「学生とシニア」の対話実施概要

−対話 in九州2007


 

 2007.10.24 松永一郎

1.実施主旨

 2005年度から続けている「学生とシニアの対話」の九州版。日本原子力学会の学生連絡会及びシニアネットワーク(SNW)の活動の一端として、原子力系学生および機械工学専攻で原子力に関心を示す学生とシニアの交流を図る。SNW主催の活動としては9回目の「対話」であるが、エネルギー問題に発言する会主催のものからの通算では15回目となる。

 また今年度から2巡目に入るが、九州では昨年の5月以来、1年4ヶ月ぶりの開催となる。

 

2.対話の目的

 原子力系学生とシニアとの対話を通して、学生とシニア間の相互理解を図ると共に、今後の原子力、エネルギー産業について共に考え、これからの対話のあり方やエネルギー教育の実践あり方の参考にする。学生との対話では、彼らが社会へ出るまえに、原子力OBの経験や気概を少しでも吸収できる機会を提供し、今後の実務への自信に繋げてもらう。  

九大と九州工大の合同実施であり、日本原子力学会学生連絡会の学生4名も加わったバラエティーに富んだ構成で学生間の交流も一つの目的である。

 

3.対話の実施

(1)日時 平成19年9月28日(金)   

  13:00〜17:10  (懇親会17:30〜19:00)

(2)場所 九大工学府伊都キャンパス ウエスト2号館 319号室 

(3)参加者

@学生32名

 九大25名,九州工大3名,神大1名,武蔵工大1名、東海大1名、福井工大1

−博士課程1、修士課程13、学部生18

   −原子力系25、機械工学系3、情報システム3、エネルギー系1

コーディネーター 1名(九大 西山 健)

Aシニア(敬称略)  

 ・SNW会員 12名  九電OB 3名

荒井利治、石井正則、伊藤 睦、岩崎敏彦、小川博巳、金氏 顕、児玉英男、竹内哲夫、土井 彰、西村 章、林 勉、原田雄平、樋口勝彦、松永一郎、山下 博

 Bオブザーバー 3名

・教員  九州工大 徳田君代教授、 愛知教育大 吉田 淳教授 

  ・東電(SNW会員)中島拓男氏

(4)実施内容 

 a基調講演

  ・「エネルギー・環境問題 解決は可能か」    林 勉 氏

・「原子力プラントの設計と建設」        金氏 顕 氏 

 

b.対話

  7グループに別れ、シニア2名〜3名に対して、学生が4名〜5名ずつ付いて対話。

  対話の題材は事前アンケートの結果にしたがって、各グループごとにそれぞれ決められていた。

  対話終了後に各グループから対話内容のまとめが発表され、シニアを代表して、荒井利治氏から総合的な講評がなされた。また、今回初めて教育関係者としてオブザーバー参加された吉田愛知教育大教授から感想が述べられた。

 

5)結果

シニア各人から感想を収集。学生に事後アンケートを実施した。

シニアの感想概要・・・意見をある程度集約)

・予めグループごとにリーダーと対話テーマが決まっていたために、スムーズに対話にはいることができた。

・その反面、テーマにしばられて、テーマ以外の自由闊達な議論が無かったということもいえなくも無い。

・学生のレベルは高く、非原子力系の学生も積極的に原子力についての知識を得ようという意欲が感じられた。

・学生同士間で日頃からあまり議論をする習慣が無く、積極的に自分を出すという訓練ができていないようである。これを機会にもっと友達同士でも意見を戦わせるということが有っても良いのではないか。

・非原子力系学生に対する講演の内容は原子力一辺倒でなく、できるだけ幅広いものとする必要があろう。特に社会との関連で話しをするのが彼らのためになるようである。

・懇親会への学生の参加数が少なかったのは残念である。懇親会は第2の対話の場であるとの位置づけから、できるだけ参加するよう予めアナウンスしておいた方がよいのではないか。

・愛知教育大学から吉田教授がオブザーバーで参加されたのはよかった。これから教育学部学生との対話が始まるが、原子力系の内〃の話でなく、原子力を広く一般に知ってもらうにはこういった一般の学生との対話が重要。期待したい。

・対話の時間が短かった。もう少し講演時間を短くする必要がある。

 

(学生事後アンケート結果概要)

34名の参加者の内、34名から回答があった。(回収率100%)

@     対話の必要性について、全ての学生から「非常にある(85%)」または「ややある(12%)」との回答を得た。学生によって興味が異なるため、「対話」から得た情報は様々であるが、「深い知識や経験のあるシニアと対話をする」という貴重な体験そのものが、学生に大きな刺激となったようである。

A     エネルギー危機に対するイメージの変化については、50%の学生が変化したと答えている。これまでの講義などで、多くの学生はエネルギーに関して漠然とした危機感を有していたが、今回の対話でより現実味を帯びた問題であると再認識した学生が多かったようである。また世界規模で問題を解決する必要性を認識し、視野が広がった学生も見受けられた。その一方で半数の学生が変化しないと答えている。これは元々のイメージどおりであったということである。

B     原子力に対するイメージの変化については、変化した学生が50%であった。

漠然とした負のイメージを持っていたが、話を聞いて原子力の重要性について再認識した学生が半数、変化しなかった学生が半数であった。

世間ではデータ改ざん問題やトラブル隠し問題が取り上げられているが、参加した学生のほとんどは原子力に関する分野を専攻しているので、もともと原子力に対して肯定的なイメージをもっており、このような問題によって原子力の必要性に疑問を抱く学生は少なかった。シニアの話を聞いて将来の原子力に明るい展望を持った学生が多くなったと考えられる。

C     事前に聞きたいと思っていたことが十分に聞けたと答えた学生は79%という高い率であったことから、今回の対話では学生からの活発な質問や意見が多く出されていたといえる。

D     対話内容に対する満足度は88%が満足したと答えている。その理由としては、学生が聞きたいと思っていたことにシニアが分かりやすく、説得力のある説明で応じてくれたこと、シニアの熱意に大いに感化されたことなどが挙げられる。また、他大学との交流ができたという意見も見受けられた。不満としては対話時間が短かかったこと、シニアの話す時間が長く、自分の意見がいえなかったことなどがある。

 

 各設問に対する解答は下記の通りである。

 

(1) 「学生とシニアの対話」の必要性についてどのように感じますか?

