「学生とシニア」の対話実施概要
−対話 in関西2007−
2007.7.26 松永一郎
1.実施主旨
2005年度から続けている「学生とシニアの対話」の関西版。日本原子力学会の学生連絡会及びシニアネットワーク(SNW)の活動の一端として、原子力系の学生とシニアの交流を図る。SNW主催の活動としては7回目の「対話」であるが、エネルギー問題に発言する会主催のものからの通算では13回目となる。
また今年度から2巡目に入るが、関西では昨年の3月以来、1年3ヶ月ぶりの開催となる。
2.対話の目的
原子力系学生とシニアとの対話を通して、学生とシニア間の相互理解を図ると共に、今後の原子力、エネルギー産業について共に考え、これからの対話のあり方やエネルギー教育の実践あり方の参考にする。学生との対話では、彼らが社会へ出るまえに、原子力OBの経験や気概を少しでも吸収できる機会を提供し、今後の実務への自信に繋げてもらう。
なお、関西4大学の合同実施であり、学生間の交流も一つの目的である。
3.対話の実施
(1)日時 平成19年6月30日(土)
13:00〜17:00 (懇親会17:30〜19:00)
(2)場所 近畿大学理工学部33号館4階406号室
(3)参加者
@学生41名(原子力系・・・事前登録者45名)
京大6名,阪大8名,神大3名,近大24名
(博士課程5、修士課程12、学部生24)
コーディネーター 1名(神戸大 岡本)
Aシニア(敬称略)
・SNW会員 15名 関西原子力懇談会 3名
石井 亨、伊藤 睦、金氏 顕、岸田篤彦、岸田哲二、岸本洋一郎、齋藤伸三、清水彰直、、竹内哲夫、土井 彰、林 勉、原田雄平、松永一郎、松村 洋、三谷信次、宮田晃一、山崎吉秀、路次安憲
Bオブザーバー
・教員 近大 伊藤哲夫教授、渥美寿雄准教授、 神大 石田紀久教授
・関西原懇 西川佳秀氏
(4)実施内容
a基調講演
・「エネルギー・環境問題 解決は可能か」 林 勉 氏
b.対話
9グループに別れ、シニア2名に対して、学生が4名〜5名ずつ付いて対話。
対話の題材は各グループで対話を進めて行く段階で、学生側の興味に準じてグループごとに決めた。
対話終了後に各グループから対話内容のまとめが発表された。また、シニアを代表して、山崎吉秀氏から総合的な講評がなされた。
(5)結果
シニア各人から感想を収集。学生に事後アンケートを実施した。
(シニアの感想概要・・・意見をある程度集約)
@関西で行うのは2巡目であり、リピーターが少なかった割には、前回並みの参加者があり、この対話への学生側の期待の大きさが感じられた。対話の運営は回を重ねるごとに上手になっており、効率的に進められたと思う。
Aグループ分けを大学別にしていたが、せっかく4大学集まるのであるから、交流という意味からも、混ざった組み分けの方が良かったのではないか。
Bシニアに伝えられていた学生からの事前質問は、グループ内の特定の個人のもので、他の学生は知らなかった。あらかじめ学生間で共有されていれば、良いテーマとして対話できたのにと残念に思った。
C学生からの事前質問が少なかった。これは近大の学生サークルの「エネルギー研究会(NEDE)」に属する学生たちで構成されたグループに共通のものであったが、それだけにテーマが絞り込まれており、割合に深い対話ができた。
D学生たちの興味は原子力/エネルギー問題にあることは有るが、むしろこれから社会に出るに当たっての心構えや、考え方について知りたいようであった。
E知識レベルが格段にちがうので、どうしても学生の質問に長々と対応することになり、シニアはしゃべりすぎるきらいがあった。まず学生の言い分を聴くこと、シニアは抑え気味にすることが必要であろう。
F学生は総じておとなしく、あまり発言しない。普段から議論を戦わせるような訓練ができていないからかもしれない。
G対話のテーマを散らさないようにするために、事前質問内容によってグループ分けするのもよいかもしれない。必ずしもシニアと学生の比率にこだわる必要はないのではないか。
(学生事後アンケート結果概要)
41名の参加者の内、37名から回答があった。(回収率90%)
@ 対話の必要性について、全ての学生から「非常にある(81%)」または「ややある(19%)」との回答を得た。学生によって興味が異なるため、「対話」から得た情報は様々であるが、「深い知識や経験のあるシニアと対話をする」という貴重な体験そのものが、学生に大きな刺激となったようである。
A エネルギー危機に対するイメージの変化については、51%の学生が変化したと答えている。これまでの講義などで、多くの学生はエネルギーに関して漠然とした危機感を有していたが、今回の対話でより現実味を帯びた問題であると再認識した学生が多かったようである。また世界規模で問題を解決する必要性を認識し、視野が広がった学生も見受けられた。その一方で半数の学生が変化しないと答えている。これは元々のイメージどおりであったということである。
B 原子力に対するイメージの変化については、変化した学生が49%であった。漠然とした負のイメージを持っていたが、話を聞いて原子力の重要性について再認識した学生が半数、変化しなかった学生が半数であった。世間ではデータ改ざん問題やトラブル隠し問題が取り上げられているが、参加した学生は原子力に関する分野を専攻しているので、もともと原子力に対して肯定的なイメージをもっており、このような問題によって原子力の必要性に疑問を抱く学生は少なかった。シニアの話を聞いて将来の原子力に明るい展望を持った学生が多くなったと考えられる。
C 事前に聞きたいと思っていたことが十分に聞けたと答えた学生は83%という高い率であったことから、今回の対話では学生からの活発な質問や意見が多く出されていたといえる。
D 対話内容に対する満足度は94%が満足したと答えている。その理由としては、学生が聞きたいと思っていたことにシニアが分かりやすく、説得力のある説明で応じてくれたこと、シニアの熱意に大いに感化されたことなどが挙げられる。また、シニア2名に対して学生が4〜5名という組み合わせが、一人当たりの発言回数や声の聞き取りに丁度良かったということも挙げられる。
各設問に対する解答は下記の通りである。
(1) 「学生とシニアの対話」の必要性についてどのように感じますか?
1.非常にある 81% 2.ややある 19%
3.あまりない 0 4.全く無い 0
(2)エネルギー危機に対する認識の変化はありましたか?
1.大いに変化した 3% 2.多少変化した 44%
3.あまり変化しなかった 32% 4.全く変化しなかった 16%
(3)原子力に対するイメージに変化はありましたか?
