NDDニュースレター 2004年 第10号 (通巻第59号)

2004/9/30

Table of Contents

会合の報告

2004年秋の大会核データ部会総会議事録

第10回核データ部会総会 日時:2004年9月16日(木)12:00-13:00 場所:京都大学吉田キャンパス工学部物理系101号室

● 開会挨拶

馬場部会長の挨拶の後,井頭運営委員の進行で以下の報告,議論を行った.

● 企画関係報告(資料有)

井頭運営委員から上半期の部会関連事業等の報告及び下半期の予定が報告され た.上半期には,総合講演「わが国の核データ測定施設の展望と世界情勢」 (春の年会),核データ討論会(三菱重工,下記参照),日韓サマースクール(ポ ーハン,下記参照)が開催された.今後,核データ・炉物理合同企画セッショ ン「核データ・炉物理研究の社会への係わりについて」(本大会),日韓合同セ ッション(核データ,炉物理,加速器・ビーム,放射線工学4部会合同,韓国 春川),2005年春の年会部会企画セッション(企画運営委員会11月12日締切)が 予定されている.

● 編集担当報告(資料有)

深堀運営委員から,2004年度上半期に発行された部会ニュースレターに関する 報告があった.

● 会計担当報告(資料有) 奥村運営委員が報告した.予算変更として,収入(寄付金40万円追加),支出 (国際協力事業等への参加補助20万円追加)を行った.また,8月末時点での実 績として,核データ討論会の残金(17,553円),支出(日韓サマースクールへの 参加補助2万円(学生1名),感謝状等3,608円)である.これらに関して「ばたば たした経緯も合わせて,ご意見があればメール等でお寄せください」と部会長 からコメントがあった.

● 核データ討論会の報告(資料有)

田原副部会長より報告があった.はじめて,1,000円の会費制としたが,28名 の参加があった.講演会及び寄付金に対する感謝状贈呈を行った.部会ニュー スレター及び核データニュースに詳細は報告する.田原副部会長より,今後の 課題として,講演会等の会費制,講師旅費・謝金等の取り扱いに関するガイド ラインの検討が必要であると提案された.これに対して,井頭運営委員から, 講演会等の講師旅費について,今までの経緯説明があった.

● 日韓サマースクールの報告(資料有)

馬場部会長より報告された.日本原子力学会4部会(核データ,炉物理,加速 器・ビーム,放射線工学部会)と韓国原子力学会の共催で,7月26-31日にポー ハン加速器研究所で実施された.参加費は韓国側の努力で10万ウォン(宿泊費 込み)と安く,4分野を網羅する講義・実験内容とKOMACサイト見学会が行われ た.講義資料としてPower Pointファイルの印刷版約800ページ(CD-ROM有)が 集められた.全体で85名参加(講師22名(日9名,韓13名),学生・若手63名 (日19名,韓44名))であった.試行錯誤的な点は多かったが,盛りだくさん (少々消化不良気味?)の内容で,国際交流にもなった.インターンシップで 大学の単位を認めることを検討したい(九大では既に手続き終了).学会企画 委員会からも高い評価を得た.詳細は部会ニュースレター及び核データニュー スに掲載(予定)する.CD-ROMの不参加者への配布については,部会ニュース レター等で案内(井頭運営委員担当)することとした.

● 核データ研究会・核データチュートリアルの予定(資料有)

田原副部会長により,核データ研究会(シグマ運営委員会主催,11月11,12日, 原研東海)及びこれに先立つ核データチュートリアル(核データ部会主催の予 定,11月10日,原研東海)について報告があった.今後,チュートリアルの主 催等の取り扱いはメーリングリスト等で議論される.

● 日韓合同セッションの予定

馬場部会長により以下のような提案があった.炉物理部会との合同と加速器・ ビーム部会との合同の2つあり,炉物理部会は既に4名決まっている.核デー タ部会からは,1名予定しており,他部会と調整の予定である.アブストラク ト締め切りは9月末であり,参加希望者は馬場部会長まで,連絡することとした.

● その他

部会賞に関して,議論が進捗していないので,内規を運営運営委員会で議論す る必要があるとの指摘があった.これに関し,運営委員会で議論を進める旨, 井頭運営委員より回答があった.