1.非常にある     85%   2.ややある   12%

3.あまりない  3%     4.全く無い    0

(2)エネルギー危機に対する認識の変化はありましたか

1.大いに変化した     3%   2.多少変化した     47%

3.あまり変化しなかった  44%  4.全く変化しなかった        6%

(3)原子力に対するイメージに変化はありましたか?

1.大いに変化した              3%   2.多少変化した              47%

3.あまり変化しなかった  41%           4.全く変化しなかった     9%

(4)事前に聞きたいと思っていたことは聞けましたか?

1.十分聞けた                     79%  2.あまり聞けなかった     21%

3.全く聞けなかった                    

(5)対話の内容は満足のいくものでしたか?

1.とても満足した              38%  2.ある程度満足した        50%

3.やや不満だ                                4%  4.大いに不満だ                0

 

4.まとめ

 今回の対話は当初、九大の原子力系(エネルギー量子工学科)の学生を対象に考えていたのであるが、原子力学会秋の大会が小倉で開かれており、多くの学生(特に博士、修士)がそちらにいっていたため人数が集まらず、急遽、同大学および九工大の機械系の学生および学生連絡会学生(神戸大、武蔵工大、東海大、福井工大)の参加となった。その結果、幅広いバラエティーに富んだ構成となり、対話もはずんだようである。また、予めグループ別のテーマとグループリーダーが決められていたために、短時間のうちに参加者が興味を持っている共通した話題に移ることができ、対話が進んだようである。発表を聞いても、どのグループも簡潔に的を得たまとめ方をしていた。これは今までの対話(過去14回)の内で一番良かったといえる。ただ、対話の目的は必ずしも個別テーマについての結論を出すことだけでは無く、シニアとのいろいろな雑談から、これからの長い人生上の教訓を得てもらうことももう一方の大きな目的であり、その点で物足りなさがあったことも事実である。両方、満足させるには対話に長時間かかるので、今回の試みは新しいやり方として、大いに評価できるといえる。

 今回は「将来の先生の卵とシニアの対話」実施を想定して、初めて教育系大学である愛知教育大の吉田淳教授がオブザーバーとして参加され、色々なグループに入って話をされていた。最後に感想を述べられたが、今後の大きな広がりを期待させる極めて前向きのお話であった。

 学生への事後アンケート結果は「対話の意義は非常にある」「対話に満足した」という答えが殆どである。その理由についても「大学にいては分からない知識を、人生経験の豊かで、世界を舞台に活躍したシニアから直接聞けた」「自分たちが知りたいことに、キチンと丁寧に答えてくれた」といったことを、記述している。是非とも、添付2の事後アンケート結果に直接眼を通して頂けたらと思います。

 

最後になりますが、今回の対話の準備と進行を精力的に進めていただいた九州大大学院エネルギー量子工学専攻D3の西村健君および協力した学生諸君、ならびに陰で支えていただいた同大教授の石橋健二様、准教授の稲垣八穂広様に深甚なる感謝の意を表します。

またお忙しい中、遠くからオブザーバーとして参加いただいた名古屋教育大大学院教授

の吉田淳様、学生3人とともに参加いただいた九州工大大学院教授の徳田君代様、九電OBとして初めて対話に参加いただいた児玉英男様、樋口勝彦様、山下 博様に厚く御礼申し上げます。

 

5.今後の予定

 武蔵工業大学  (東大、東工大、武蔵工大、東海大合同)   11月24日

東北大学                          12月中旬

 

6.対話写真

 対話写真欄参照

 

添付資料

添付1 シニア感想

添付2 学生側事後アンケート結果


参考資料 

学生事前アンケート結果

 

−対話写真−

林 勉 氏 基調講演

 

金氏 顕 氏 基調講演

 

対話風景1

 

対話風景2

 

学生発表

 

荒井利治氏 講評

 

吉田愛知教育大学教授 ご感想

 

懇親会 学生からの感想

 

懇親会 

 

集合写真


添付資料1 シニア感想

 

荒井 利治

1.全般

     今回は参加学生34名中26名が九大生で80%を占め、また全員が原子力関連の学科である為、お互いの気心やバックグランドを知る為に時間を費やす必要が無く、直ちに本論に入っていけた。

     しかも先生方の御指導が十分行き渡っていて、中身のある対話、即ち双方向の議論が出来たと思う。

     また何時もの事だが、取りまとめの九大世話人西村君の落ち着いた人柄で対話及び懇親会(学校の食堂と思えぬ上質の心のこもった料理だった)とも立派な進行で、充実していた。

2.グループF

  テーマ:原子力・放射線に対する根強い反対に対してはどのようにアプローチ・説得

      するべきか?

