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※                                                   ※
※ 放射線工学部会ニュースレター              2015-21(561号)  ※
※                                      2015年12月22日 ※
※                                     放射線工学部会発行  ※
※                                                     ※
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放射線工学部会各位

下記に示す簡易遮蔽解析コードレビューWGの設立の提案が、海技研の平尾さんからありました。
本件に関してご意見のある方は、12月28日までにお知らせください。ご意見の無い場合には、
了解されたとさせていただきます。
また、WGの活動に関心をお持ちの方は、平尾さんに直接お問い合わせください。

波戸

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          簡易遮蔽解析コードレビューWG 設立趣意書

                                                 平成27年12月17日

1.活動の目的
 日本原子力学会放射線工学部会は「国産安全解析コード開発戦略検討ワーキンググループ」を組織し、
2012年10月から翌年9月まで放射線工学に係る解析コードの開発課題や開発体制について検討し、
2014年に報告書1)を上梓するとともに学会誌に解説2)を投稿した。
 本解説では、原子力施設に対する世界最高の安全性を追求する上で、また安全解析コード開発に携わる
人材育成のために、解析コードやデータの国内における持続的な改良や発展に資する体制の構築とそれを
維持する仕組みが不可欠であり、なかでも遮蔽解析に使用される簡易解析コードについて、米国で半世紀
近く前に開発されたものがベースであり、それらの多くに対し開発元のサポートは既にない、としている。これ
を受けて、放射線工学部会としては、専門家集団として、実設計から安全審査まで広く用いられる簡易遮蔽
解析コードの見直しに係る課題を実コードに基づいて具体的に検討し、現代の計算環境や最新の知見を反映
していく必要がある。本WGはこの役割を担うものとして機能する。
最後に、本WGの検討結果を報告書にまとめて、既存コードの改良、新たなコード化及びデータ整備の方針を
勧告するとともに、開発の優先性を考慮した開発ロードマップを提示する。

2.WGの構成
「国産安全解析コード開発戦略検討ワーキンググループ」委員の平尾好弘(国立研究開発法人海上技術安全
研究所)を本WGの主査とする。本WGは、放射線工学部会の部会員、「遮蔽ハンドブック」研究専門委員会委員、
及び標準委員会基盤応用・廃炉技術専門部会放射線遮蔽分科会委員を中心とした産官学のメンバーで構成し、
また放射線工学に関連する他の部会員の参加を歓迎する。効率的な活動のために主査の下に複数の幹事を
置き、また必要に応じてWGの中に研究グループを設ける。

3.開催期間
 H28年1月からH29年12月までの約2年間をWG全体会合と研究グループの会議を適宜開催して活動を行う。

4.検討範囲
 点減衰核積分法解析コード(例:QAD及びG33派生コード)、ダクトストリーミング解析コード(例:DUCT系コード)、
及びスカイシャイン解析コード(例:SHINE系コード)について、解析コード及び関連データの見直しに係わる項目。
解析コードの見直しに関して、計算法やアルゴリズムの他、プラットフォーム、使用言語及びユーザ支援機能等
の周辺項目を含む。

5.その他
 1)本WGの課題検討において作成されたプログラム類は、誰でもレビューできるようにオープンソースライセンス
   に従うプログラムとして公開する。
 2)本WGの課題検討において作成されたデータのうち、遮蔽に係る基本データとして広く利用が見込まれるもの
   については、標準委員会基盤応用・廃炉技術専門部会放射線遮蔽分科会と連携して標準化の検討を行うこ
   ととする。
 3)上記検討範囲のコード及び関連データに興味があり、既存の考え方や形式にとらわれない、自由な精神をも
   つ方をメンバーとして広く歓迎する。
 4)活動の成果は放射線工学部会ホームページ等を通じて公表する。

以 上

参考文献
1) 日本原子力学会放射線工学部会国産安全解析コード開発戦略検討ワーキンググループ、「国産安全解析コード
  開発戦略検討報告書」、平成26年11月.
  http://www.aesj.or.jp/~rst/fukushima/20150318.pdf
 2) 須山賢也、平尾好弘、坂本浩紀、「解説 国産安全解析コードの現状と課題-我が国の安全規制への貢献を
  目指して-」、日本原子力学会誌、平成27年12月.


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ニュースレター担当:奥野功一(安藤ハザマ) okuno.koichi@ad-hzm.co.jp
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