1.大いに変化した 11% 2.多少変化した 38%
3.あまり変化しなかった 40% 4.全く変化しなかった 8%
(4)事前に聞きたいと思っていたことは聞けましたか?
1.十分聞けた 83% 2.あまり聞けなかった 14%
3.全く聞けなかった 3%
(5)対話の内容は満足のいくものでしたか?
1.とても満足した 67% 2.ある程度満足した 27%
3.やや不満だ 3% 4.大いに不満だ 0
4.まとめ
今回の対話は複数大学(4大学)が参加する、2巡目の初めてのものであった。リピーターこそ少なかったが、昨年並みの多くの学生が参加し、彼らの満足度も高く、成功裡に終えることができた。複数大学の参加による開催は、単独大学におけるそれに比べて、学生への呼びかけ、各種連絡等が多くなり、複雑化する。4大学ともなると外部からは想像できないほど大変であろう。今回の取りまとめに当たったのは、幸いにも日本原子力学会学生連絡会の会長を務める岡本将典君(神戸大学M2)であり、リーダーシップを発揮して、何回も事前打合せ、会場の下見などをしているようで、その努力の結果、立派な対話会になったものである。
集まった学生は近大が学生サークルの「エネルギー研究会(NEDE)」に属する学部生が主体だったのに対して、京大、阪大、神戸大は大学院生が主体であった。近大生の方は日頃からエネルギー問題についてディスカッションしているためか、予めテーマを絞って対話に臨んでいるようであったが、他校の学生は個人個人で興味のある場所が違うようで、エネルギー/原子力問題は勿論のこと、社会人としての心構えや準備事項について質問する者も多かったようである。
いずれにしても、これからの原子力の重要性と発展性に対して、かなり確信をもっている感じであるが、それが自分たちの将来と具体的にどの様に繋がっていくのかについて、いまひとつ分からないというのが本音のようであり、今回の対話を通じて、聞きたい質問に答えてもらったことで、おぼろげながらも自信を深めた様子が事後アンケートからも伺える。シニアとしてはその点について、彼らに分かりやすく伝えていく工夫が必要であろう。
なお、シニア1人に対して、学生数は2〜2.5人というかなり贅沢な配分であったことも学生の満足度が高かった理由として挙げられよう。また事前にグループごとに取りまとめのリーダー役を決めており、円滑な対話の進行にある程度、寄与したようである。
アンケート時間は15分程度余裕を持ってとったが、そのため、充実した内容のものが得られた。この結果を見ると、対話の必要性や対話への満足度が非常に高い。この傾向は対話活動の初めからあまり変っていない。
シニアとしては対話時に学生側があまり発言しないことや、対話のまとめや発表の仕方が稚拙なので、えてして、きちんとした結果が出ていないことに眼が行きがちであるが、これから社会に出る彼らにとっては、対話をしたことだけでどれだけ発奮材料になったのか、その理由をよく読むと良く分かる。今まで、殆どしたことが無い体験であり、その相手が様々な経験をしてきたシニアだったということが、満足が得られた最大の理由だということである。ともあれ、対話の役割は「彼らの感性に火をつける」ということに尽きるかと考える。
最後になりますが、今回の対話の準備と進行を精力的に進めていただいた神戸大大学院生の岡本将典君および協力した学生諸君、ならびに陰で支えていただいた近畿大学理工学部准教授の渥美寿雄様、同大学原子力研究所長の伊藤哲夫様、神戸大学教授石田紀久様、
大阪大学教授宇埜正美様、京都大学教授森山裕丈様、関西原子力懇談会常務理事・事務局長の西川佳秀様に深甚なる感謝の意を表します。
5.今後の予定
福井大学 福井大学と福井工業大学 7月14日 実施済み
九州大学 9月28日
6.対話写真
対話写真欄参照
添付資料
添付1 シニア感想
添付2 学生側事後アンケート結果
添付3 学生事前アンケート結果
−対話写真−
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林 勉 氏 基調講演 |
対話風景 |
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対話まとめ |
対話まとめ学生発表 |
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懇親会 |
集合写真 |
添付資料1 シニア感想
石井 亨
(1)
学生の関心事はシニアの意図するエネルギー論よりは社会人になるにあたっての身の処し方であったように思う。
勿論対話の場、懇親会の場でエネルギー論を語り会う機会はあったが、これは 「彼らの年長者に対する気配りであったかも知れない」と一歩引いたところから、即ち、かくあるべし論も大事ではあるが学生の本音の所を弁えて、今後の対応を考えることも必要であろう。
(2)
今回はレピーターが居ないにも拘わらず、前年度並みの集会になったが、これは学生連絡会諸氏の努力なのか、前回参加者の奨めがあったのかなど良く分析しておく必要があろう。対話集会規模の維持・発展のために。
(3) グループ発表の半数近くの内容が、事前質問の応答そのものであったことは新しい流れか・・・。
事前質問にそれなりの内容があったので、その応答に時間の大半が費やされた事情があったとは思うが、グループ討議は事前質問を更に充実させてこの流れを加速させるか、または各グループが選定した一つのテーマの基に議論を進めるか(この場合は事前に複数のテーマを用意しておいた方がよい)、今後の課題であろう。
伊藤 睦
1)
近大の学生さんは、NEDEというエネルギーと環境問題を勉強するサークルをつくっており、今回の対話会にはこのメンバーが多数参加していた。
2)
NEDEはそのHPを覗いてみると、「もんじゅ」「大飯発電所」などの施設見学とか各種セミナーへの参加などなどよく勉強しているとともに自分たちで小学校に出かけて原子力の話をするなどPA活動の実践もしている。
3)
我々のグループはNEDEのメンバーだけのグループであり、質問に対する説明を熱心にメモを取りながら聞く姿勢には清々しい気持ちになった。ただ、われわれへの遠慮からか、自己主張(自分たちの考えを述べる)が少なく、討論の形が多く取れなかったのは残念であった。
4)
今後の原子力として、特にプルサーマルや高速炉の開発などプルトニューム利用に対して関心があるように見受けられ、原子力を学ぶ若者の関心もこれからは高速増殖炉・サイクル問題であるようだ。(最近の不正問題などは話題にもならなかった。)
5)
気になった事は、会場が狭く隣のグループの対話がうるさくて、聞き取りにくかった事。これも討議・討論ができにくかった原因かもしれない。
6)
NEDEのHPに次のようなメッセージが載っていたので紹介する。
·
「先日は大変お世話になりました。知識不足な私共の質問にも丁寧に答えて頂きとても勉強になりました。そしてなにより、原子力の第一線で活躍されていた先生方との対話という、とても貴重な体験をさせて頂けたことに感謝致します。今後もエネルギー研究会一同、より多くの知識を身につけていくと共に自分達のエネルギーへの考え方を練り上げていきたいと考えております。この度の対話会は真に有り難うございました。 -- Tkaityo?
