠化、異常気象、森林減少など、現在問題とされている事象が適切に指摘されている。講演では触れないが、特に補足説明は必要ないと考える。
A、その要因と対策
要因系に関する指摘は、自動車などの普及によるCO2排出量増大のほか、次にような指摘がありました。
17.地球温暖化:地球を覆っているオゾン層がCO2の増加によりうすくなり、地球全体の気温が上昇している。また、人体に有害な紫外線も降りそそぎ、大きな問題となっている。
27.地球温暖化:地球の大気中を覆っているオゾン層に穴があき(オゾンホール)、これが原因となり、現在が深刻な問題となっている。
[上記17、27に対するコメント](回答者 石井正則)
対流圏オゾンも温室効果があるとされていますが、京都議定書で排出削減の対象となっているCO2、メタン、亜酸化窒素やフロン類と比較すると、その影響は少ないようです。因みに最大の温室効果ガスである水蒸気も規制の対象にはなっていません。なお、CO2が対流圏オゾンの希薄化の要因とは考えられません。
オゾンホールは紫外線の増大による健康影響(皮膚がんの誘発)の問題もあり、1987年のモントリオール議定書により、オゾン層破壊物質(特定フロン、ハロンなど)の削減・廃止への道筋がつけられました。オゾンホールと温暖化の関係は明らかではないが、温室効果があるとされる対流圏オゾンの希薄化に影響していることは考えられます。しかしながら、その影響はCO2やメタンと比較して少ないと思われます。
2)その他の環境問題
@.地球温暖化以外で指摘された現象
水質問題(生活用水を下水に流すことによる水質汚染、埋め立てから浸み出した有機ガスによる水質汚染)、酸性雨、森林伐採・熱帯雨林消失(アマゾンなど)、森林伐採による土砂崩れや砂漠化、ゴミ問題、オゾン層破壊、大気汚染、東京グリーンプロジェクト(ヒートアイランド対策)が指摘されている。講演では触れないが、特に補足の必要なないと考える。
A.要因や対策に関して
要因や対策に関連して、次のようなものが指摘されている。
33.ゴミの生み立て地には限界があるので、埋め立てなければならないゴミが多いとゴミが処理できなくなる。
34.紙を再利用しなければ、紙を作るための資源としてパルプが必要になるので、森林伐採につながる。
[上記33、34に対するシニアのコメント](回答者 石井正則)
紙のリサイクルと森林破壊
紙づくりは、森林資源に支えられており、「使う量」が「育つ量」を超えないことが大事。世界全体の紙・板紙の年間消費は、2015年には4億6千万トンまで増加すると見込まれ、この増加分すべてを植林木でまかなおうとすると成長の早いユーカリでも新たに500万haの植林が必要となり、植林だけでは間に合わない可能性があります。この点から古紙利用は欠かせません。日本では紙のリサイクルの古くから行われ、江戸時代には庶民の雑用紙として利用されていました。
発展途上国や熱帯の森林の減少は確かに問題になっています。しかしながら紙の原材料であるパルプは主に先進国の森林が利用されており、発展途上国の森林利用は多くはありません。ところが先進国の森林は減少していません(植林でカバーされている)。また、発展途上国や熱帯雨林の森林破壊の主因は農地化などであり、パルプではありません。
なお、「古紙100%の再生紙」は、製造する際に化石燃料(石油・石炭)の使用量が増えことから環境にやさしいとは言えず、また品質にも問題があります。
因みに木材からパルプを作る場合、廃液である黒液を石油代替エネルギーとして利用できるが、リサイクルでは化石燃料にエネルギーを依存する傾向があります。
一般の廃棄物の処理に関する視点
カン、ビン、ペットボトルなど様々なものがリサイクルされており、また、燃えるゴミは発電にも利用されています。
紙の例に示すように、リサイクルには新たなエネルギーの投入が必要になります。投入エネルギーが多ければ、新たらしく作る方が得です。アルミ缶は膨大なエネルギーを必用とする精錬がリサイクルでは必要ないので、リサイクルが有利ですが、そうでないものもあります。ペットボトルが必ずしも期待通り国内で資源として有効活用されていないと報じられており、現状では狙いと実態との間に乖離があるようです。
