(JNES) 中田哲夫
前回のニュースレター2007-4 (81)号に掲載された,渡辺幸信氏,千葉敏氏の 「ND2007の印象,感想,そして今後の活動提案について」の中の
● JENDLを国内商業炉の許認可に使えるようにするためにはどうしたよいか議 論する場を設けて,位置づけ(reference dataとしての活路?)を検討する.
に対するコメントです.
JENDLを国内商業炉の許認可に使わないのは,許認可時に前例があれば審査が 容易であるというか,新しいことを持ち込もうとすると具体的な検証結果とか 妥当性の説明が非常に大変で,時間もコストもかかるため,申請者が持ち出さ ないことが主な理由と思います.しかし,最近の計算機事情に比べてあまりに も古い手法が使われているなど乖離が目立っているのでいずれ変わるとは思い ます.
私は,サイクル関係を担当していますが,申請側が古い手法なので,逆に, 原子力・安全保安院(NISA)の指示で我々が実施するクロスチェック解析では, 申請者と異なる手法かつ新しいデータということを売りにして,JENDLを積極 的に活用させてもらっています.また,申請者も実際には申請用の解析とは別 に,最新の手法やデータで確認の解析を実施しています.
決してJENDLが使われていない訳ではないし,最近は非常に良く利用されてお り,NISAの審査官なども良く知っています.むしろ,そういう実態が,あまり 知られていないことが,問題かもしれません.
日本では,いずれJENDLが当たり前になると思っており,ちょっと意外なテー マの感じがしましたので,参考まで.
昨年に引き続き,日本原子力学会核データ部会と米国ロスアラモス国立研究所 (LANL)理論部門原子核物理グループの間で,核データ評価応用のための核物理 理論研究を活性化し,かつ,日本の若手研究者がLANLで理論計算の経験の機会 を得られるよう,夏期国際交流を行うことにしました.このため,平成19年度 の夏期国際交流学生を下記の要領で募集します.
記
1. 募集人数: 1名 (複数の応募があった場合,選考委員会において審査を行う.)
2. 派遣先: 米国ロスアラモス国立研究所理論部門原子核物理グループ
3. 派遣時期と期間: 平成19年9月以降の最長90日 (約3ヶ月)
(手続き終了後速やかに開始する)
4. 応募資格: (1) 日本原子力学会会員で,核データに関する学習,研究を行っている大 学院博士後期課程学生もしくは研究機関等の若手研究者であること. (2) 核反応理論等に興味があり,プログラミングの知識があること.
5. 研究課題: 基本的に,原子核反応断面積計算に関する研究課題がLANL側から与えられ るが,具体的内容については調整も可能である.
6. 費用: LANL側から旅費,滞在費が支給される.保険費用は支給されない.
7. 応募方法: (1) 提出書類: 下記書類を各1部,簡易書留で郵送すること. 電子ファイルがあれば,あわせて電子メールにて送付すること.) a) Application for AESJ(NND)-LANL(T-16) Program http://wwwndc.tokai-sc.jaea.go.jp/~ndd/lanl_exchange.doc より入手可 b) Curriculum Vitae (英文履歴書で決まった書式はない) c) 指導教員もしくは上司の推薦書 (決まった書式はない) (2) 提出先: 〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-1 大阪大学大学院工学研究科 電気電子情報工学専攻 村田 勲 (3) 提出期限: 平成19年6月29日(金) 必着
8. その他: 帰国後,国際交流報告を日本原子力学会誌へ投稿すること.
9. 問い合わせ先: 大阪大学大学院工学研究科 電気電子情報工学専攻 村田 勲 Tel: 06-6879-7892,Fax: 06-6879-7899 E-mail: murata@eie.eng.osaka-u.ac.jp
こちら http://wwwndc.tokai-sc.jaea.go.jp/~ndd/lanl_exchange.html もご覧下さい.
核データ部会賞は,原子力平和利用における核データ分野の発展や進歩をうな がすことを目的として,学術上または技術上の優秀な成果ならびに優れた貢献 をなした個人またはグループを表彰するものです.詳しくは, http://wwwndc.tokai-sc.jaea.go.jp/~ndd/award.html をご覧下さい.締切は2007年6月18日(月)です.
● 現在の部会員数:160名 (2007/05/25 現在)
●「部会員の最近の成果」に載せる情報を までお知らせ下さい.