2007-07-03 (火) 13:41:56 New 」
·
「先日は貴重なお時間をいただき有り難うございました。実際に原子力で活躍されていた先生方との対話は、とても勉強になりました。今回の経験を生かして今後の活動に、どんどん参加したいと思います。この度は誠に有り難うございました。 -- Sunset? 2007-07-06 (金) 13:46:22 New」
7)
全体的には準備が行き届いており、会議の進行、懇親会ともこれまでで運営の最も良かった対話会の一つであった。学生幹事の岡本君とその協力者の皆さんのご苦労に敬意を表します。
金氏 顕
1.幹事の岡本さんの準備と当日の獅子奮迅の尽力にまず敬意を表したい。昨年度の反省や改善点などよく反映して、参加学生の目的意識も高く、当日の運営も大変良かった。多くの学生の協力を募って成功させたのは彼にとって良い経験になり教育効果も大いにあったと思う。
2.昨年3月に続き2順目なので前回の評判がどうか、と興味があったが、参加者は前回48人、今回45人と同等で、神戸大が幹事の岡本さんのお陰で前回は1人、今回は4人と増えたのは良かった。
3.あえて難を言えば、4大学同士の交流も兼ねていたので、グループ分けをもっと混成にした方が良かったのではないかと思う。また懇親会への学生の参加が少なかったようだ、土曜日で予定もあったかも知れないが懇親会も対話の一部であるという位置付けが必要だろう。
4.グループ4の事前の質問への回答を準備したのでそれを添付します。同じグループの三谷さんも用意しており観点が異なった回答だったので良い情報になったと思います。
(See attached file: SNW 2007年6月30日 シニアと学生の対話イン関西質問と回答.doc)
岸田篤彦
・私の参加したグループ9のテーマは原子力の負のイメージの対策でした。
・負のイメージとしては、特にマスコミの記事等が考えられています。
・学生たちは、この記事等に対して漠然とはしているが、何らかの意図的なものを感じている。
・シニア組としては、例えば記事等に現れる数値を定量的に理解すべきことを話したが、具体的な疑問に対し定量的に解説したり、メリット・デメリットを話すなど彼らの評価・理解を助けるようなセッションを本集会の中で企画しても良いのではないか。
・彼らがグループで、あるいは家族等の知り合いに解説すれば、対話集会の値打ちは更に増すものと考えます。
岸田哲二
・今回のようにシニア2人と学生3−5人で90分はてきとうなセッチングと思います。
・質問の数が多かったので報告としてはまとまりの良くないもの6となった。
・言葉の意味が互いにずれる事もあり若い人との会話の難しさを痛感しました。
今後ともよろしく。
岸本洋一郎
参加した対話グループは、阪大2名、神戸大2名の学生と、シニア2名であったが、学生の関心事として、これまでの日本の原子力界の努力、シニアが就職した当時と現在の変化、技術の現場経験の必要性、原子力分野で学ぶ学生への企業、社会の期待などがあらかじめ示され、これらへのシニアの回答メモを基に、対話は進められた。
シニアからは、過去40年以上に及ぶ経験を踏まえ、原子力のように幅の広い知識と経験を必要とする技術について、現場経験や事実把握の重要性、問題解決への集中した取組みの必要など、失敗の経験も含め語られ、実業のもつリアリティーとチャレンジの歴史を多少なりとも伝えられたのではないか。コンピュータのソフト、バーチャルな世界だけでは、技術の実際を理解するに不十分であることを、例示して語ったことも有効ではなかったか。
放射線に対する社会あるいはマスコミの反応も話題となったが、正確かつ冷静な理解の必要性については、学生サイドから正しい発信や教育の充実の必要が語られ、的確な理解が進んでいると感じた。
4大学合同の開催であったが、幹事を務めた神戸大岡本将典氏の細かな配慮もあり、対話は比較的効率的に進んだように思う。
齋藤 伸三
幹事の岡本君以下近畿大学の学生が準備万端整えてくれ、西門には会場案内も立ち、対話の会は円滑に進んだ。 参加学生が45名で、その内、近大生が25名と半数以上を占めていたのは、開催場所のためか、関西における学生連絡会参加者の現状であるのか不明である。近大では、原子力専攻はなく、電気・電子工学科の学生で、サークル活動として「エネルギー研究会」を作り、自主的に勉強会を行っているようである。また、参加近大生は、学部学生でもあり、予め用意された質問状も1行であったのは止むを得ないところかと認識した。
小生の担当となったグループも近大生6名で、質問は途切れることはなく、サークルの顧問のような役割であった。 このようなグループには、本来、教官の役割であるが不足しているところには、サークルの合宿にでも参加して、講義をするとともに、彼等にも発表をして貰い、コメントをつけるのも一つの方法かも知れず、彼等も望んでいた。 原文振経由で派遣を考えても良いのではなかろうか。
清水 彰直
シニアの一人として今回初めて学生との対話に参加しました。
1 学生側の準備とSNW側の準備が組織的に行われており、シニアの経験と原子力にかける情熱を、これから社会に出てゆく若者に伝え、励ますことができたことは、大きな成果と思います。
2 今回の対話では、あらかじめ学生からの質問が事前に連絡されており、質問に対するシニアの回答が行われ、学生に対する教官の講義とは異なる効果を挙げたことは評価できます。しかし、対話の大部分はシニア側の回答に費やされており、学生側の意見を聞くための時間がとれなかったことが、今後の改善点と思います。
3
対話の内容としては、「資源と環境の未来:原子力の役割」が主題であり、この主題はもちろん重要です。しかし学生側からは「原子力・放射線に対する根強い反対への対応」に関する質問があり、「原子力・放射線の安全性」および「事故と隠蔽」について、事実関係を示すデータを提示し、対話をすることも重要と思います。
竹内哲夫
近大で関西4大学合同で2度目になる。
先回参加した学生のレピー出席は殆どなかったのは学生側の在籍が流動的なので致し方
ないが、会の運営質問状の準備などは歴然と良くなってきたのは、会の意義が伝承され、かつ裏方の方々の準備のお陰だと思います。
質問状が高度の割には、まとめの発表にエスプリが利いたのが少なかったのは、グループ別けに多種の関心事項を持つ学生が斑に入り、グループ台での議論の焦点絞りとにG内議論に活性を欠いたのではないかと思う。
このため、次回以降の提案だが、今後このような討論では、各グループを一律にするのではなく、学生の興味ごとに分類してグループ編成する。結果してたとえば、グループ@核融合はSNW1 学生2 計3 A原子力の不評判 SNW3 学生7 計10 といったような不規則ランダムでもいい。
特殊専門と一般社会対応などはこの短い時間でG討議しても散漫になる。
マタ、進学就職の心配、質問等は、あとの懇談でアクセスできるようにSNWの履歴{職歴)一覧を配っておくほうがいいと思った。コネということでなく、進路の不安も一言の対話で自分の意思のぐらつきが直るような気がした。
〔余談)全くの新発見は、親御さんが原子力進学を進めている学生、すなわち原子力(理科)2世代の学生が居たことである。先回使った「隠れキリシタン」という言葉を近大で使ったが、今回は通じない学生もいるとわかった。
土井 彰
近大に於ける学生との対話の感想を述べます。
1.
