日本原子力学会社会・環境部会 第11回総会

平成16年3月30日(火)12〜13時

岡山大学 H会場

[議題]

1.15年度の報告

 1)チェインディスカッション  ※資料1−1)

 2)学会誌(2月号)への部会編集特集の掲載 ※資料1−2)

 3)コアグループ活動 ※資料1−3)−1,2,3

 4)HPの更新(2003年7月22日)

※以上につき、三島企画小委員会委員長より説明され、承認された。

 

2.16年度の計画

 1)新運営委員 ※資料2−1)に基づき宮沢部会長より提案され、承認された。

 2)チェインディスカッション

 3)コアグループ活動

 4)シンポジウム−市民社会における科学と司法−「もんじゅ判決」を参考として(7月中下旬)

※2),3),4)につき、三島企画小委員会委員長より説明された。
 5)ANS正副会長講演会及び懇親会 
※資料2−5)に基づき出澤副部会長より説明された。

 6)部会表彰細則の制定 ※三島企画小委員会委員長より説明された。

以上の来年度の計画について、異議なく承認された。

 

3.15年度決算及び16年度予算

資料3に基づき加藤事務局長より報告し、異議なく承認された。

 

4.その他

(次年度会長に予定されている岡先生のご欠席により)出澤副部会長の提案で、宮沢部会長に対し、総会出席者の拍手で労をねぎらった。

11回総会 資料1−1)

チェインディスカッション

 

1.11回チェインディスカッションの概要

1.1       概要

  主催:社会・環境部会、ヒューマン・マシン・システム部会、倫理委員会

  討論テーマ:停電の危機に学ぶ、サブテーマ:原子力に対する信頼回復は進んだか

  日時、場所:平成15925日(木)13時〜16時半、静岡大学

  座長:古田一雄氏(東京大学、ヒューマン・マシン・システム部会幹事)

  プログラム:講演「夏の電力危機の教訓と信頼回復への努力」田中治邦氏(東電)

        講演「信頼回復・危機回避の努力を地元はどう見たか」内藤信寛氏(柏崎商工会)

        講演「新聞記者から見た危機」谷川治氏(静岡新聞)

        コメント「倫理委員会からのコメント」西原英晃氏(倫理委員会)

        コメント「原子力安全規制のあり方−過去の教訓から学ぶもの」森信昭氏(産創研)

        コメント「供給責任と信頼のネットワーク」飛田恵理子氏(東京都地婦連)

コメント「消費者の本音」夏目智子氏(静岡地域女性団体協議会)

 

 

 

11回総会 資料1−2)

学会誌(2月号)への部会編集記事を掲載(編集委員会企画)

第1部           連続する自己・事件と社会の受け止め方の分析(下岡浩)

第2部           社会受容を改善するための条件(傍島眞)

第3部           原子力とコミュニケーション(田中靖政)

第4部           原子力研究における諸問題(藤井靖彦)

第5部           京都メカニズムと原子力(池本一郎)

第6部 原子力のあり方に対する提言(三島毅)

 

 

 

11回総会 資料1−3)−1

コアグループ活動

プルトニウムコアグループの活動報告

コアグループリーダ 三島毅

 

プルトニウムコアグループでは、平成14年度以来、プルサーマルの技術面、安全面をカバーするQAシートの作成を行っている。

作成に当たっては、九州大学名誉教授古屋廣高先生を主査とする検討委員会及び作業部会を組織して行っている。

QAシートは、反対するグループの主張と推進するグループの主張を併記し、社会環境部会の見解を記すというスタイルを取っている。反対するグループの主張は、主として刈羽村の住民投票のときに彼らが発行したビラから代表的な反対の意見、論拠を抽出した。推進側の意見、論拠は、電力会社等のものを採用した。

技術的に間違いのないものという趣旨で、学会員レベルの専門的な知識を有する人々を対象としたシートとそれを易しく記述した市民向けのシートの両方を作ることを目的に作業をしている。