リサイクルの必要性には資源問題の視点もあります。資源が少なければリサイクルの重要性が増し、経済的にリサイクルが成立することになります。近年都市鉱山といわれる、IC機器からの希少金属のリサイクルもこの視点から重要性が増すと思われます。このほか環境問題(土壌や水質汚染など)、地球温暖化・CO2問題、ゴミ捨て場の問題などの視点もあります。地球温暖化・CO2問題の視点はエネルギー投入の視点と連動しますが、視点によっては解決策が異なるものもあるでしょう。更に、物を大事に使うという「もったいない」の考えもあります。
このようにリサイクルには多様な視点があることに留意する必要があります。廃棄物対策はrecycle、reuse、reduceの3Rによる言われています。多様な視点を考えたうえ、もっとも有効な方法を活用する必要があります。
(2)エネルギー問題で知っていること
27.地熱発電
28.波力発電
[シニアの補足]
これらについては(4)6項を参照下さい。
(3)原子力関係で興味を持っている事項(項目選択)
本設問のコメントの対象外。
(4)知りたいこと・疑問に思うこと
1 原子力発電の原理
講演でカバーされます。
2 原子力発電の必要性
講演でカバーされます。
3 原子力発電の安全性
原子力発電の安全性については、講義資料に詳細に述べてあるので参照下さい。それ以外の下記の項目について回答します。
1.原子力の安全性…原子力発電所が安全と声を大にして主張するのなら、東京湾になぜ原子力発電所をつくらないのか説明してほしい。
[シニアの補足](回答者 加藤洋明)
原子力発電所の安全性が問題であるとすれば、現在のような基幹電源(総発電電力量の約30%を供給)にはなっておりません。原子力発電所の立地問題は複雑ですが、a立地に適した地盤・岩盤があるか、b土地価格を含めて経済性はあるか、c万が一事故が発生した時の隔離距離は十分か、d地元が誘地しているか、などを十分考慮して選ぶ必要があります。これらの条件のうち、とりわけa、bは東京、大阪、名古屋などの大都市には適合しません。
3.原子力発電所で作業していた人が被爆したというニュースや放射能漏れの心配があるということを以前耳にしたことがあるので知りたいと思っている。
[シニアの補足](回答者 加藤洋明)
原子力発電所では、日常の点検や定期検査等の作業で放射線業務従事者の受ける放射線の量を低く抑えることが、大変重要となります。このため、放射線業務従事者の線量を法令で定められた限度以下(5年間で100ミリシーベルト、1年間で50ミリシーベルトを超えない等)にするよう厳しい放射線管理が行われています。
原子力発電所では、放射線業務従事者の放射線管理を行うため、「管理区域」を定めています。管理区域内で働くためには、すべての放射線業務従事者が法令で定められた健康診断、受けた放射線の量の確認、放射線管理についての教育等を受けなければなりません。作業に当っては、警報付き個人線量計等の測定器により、常に受けた放射線の量を測定しています。
このような努力の結果、原子力発電所の原子炉の数は増えているにもかかわらず、放射線業務従事者の総線量{原子力発電所で働くすべての放射線業務従事者の1年間の線量の合計(単位:人・シーベルト)}は安定的に推移しています。
また、放射線業務従事者1人当たりの平均線量も低下しており、最近では年間1ミリシーベルト台で推移しています。
通常は放射線管理は非常に厳しくなされておりますが、時には、思わぬ機器の故障などで余分の被曝をしてしまうことがありますが、ほとんどの事例で被曝線量は法令で定められた限度以下です。時には放射能漏れのニュースもあります。最近では、中越沖地震の際、燃料プール水から海水にもれたことが大々的に報道され、風評被害が出しましが、漏れた量は全く問題にならない量でした(講義資料15を参照下さい)。
私達は、放射線が存在する場で常時生活していますから、被曝とか放射能の漏れという場合、どれだけの量かということをはっきり認識することが大切です(講義資料40を参照下さい)。
6.世界各地での原子力発電所の事故があったが、結果、現在はどのような対策がとられているのか。
[シニアの回答](回答者 加藤洋明)