     メンバーが九大(B4)3名に、追加参加の九大(M2)中村君がリーダーとなり、これに神戸大の岡本君(対話イン関西の世話人、学生連絡会の運営委員長)がいて多士済々で活発な討議が出来た。

     原子力・放射能に対する反対の根源が何かという問いに、学生から次々と意見がだされたが、()原爆のトラウマ、(2)小中校での教育不備、(3)マスコミの偏見(4)放射線に対する無知、()自分で考える力の不足、(6)体験の重要性()相手に合わせた説明不足 などがまったくガイドなしに次々と出され、質のさ   を感じた。

     どのようなアプローチ・説得が出来るかは、大学生ではまず身近な父母、兄弟からはじめ、次第にその輪を広げるべきで、相手のこの問題に対する理解のレベルにあわせて事実を報せる。特に現在はパソコンが強力な伝達手段なので、ブログで発信すると輪が広がる。などが話し合われた。

3.全グループ

     各グループでテーマが異なったが、大別すると、「原子力関連の企業が学生に期待すること」と「原子力の理解のために社会にどう働きかけるべきか」になる。

     企業が求める人材は専門知識だけでなく、幅広い教養で物事の本質をつかみ問題を解決する能力で、これには基礎をしっかり学び、自分の意見をはっきり言うことが大切である。それには知識のみでなく実体験で得るところが多い。

     社会に原子力を受容してもらうには、投げ手側が相手の立場に立ち分かりやすく、比喩を用いるなど工夫をするべき。また受けて側に求められることは正しい知識と判断に当っての正しい理解で、これには小、中学校からの教育が重要で、現状を改善しなければならない。

日本の社会はマスコミの原子力についての偏った報道で世界の状況からも遅れている。CO2排出による環境問題がやっと大きく取り上げられてきたが、その解決のためには原子力が欠かせない。個々人のエネルギー使用(ライフスタイル)に対する意識改革が必要である。

日本はその技術力(かって幾多の公害を克服してきた。)で開発途上国を支援するなど国際的にイニシャテイブを取るべき。

     以上のようなかなり突っ込んだ討議結果が発表され、今までに無い濃い対話の成果が得られた。

     これは前述の学生の構成によるところが多く、一般には適用できないがこれから原子力専攻以外の学生に同アプローチするかが課題であろう。

 

石井正則 

今回の学生は九州大学と九州工大、専門もエネルギー量子工学、エネルギー科学、機械科学、情報システム、学年もB4M2と広い範囲にわたったメンバーであった。水素エネルギーや石炭ガス化といった、原子力以外のテーマを研究している学生も交えたグループであったが、エネルギーとういう共通点から、学生からの質問も「テーマはエネルギー戦略、原子力の現在と将来」を焦点とし、内容的にはまとまった議論ができたものと思う。

学生リーダーの加藤君は要領良くメンバーから質問を引き出し、議事の進行を図っていただいたので、全員が議論に参加することができたように思う。ただ、予め設定した質問事項主体で、こじんまりまとめすぎたようにも思う。

水素や石炭ガス化を勉強している学生にとって、将来性に対する期待や心配もあろう。卒業後の進路や社会人の心構えのような学生の共通的な関心事についての話題もあろう。時間の制約もあろうが、これらの話題に発展したら、もっと良かったのではないかと思った。お仕着せにならない程度に、あらかじめ設定されていたテーマ以外のアドリブの話題を引き出すよう、誘導すればよかったと思っている。

 

 

伊藤 睦

1)私のグループには九州工大の学生で情報システムの専攻など原子力とほど遠い専攻課程の学生がいた。

このような学生さんが3~4名参加しているとのことで、彼等は最近の原子力産業界の前向きの動きが新聞を賑わしていることから、原子力産業界に興味を持って参加したようで、我々が対話会を始めた当時の原子力の低迷時期とは全く違う雰囲気を感じた。地球温暖化の危機、資源の枯渇の危機、原子力の必要性などは常識になっている。むしろそのような状況の中で、これからの原子力産業は就職先としてどの程度期待できそうかを知りたがっているように感じた。

2)その事もあり、基調講演のテーマは内容は結果的には良かったと思う。(ただ、もう少し時間を短くする工夫が必要。)基調講演は、対話会の重要な要素であり、その時々の学生さんの知識や要望に沿った内容にするよう工夫が必要であり、事前によく内容を吟味しておくとが必要であろう。

3)当方のグループ特有かもしれないが、学生さん同士の議論やシニアとの議論・討論が全くない。シニアが質問に答えて、ただ頷くだけでは勿体ないような気がする。

  どのような仕組み討論・議論を活発に出来るか今後検討する必要がある。

4)全体的には懇親会を含めて、流石九州男児、大変活気のある対話会で会った。特に、愛知教育大学から吉田先生をオブザーバーに招いたのは大変よかっと思う。これからの展開に大いに役立つと期待される。また、地元から九電OBが参加されたのも大変効果的であった。

強いて言えば、九州大学の先生が見当たらなかったのは残念であった。

広大な土地と新しい学舎の素晴らしキャンパスで伸び伸びと学び日本のために役に立つ人物が沢山育成されることを期待したい。

 

岩瀬敏彦

九州大学新キャンパスに若いみなさまとの有意義な対話を持つことができ、若い学生のみなさまの、何事も前向きに、積極的にとらえ、がんばっていること、将来の大いなる展望のあり得ること確信いたしました。特に懇親会の場での今後は若い学生達の活躍に期待下さいとの心強い言葉を聞くことができ、対話の実がささやかながら見えてきたと思いをかみしめることができました。

