第1回総会(平成11年3月、広島大学)




日本原子力学会社会・環境部会設立総会議事要旨


日時:平成11年3月22日16:30-17:30

場所:広島大学日本原子力学会春の年会M会場

出席者(50音順、敬称略):
秋山守(エネ総研) 芦田新典(東電) 阿登一憲(原安シス研) 安藤恭子(地圏空間研)  池本一郎(電中研・京大) 池田泰久(産創研) 伊藤哲夫(近大) 大森良太(東大)  大山正司(原電) 大西輝明(京大) 荻野敬迪(三菱電機) 小沢正基(サイクル機構)  神田啓治(京大) 刈田陽一(日本ガイシ) 木下智見(九大) 倉橋隆文(日本ガイシ) 鴻坂厚夫(原研) 小坂隆(原安シス研) 佐々木憲明(サイクル機構)  スーザン・ピケット(東大) 鈴木篤之(東大) 鈴木達治郎(電中研・東大) 末廣恵雄(中国電力) 杉暉夫(原研OB) 早田邦久(原研) 傍島真(原研) 竹下健二(東工大) 田邊朋行(電中研) 鶴田俊雄(近大) 永井廉子(原安シス研) 羽田野祐子(理研) 平岡徹(電中研) 藤井靖彦(東工大) 藤田玲子(東芝) 松浦祥次郎(原研) 松村達郎(原研) 三島毅(原燃) 宮沢竜雄(京大) 村岡進(原研) 村田貴司(電中研) 大和愛司(サイクル機構) 山脇道夫(東大)  吉川榮和(京大) 以上 43名

議事内容:
 議事に先立ち、学会企画委員長の藤井靖彦先生(東工大)から本総会の議長を学会副会長の 木村逸郎先生(京大)にお願いする提案があり、了承された。

【本部会の設立趣旨説明】
 木村議長から本部会設立の趣旨説明および設立に当たっての所感が述べられた。要旨は次の通り。

 原子力は20世紀に開発された科学技術の中でも最高水準のものであるが、原爆というむごたらしく、 かつ非常に社会的な影響をもつ形でスタートした。現在、原子力は我が国の発電の1/3を占めるまで に成長したが、社会との関連で苦心している。これから先を見通しても、バックエンドなど多くの問題 がある。これらを解決するには、技術だけではだめで、社会とのつながりを考えていかなければならない。
 学会も40周年を迎えたが、本部会の設立は遅きに失した感がある。40年と言えば論語では不惑の年 であるが、誘惑が絶えないのが現状であり、このような年にスタートするのも意味があるように感じら れる。
 本部会は鈴木篤之先生が企画委員長をされていたときから、この部会を作ってはどうかと提案され、 準備もしていただき、設立の運びとなった。趣意書や企画はすでに理事会を通っている。また、設立 趣旨は配布資料1の社会・環境部会設置趣意書にまとめられている。

【本部会の規約説明】
 木村議長から配付資料2に沿い、社会・環境部会規約の説明があった。

【運営委員会構成および運営委員(案)承認の件】
 木村議長から、運営委員会構成について説明があり、了承された。要点は以下の通り。
 運営委員会は、会長1名(任期1年)、副会長1名(任期1年)、運営委員10-15名(任期2年、 半数改選)で構成される。ただし、半数改選の原則を第2年次から適用するため、初年度からの 運営委員の内半数の任期を例外的に3年とする。

 木村議長から下記の17名からなる運営委員名簿の原案(数字は任期(年数))が示され、承認された。

糸魚川直祐(3)(原子力安全システム研究所) 榎本 聡明(3)(東京電力) 
金子 熊夫(3)(東海大学)         神田 啓治(2)(京都大学) 
木元 教子(2)(原子力委員)        草間 朋子(3)(大分県立看護科学大学)
工藤 和彦(3)(九州大学)         坂本  俊(2)(日本原子力産業会議) 
鈴木 篤之(2)(東京大学)         早田 邦久(2)(日本原子力研究所)
田中 靖政(2)(学習院大学)        浜崎 一成(3)(日本原子力発電)
平岡  徹(2)(電力中央研究所)     藤井 靖彦(2)(東京工業大学)
山崎 吉秀(2)(関西電力)         山地 憲治(3)(東京大学)
大和 愛司(3) (核燃料サイクル開発機構)