核データの研究とその原子炉への適用に関する討論会報告

(エンジニアリング開発)田原 義壽

核データの普及を図るためには,核データの測定や評価を行う研究者と,実際 に原子炉などで核データを用いるユーザーとの間の自由な討論と意見交換が必 要と思われる.このような場を目指し,核データ部会と三菱の共催により2004 年6月8日(火)に核データに関する討論会が開催された.会場は横浜の海が間 近に見える三菱重工業(株)の横浜ビル33階.当日は暑い中29名の方に参加を 頂き,20名が懇親会に出席されるなど盛況であった.

核データ部会部会長の馬場護氏による,部会活動活発化の一つの試みとして企 画したとの開会の挨拶に引き続き,和やかな雰囲気で紹介や報告,討論などが 行われた.まず,日本へ帰国していたLANLの河野俊彦氏にも参加して頂けたこ とから,「ロスアラモス研究所の紹介」をお願いした.地図や風景を交えなが ら研究所の人員構成や部門構成および研究内容の紹介があり,LANLをより身近 に感じることができた.河野氏は理論部門の核物理を担当するT-16に所属して いる.T-16では,核反応機構や核構造の研究と核データの供給を行っており, 3年ほど前,T-2(核物理)とT-5(高エネルギー核物理)が合体して新設された. T-16は,実験ともつながりが深く,加速器施設LANSCEを用いて核データの測定 ・評価を一貫して行うことができる.応用面としては,核不拡散の観点から237 Npの臨界質量の評価などがある.また,臨界安全や新型原子炉の臨界性予測の 観点からは,核データの不確かさを表す共分散データが必要となる.河野氏が LANLに勤めてから1年間,国際会議で日本人を目にすることが少なく,もっと 積極的に参加してよいのではないかとの問いかけがあり,米国,ヨーロッパの みでなく日本においても研究を盛り立てて行きたいとの思いが述べられた.ま た,「核データの理論的研究」については核データ評価に用いられる様々な理 論モデルの紹介を頂いた.中性子捕獲反応は,原子炉への応用とともに,宇宙 物理において最も重要である.特にkeV領域の捕獲反応が重要であり,多くの 中性子過剰な不安定核が含まれる.不安定核など測定の困難な断面積の評価に ついては,理論を積極的に用いたミクロなアプローチと,システィマティクス を用いた現象論的なアプローチとがある.JENDLの評価は後者の立場をとって いる.宇宙物理では,3000以上の核を取扱う必要があり,このための核断面積 計算システムが,光学モデル,HFM統計モデルや直接/準直接捕獲モデル(DSD) を用いて研究されている.システマティックスを用いた捕獲断面積計算結果は, GdやJENDL-3.3のFPデータにある幅内で一致することが示されたが,より良い 評価を行うためには,実験に基づくパラメータ評価が必要であり,実験の必要 性が強調された.トピックスとして,Surrogate Reaction Techniqueの紹介が あった.これは,安定な核と3Heなどによる複合核の反応を研究することによ り,直接測定するのが困難な不安定核の反応を評価するという手法であり, 236UやMAの核分裂などの研究に適用されている.質疑応答には,核データ評価 の際行われる規格化とは,計算値が測定値に合うように,核モデルの計算入力 パラメータを調整することであるなどの説明があった.

「断面積の測定」については,東工大原子炉研究所の井頭政之氏よりお話があ った.現在,核反応理論予測精度は模型の域を脱していないため,実験で絶対 値を求め,理論でエネルギー依存性を把握するなど,実験と理論は相補的な関 係にある.天体核物理における元素の起源の解明には,keV領域の放射捕獲断 面積が重要な役割を演ずる.捕獲断面積の測定では,高純度試料の用意が困難 な核種,断面積の小さい核種および放射性核種の捕獲断面積の測定は難しい. 今回はそのような核種である7Li,12C,16O,209Bi,99Tc, 129Iについてペ レトロン加速器を用いて行われた捕獲断面積の新しい測定値のエネルギー依存 性が紹介された.keV領域の捕獲断面積に関しては,S波捕獲が支配的な7Liで は断面積は1/v則に従うが,12Cや16Oに関してはP波捕獲が支配的となり断面積 を1/v則で外挿できないことが実験的に明らかにされた.