若い学生の物事に取り組む真摯な姿に触れることができ、とても気持ちがよかった。ただし、今回の4名の学生のうち3名は自分たちが出したテーマをまったく知らず、興味も少なく話し合いにならなかった。別途こちらから話題を提供し話をした。
2.
学生が考えている『自分はこのままでよいのか?』、『自分の人生で何が達成できるのか?』などの不安や疑問に対して分かりやすく話し合いをすることが重要と考える。
3.
若いが故に知識の範囲が狭く、その範囲ですべての物事を判断してしまおうとの傾向は見られるが、今後、知識や経験が広まるにつれ、原子力に対して技術者としての正しい判断ができるようになる。若いオピニオンリーダーとして活躍することを期待したい。
4.
自分の意見と相反する意見の他人と意見を述べあって討論する習慣がない。討論を深める中で、問題を掘り下げてゆく訓練をしてほしい。
5.
学生から見ると、シニアは人生の大成功者に見える。ただでさえ威圧感を感じているので、これをあまり強調するようなことは避け、抑え目にしたほうがよいかもしれない。
林 勉
今回は学生側の事前対応の努力も見え、「学生とシニアの対話」も経験を踏まえて次第により良い形を求めて発展してきていることが実感できました。その点では大きな成果であったと思いますが、反省点もあり将来に活かすことを検討していかなければとも思いました。
反省点の一つとしては、グループを事前質問内容別に分けましたが、私のグループでは質問内容は非常に良いものであり、これは全員に共有すべき内容でもあり、もったいないと感じました。それと同時にこの質問は特定の個人のものであり、ほかのメンバーは聞くだけに終始してしまったと言う点があり、グループ討論になっていなかった点が気になりました。中々難しい問題かと思いますが、今後の反省に活かせればと思います。
原田雄平
小生は、シニアネットワークの「対話」に、二度目の参加の機会をいただき、次のような感想を抱きました。
1.予め、グループごとに、その「対話」のテーマを、学生さんから与えられていたのは、こころの準備も含め、良かったのですが、その「対話」は、シニアが主で、学生さんが従のように感じました。「対話」の基本は、一対一と思います。
2. しかしながら、世の中の「対話」では、親子、先輩・後輩、師弟や組織間の上下関係で、その様子を想像しますと、どうも、偏りが多いような気がします。
3. ぼくは、「コミュニケーションは先ず、聴くこと」と教えられました。だからして、
If
communication is the first listening, the dialogue is also the first listening.
は、大切ではないか、との感想を持って帰りました。
4. 最後に、夏休みの最中にもかかわらず、岡本さんを始め学生の方々に(近大、神大、京大、阪大)、このような「対話」の機会を与えられたことに感謝します。
松永一郎
今回は昨年3月に続く、4大学共催としては初めての2巡目の開催であった。一大学、同一学部で実施する場合に比べて、複数大学による共催は各大学の参加学生の把握、グループリーダーの選定、会場の問題他、複雑化する要因が比較にならないくらい多くあり、岡本君を中心として、数多くの事前打ち合わせがおこなわれていたが、その甲斐があって、当日の運営は非常にスムースに行ったといえる。まずは岡本君の努力を讃えたい。
対話のグループ別テーマの選定を容易にするために、事前に学生から質問を集めたが、テーマの事前絞込みまでの時間的余裕が無く、グループによっては集めるだけで終わってしまったところがある。このようなグループでは対話の話題が散ってしまって、焦点が絞れなかったきらいがあるようだ。このような場合には、シニアが上手く誘導すると実りのある対話となる。シニアとして1回、2回ぐらいの参加だと、なかなかそのコツが掴みづらい。シニアに対する心得、マニュアル的なものが必要であろう。今後準備したい。
我々のグループ9は近大の学部生で占められており、其の殆どが同大学のサークル活動のエネルギー研究会に属しており、質問も「原子力の負のイメージへの対策」と絞られていたので、その点では良い対話ができたという感触であった。
今回は関西原子力懇談会から3名の参加をいただいたが、今後、地方開催では中心になっていただけるとの感触が得られた。
松村 洋
1、岡本さんのおかげで、よく準備されたよい対話であったと感心しました。またこのようなチャンスや企画をされた先輩諸氏のご努力にも感謝しております。
2、各グループにあった質問を中心に議論するのか、林講師の基調講演について議論するのか、あるいはもっと大事な話題を提供すべきなのか、当方の事前準備不足で必ずしも時間を有効に使えなかったと考えています。
3、その中で、林講師の講演内容は、現在の、国や原子力界の方針や方向性であると思います。
一方地球温暖化防止のためにドイツで安倍首相が提案した2050年には炭酸ガス排出量を1990年の50%に削減するという案は、まったく次元が違う かけ離れた目標となっていることを説明したところ、よい質問が出たように思っています。
4、安倍さんは具体的な案を持っているのか? 先進国だけでは十分でなく、中国やインド等とももっと議論するべきである。発電を全部原子力、風力、水力、太陽光にしたら安倍提案は実現できるのか?