 木村議長から、まだ学会員でない坂本俊氏と木元教子氏には学会に入会していただくことが運営委員に なっていただくことの条件であるとの意見が出され、了承された。
 木村議長から、出席者に対し、部会長および副部会長の推薦を求めたが、特に意見はなかったため、 早い時期から本部会設立の準備をし、幹事会もまとめられてきた鈴木篤之先生を部会長に推薦するとの 提案があり、承認された。
 鈴木部会長から、これまで設立の準備をさせていただこともあり、また本部会の活動が軌道に乗るまで やるようにと先輩の先生からお話があったので、僭越ながら1年だけ協力をさせていただければと思うの で、よろしくお願いしたいとの就任のあいさつがあった。
 鈴木部会長から、副部会長については発起人の中の何人かと相談した結果、平岡 徹氏(電中研)に お願いしたい旨、提案され、承認された。

【運営方法・活動内容の件】
 鈴木部会長から、下記の約30のコアグループ(案)を設立する考えが説明された。コアグループ単位 で活発に活動してもらいたいこと、コアグループごとにグループリーダーを決めていただき、部会を引っ 張ってもらいたいこと、さらにグループリーダーの方々で集まって議論し、そこでの結果を反映させて部 会全体を動かしていくのが望ましい旨述べられた。
(1) ホームページ・ニュースレター (2)学会関東地区活性化 (3) 学会支部活性化 (4) 柏崎秋の大会 (5)松山春の年会 (6) 青森秋の大会 (7)2001年の年会 (8) 関連学協会との協力 (9)国際会員 (10) 総会・夏の合宿  (11) 学会誌記事 (12) Chain Discussion (13) 対外メッセージ  (14) テーマ研究 (15)学術会議報告との関連 (16) エネルギーモデル  (17) 国際政治・戦略 (18)核軍縮技術協力 (19) リサイクル  (20) ウラン (21)プルトニウム (22) SF (23) 環境基準  (24) 法制度 (25)情報公開 (26) 安全・安心 (27) 地域共生  (28) 対話 (29)オープンスクール (30) 基礎教育(文系)

 鈴木部会長から、各項目について、説明があった。ホームページを開設し、情報の発信に努めること、 ニュースレターは電子情報とする予定であること、支部のない関東地区の活動を活性化すると同時に、 各地方支部においても本部会に関する活動や議論を活発にしていきたいこと、学会や年会での企画を考え ていくこと、外部との交流が本部会にとっては不可欠であって、関連学協会との交流や国際会員の募集を 積極的に行うこと、総会・夏合宿の企画や学会誌記事、テーマ研究、学術会議報告との関連についても コアグループで検討してほしいこと、原研の松浦理事長が提案されたChain Discussionを実施していき たいこと、外部にも本部会の活動の情報を積極的に発信していきたいことなどが述べられた。さらに、 (16)から(30)のテーマについてはそれぞれ重要かつ今日的なテーマであり、それぞれのコア グループで研究を深めていってもらいたいこと、さらに、このコアグループの構成はみなさんのご意見 を伺って柔軟に対応していきたい旨述べられた。

【出席者から述べられた意見は以下の通り】
○コアグループの(1)から(15)は行事に関するもので、(16)から(30)は研究テーマに関 するものであるが、行事に関するものは運営委員会でさらにつめた方がよい。
○以前、部会で取り上げるべきテーマが学会誌に馴染まないからと掲載を拒否されたことがある。 今後はこのようなテーマの論文についても掲載していただくよう努力をすべき。
○外側の人とのコミュニケーションをもっと多くするべきだ。もう少し外との関係を重視するタスクを 挙げた方がよい。シンポジウムもタスクとしてやった方がよい。
○アジアの中の原子力という視点で考えてみることが重要だ。学会だとニュートラルにできる。 
○学会40周年で韓国原子力学会との協定が結ばれる予定である。また、倫理の問題などの学会員の 社会的責任についても検討したらどうか。
○運営上の予算の問題を検討する必要がある。ニュースレターは出版物を印刷しないと記録に残りにくい。
○この部会はかなり特異な性格である。学会の企画委員会との関係が重要であり、接触を密にしていく ことが重要である。 

【部会メンバー勧誘の件】
鈴木部会長から、部会メンバーの勧誘をお願いしたい旨述べられた。

(文責 大森良太)






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