「断面積の評価」の表題で,原研 核データセンター柴田恵一氏より,核デー タ評価の概要についての紹介があった.核データライブラリとして具備すべき 条件や収納される物理量,それらの測定データの文献情報(CINDA)や測定結 果のデータベース(EXFOR)と核データ評価手順が示された.評価は基本的に 測定値への最小自乗フィットとEye-guideで行われるが,測定値間の食い違い が大きかったり測定値がない領域では,理論計算に基づく評価が行われる.低 エネルギーでの共鳴理論,高エネルギーでの光学模型,統計模型,前平衡模型, 直接反応理論などの核反応モデルとそれを用いた場合の測定値との比較などが 説明された.また,JENDL-3.3を例に取り,断面積ライブラリの改訂の例と, その影響について紹介された.JENDL-3.3は80%が90年代以降のデータを採用 しており,日・米・欧の比較では最も新しいデータを用いていることが示された. JENDL-4に対する今後の活動については,核データの評価・検証のみではなく, 炉定数や品質保証についても考慮したいとの意欲が述べられた.核データの改 訂については,ENDFのように核種ごとに改定版をリリースすることはせず,ニ ーズに合わせて特殊目的ファイルに反映したいとの議論があった.

「核データライブラリと臨界実験解析」について松本英樹氏より,ユーザーの 立場から,核データに関する三菱重工のアクティビティーが紹介された.連続 エネルギーモンテカルロ計算(MCNP4C3)により軽水臨界集合体評価を実施し た結果,JENDL-3.3は次期ENDF/B-7候補と考えられるENDF/B-6.8+ORNLの最新 の235Uおよび238Uと同等であることが示された.新たなライブラリ作成に向け て群数,群構造および縮約重み関数についてのサーベイを実施中であり,それ らに対する実効増倍率の依存性が示された.JENDL-3.3を商業用PWRへ適用すべ く検討中であり,核データセンターからの強いサポートへの期待が述べられた. NJOYコードで用いられる多群断面積作成における重み関数や共鳴パラメータの 設定等について意見交換が行われた.

「核種生成量評価とベンチマーク試験」と題して,原研の奥村啓介氏より, SRACコードを用いた高浜3号機-照射後試験(PIE)の解析結果について紹介が あった.核データは,JENDL3.3,ENDF/B(6.5,6.8)およびJEF2.2が用いられ た.主要核種に対する計算値と測定値の一致は良好であるが,238Pu,242Pu, Am,Cmでは差が大きく,C/Eの標準偏差も大きい.標準偏差が大きい核種につ いては,測定値の見直しが必要である.F.P.については,147Pm捕獲反応の核 異性体比の評価が必要であること,149Smでは本来ないはずのC/Eの燃焼度依存 性が見られること,更にEuの同位体の断面積はライブラリ間で大きく異なり, 冷却後の155Gdの生成にも影響することが示された.核種の生成/消滅量につい ては,断面積以上に収率や崩壊定数の依存性が大きく効く核種がある.生成量 が燃焼度との比例関係からずれてくる燃焼度以上の燃焼データでなければ,核 断面積評価の観点からは意味がないとの指摘があった.炉物理ベンチマークシ ステムについても解析の効率化や,実験データ・解析データの継承の観点から 構築が行われていることが紹介された.

閉会に際して,原子炉メーカーである三菱重工業(株)の駒野康男氏より,核 データは核設計の土台であり,経済性の観点から高い設計精度が要求されるこ とから,より不確定性の少ない核データを提供していただきたいとの期待が述 べられた.また,この機会に,第36回日本原子力学会賞を受賞され,その副賞 を核データ部会に寄付された,小林捷平,柴田恵一,中川庸雄,河野俊彦の各 氏に核データ部会より感謝状が贈られた.討論会終了後の懇親会には,多くの 方が参加され,みなと横浜の灯りを観賞しながら遅くまで話に花を咲かせた.

今回初の試みとして,今後の部会活動の活発化を図るための資金として皆様よ り参加費を頂き,諸費用を除いた余剰金は,核データ部会に寄付し今後の活動 資金とさせて頂いた.部会活動の維持と活性化の方法については,今後とも議 論を重ねる必要があると感じている.今回,講義形式を避け,人数も比較的少 ない30人としたことから,両分野における意見交換/人的交流という当初の目 論見は達成されたように感じられたが,題材を原子炉に限ったため,遮蔽など 他分野からの参加がなかったことが反省としてあげられる.また,時間の都合 上割愛した核構造などについては,核データチュートリアルなどでお話が伺え ればと期待している.

