NDDニュースレター 2007年 第12号 (通巻第89号)

2007/11/28

Table of Contents

国際交流の報告

LANL滞在記

岩元大樹 (九大)

筆者は,日本原子力学会核データ部会が主催するロスアラモス国立研究所夏期 交換プログラムの一環で,現在,米国ロスアラモスに滞在しています.標高 2200 mの寒冷で非常に乾燥した気候ですが,日差しが強いせいか気温の割には 寒さは感じられません.また,ここロスアラモスは,雄大で自然豊かな森林と キャニオンに囲まれ,研究するにはとてもよい環境です.さらに,滞在期間 中,やるべきことは研究だけですので,研究以外の雑用の煩わしさがない分, 日本にいるよりも快適で充実した毎日を過ごしています.

米国滞在中,LANL 河野俊彦氏の寛大なお計らいで,ワークショップCNR*2007 に参加することができ,今後の研究を進める上で貴重な経験をさせていただき ました.簡単ですがその感想を述べます.

CNR*2007は,ヨセミテ国立公園内Tenaya Lodgeで開催されました.会場である Tenaya Lodgeは,文字通り木目が美しいロッジ風の豪華な建物で,大学院の一 学生である筆者が宿泊するにはもったいないほどの立派なものでした.

ワークショップのトピックスは主に複合核反応に関するものでした.学内の研 究では数百MeVの高エネルギーを扱っている筆者にとって,発表の内容はどれ も新鮮で難解なものでしたが,核反応に対する理解を深めることができまし た.

ワークショップ3日目のエクスカーションでは,ヨセミテ国立公園内をシャト ルバスで周回し,セコイアの森林,氷河地点展望台,ヨセミテ峡谷を観光しま した.世界遺産というだけあって,そのどれもが雄大な自然を体感できる素晴 らしいものでしたが,中でも,氷河地点展望台は印象的でした.氷河によって 侵食された峡谷,澄み切った空に生える山々を一望に収めることができ,壮大 な大自然を堪能することができました.残念なことに,楽しみにしていたヨセ ミテの滝は,切り立った崖に大量の水の流れた跡と思われるものが見られただ けで,見るも哀しい状況でした.現地でもらったパンフレットによると,雪解 け時期の5,6月が,ヨセミテの滝の見ごろだそうです.ヨセミテの滝を見に当 地を訪れるときは,その時期を目掛けて来ることをお勧めします.ただし,紅 葉を楽しむには10月が最もよく,特にヨセミテ峡谷の風景は,そのどれもが画 になるような素晴らしいものでした.

核物理の本場であるロスアラモス研究所での研究,さらにはヨセミテでのワー クショップという,学生ではなかなか経験できない機会を与えていただき,核 データ部会,LANLの皆様に感謝します.特に河野俊彦氏には研究だけでなく, ここでの生活全般に関しても非常にお世話になっております.この場をかりて 感謝申し上げます.

核データ部会からのお知らせ

● 現在の部会員数:160名 (2007/05/25 現在)

●「部会員の最近の成果」に載せる情報を までお知らせ下さい.