自動車を全部電気自動車にしたらどの程度減らせるのか?等々
5、部分的には答えのヒントを出せたものの、全体的には、これからの時代を担う、皆さんで考えてほしいと話し合いました。
6、実際この安倍提案は、きわめて大きくなぜ、現時点で、政治の世界で議論にならないのか、私自身も不思議に思っているところです。原子力界全体としても、戦略を考え意見を言うべき内容と考えます。国民の生活を根本的に変えてしまう内容であり、今後は必然的に、政治的、国民的議論になっていくと思います。
三谷信次
1.全体
関西の4大学を対象として、学生幹事の岡本さんが難しいまとめ役を見事にこなされ
成功裏に終わったことにつき、ご担当の松永さんのご苦労にも感謝致します。特に今回は、関電の大物OBの方々をはじめ地元から多くの方が参加され、対話が大きく盛り上った事にも感謝申上げます。
2.近大原子炉の見学
近大理工学部准教授の渥美先生のご案内で出力1Wの軽水減速、黒鉛反射炉を見学させて頂きました。低出力炉とはいえ住宅密集地の町中に存在していることに感慨をおぼえました。原子炉制御コンソールでは、近隣の大学との共同利用で学生が実際に炉の緊急停止操作を体験していることを聞き、大変頼もしく思いました。原子力エネルギー学習室が設けられていて、教員・一般向けの講習会のほか、小、中、高校生対象の見学会も随時受け入れているとのことで、周辺住民との良好な関係は、近大炉関係者の方々の並々ならぬご努力によるものだと感心致しました。
3.学生との対話
今回は2回目の対話で、グループ4で金氏幹事と一緒にやらせて頂きました。リーダーの戸田さん、上山さん、中岡さん(いずれも京大M1)及びマレーシアから留学されているムハイミンさん(近大M1)の4人と話し合いました。上山さんが将来高速炉方面を指向したいご様子であったが、25年実証炉、50年実用炉の国の目標は、生涯職業に
するには、少し長すぎないかという議論をしました。中岡さんは、企業に入社する学生に対し、企業は如何なる知識、経験を求めるのかということに強い関心がありました。金氏シニアが経験談をもとに英会話の必要性を強調されました。戸田さんは、日本に於ける原子力の重要性(竹内会長のテキストにすべてが纏められている)や、過去にPWRやBWRの炉型の選定はどのようにして決定されてきたのかに関心があり、シニアが経験に基づき話をしました。ムハイミンさんは、原子力ではなくエネルギー専攻で、石油が潤沢にあるマレーシアには原子力はまだ先の話であるとして、帰国後は石油会社に就職が決まっているとの事であった。
宮田晃一
グループメンバーの中に高温ガス炉を大学にて勉強中の柴原君がおり、同炉に関する私の期待「高温ガス炉を利用したISプロセスで水から水素が大量製造されるようになった時こそ、燃料電池が爆発的に普及し、水素時代がやってくる!」を伝えて彼を鼓舞した。
また、「エネルギー・環境問題は、どうすれば解決するのか」についての対話を通して、学生諸君のいろいろな意見を聞くことが出来た。
「新エネルギーの普及・拡大」と「高速増殖炉の実用化」を図りながら、軽水炉を中心にした電源構成を工夫していけば、「問題解決は可能である」との意見で一致した。
今回の対話は私にとって、初めての体験だったが、両者にとって、とても有意義な時間ではなかったかと思う。私は参加して良かったと思っている。
山崎吉秀
13時の対話スタートに、早すぎると思いながら、12時前に現地近大に到着。入門すると目に付く道標、脇に既に二人の学生が案内に立っている。受付デスクでもなかなか準備もよく手際がスマート。気合が入っているなというのが第一印象。対話が予定通りに開始、近畿4大学の合同で40名を超す学生メンバーでの9班編成というだけあって、議論は多様。
原子力の役割と先行きは、なぜ世間に原子力が理解されないのか、放射線というものがどう世間に映っているのか、その理解を進めていくには、隠ぺい体質はなぜ生まれるのか、将来の原子力の型は何か、FBRか、核融合は、学生は社会に出るに当たって何を身に着けていくべきか、先輩たちは原子力をやってきて悔いは無いのか、安全とコストのバランスは等々、さすがに格好の話題に合わせてすべて議論の俎上にのった感であった。
ただ、結果の発表からの印象は、やはり限られた時間内でのこと、消化不良と思われる側面がプレゼンテーションに出ていたことも否めない。シニア側としては限られた時間の中で、いかに課題の本質を理解してもらうかの工夫の必要性も感じたところである。
ともあれ冒頭にも述べたとおりこうした対話の機会には学生も気合が入っており、熱気も十分に伝わってくることであるし、今後ともこうした場に積極的にしかし少し工夫もしながら臨んで行くべきであろう。
路次安憲
“グループ6”に参画し、宮田様と二人で4名の学生(5名予定のうち一人不参加)とグループ討議をおこなった。1名は神大のD1,他の3名は近大の学部学生である。
学生からの予めの質問は2件のみと少なく(1件は産学連携について、もう1件は将来の原子炉のタイプ)、予測されたとおり対話の中での質問、意見も少なかったように思う。
結局、大部分の時間をシニアからの、将来の電源構成とりわけ重要項目である原子力と新エネルギーの技術内容や発展予測、問題点等の説明、意見開陳に費やす形となった。
学生たちは質問、意見表明等は多くなかったものの、興味を持って聞き、吸収してくれたので有意義ではあったと思う。要はこういった社会問題に関する問題意識が少ないか、あっても漠然としていて的確に表現できないのであろう。それは“まとめ”作業においても同様で、東北大学での実施の時には学生にまかせたが、今回は我々が手を入れてあげないといつまでも出来上がらない様相であった。ただし、発表者(神大D1)は年長者でもあるせいか手際よく報告していたが。
他のグループの発表を聞くと幅広く活発な対話がなされていたとの印象を得たので、グループによる差が大きかったのかも知れない。ただ、発表については押しなべて声が小さい、メリハリがないなど、要はプレゼンテーションの技能が習得されていないように感じられた。
今回の活動においてすばらしかったのは対話の準備、当日の運営、シニアへの接遇態度などである。リーダの岡本君の努力によるところも大きいのだろうが、学生たちもイベントの実行力は優れているのであろう。
いずれにしても、懇親会において、「いろいろ教えてもらって有意義であった」との学生たちの反応が多かったことは我々にとってもありがたく、活動の甲斐があったと言うものである。
添付資料2
事後アンケート集計結果(アンケート回答者数37名)
(1)「学生とシニアの対話」の必要性についてどのように感じますか?その理由は?