2004年秋の大会原子核物理,核データ,核反応工学セッションの概要

(原研) 深堀 智生

本セッションでは,中・高エネルギー核データ(E1-E4),核反応理論・実験 (E5-E7)及び中性子捕獲実験(E8-E12)に関連する12件の発表があった.中・ 高エネルギー核データ関連では,「Cu-63,65 (p,n)反応によるアナログ状態励 起断面積の解析」(村田(アイテル)ら,E1)で,JENDL高エネルギーファイ ル(JENDL/HE-2004)では無視されているが,実験的にCu-63,65 (p,n)反応ス ペクトル中に現れているIsobaric Analog State(IAS)に関する考察があった. 遮蔽計算に実用上は大きな影響は与えないかもしれないが,新しい挑戦的な試 みである.「マグネシウム同位体に対する3GeVまでの核子入射反応の断面積評 価」(渡辺(九大)ら,E3)では,JENDL/HEのための評価に関する報告がなさ れた.軟回転体模型を用いたOPTMANとチャンネル結合法を用いた弾性・非弾性 散乱データをGNASHと組み合わせた特長がある.「392MeV陽子入射によるBe-9, Tb-159,Au-197からの陽子生成断面積の測定」(金(九大)ら,E2)では,阪 大RCNPで九大グループが積層型GSO(Ce)スペクトロメータを用いて測定している (p,px)反応の二重微分断面積(DDX)とJQMDコード,改良QMDコード(基底状態の 密度・運動量分布を広げたもの用いるQMDコード),INCコードで計算した結果と を比較した.改良QMDにより,実験値との一致が良くなかったBe-9の実験結果を 再現できるようになった.「宇宙線中性子誘起シングルイベント現象の初期過 程シミュレーションと関連核データ」(児玉(九大)ら,E4)では,Siの阻止 能・飛程及び半導体内の散乱・反応を記述するための核データとしてのDDXデー タ(ここではLA150を使用,重イオンの角度分布は実験室系等方)を用いて,シ ングルイベント現象のシミュレーションを行っている.重イオンのDDXに角度依 存性を含めると影響が20-30%小さくなる.これから,重イオンDDXの角度分布 データが重要となることが指摘された.

核反応理論・実験の関連の「超高強度レーザーによるCs-135光核変換の可能性」 (高嶋(東大)ら,E5)では,超高強度レーザーと高Zターゲットの組み合わせ によるγ線生成に伴う(γ,n)反応による光核変換の可能性の検討を行った.集 光強度を一桁あげると,変換量は一万倍にもなる(集光強度によりガンマ線の スペクトルが大きく変わる)ことにより,核変換の可能性を示唆した.「選択 チャンネル核分裂モデルによるチャンネル依存の核分裂障壁の解析」(大田 (JNC)ら,E6)では,U-235を例にとって,新しく提案した選択チャンネル核 分裂モデルの検証を行っている.選択チャンネル核分裂モデルは,核分裂生成 物(FP)の対ごとに障壁透過確率を計算し,核分裂収率を計算する.理論的な 核分裂ポテンシャルの代わりに,熱中性子核分裂収率から透過率を推定してい る.まだ,枠組みの検討までしか進んでいないようであるが,今後詳細な検討 を期待したい.「サブバリヤエネルギー領域におけるO-16+U-238反応の蒸発残 留核断面積の測定」(西尾(原研)ら,E7)では,サブバリヤ領域での反応は, O-16が変形したU-238の先端部から融合する描像に可能性が見出すことができる. Fm-250((z,4n)の残留核)を原研タンデムでの実験で検出し,初めて上記描像 の証拠を提出した.

中性子捕獲実験に関して,「Zr-91のkeV中性子捕獲断面積および捕獲γ線スペ クトルの測定」(大釜(東工大)ら,E8)及び「Sn-119のkeV中性子捕獲断面積 および捕獲γ線スペクトルの測定」(西山(東工大)ら,E10)では,超寿命FP 核種(ここでの対象はZr-93及びSn-126で,これらの試料入手が困難であるため, 実験データが無い)の核変換研究のための基礎データを測定するための前段実 験で,Zr及びSn同位体の系統的な測定の一環としてのZr-91,Sn-119の捕獲断面 積の測定であり,それぞれ,捕獲断面積を5-6%及び4%の精度で求めた.実験結 果は両実験ともJENDL-3.3を支持している.「Zr-93の熱中性子捕獲反応で放出 される即発γ線の解析」(中村(JNC)ら,E9)では,捕獲状態からの直接遷移 及び励起状態から基底状態への遷移に関連するγ線強度の和を求め,Zr-93熱中 性子断面積の下限値を得ている.結果は623.7±10.1 mbであり,JENDL-3.3の 2239mbという値と大きく異なっている.「考慮されなかったγ線の寄与分を考 慮してもせいぜい数十%しかあがらないのではないか」と発表者は述べている. 「中性子捕獲断面積測定施設のビーム条件最適化」(水本(原研)ら,E11)及 び「逆円錐型コリメータを用いた中性子遮蔽体の設計」(坂根(JNC)ら,E12) では,マイナーアクチノイド(ここでの対象はNp-237, Am-241,243)の中性子 捕獲断面積の高精度測定のため,京大炉LINACにおける実験設備の整備に関する 報告が行われた.