これまでに、安全確保上重要な事故がいくつか発生しています。これらを振り返ることにより、次の事故を起こさない努力が必要です。
原子力の安全確保のために、国内だけでなく、国際的に様々な取り組みがなされています。
(@) アメリカ・スリーマイルアイランド(TMI)原子力発電所の事故
1979年3月28日、ペンシルベニア州TMI原子力発電所の2号機で周辺に放射性物質が放出され、住民の一部が避難。
事故の発端は、蒸気発生器に冷却水を送り込む主給水ポンプが停止したことでしました。通常は補助給水ポンプが動き出し、主給水ポンプの代わりに冷却水を送り込みますが、機器の故障や誤操作が重なり、原子炉内の冷却水が減少して、炉心の上部が蒸気中に露出し燃料の損傷、炉内構造物の一部溶融に至る事故になりました。
周辺住民が、1人当たり0.01ミリシーベルトの放射線を受けたと評価されていますが、1年間に受ける自然放射線の量(2.4ミリシーベルト)に比べてもわずかなものでした。
我が国では、国内の原子力発電所の総合的な再点検を実施し、TMIのような事故が起きる心配のないことが確認されました。通産省(当時)は原子力発電所の一層の安全確保を図るため、運転員に対する保安教育・訓練をより一層強化すること等の改善措置を指示し、実施してきました。
また、原子力安全委員会は、特別委員会を設け、この事故の経験を踏まえて我が国の原子力発電所の安全確保対策に反映すべき事項として、プラントの状態監視技術の向上等52項目を選びだしました。これらは着実に我が国の原子力発電所に反映されています。
(A) 旧ソ連・チェルノブイル原子力発電所の事故(講義資料参照下さい)
1986年4月26日、旧ソ連ウクライナ共和国キエフ市北方約130qにあるチェルノブイル原子力発電所4号機で事故が発生。
この事故は、外部電力の供給が止まった際に、タービン発電機の慣性の回転でどの程度電気を取り出せるか、といった実験をしているときに発生しました。
運転員は、原子炉の自動停止装置が働かないようにする等、運転規則に違反するような操作をし、実験の遂行を優先するあまり、計画とは異なる、原子炉が不安定な性質を示す低出力で、しかも制御棒を規則に違反するレベルまで引抜きました。このため、原子炉の出力が急に上昇し、燃料の過熱、激しい蒸気の発生、圧力管の破壊、原子炉と建屋の一部破壊に至りました。
この事故により31名の死亡、急性放射線障害、入院:203名。
事故直後半径30qの地域の住民約135,000人が避難。
この人たちの受けた放射線の線量は16,000人・シーベルトと評価。
避難した人々について平均すると一人当り約120ミリシーベルト。
自然界から受ける年間平均線量と比較すると約50倍の線量。
我が国の原子力安全委員会は、ソ連原子力発電所事故調査特別委員会を設置し、調査、検討を行い、原因については、設計の脆弱性と運定員の規則違反の2つを指摘しました。
なお、我が国の原子力発電所については、このような急激な出力上昇を伴う事故に対する適切な設計上の安全確保対策がなされていること、運転管理体制が適切なものであること等から、チェルノブイル事故と同様な事態になることは極めて考えにくいとしています。
また、我が国の原子炉には、もし万一放射性物質が原子炉から外に漏れても、これを放出させないための原子炉格納容器があります。
我が国としては、原子力防災対策の充実、安全意識の醸成、安全研究の推進等一層の安全対策を図ることとしています。
(B) 高速増殖原型炉「もんじゅ」2次主冷却系ナトリウム漏えい事故
試験運転を続けていた動力炉・核燃料開発事業団(動燃、現日本原子力研究開発機構)の高速増殖原型炉「もんじゅ」において、1995年12月8日に2次主冷却系配管からナトリウムが漏えいする事故が発生しました。漏えいしたナトリウムは、配管室内の空気と反応し燃焼しました。
事故の原因は、温度計さや管の設計が不適切であったため、ナトリウムの流れによって振動し、破損したものと判断されました。この事故では、原子炉の安全性は十分確保され、作業員の被ばく、環境への放射性物質の影響はありませんでした。一方、温度計さや管の設計に問題があったことや運転員の不適切な判断により事故の終息が遅れました。さらに、事故後の情報公開をめぐる動燃の不適切な対応等により原子力に対する不安感、不信感が高まりました。