現在、専門化向けシートをコアグループとして作った段階で、社会環境部会のHPの中に、それを見ることができるURLを作り、会員にURL名を連絡して、広くコメントを頂くようにサーバーにアップしているところである。URLは下記である。

http://wwwsoc.nii.ac.jp/aesj/division/sed/pudata/index.htm

全部アップした後に、会員にメールで連絡する。

 

11回総会 資料1−3)−2

社会システムコアグループ

 

三島(JNFL)、下岡(エネ総工研)、河田(JNC)、田中(東電)

 

中学・高校の先生方に対して、原子力の説明をして理解度を上げ、ひいては授業に於いて夢のある前向きな説明がなされるようになることを期待。

その為の具体的活動の進め方を模索中。

これまでの活動実績は

     台東区の小学校に於けるエネルギー教育の実践例を視察

     (電気の能力、発電の仕組み、最後に原子力に触れる)

     茨城県のエネルギー教育教材を調査

     原子力文化振興財団の活動実績(先生方へのアクセスルート)を聴取

     理科の先生方を集めた少人数勉強会で説明

      (この時の話題は、残念ながら東電不祥事と、もんじゅ裁判)

     東北原子力懇談会の活動を聴取

   (理科の先生方の会合を把握しており、定期的に説明を行っている)

 

今後の活動の方向性(アイデア)

総合的学習の時間などに原子力学会から講師を派遣できるように、ボランティアを登録して準備してはどうか。

派遣する機会の創出に努力。

 

コミュニケーションコアグループ

マスメディア対応チーム

 

世話人:  斎藤(重工)、田中(東電)

メンバー: 17

これまでに以下の活動

     共同通信の科学部長に、記者への説明会のアレンジについて相談

     テレビ埼玉の東京支社と、U局のネットの利用について相談

     JNC広報部長の久保氏: マスメディア対応のノウハウについて講演

     朝日新聞の服部記者: 原子力報道の現状について講演

 

今後の活動の方向性(アイデア)

     地方新聞の研究会(静岡新聞が幹事)に対して、働きかけの再開

     共同通信経由、原子力について聞きたいテーマを尋ねる

     消費地でのテレビ番組(原子力の解説)に対して出資者がないか検討

 

 

11回総会 資料1−3)−3

原子力コミュニケーション・コアグループ活動記録

   

H14.2 〜10

設立に向けた準備会合・勉強会

活動方針、趣意書の決定

H14.12. 5(木)

コアグループ設立会合 

話題提供:平野 浩(学習院大)

「原子力コミュニケーションについて今考えるべきこと」

5つのチーム分け、

リーダ交代

H15. 2. 7(金)

チーム世話人会合

話題提供:傍島 眞(原研)

「コミュニケーションの諸問題」

各チーム世話人決定

活動方針の決定

  3.11(火)

コアグループ第2回会合 

話題提供:河田東海夫(核燃機構)

:「安全・安心・コミュニケーション」 

チーム活動計画の紹介

CDアンケートの作成、リーダ交代

  6.10(火)

コアグループ第3回会合

話題提供:伊東慶四郎(政策科研)

「リスク論に基づくエネルギー外部性研究のスコープと現状」 

各チーム活動の紹介と討論

   10.15 ()

コアグループ第4回会合

話題提供:下岡 浩(エネ総研)

「連続する事故・事件と社会の受け止め方の分析(メディア問題を含む)」

各チーム活動の中間まとめ  

 H16.2.20(金)

   コアグループー部会報告会

講演:松本三和夫(東大)

「科学技術と社会との間の玉虫色の領域を考える」

各チームの活動報告or関連講演

詳しくはhttp://wwwsoc.nii.ac.jp/aesj/division/sed/communication/top-page.htm


平成14年12月5日

原子力コミュニケーション・コアグループ趣意書

 