1.              対話の準備について

    あらかじめ、参加学生の方々の事前のアンケートによるグループ分けと、シニアへの、対話テーマをお教えいただけたこと、出発前の準備として良い対応でした。

2.              参加学生について

 地元九大のエネルギー関係学科専攻の学生を中心に、九工大、また学会へ出席の福井工大、武蔵工大、東海大、神戸大など原子力以外の学科専攻の多彩の学生の顔ぶれで、広い視野からの意見交換の基が整えられたと思います。

3.              対話の進め方と解決のための意見交換 

1に記したように、事前の枠組みが見えていたため、小生のグループでは、アンチ原子力・放射線の考えを持つ方々への対応をテーマとしての対話は、円滑に進められたこと、良かったと思います。

具体的な議論として、1)原子力、放射線についての概念を知らず、イメージのみ受け取る、2)小さい頃からのこの分野のことを教育の場で教えることが、まず第一歩である、3)我が国での原子力の一般への教示は、原爆被爆国、第五福竜丸死の灰事故、チェルノブイル事故などショッキングな形で接したこと、4)マスコミの原子力に関する報道は誤報も含めてセンセイショナルに過ぎるきらいがある、5)原子力反対への説得としての、正確で科学的な教育をきちんと行う(これまで具体的に取り組まれていない)、6)まず身近な人へ平易な言葉を以て話しかけ、啓蒙する等が交わされ、学生として、取り組むべきことを4項目にまとめるなど、てきぱきとした議論展開がなされ、学生との対話の継続の成果が着実に進んだことを確信できました。

4.トピックス

今回の対話のトピックスとして、愛知教育大の吉田先生からは、学校教育(初等中等)において、原子力、エネルギー、環境、地球温暖化などのテーマを取り上げるには所轄の文科省へのアプローチの大切なことのお話をいただけたこと、また九工大の徳田先生からは、エネルギー源としての石炭などでの省エネ対策、環境対策など具体的に業界での対応展開などのお話をいただけたこと、によりエネルギー、環境、地球温暖化防止対策などへの幅広い認識、教育学部学生や、一般学生を取り込んだ対話の展開など今後の対応策のヒントを得ることができたと思います。

 

 小川博巳 

SNW対話担当の松永さんのご指導、過去の経験・反省のマニュアルへの反映、九大学生幹事及びサポート係のご尽力、参加学生とシニアの積極的な参加等が好ましく重畳して、素晴らしい対話会になったことを共に喜びたいと思います。

 

グループ編成と対話テーマ

事前アンケートを踏まえて、グループ毎に対話テーマを重複しないよう考慮して設定されていたが、参加学生がシニアとの対話を効率よく体験・吸収するための、心憎い配慮であった。

 

学生グループリーダーの事前指名

グループリーダを予め指名し、対話テーマも設定されていたので、短時間の対話も無駄なく直ちに本論に入れたことは、秀逸であった。リーダーは対話の纏めを念頭に対話をリードしたので、すこぶる効率的であった。

 

グループリーダーの事前協議

グループリーダーの事前協議の場が持てれば、対話テーマについて相互に希望を語り合い、より多様な意見も引き出しうるのではないかと思われる。

ともすると、責任感からリーダーの質問・発言が個々の学生を凌ぐ弊害も見受けられる。

グループリーダーの事前協議にて、その辺のリードの在り方を事前に協議すれば、対話のクオリティ向上と参加学生の満足度は、更に改善できそうだ。

将来の中核人材の果たすべき機能の、格好のトレーニングとしても活用できよう。

 

参加学生の事前準備

グループリーダー学生の得たものと、参加学生の収穫とを比較すれば、参加意識の少しの差が収穫成果にかなりのギャップを産みかねない。事前アンケートに際して、対話会への参加により何を掴み取ろうとするかにつき、学生が自ら事前に考えて臨むよう指導すれば、より多くの成果を学生諸君は掴み得ると思われる。

此の辺が、残念ながら若干不足していなかったであろうか? 何事に依らずほんのチョッとした意識の差が、成果に大きなギャップを産むことを心したい。

 

事後の学生間対話を

シニアとの対話だけで終わらせずに、貴重な対話経験をキッカケとして活かし、学生間での対話・デイベートを是非とも重ねて貰いたい。

その様な積み重ねにより、エネルギーと環境問題に関する視野を広げ、より深い理解と洞察力を養い、自ら考える習慣を身に付け、世代を超えて積極的に発言する人材に育って貰いたいものだ。

 

金氏 顕

1.予定した日が原子力学会秋(九州支部担当)開催中であったため初めから学生が集まるか危惧はあったが、昨年の北大と同じ条件だったので実施に踏み切った。しかしやはり危惧したとおり集まりが悪く機械系に広げ、さらに九工大、原子力学会参加学生に広げ何とか32名とシニアとバランス取れる人数に漕ぎ付けた。原子力学会の春、秋の大会は必ず3月末、9月末になるので、この日程は避けられない。したがって日程は決まっているので参加学生の募集、人数確保はかなり早期から(出来れば春休み、夏休みに入る前から)開始する必要があり、学生連絡会とのそのあたりの調整、マニュアルへの反映等により徹底する事が大事。
なお、学会参加他大学学生の参加は今後原則化してはどうか。

2.今回、上記事情でこれまで以上に原子力系以外の学生が多かった(ちなみにBグループは5名中2名と40%)。基調講演でも対話でも、原子力の理解促進の一辺倒(将来エネルギーとして原子力が唯一有望というような)ではなく、省エネルギー(エネルギー効率向上含め)や石炭の新技術開発(IGCC,CO2回収固定化など)、新エネルギーなどもそれなりにバランスよく話をしないと拒否反応が出ると思う。