科学技術庁(当時)では「もんじゅ」の安全性を確認するため安全性総点検チームを設置し、全般にわたる点検を行い、報告書をとりまとめました。この報告書では、ナトリウム漏えい後の措置、運転員の支援の充実、事故時対応のための体制整備等の改善方針が確認されています。
2002年12月安全審査により安全性が確認され、設置変更許可。
2004年1月ナトリウム漏えい対策工事を中心とした改造工事許可。
2005年9月〜2007年8月ナトリウム漏えい対策に係る改造工事実施。
2008年〜2009年には運転再開の予定で整備が進められています。
高速増殖炉は「もんじゅ」での運転実績の積み重ねつつ、その後の実用化への開発を進め、2025年頃には高速増殖実証炉、2050年頃には実用炉の運転を目標としています。
(C) JCOウラン加工施設の臨界事故
1999年9月30日、茨城県東海村にある(株)ジェー・シー・オー(JCO)ウラン加工施設において臨界事故が発生しました。この事故は、我が国で初めての臨界事故であり、「臨界」状態が約20時間にわたって継続し、周辺住民の避難や、施設から半径10q圏内の住民の屋内退避を行った。臨界に伴い発生した放射線により現場にいた作業員が被ばくし、死亡者が出ました。さらに、従業員、防災業務関係者、周辺住民等多数の人々に被ばくが確認されました。
この事故は、国の許認可を得た設備や方法による作業とは異なることを行ったために生じました。作業手順を無視し、臨界管理の上で規定されている制限量をはるかに上回るウランを投入したことが直接の事故の原因でした。
事故の再発防止に向けた取り組みとして、事業者における安全確保の徹底、安全規制当局の体制の強化が必要としており、安全文化の定着・浸透に努めることが一層強く求められています。
政府は、原子力の安全・防災対策の強化・充実を図るため、法律の改正、制定を行いました。これらにより、核燃料加工施設にも原子力発電所と同様の施設定期検査を義務付けるとともに、保安検査制度、保安検査官の現地配置、さらに原子力防災における体制強化を図っていくことにしています。
9.原子力発電所は本当に必要か。現在太陽光エネルギーの活用が最大でも50%未満といわれているので、太陽エネルギーを100%活用することができるような装置を開発したら、原子力発電は不必要ではないか。また、発電所の爆発や放射能漏れ問題など様々な問題を抱え、市民にも不安を抱かせているがそれでも必要なのか。
[シニアの回答](回答者 加藤洋明)
原子力発電所の必要性にについては、講義資料にていねいに述べられておりますのでご参照下さい。
太陽光エネルギーの活用が最大でも50%未満とか、100%活用するというのがどういう意味かわかりません(太陽光は莫大なエネルギーをもっていることは事実ですが、50%とか100%と云っているのは何を基準にしているのかがわからない、現状の太陽光発電の設備利用率は10〜20%程度である)ので、この問題に直接お答えできませんが、常識的なことを述べます。
太陽光や風力など自然エネルギーはトータルでは莫大なエネルギーをもっていますが、エネルギー密度は低いので集めるのに広大な面積を必要とし、経済性に問題があるうえ、天候に左右されるため安定供給面でも問題があり、基幹電源には不向きと思います。分散型電源として活用するのが良いと思います。(講義資料23 新エネルギーの導入と課題をご参照下さい。)
「発電所の爆発や放射能漏れ問題など様々な問題を抱え、市民にも不安を抱かせているがそれでも必要か。」に関して。
原子力発電も他の産業やシステムと同じように、開発の途上では色々な問題を起こしましたが、その都度、国をあげて原因の解明や対策に真剣に取り組み現在のような基幹電源を構成するまでに至ったと思います。今、石油の高騰にみられるエネルギーセキュリティーや、地球温暖化の対策として原子力発電の見直しが世界的になされ、原子力発電所建設の計画が発表されております。今こそ、今までの歴史の教訓を活かし、安全性・信頼性・経済性の一層の向上を図ってゆくべきと思います。
4 日本や世界の原子力発電の動向
日本や世界の原子力発電の動向については講義資料26 をご参照下さい。
