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* 放射線工学部会ニュースレター    2008−15号(378号)*
*                     2008年 7月11日 *
*                       放射線工学部会発行 *
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論文出版のお知らせ


ガンマ線スカイシャイン線量計算のために「ラインビームレスポンス関数」、
「コニカルビームレスポンス関数」とそれらに対する4-パラメータフィッティ
ング係数に関するデータライブラリーの論文

Data Library of Line- and Conical-Beam Response Functions and
Four-Parameter Empirical Formula in Approximating Response Functions
for Gamma-ray Skyshine Dose Analyses,
H. Hirayama, Y. Harima, Y. Sakamoto, N. Kurosawa and M. Nemoto

をKEK Report 2008-2として出版しました。

論文及び論文に収録されたデータ(エクセル形式)は、
http://rcwww.kek.jp/rc_en.html
からダウンロードすることが出来ます。

「ラインビームレスポンス関数」及び「コニカルビームレスポンス関数」は、
一回散乱計算コードG-33等で使用されている空気のガンマ線ビルドアップ係数
を用いた近似的な評価ではなく、空気中でのガンマ線の輸送を電磁カスケード
モンテカルロ計算コードEGS4で計算して求めたガンマ線スカイシャイン線量の
レスポンスなので、建屋表面におけるガンマ線の情報(エネルギー、角度情
報)があれば、短時間に精度良いスカイシャイン線量を評価することが可能で
す。

データは、「照射線量」、「1cm線量当量」、「実効線量(AP形状)」及び
「実効線量(ISO形状)」の各線量について、ガンマ線の線源エネルギーが
0.1〜10MeV の11点、放出角はラインビームでは20点、コニカルビームでは
15点、線源から評価点までの距離は2,000mまでの20点で与えられています。
また、スカイシャイン線量の距離依存性を表す4−パラメータの近似式に対して
は、EGS4計算値との最大誤差を最小にする方法でフィットしたパラメータが与
えられており、EGS4コードで計算されていない線源エネルギーや放出角度におけ
るスカイシャイン線量データは、内挿したパラメータを用いて求めることができ
ます。

ガンマ線のスカイシャイン線量評価の際に、広く利用されることを望んでいま
す。

(平山英夫、播磨良子、坂本幸夫)


以上
--
Hideo Hirayama

Director
Applied Research Laboratory
KEK, High Energy Accelerator Research Organization
1-1, Oho, Tsukuba, Ibaraki, 305-0801, Japan