3.地元シニアとして九電OB3人にご参加いただいきありがとうございました。私のBグループではなかったが、参加シニア同士の交流にもなったと思います。

4.取り纏めの西村健さんと数名の手伝いの学生さん、学会開催期間とダブって大変ご苦労さまでした。残念だったのは、彼ら数名(3〜5人?)が折角の対話グループに参加できなかったことです。対話の時間の間はそれほど事務的業務がないので是非対話会に参加できるよう、これも学生連絡会に要望します。また懇親会への参加が60%だったのも残念、懇親会も対話第2部という位置付けにするよう、これも学生連絡会に要望したい。

 

児玉 英男 

1.講演については、学生側からも希望を募り、一件くらいは発表があってもいいのではないかと考えます。但しあくまで負担にならないよう希望によります。

2.グループ対話は、会場の制約により、隣のグループとの間隔が無く、グループ8名に話が届きにくい。今回の人数では2教室欲しいところです。                

3.結果として、準備資料の説明時間がなかなか取り難い。当日説明したい場合は、資料もなるべく簡略にと思うし、後で読んでもらう場合は、相当な資料を出せることがある。 対話としては、前者でよいと思うが、グループの雰囲気次第。

4.懇親会への学生参加がやや少ないように、感じられた。シニアと学生に会費の負担差をつけてもいいのではないか。

5.学生の態度、意欲など、その真剣さには、感心した。入社試験で受けた印象より、優れているように感じた。やはりエリートが出ているのかと思う。 

いずれにせよ、活発な論議と最後の集約の上手さで、見直した。

 

 竹内哲夫

 @新校舎で日本離れした雰囲気で充実した一日でした。九州大と工大との組み合わせは福井と同じだったが、今回は更に幅広な学生が混ざったのでより一般性、世間に通じるようなテーマと言葉で議論できたと思う。ただ、実質的な学生との対話時間が短すぎたことは否めない。

 

A愛知大の吉田先生も参加され、参加学生も多様になってきたこの時点で、マンネリ防止もかね一つの曲がり角に来たと感じた。

従来の、原子力専攻を主体とした学生対話から、今後は一般工学部、教育学部、さらには文科系の学生団体を極力交え、一般的な社会問題、報道問題などを取り上げ、双方向の議論をする機会を次回以降トライしてはどうかと思う。今の原子力専攻の学生は大学で原子力のベース教育を受けているが少数派であり、他の学部の多数派は初等教育で原子力に全く音痴のままなので、学生同士でも意識、のズレが大きく、学生同士でも双方向の議論が難しいと思う。日本の原子力のNIMBY感はここからきているので、パイの小さい原子力専攻の学生対話だけでは問題の解決にならない。この面からは、即効効果の大きい教育学部との会話は早く進めたい。

 

B夜の、懇親会に学生参加が少なかった。誘導仕方が反省事項だ。

だが、料理は学校食堂の場ではこれまでの最高だった。あそこで仕事しているオバサンたちの郷土手料理だったそうで、オバサン達にお礼を言っておきました。

 

C九州在住の方々が多く参加され、盛り上げていただいたことを大変うれしく思い、厚く御礼申し上げます。

   

土井 彰 

1.          若い学生の物事に取り組む真摯な姿に触れることができ、とても気持ちがよかった。特に懇親会でそれを感じた。昼間の対話での不足分の質問が多数出てきた。

2.          学生が考えている『自分はこのままでよいのか?』、『自分の人生で何が達成できるのか?』などの不安や疑問に対して分かりやすく話し合いをすることが重要と考える。

3.          若いが故に知識の範囲が狭く、その範囲ですべての物事を判断してしまおうとの傾向は見られるが、今後、知識や経験が広まるにつれ、原子力に対して技術者としての正しい判断ができるようになる。若いオピニオンリーダーとして活躍することを期待したい。

4.          自分の意見と相反する意見の他人と意見を述べあって討論する習慣がない。討論を深める中で、問題を掘り下げてゆく訓練をしてほしい。

5.          自分の特徴、得意な分野は何かを常に考え、社会の中で、自分の特徴をどのように活用するかをさらに考えてほしい。   

6. 年次や学校の違いもあり、興味や知識に差があった。今後の運営方法として、年次別、或いは興味分野別でグループ分けすることも検討の要がある。

 

西村 章

今回は、Bグループに対話に参加したが、このグループでは、原子力専攻以外の学生が5名中2名おられた。一方で原子力専攻の学生からはかなり専門的な質問が寄せられ、この2名の方にはちんぷんかんぷんであったと思う。

 

今後、原子力以外の学生さんの参加してもらう機会を増やした方が良いと思うが、この時原子力専攻とそうでない学生はある程度グループを分けるか、一緒にやる場合、テーマ等

の選び方を工夫する必要がある。

 

愛知大の吉田先生も途中までグループに加わられたが、その後の懇親会の会話も含め、得るものが大きかった。

例えば一般の方々の原子力に対する考え方や、私たちの説明がどう受け取られるかについて頂いた具体的なお話は、今後の活動のやり方を検討する上で大変参考になった。

 

懇親会への学生さんの参加が少なかったように思えるが、それでも時間内に話せる学生

さんの数は限られるので、むしろ、密度が高くなったと言えるかもしれない。

ただ、学生さんに懇親会でこそ話せることもあるというようなアッピールする活動をして、学生さんにとって参加することが、魅力あるものということを分かってもらう必要がある。

 

林 勉

1.今回は多数大学が参加したにもかかわらず、学生側の事前準備が良く、グループごとの対話の主題がはっきりしており、また質問も準備されており、効率よく対話ができたと思います。対話後の発表でそれぞれのグループが別々のテーマで発表が行われていたことに、そのことが現れていたと思います。