リーダー:傍島 眞(日本原子力研究所)、伊東 慶四郎(政策科学研究所)

 

 原子力は、現在人類が直面している地球規模のエネルギー・環境問題を解決するための有力な手段として期待されている。しかしながら、今日の原子力利用を取り巻く状況には、相次ぐ事故、発電所の新規立地問題、放射性廃棄物の処分、さらにプルサーマルの実施に関する住民投票など、社会との関係において幾多の困難な状況が顕在化している。原子力の利用を図り、社会の健全な発展に供するためには、原子力利用に関する双方向コミュニケーションによる国民的合意、及び相互理解を実現することが極めて重要である。

 そこで、社会・環境部会はこれまでの部会の活動に加えて、社会・行動科学の諸学会の協力者との連携をも視野に入れ、原子力に係わる情報の発信者と受け手の間に相互の信頼感を醸成できる社会的コミュニケーションのあり方を探り、施策を提言することを目的に、「原子力コミュニケーション」コアグループを設置した。

このコアグループは、下記の活動を行う。

(a) 国と企業レベルにおける原子力広報・広聴の現状分析と課題の明確化

(b) 国民に分かりやすく、メディアにも魅力ある原子力情報(メッセージ)    の創出とメディアとの交流の実践

(c) 立地(巻町、刈羽村、海山町)における住民投票を踏まえ、分権型社会における原子力立地(高レベル廃棄物処分場を含む)に関する政治決定過程の分析

(d) 原子力以外の産業(例えば、化学、薬品、ごみ処分等)のリスクコミュニケーションとの対比・分析

(e) 原子力の社会的受容につながる社会的コミュニケーションのあり方の提言

―このような活動の具体的手段として、コアグループメンバーが中心になり、広く社会への情報を発信する講演会・シンポジウムの開催、関連する専門家による定期的な研究会及び各セクターとの交流会の開催等を企画・立案し、実行する。また、講演、シンポジウムおよび研究会の記録を纏め、原子力実務者に役立つ、読みやすい冊子等を作成する。

―活動にあたっては、コアグループのメンバーには社会心理学者、政治学者、行政学・行政法学者など、原子力学会員以外の研究者の協力が不可欠であるため、これらの研究者にも積極的に門戸を開放する。

 

 

11回総会  資料2−1)

 

平成16年度 社会・環境部会 運営委員候補

                                       平成16年3月30日

                                              宮沢 龍雄

担当

氏名

所属

16年度候補

所属

部会長

宮沢 龍雄

(株)esc

岡 芳明

東大

副部会長

出澤 正人

原電

留任

 

企画小委員長

三島 毅

日本原燃

留任

 

運営委員

玉川 博美

電事連

留任(継続)

 

 

阿登 一憲

INSS

留任

INSS

 

伊藤 哲夫

近大

土田 昭司*

関西大

 

東 邦夫

安全委員

中込 良広

京大

 

平野 浩

学習院大

横手 光洋

原文振

 

別府庸子

姫路工大

酒井 幸美

関電

 

堀 雅夫

懇話会

河田 東海夫

JNC

 

班目春樹

東大

高橋 信

東北大

 

山田保夫

日立

諸葛 宗男

東芝

 

山元春義

九電

宮崎 英夫

中国電力

 

安藤恭子

金沢工大

留任

 

 

魚谷正樹

電中研

留任

 

 

小西哲之

京大

留任

 

 

鈴木正昭

東工大

留任

 

 

山田明彦

新エネ財団

留任

 

事務局長

加藤佐代子

GNF−J

留任

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11回総会 資料2−4)

奮ってご参加ください

 

 

社会・環境部会主催シンポジウム

 

市民社会における科学と司法−「もんじゅ判決」を参考として

 

 

 