非常にある:30
ややある : 7
あまりない: 0
全くない : 0
無回答 : 0
理由
○ 非常にある
・ シニアの方々にヒントをもらいながら、それぞれのテーマについて自分で答えを追求していくことができるため。
・ 第一に貴重な体験であること。またディスカッションすることは非常に重要で、しかもその舵を経験豊富なシニアにとってもらえる。
・ 学生はこのような機会がない限りエネルギー問題の現状を知ることができないので絶対に必要だと感じた。
・ 学生の立場ではわからないこと、聞けないことを教えていただいたり、きかせていただいたり出来る。
・ 学生とシニアが話し合うことで学生の興味を刺激し、理解を深めさせることはとても重要なことだと思う。
・ 原子力業界で活躍された方々の体験話や武勇伝など、他の業界のも通じるものがあった。
・ このような場は学生にとって非常に貴重な場ですし、互いにとって有益な素晴らしいものだと思う。
・ これまで長きに渡って原子力に関わってきた方の考え方や物の見方などを知ることができよい経験になったと思うから。
・ 将来、自分の就きたい職に関する長年の経験をお持ちの先輩方のお話を聞くことができて大変有意義だったから。
・ シニアの方たちは原子力に関する活動を実際に行なっている方たちで、そのお話には説得力がありとてもおもしろい。
・ 様々な企業のトップにいた方々と対話ができるのはスゴイから。
・ 実社会の内容を聞くことが出来るから。
・ 新聞などで普段聞けないような生の声が聞けた。
・ 学校教育の中では学べない貴重なお話をきけました。
・ 色々な人の答えを聞けるから。
・ 話が聞ける。身近に分かる。
・ 人生の先輩である方々のお話を聞くことが出来る機会はめったにない為。
・ 企業・シニアの方と話せる機会だから。
・ 学生には分かりにくい企業の実情について知ることができた。
・ 原子力に対する考えのギャップを埋めることができるかもしれない。
・ 実際に話を聞いたほうが重みがあるから。
・ 実際に働いた人の意見を聞けるから。
・ 企業の学生に対する考え方が知ることが出来る。
・ 学生と見方が異なっているので新しい発見ができる。
・ 原子力発電について興味がものすごくわいた。
・ 技術と考えの継承ができるから。
・ 原子力に触れる機会は少ないのでこういったイベントはある方がいいと思う。
・ このような機会はあまりないから。
・ とても有意義であったため。
・ 知らないことを知ることが出来る。
○ ややある
・ 実際に原子力に携わってきた人、特に、原子力業界の初期に活躍した人の話を聞くことができるのは有用であると考えました。
・ 実際に現場にいた人と話す機会を持てないため、作る意味がある。
・ 学校の先生ではわからない産業面での話が聞けるから。
・ 現状や今の課題がわかるから。
・ 貴重な意見交換だと思います。
(2)エネルギー危機に対する認識に変化はありましたか?その理由は?
大いに変化した : 3
多少変化した :16
あまり変化しなかった:12
全く変化しなかった : 6
無回答 : 0
理由
○ 大いに変化した
・ 具体的なエネルギー危機のイメージができました。
・ 軽水炉を使い続けるとウランの可採年数が100年になることを知った。
○ ややある
・ 原子力をメインに考えていたので世間が感じているエネルギー危機を感じていない為。
・ 基本的に原子力の重要性は考えていましたがさらに深くお話を聞き非常に大切なものだと認識した。
・ CO2削減に対する大きな課題は、原子力なしには解決できないと感じました。
・ 講演で頂いた資料は初めて知るようなこともあった。根本的な考えは変わらないが、こういう行事で認識を新たにすることは重要だ。
・ 日本のエネルギー危機への危機感をあまりもっていなかったように思える。
・ より具体的に危機を感じるようになった。
・ 今回はあまりエネルギー危機については話をしなかったため。
・ 以前から危機感はあった。世界の動きを含めた認識となった。
・ 有限燃料が後少ししか無いと知ったから。
・ 原子力に対する明るい未来を感じたから(但し、課題もあるが・・・)
・ 早く原子力発電に移行しないと現在の生活は続けられないと思ったから。
・ シニアの方に学ぶところが大きかった。
・ 原子力が世の中にかなり必要だとわかったから。
・ 過去の原子力に対する世論のひどさを知った。また、原子力のエネルギーとしての有用性を知った。
・ 新鮮な視点の意見を頂けたから。
・ 多少の知識はあったから。
・ もともと多少の認識があった。
○ あまりない
・ 対話に参加経験があり、深刻さを理解している。
・ まだまだわからないことがたくさんあるから。
・ もともとエネルギー問題に対しての認識があったため。
・ 以前から持っている認識を再確認したため。
・ だいたいが知っている内容だった。
・ 大体認識はしていた。
・ 既に知っていることが大半であった。
・ 大学などで学ぶ内容とほぼ相違なかった。
・ ニュース等でも取り上げられており、だいたい知っていたから。
○ 全くない
・ 自分の意見とギャップがなかったため。
・ もともと、エネルギー問題に関心があり、学んでいるため。
・ こういった知識や認識は大学で十分に学べている。
・ 理解していたから。
(3)原子力に対するイメージに変化はありましたか?その理由は?