2.今回の基調講演は私と金氏さんが行いましたが、両講演と質問を合わせて1時間近くになりましたが、少し長すぎるように思います。これからは両講演の内容を合体し、30〜40分ぐらいにするのが良いと思います。基調講演は学生に何を訴えるのか明確なものでなければなりません。いままでは講演者を決めてその人にまかせていましたが、これからは関係者で打ち合わせて内容をまず決める方が良いと思います。内容を決めてから講演者を決めるのが良いと思いますが、いかがでしょうか。今後教育大学生も対象になります。このときには全く新しい内容を考える必要があります。

3.今回の基調講演の内容について学生側の反応を聞いてみました。大筋の話は大学で学んでいるが、社会との関連についての話はいままで学んだことはなく大変に勉強になったとのことでした。原子力の学生にはこの点に留意することが必要であると思いました。

4.今回愛知教育大の吉田先生にご参加いただいたことは大変に良かったことでした。先生は大変に気さくな方で前向きに取り組んでいただけるとのことであり、大変に勇気付けられました。このチャンネルを大事にして、全国の教育大に拡大できれば素晴らしいことだと思います。

 

原田雄平

1.小生の母校である九大の新しい伊都キャンパスに初めて訪れ、一番乗りの工学部の

先生や学生さんから、このほぼ一年間の印象を伺いましたが、広くなったけれども街から遠いことから、キャンパス内における学問の時間が短くなった由。これは、将来、九大の学問や教育にどのように影響を与えるのだろうかと、思いを巡らしました。

2.吉田先生(愛知教育大)のご講評にありましたように、小生の参加したCグルー  

 プは九大生と九工大生の方々でしたが、初対面で自己紹介を簡潔に済ますと、即、主題の要点に、入る学生さんが多いような気がしました。これは、コミュニケーションに大切な「恐れずに、対話の相手に飛び込む」勇気を有しておられるのではと、感心しました。

3.その場の「対話」は、先ず、学生さんからシニアへの質問で始まり、シニアの方々 

からの応答ですが、その後、学生さんからの再度の「質疑」、すなわち、「お言葉でが、・・・」と切り込むような、「批判」や「反論」が、小さい、または、少ないのではないか、との感想を持って帰りました。

4.       最後に、伊都キャンパスの生協での懇親会の料理がとても素敵であるとともに、 

 稲垣先生や西村さんを始めとする学生の方々に、このような「対話」の 機会を与えられたことに感謝します。

樋口勝彦

·         一般の皆様の関心が原子力安全に関係する人間の失敗をどうして防ぐかにあり、それに対して問題提起の質問があり私ども原子力を現場で運用している者の取り組みを伝えることができる良い機会となりました。

·         また世界的にはどうしているかをWANO(世界原子力発電事業者協会)がチェルノブイリ事故以来やっている活動を例に説明する時間が十分なく残念でした。九州電力の歴史と将来展望よりも始めから、他産業には例のないこの活動を説明する機会を次回には実現したいと考えております。

·         確かに原子力しかないとの結論が目立ちましたが、コスト的にも原子力に比肩する地熱発電の努力を織り込んだつもりですがあまり関心は示していただけず残念でした。

·         電力のヒートポンプ推奨によるエネルギーの節約努力等についてはまだまだ認知されていないことがわかり今後の課題と反省しております。

·         最後に原子力運用の業務を36年やってきた者の感想として、今原子力立国計画等非常に良い風が上空に吹いていることは確かですが、さらに安全から安心への限りない努力を原子炉材料開発を含めて初心に帰り現場の技術者から見た現実を踏まえた議論をしていく必要があると強く感じております。これをやらないと立国計画が上滑りし本当に地に着いた安心には繋がらないのではないかと危惧するものの一人です。

 

山下 博

今回の「学生とシニアの対話」には、予備知識がないままでの初参加でしたが、感想を述べさせていただきます。

 まず、エネルギー問題に関心を抱いている若者が地元九州にも多数いて、真剣にエネルギー問題に取り組んでいる姿勢に接することが出来たことは、小生の原子力に携わってきた永い会社人生では初めての体験でした。本当に心強く思いました。今回の会合ではいろいろな貴重な問題が提起されましたが、これらを原子力界全体で共有して、しかるべき場での検討の必要性を強く感じました。

もし、このことが実現した場合には、その状況を皆さんにお知らせして頂ければと思います。

 

小生は日本原燃(株)を退職して8年近くになりますが、「原子力学会シニアネットワーク」の竹内会長はじめ皆様のエネルギー問題に取り組んでおられる姿勢に初めて接し、その真摯な姿勢に頭が下がる思いです。今後益々のご活躍をお祈りいたします。

 

最後に、本集会の運営についての意見です。今回、7グループが同室で討論を行ったため聞き取り難い場面がありました。2部屋程度に分散されては如何でしょうか。

 

松永一郎

 今回の対話は秋の原子力学会の最中であり、しかも学会会場が対話会場である伊都キャンパスから2時間近く離れた小倉だったので、多くの学生がそちらのほうへ行っていたために九大の原子力系の学生の参加はどうしても限定されざるを得なかった。しかし九大側の努力や金氏幹事の九工大徳田教授や学生連絡会への参加呼びかけが功を奏して、6大学から34名、非原子力系学生も20%というバラエティーに富んだ構成となった。対話は事前アンケートの結果に従い、テーマを予め決めリーダーとグループわけができていたために、スムーズに対話に入ることができ、どのグループも最後のまとめもそれなりに決まっていた感じがする。学生幹事である西村健君(D3)の負担が大変だったとは思うが、参加した学生の問題意識を集中する意味からも良い方法であると思う。

 なお、今回初めて教育学部系の愛知教育大の吉田教授がオブザーバーで参加され、色々なグループに入り、話をされていた。今後の予定されている教育学部系学生とシニアの対話に大いなるヒントを得られたようである。これからの展開が楽しみである。


添付資料2

九州大学工学府エネルギー量子専攻 西村健

「学生とシニアの対話in九州2007」事後アンケート集計結果

 

(1) 「学生とシニアの対話」の必要性についてどのように感じますか?その理由は?