平成15年1月27日に名古屋高裁金沢支部で出された、いわゆる「もんじゅ判決」は、判決理由の一部に、裁判所自身が技術を判断した部分が含まれ、その意味では、それまでになかった判決であり、世間の注目を浴びた。安全行政に携わった経済産業省は、判決は安全を確保する技術体系を理解しないで、安全委員会が行った専門的判断を具体的根拠なしに否定している、として、1月30日、最高裁に上告受理申し立てを行った。

技術を担当したサイクル機構や当原子力学会に帰属する技術者からは、裁判所の技術判断を論外とする反論が多々出された。しかしながら、行政法、環境法などを専門とする法学者の世界には、この判決を支持する人もいる。それは、この判決を評価する職業的視覚や価値基準の違いに起因しているように思われる。

判決が下されて1年半。現在最高裁で、上告受理申し立ての審理が行われているものと思われるが、その判決が出される前に、このように科学技術が裁判の対象になった場合、法は何を裁くのか、「もんじゅ判決」を題材に、学会員のみならず、原子力立地関係者、一般市民を対象として、市民社会における科学と司法のあり方に関するシンポジウムを行う。

 

−  記  −   

(1)開催日時:  2004年7月中旬〜下旬、3時間程度のシンポジウムを開催

(2)開催場所:  未定、東京都内

(3)内  容:    行政法学者、行政学者等4名から講演(1人30分)をしていただいたのち、討論

(4)座  長:  学習院大学名誉教授 田中靖政氏

(5)案内先 :  @関係機関の幹部(経営層)、(行政庁、関係団体、電力、メーカー等)

           Aその他(立地自治体、原子力関係者(学会、WIN、WEN等))

           B一般市民

 

 

11回総会 資料2−5)

<ANS正副会長講演会について>

 

 

主催;日本原子力学会海外情報連絡会、同社会・環境部会

 

米国原子力学会(ANS)会長Dr. Larry Foulkeと同副会長Dr. James S. Tulencoの来日に際し、下記により講演会を開催いたします。

 

 

1)開催日時:平成16年4月23日(金) 14時から16時

 

2)講演会場:学士会館 202号室

 101-8549 東京都千代田区神田錦町3-28 電話;03-3292-5936

 

3)講演次第

14:00;The Ten Top Issues for the Renaissance of Nuclear Power in the U. S.

    講演者Dr. Larry Foulke (ANS会長)

15:00;「米国原子力界の最近の動向や展望について(仮題)」

    講演者Dr. James S. Tulenco (ANS副会長)

16:00;閉会

 

4)参加費 無料

 

5)参加定員130

 

講演会終了後、学士会館320号室で懇親会(参加費5,000円)を開催します。併せて、ご出席いただければ幸いです。

 

講演会/懇親会の参加希望者は、氏名、所属、連絡先(E-mail、電話番号など)を下記までご連絡ください。

 

連絡先

 日本原子力研究所 熱流体研究グループ

 秋本 肇

 Fax番号;029-282-6427

 E-mailアドレス;akimoto@hflwing.tokai.jaeri.go.jp

 電話番号;029-282-5097

 

なお、参加希望者が定員をオーバーする時は、参加を遠慮していただくことがありますので、あらかじめご了解ください。

 

 

 

11回総会 資料3

 

平成15年度社会・環境部会 中間会計収支

 

 

金額

備考

前年度 繰越金   

258,970

 

 

 

 

収入

 

 

配付金

197,000

 

寄付金・賛助金  

0

中国電力殿(予定)

雑  収  入   

0

 

[ 収入 合計 ]

197,000

 

 

 

 

支出

 

 

会  議  費   

15,272

 

通  信  費   

6,300

ML管理代他、学会へ納入

講師謝金・旅費   

84,651

(静岡CD)73,540

(C.コアグループ)11,111

(岡山CD)未計上

会 員 管理費   

60,000

学会へ納入

そ  の  他   

8,180

平成15年11月

[ 支出 合計 ]

174,403

 

 

 

 

次年度 繰越金   

281,567

 

 

(備考)

・来年度部会配付金は今年と同額の197000円。