大いに変化した : 4
多少変化した :14
あまり変化しなかった:15
全く変化しなかった : 3
無回答 : 1
理由
○ 大いに変化した
・ 大きな事故が起こることはほぼないと分かったから。
・ 実際に原子力に関わる仕事をしていた人から原子力の話を聞くことができたから。
・ 原子力に対する漠然とした怖いというイメージは、そこで働いていらした方々と話すことでなくなりました。
・ 世界によって事情が異なること、世間のイメージと専門家のイメージが異なることはわかっていたが実際に現場でやってこられた方のイメージはもっと異なっていました。
○ 多少変化した
・ やはり原子力は必要。
・ 原子力はやはり必要である。
・ 地球環境問題の解決策の1つだから。
・ 知れば知るほど安全が分かったが怖くもなった。
・ 安全への投資は十分に可能となっていることが分かったから。
・ 世論の圧力によって原発の人々が苦労をしておられる実情を知ったから。
・ 国・電力会社・メーカーの立場の違いを知ることができた。
・ 自分の周りにはこんなにも熱く原子力について話す人がいなかったので、とてもおどろいた。
・ 未来が明るいということがわかった。
・ より必要性が大きいと感じるようになった。
・ 思っていたことより違っていた。
・ より重要であることがわかった。
○ あまり変化しなかった
・ 原子力の重要性は理解しており、再認識できた。
・ 今後も原子力という分野は重要な役割を果たしていくだろうという考えを固めました。
・ 元々、良いイメージでしたのでさらに良いイメージになりました。
・ 多少の知識はあったため。
・ 原子力のイメージはあまり変化しなかった。
・ 以前から持っている認識を再確認したため。
・ イメージというよりは知識が増えた。
・ 既に知っていることが大半であったが、その重要性を再確認した。
・ 最初のイメージどおりだったから。
・ 元々のイメージと差はなかった。
・ 論点が浅い。
○ 全く変化しなかった
・ 普段から、原子力にかかわっているため。
・ 自分の意見とギャップがなかったため。
・ 原子力の必要性に対する認識はかわらなかった。
(4)事前に聞きたいと思っていたことは聞けましたか?
十分聞くことが出来た:31
あまり聞けなかった :5
全く聞けなかった :1
(5)対話の内容は満足のいくものでしたか?
とても満足した:25
ある程度満足した:10
やや不満だ:1
大いに不満だ:0
無回答:1
理由
○ とても満足した
・ 他大学の学生と交流できてよかった。
・ とても論理的思考の方々だった。
・ シニアの方がとても熱心に語ってくださったから。
・ 原子力のイメージ対策など社会でないとわからないところを聞くことが出来た。
・ シニアの方の貴重な話をたくさん聞くことが出来た。
・ 来年就職を控えているので、社会人を終わられた方々に会える機会があってよかった。
・ 広くざっくばらんにそして他のグループの内容も聞けすごくよかったと思う。
・ 原子力のことのみならず、企業や国とのかかわりみたいなことも聞けて良かったから。
・ こちら側の意見を十分に汲んでくださりとても親切にしていただいたので満足でした。
・ 学生側にもわかるように説明してくれた。
・ とても現実的な対話の内容だったので満足している。
・ 事前に聞きたいと思っていたことが聞けたから。
・ 業界の実態を聞くことができ、ためになりました。
・ 多くのためになるお話を聞けた為。
・ とてもためになった。
・ 自分の疑問が解決したから。
○ ある程度満足した
・ これまで長きに渡って原子力に関わってきた方の考え方や物の見方などを知ることができよい経験になったと思うから。
・ 質問に対しては、詳しく説明していただいたし、関連するお話を色々していただいた。
・ 少しききとりづらいところもあったけど、おもしろい話が多かった。
・ 自分の知識不足で深い質問ができなかった。
・ 説明等に偏りがなく、様々な事が聞けたから。
・ 憶してしまって、あまり突っ込めなかった。
○ やや不満だ
・ 論点が明確ではない。
○ 無回答
・ 原発について興味がわいたから。
(6)原子力に対する関心の低い10代、20代の若年層に対する原子力広報活動はどんな方法が良いと思いますか?
・ 小学校などの遠足に原子力見学などを盛り込む。
・ 興味を引くことと、興味を持ち始めている人に詳細にでなく、身近なもので説明してはどうか。
・ 実際に大学生や研究生が簡単な実験をしたりポスター以上のインパクトある広報がいいかもしれません。
・ 身近なもので教える。例えば携帯電話に放射線が利用されているなど。テレビ番組で訴える。
・ 若手から若手に伝える。
・ 新しいネットワークを作る。
・ まず必要性から入り、危険性の低さについても理解させていく。
・ 施設の見学を兼ねた旅行。
・ 先ず興味を持って頂くのが大事だと思う。
・ 対話の場をもっと設ける。
・ 国が先頭に立って、教育すべき。
・ 文科省を動かすのが早いと思う。
・ テレビCMがいいと思う。
・ アニメやアイドル、バラエティを利用すれば受け入れやすいと思う。
・ 原子力を知る機会はTVが中心だと思うのでこれを利用するのがいいと思う。
・ 教育活動など。
・ やはり学校での実習、実験などに組み込むのが良い。
・ 実際に放射線に触れてみることのできる体験学習が良いと思う。
・ 学校教育。
・ 高校生への周知活動・講演などの受身のものではなくなるべく参加型のものを。
・ 原子炉を一般の人に開放すれば関心が高まると思う。
・ 試験の中に入れる。広島・長崎の話より先に原子力の話をして、その活用性を教える。
・ 市民の原子力に対する理解を深める活動。
・ 学校教育が一番重要であると思う。その他に発電所への社会見学を積極的に行う。
・ 出前授業を行う。
・ 関心が低いとは、原子力に関連した職につこうとしない(興味を持たない)ということである。その場合はエネルギーの実状と原子力の必要性を示す。あるいは反対活動をしない人も該当すると思う。その場合は放っておく。
・ 小学校・中学校の先生に原子力について理解してもらい、子供たちに教育してもらう。
・ 発電所の見学など、実際に見てもらうのがよいと思った。
・ リスクとメリットを明確にする。
・ 学校での基礎的な学問として原子力を学べるようにする。
・ 原子力の基礎的知識を持ってもらうことが大切だと思う。
(7)本企画を通して全体の感想・意見などがあれば自由に書いてください。
・ 講演者にお茶があれば。ディスカッション間に五分休憩が欲しい。興奮して一人の話が長く続く場合があるから。
・ 15分でまとめるのはつらい。リーダーになっていたが、進め方、発表の仕方など事前に教えてもらいたい。
・ よく組織されたイベントでした。ただ、司会の指示が会場全体に行き届いていなかったのは問題です。(まとめ)画用紙の使い方も明確にされていませんでした。
・ シニアの人のパワーはすごいので対話は非常に効果があると思う。参加学生の増加が望まれるが、年間あたりの開催回数を増やすことでカバーできないか。
・ 社会で活躍されていた方々の話を聞けてとても有意義だった。
・ テーマが決まっているので話し始めやすかったが。シニアの意見や答えが最初から決まっている感じがした。学生とシニアで何か1つの答えを見つけるようなディスカッションをやってみたいと思う。
・ 対話の時、隣の班との距離が近く、自分の班の声が聞き取りにくかった。もっと広い部屋でやってみてはと思う。まとめる時間が短かった。昼食なんかを食べながらの方が和んでいいと思う。もっと具体的にテーマを決めて話したかったと思う。とても楽しかった。
・ この企画は我々学生のモチベーションを高めるには非常に良い企画ですので、ぜひ第3回を実施していただきたいです。
・ 対話の時、他の班の話で聞こえなかった部分があったのが残念だったけど、その他はとても良い経験になった。