非常にある29 ややある 4 あまりない 1 全くない 0

 [理由]

- 非常にある -

·           学校の勉強だけでは得られない知識を得ることができたから。

·           大学では学べないことを学べるので。

·           記事や人づてに聞くよりもはるかに勉強になる。

·           学生だけではどうしても分らないことが多いと感じた。

·           講義や図書館の本からでは得ることが難しい情報を得られる。

·           知らないことを知ることができる。

·           自分達が自力で調べようと思っても難しい、経験からくる知識を暖かく教えていただいた。

·           実際に30年以上働いていた方々の話は、経験に基づいたものであり、私とは視点も違い、為になる話が多かったから。

·           実際に世界の舞台で活躍されている方々のお話は非常にためになった。

·           経験豊かなシニアの方々のお話を聞くことは非常に有益で正しい現状・意見を知ることができる。

·           こういう機会はめったに無く、広い分野に深い知識・経験のあるシニアの方と直接話せるというのは、貴重だから。

·           現場の意見を直接聞くことでもややしていたものがすっきりした。

·           学生と企業には意識の差があるので、その差を埋めるために必要。

·           こういった立場を超えた議論というのはなかなか機会が無いので、人生の先輩方から貴重な意見を伺える「学生とシニアの対話」は非常に有意義だと思います。

·           日常の生活においては決して話す機会の無い方々と話せてとても有意義な時間を過ごせました。

·           学生とシニアの意見交換は必要である。

·           学生が抱えている不安や、疑問点を親身になって答えていただいたから。

·           やはり、年配の方と話をする機会は余りないので。

·           色々な人の話を聞くことは大切である。

·           原子力を専攻していても周りの人々に理解を得るという活動をする良い機会。2回目でも新しく参加する人が多くおり、次回も開催が望ましいと思う。

·           原発を完全に賛成ではないが、事実を知ることが必要だと感じたから。

·           国家の将来をになう世代の原子力に関する意識を喚起することは重要と考えられるから。

·           等々

- ややある -

·           日本の技術レベルを直接現場の人から聞くことができた。

·           本で読むよりも分かりやすく原子力の話が聞ける。

·           実際の詳しい数字などが聞ける。

·           あまり機会の無いことだから。

- あまりない -

·           自分の知っていること、感じていることのくり返しだったから。

 

(2) エネルギー危機に対する認識に変化はありましたか?その理由は?

大いに変化した 1 多少変化した 16 あまり変化しなかった 15 まったく変化しなかった 2

 

[理由]

- 大いに変化した -

·           今まで本なので得るより、現場で働いた人たちの持つ知識・考えに触れたから。

- 多少変化した -

·           具体的な対策というのが少しわかった。

·           現在の状況がよくわかった。

·           石油の代替資源の必要性などを感じた。

·           水素社会と原子力社会の未来像の違いを知ることができた。

·           原子力についての認識が新たに深まった。

·           原子力にはメリットがいくつかあることが分かった。

·           ある程度同じ認識だったので、これが深まったという感じです。

·           予想以上に危機が切迫していたから。

·           エネルギー危機は深刻である。

·           危機感は以前から抱いていたが、少々の希望を見出した。

·           様々な先生方の話を聞いて。

·           詳しいプリントをもらい理解しやすかった。

·           エネルギー危機を感じていない人がいることが信じられなかった。

·           等々

- あまり変化しなかった -

·           自分の考えと同じような意見が出た。

·           ある程度の危機感は以前からあったため。

·           初めから危機意識を持っていたため、再確認できた。

·           授業で多くのエネルギー問題については学習してきたため。

·           学部時代に学んだエネルギー危機の認識が間違っていなかったから。

·           以前からの認識と大差あるようなことは見聞きできなかった。

·           もともと考えていたものに対して変化が起こるような内容ではなかった。

·           もともと深く関心があり、より一層認識が深まった。

·           等々

- まったく変化しなかった -

·           以前からエネルギーに対する認識を持っていた。

 

(3) 原子力に対するイメージに変化はありましたか?その理由は?

大いに変化した1 多少変化した 16 あまり変化しなかった 14 まったく変化しなかった 3

 [理由]

- 大いに変化した -

·           新聞等で言われているほど放射線の被害は大きくない。

- 多少変化した -

·           原子力はやはり安全であると再認識できた。

·           原子力の必要性・安全性を直接聞くことができた。

·           原子力というだけに安全にするという努力が直に聞けて、このイメージが多少変化しました。

·           原子力発電の置かれている立場について新しい見解が得られた。

·           技術者のOBの方々の安全に対する自信から原子力の認識が改まった。

·           元々必要な物という印象だったが、さらにそれが深まった。

·           シニアの方の話を聞いて、あやふやだった部分もはっきりとした。

·           もともと一部がいう程、原発が危険であるとは思っていなかったが、核廃物の処理についても、一応のメドが立っていることを知り、より信頼性が増した。