3.フランスは原子力発電が良く行われているが、市民の理解は日本とどれくらい違っているのか知りたいです。
[シニアの回答](回答者 加藤洋明)
昨年12月、エネルギー問題を発言する会に、在日フランス大使館原子力部参事官ピエール・イブ・コルディ氏を招き、「フランスにおける原子力産業とメディア」についてお話を伺いましたが、その時の話をベースに回答します。
・フランスの原子力発電の現状:PWR58機、63184Mwe、2006年5月第3世代炉であるEPRを建設すると発表。
・原子力に対する民意:1970年代は石油危機、科学技術に対する期待、原子力機関への信頼等から国民の理解は得られていた。
1980年代に入り、環境問題、チェルノブイル事故、グリーンピース、BSE問題等の影響で科学技術に対する信頼感が薄れていった。チェルノブイル事故の際、隣国のドイツ、オーストリア等では牛乳、他一部食品の飲食に関する一時規制を行ったが、フランスは問題視せず、これが国民の不安を煽った。また、この時、社会党がみどりの党との連立政権を取り、政治的理由によりスーパフェニックスが廃炉に追いやられた。このような出来事が科学技術全般に対する不信感に拍車をかけた。
しかし、エネルギー公開討論会を受けて成立した2005年の“エネルギー基本法”や2006年に行われた放射性廃棄物に係わる公開討論会や同年に施工された放射性廃棄物計画法および原子力安全保障と透明性を高める法律によって、国民の原子力に対する見方が変化してきた。さらに、国際的にも地球温暖化、エネルギーセキュリティーの面から環境に優しく、安全・安定した原子力発電のメリットが認識され始め、国民の原子力に対する不信感は減少してきた。ただし、フランス国民の大多数が原子力に賛同しているかと云うと、必ずしもそうとは言えない。質問によって回答の傾向も変わってくるが、原子力発電に対し賛成か反対かとの直接的質問に対しては、反対が23%、賛成が26%、どちらでもないが51%となる。よって、何か事故でも起きれば反対数が増えるのは明らか。ただ、近年の傾向として、フランス国民はあまり反対派の言うことには信憑性があるとは思っておらず、それ程影響を受けることは無い。
・フランスは、国、地方自治体、事業者ともに広報活動を熱心に行っている。
いかに迅速に正しい情報を住民に届けるかということが目標であることから、最も身近で伝達の早いメディアと信頼関係を構築し、正確で、真実に基づく、判りやすい情報を継続的に提供することが重要であり、これを行っている。
事業者には広報担当の専門家が複数人配置されており、事故時には安全、技術担当のヘッドと共に、必ず広報担当チームも配置につき、24時間対応する事になっている。
・フランスのこのような活動状況、体制は我が国も見習うことが多い。
5 原子力と環境問題
講演で触れる時間のとれない、下記項目を回答します。
2.原子力発電は環境にどのように影響を与えているのか
3.放射線が人体に悪い影響があるのは知っているが、環境に対して+の面、−の面、それぞれどのような影響があるのか知りたい。
[上記2、3に対するシニアの回答](回答者 小川博巳)
原子力発電所の建設に先立って、立地地点周辺の広範囲な環境調査が義務付けられ、放射線のみならず、産業廃棄物・温排水・騒音・煤煙などなど、発電所由来の環境影響が慎重に審査され、これに合格しないと建設は許可されません。
建設前に実施される環境審査・安全審査においては、起こり得ないような過酷な事故を想定し、それでもなお国及び国際的な環境基準が守られ、住民の安全が確保されることが求められています。
更に、運転開始後も継続的に監視が続けられ、住民の安全を守りつつ、エネルギー供給という公益目的を達成することが、事業者の義務であり、規制者(国)の監督責任でもあります。この様にして、これまで我国の原子力発電では、周辺住民の安全を脅かすような事態は発生していません。
しかしながら、ウクライナのチェルノブイル原子力発電所の蒸気爆発事故、米国・スリーマイル原子力発電所の炉心溶融事故などの事例を「他山の石」として、設計・建設・運転・保守および規制など、あらゆる面から教訓として活かしています。