・ 自分が今まで知っていた原子力とは少し違うものだなとかんじた。
・ 対話の最初はとても話しにくかったので、始めにアイスブレーキング等を行ってほしい。また、周りの話し声で聞こえないことが多かった。またこのような機会を持ちたい。
・ いろいろと参考になる意見が聞けたし、どの人がどういう風に大変だった等の実際の話が聞けてとてもよかったと思う。原子力だけに留まらずエネルギー全般に関しての話し合いができればもっと良かったと思う。
・ 日常では知りえない海外での発電状況の本音など、おもしろい事が聞けた。
・ 良かったです。
・ スキャナーを使うのが、時間がかかってよくないと思った。
・ とても活発に対話がなされていて良かったと思う。
・ 体験話や人生経験、企業人としての話をきけたのがよかった。
・ 本日は大変素晴らしい運営有り難うございました。
・ 今後もこのような活動を続けてください。大変貴重な体験をさせて頂きました。
・ 大変有意義なものでした。
・ 大変有意義な場であったと思います。今後こういう場が増えて、一般の人々にとっても身近になれば、原子力に対する世間の理解も促されるのではないかと思います。
添付資料3
学生事前アンケート結果
質問・話したい内容 |
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グループ1 |
今後の原子力の普及の形は(プルサーマル、高速増殖炉など) |
グループ2 |
原子力の負のイメージへの対策 |
グループ3 |
昨今、欧州・アメリカで原子力を推進する動きが大きくなっているようで、あたかも原子力に追い風が吹いているかの風潮が日本でもあるように感じます。これまでの原子力への逆風が吹く中で、日本の原子力関係者はどういった努力をされて、今の情勢に至っているのでしょうか?(阪大) |
皆様が就職された当時と現在とでは、原子力の分野に対する社会の要求はどのように変化していますか?(阪大) |
|
大学の施設を使って、原子力発電の現場体験をすることは出来ないだろうか? 原子力発電自体、熱源が火力と違うだけで、その他のシステムは同じである。従って、保守点検で考えなければならないところは、工学の知識でこと足りる。だが、昨今の大学の教育現場では、数式や新たな研究を深めることはあれど、現実における実務経験という話になれば、経験がない人と同様である。ただでさえ、原子力は難しいというイメージがあるが、それを支えている技術も重要であることを、本や文献などではなく、実際にカラダとあたまを使って経験することはできないだろうか? (神大 M2 佐藤さん) |
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@原子力分野を学ぶ学生に企業、社会が望むこと A学生が、大学で学んでおくべきこと、取得しておいたほうがいい資格等あれば B今後の原子力分野従事者の社会に対する責任、果たすべき役割について (神大 B4 近田さん) |
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グループ4 |
FBRの開発状況及び課題は?(京大 M1 上山さん) |
原子力関連企業と学生、社会の関係について(京大 M1 中岡さん) |
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@日本における原子力の重要性 APWR、BWRの使い分けの利点or欠点。 B原子力発電の今後を決めるのは国or電力会社? (京大 M1 戸田さん) |
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近大 M1 ムハイミンさんからの質問はなし |
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グループ5 |
何故、原子力関連のTVや新聞などの取材で原子力メーカーや原子力の教授たちがコメントすることがまれなのでしょうか?科学的でない内容などに反論はしないのですか?(阪大) |
シニアの立場から見て、これからの学生に求めるモノ。 具体的に、残り1年を切った学生生活で学生が学んだり、経験したら将来に繋がると思われる事象。(阪大) |
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原子力に関してほとんど無知な一般市民に対して、原子力が今後重要度を増し必要であることをどのように理解、説得させればいいでしょうか? 特に原発において耐震性等の自然災害に対する安全性は十分あるのか。人為的事故を未然に防ぐことはできるのか。 またフランスでは原子力発電が大部分を占めているがフランスと日本との原子力に対する考え方の違いは何か。(阪大) |
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日本はアメリカ・韓国等の国と比べて、原発の稼働率が極めて低いと思われるのですがこれはどのような要因によるものですか?核融合炉の実現は可能だと思われますか?(阪大) |
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グループ6 |
このような意見交換の場は貴重だと感じております。学生が社会に触れるには産学連携がよいと私は考えておりますが、産学連携の事例に関する話が今のところ少なく感じております。過去の事例などがありましたら、この機会にうかがえればと思います。(神大 D1 柴原さん) |
将来の原子力の構成(タイプ)(近大学生) |
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グループ7 |
放射線に対する安全性管理の発展について |
グループ8 |
原発が事故の隠蔽をする理由として、社会背景などが挙げられているが、具体的にはどのような社会背景が問題なのか?なぜそのような社会になったのか?どうすれば原発が隠蔽をしない(する必要のない)社会になるのか?(阪大) |
安全性の追及が最も重要だと考えられるが,コストを伴うことであり,やはり限度 があると思う.そのあたりはどう両立してきたのか.(阪大) |
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原子力という存在は、ただの誤解や無知などから一般の方々にむやみに恐れられ、また反対されている存在だと思います。そして、そのように反対されている原子力に関わる仕事を行っている方々を、一般の方々はどの様な目で見、また接しているのか正直なところ、今の私には不明です。そこでシニアの方々に「様々な仕事が存在する中において、原子力に関係する仕事に携わってきて良かったと思えたこと。また、原子力と関係のない仕事に就いておけばよかったと考えたことがあったのかどうか」(阪大) |
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@大学での学習は、会社内でどのように役に立つのか。またなにを学んでおくべきか。 A核融合炉により発電は、実用化されると思われるか。 Bエネルギーの枯渇(化石燃料の枯渇)が懸念されているが、日本に将来はあるのか。このまま先進国でいられると思うか。 といった内容を中心にお話を伺いたいと思います。 (京大 B3 江草さん) |
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@学部でエネルギー全般を学ぶ(広く浅く)事を社会、企業はどのように考えるか、また評価するのか。 A原子力・放射線に対する根強い反対に対してはどのように説得すべきか。 (京大 B2 水谷さん) |
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グループ9 |
原子力の負のイメージへの対策 |