·           課題が山積みしていることは知っていたが、それが具体的にわかったから。

·           FBRが今後の課題。

·           ウランをどう手に入れるかが課題だと知った。

·           日本の技術力、今後の展開について思っていたイメージよりも楽観できないと感じた。

·           現場にいた方の話を聞けたから。

- あまり変化しなかった -

·           原子力の安全性及び有用性を十分に認識していたから。

·           以前から様々な情報を得ていたから。

·           もともと持っていたイメージと変わりがほぼ無かったため。

·           もともと、ある程度の知識を持っていたので。

·           学部で学んだものと大差なかったから。

·           元々深く関心があり、より一層認識が深まった。

·           自分の考えに近いような話を聞くことができたから。

·           知らない知識は多々あったが、自分のイメージを変えるものではなかった。

·           みんなとほぼ考えが同じでした。

·           等々

- まったく変化しなかった -

·           すでに知っている話だった。

 

(4) 事前に聞きたいと思っていたことは聞けましたか?

十分聞くことができた 27 あまり聞けなかった 7 全く聞けなかった 0

 

 

 

(5) 対話の内容は満足のいくものでしたか?その理由は?

とても満足した 13 ある程度満足した 17 やや不満だ 4 大いに不満だ 0

[理由]

- とても満足した -

·           良い話が聞け、議論ができた。

·           新たな見識が深まったから。

·           様々な話が聞けた。

·           講義や図書館の本からでは得ることが難しい情報を得られる。

·           貴重な話をたくさん聞くことができたので。

·           知らないこと、知りたいことが多く聞けたから。

·           自分の考えを存分に議論できた。

·           九大だけでなく他の大学からの人たちの考えが聞けてよかった。

·           他大学との交流はいい経験になった。

·           みんな活発な意見があったので。

·           等々

- ある程度満足した -

·           自分が聞きたかった内容を聞くことができたから。

·           「対話」らしくお互いに意見を話し合うことができたように思う。

·           もう少し多くの事を聞いてみたかった。

·           対話というより、シニアの方々の独演場だった。もっと僕らの意見や考えを聞いていただいて、それに対する判断や意見が聞きたかった。

·           シニアの方が熱心に話してくれた。反面、学生の意見ももう少しほしかった。

·           内容自体に不満は無かったが、時間が短いことに少々不満を覚えたから。

·           対話になっていない。

·           日本が国家としてどう動いているのかを知ることができた。

·           原子炉の材料等についてのとても詳しい内容にも触れていた。

·           話のレベルが高くてもっと勉強しなくてはいけないと思いました。

·           等々

- やや不満だ -

·           対話時間が短い。

·           自分の意見を発信できなかったので。

·           シニアの方の講義のようになってしまいがちであった。

 

(6) 原子力に対する関心の低い10代、20代の若年層に対する原子力広報活動はどんな方法が良いと思いますか?

·           TVなど大衆に影響がある場。大衆が関わりやすい、参加できやすい場で行う講演。

·           悪い印象を与えているのもメディアなので、メディアを多く使って、(良い)印象を与える。

·           マスコミによる原子力のいいイメージの報道。

·           原子力の問題に限らず、偏向報道を行っているマスコミをどうにかしなければならないと思う。

·           学校での講演、及びマスコミの利用。

·           一般教養という位置づけで教育に取り込んでいいと思う。

·           学校等でのカリキュラム化された教育が必要。

·           学校への出張講義等、問いかけるスタンス。

·           義務教育の段階で、原子力発電によるデメリットや事故ばかりでなく、メリットについても伝える。

·           小学校・中学校の頃くらいからの積極的な教育。それと、教師に対する教育も必要だと思った。

·           学校教育、TV番組、CMなど。

·           特別授業を開き、原発見学等をする。

·           対話。

·           インターネットを用いて、相手に話を聞いてもらうことを一番大切に考えて広報していくべき。(多少若い世代に媚びてもいいと思う。)

·           今流行りのWiiDSといったゲーム機用の原子力のことが少しでも絡んでいるソフトを作ってみる。「教育」というよりは「バラエティー」として原子力についてわかるテレビ番組を作る。

·           ドラマ、マンガの活用。

·           携帯によるメールマガジン。学校向けての教育。

·           映像、音楽作品など。

·           エネルギー危機の身近な例(車が走らなくなる等)から、原子力の有利さを伝える。

·           わかりやすい方法、例などを使い必要性を認識させる。

·           被曝量のもっとわかりやすい単位を使ってみる。

·           等々

 

(7) 本企画を通して全体の感想・意見などがあれば自由に書いてください。

·           小・中・高校生にも対象にして対話を行う必要があると思う。

·           原子力関係以外の学生がもっと増えると良いと思う。

·           社会全体の話をするので、原子力系の学科の学生だけではなく、それとは関係ない学生と話をするのが面白かった。

·           「学生とシニアの対話」でということで、シニアの方々の話し合いも良かったけが、それとは別に学生に同士の意見のぶつけ合いもあり、面白かったと思う。

·           今回の企画は有意義な物であったと思います。できれば理系だけでなく文系の方との交流やエネルギー問題に関する討論の場を設けてもらえればと思います。

·           学生だけでの議論も面白いと思いました。

·           大学では聞くことができないことを学ぶことができて、よかったです。

·           もっと話をする時間がほしい。

·           このような、機会をいただいて非常に感謝しています。議題や人数配分等も適切で実りある対話ができたと感じます。ただ、部屋が少し狭く、少し話が聞き取りずらかったりしたので、以後、その点検討していただけたらと思います。

以上