このようにして万全を尽くしていますが、「もしも」という住民の不安を安心にかえるため、立地地域周辺では定期的な原子力防災訓練が実施されます。住民の皆さんに予め予備知識を持って頂き、起こり得ないような放射線災害の発生を想定しても、それに適切に対応できる態勢を整えるのが目的で、国・自治体・事業者・住民が一体となった訓練を実施します。
余談ですが、世界的な環境運動グループ「グリーンピース」の設立者、パトリック・ムーア氏は「原子力エネルギーは大量殺人と同義語だ」として、原子力の反対運動を主導して来ました。その後、地球温暖化問題と共に、チェルノブイル事故及びスリーマイル事故などを徹底的に調査した結果、軽水型原子力発電所の安全性を改めて認識し、CO2を排出しないクリーンな原子力発電こそが、人類を救うエネルギー源だと確信しました。
彼はかつての誤りを懺悔し、世界的に原子力エネルギーを活用するべきだとのアッピールを展開しています。
6 他のエネルギーと原子力エネルギー
講演で触れる時間のとれない、下記項目を回答します。
3.他にはどんなエネルギーがあってそれぞれどう違うのか
4.どういったエネルギーが何に使われているか、仕組みや利用法について学びたい。
地熱発電:
火山国である我国では、夙に地熱発電が実用化され、18か所・50万Kwに及びます。潜在的な立地条件は随所にみられ、再生可能エネルギーとして期待されますが、国立公園・温泉観光地などとの共存と調和問題がネックとなって、新規立地には難があります。
波力/潮力発電:
波の上下動を空気の流れに代え空気タービンを回す発電、海水の干満を利用する潮汐発電、海峡などの海流を利用した発電などもありますが、何れも実験段階です。無限の再生可能エネルギーとして期待されますが、取り出せるエネルギーの大きさと、割高な発電コストが課題です。
バイオマス発電:
木質系バイオマス、例えば間伐材などを燃料に利用した発電。CO2が排出されますが、生育期にはCO2を吸収するので再生可能エネルギーとして扱われます。しかしながら広大な森林を伐採すれば、エネルギー確保以上に地球温暖化へのマイナス効果が大きく、帳尻が合いません。如何に安定的にバイオマス燃料を供給できるかが、最大の課題です。
バイオマス発電に近いごみ発電は、産業および生活廃棄物の焼却処理に、発電設備を追加設置したもので、益々増大する廃棄物を安定的に処理できることと相俟って、資源の乏しい我が国では更なる開発研究が望まれます。
因みに資源大国・米国のごみ発電は、世界一です。
7 未来の原子力発電
講演でカバーされます。
8 放射性廃棄物
1. 放射性廃棄物…放射性廃棄物の廃棄方法や管理方法について詳しく知りたい。
2. 海に沈められている他にどのように処理されているのか
[上記1、2に対するシニアの回答](回答者 石井正則)
放射性廃棄物の処理に関しては、講演資料に示す通りです。なお、「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約(ロンドン条約)」によって、海洋への処分は禁止されています。
9 核不拡散
アンケートに回答該当事項はありませんが、講演の参考資料には含まれています。
10 放射線の性質と利用
講演で触れる時間のとれない、下記項目を回答する。
4.医療についてやどのくらいの値段なのか知りたい。
[シニアの回答](回答者 石井正則)
医療分野では、放射線は診察と治療の両面で活用されています。診察ではX線検査(含むCTスキャン)、シンチグラフィーなどがあり、治療では各種ガンに対する放射線治療が普及しています。
通常の放射線ガン治療は健康保険対象で行われ、部位や照射回数などにもよりますが、自己負担額は10万〜30万円(3割の自己負担額、入院、検査費除く)程度ではないでしょうか。
一方、重粒子線や陽子線治療のような先進医療は300万円程度(入院、検査費別)で、健康保険・高額療養費制度は適用されません。但し、臨床試験の対象であれば公費で賄われます(放射線医学総合研究所)。
11 原子力にかかわる仕事 (回答書に下記を記載するのみにつき分担不要)
アンケートに回答該当事項がありません。
12 その他
1. 原子力以上に信頼性、供給性が高いエネルギーはないのか。
[シニアの回答シニアの対応]
6項および講演資料の新エネルギーの比較表を参照下さい。