今回の発表を眺めていると,全体的に国内各機関の協力のみならず海外の研究 者との協力が顕著になっている.また,発表に関して議論が活発に行われれば 行われるほど時間がかかるようになるので,従来どおり座長持ち時間が必要で あると感じた.

企画委員会だより

(サイクル機構) 石川 眞

9月10日,原子力学会の企画委員会(H16第2回)が開かれました.核データに 関連する部分の概要を報告します.

● 2005年春の年会のスケジュールについて

一般研究発表の募集期間は,11/30〜12/16ですが,部会等の企画セッションに ついては,11月12日の企画委員会で第1次案を審議するそうですので,その前 に企画書を提出する必要があります.プログラム編成会議は,来年の1月7日で す.

● 今後の年会・大会の開催場所について

以下のように決定されました.

     2005年春の年会: 東海大(関東・甲越支部),3/29〜31
     2005年秋の大会: 八戸工大(東北支部),9/13〜15
          事務局が視察に行き,こじんまりしていて非常に開催に適している
          との印象を受けたとのことでした.
     2006年春の年会: 新法人の大洗地区(北関東支部).3/24〜26
          (代替候補3/17〜19)
          サイクル機構大洗工学センターの可児副所長が,本委員会で自ら計
          画案をご報告なさいました.(企画委員会では異例のことだそうで
          す.)その説明によりますと,大洗工学センターの中心地区で開催
          することとし,原子炉やホット施設のある区域,原研地区は使わな
          い,警備のために手荷物検査などが必要かもしれない,公共の交通
          機関が不便なので,鹿島線大洗駅と大洗工学センターの間にバスの
          配置を検討している,初日の午前中にある学会賞授賞式・特別講演
          には地元の大洗文化センターを使用する,水戸のホテルだけでなく
          大洗のホテル利用もお願いしたいなどでした.企画委員からは,陸
          の孤島であるので交通の便には充分配慮してほしい,朝と夕方だけ
          でなく日中も最長30分程度待てば大洗駅とセンター間のバスが利用
          できるようにすべきである,3月24日(金)は多くの大学が卒業式
          だがやむを得ないか,大洗工学センターには約1000人の従業員が入
          るので,食堂などの混雑を考えると3/24(金)は振替休日にできな
          いか,などの意見・要望が出されました.
     2006年秋の大会: 札幌または函館(北海道支部)
     2007年春の年会: (中部支部)
     2007年秋の大会: (九州支部)
     2008年春の年会: 阪大(未定)(関西支部)

● 第42回原子力総合シンポジウムについて

来年の5月頃に開くので,そろそろテーマを議論する必要があるとのことです. 九大の委員からは,核燃料サイクルについて,現時点での経済性を優先するの か,長期の資源確保を優先するかの議論がよいのではないかとの意見が出され ました.山下理事が,その頃には原子力委員会の結論が出ていて証文の出し遅 れになるかも知れないとのコメントがありました.今後,基調テーマを募集す るそうです.また,次回から学術会議が全面に出て開くが,学術会議は参加費 (5000〜6000円)をとることができないので,予稿集を同じ金額で買ってもら うこととなろうとの話がありました.

● 学会の共催と協賛のルールについて

各種の会議に,協賛・講演となる案が提出され,全て承認されました.前回議 論となった名大の21世紀COE「同位体が拓く未来」の国際シンポジウム(H17年 9月開催)については,どうしても共催としてほしいとの依頼が出され,議論 の結果,名大の企画委員が企画委員長の指名を受けて組織委員会に参加し,企 画・運営に参加してその結果を企画委員長に報告することで,実質上も共催と するとのことで,承認されました.(ただし,共催金は出ません.)

● 4部会合同日韓サマースクールの報告について

核データ部会,加速器・ビーム科学部会,放射線工学部会,炉物理部会の4部 会が合同で開いた表記サマースクール(7/26〜30,韓国Pohang加速器研究所) について,馬場先生が作成された資料を用いての報告がありました.それに よりますと,参加者85名(講師22,学生(韓国44,日本19))で,非常に盛況 であったとのことです.山下理事からも,学会から資金的な援助をすること は難しいが,ぜひこのような活動は続けてほしいとの激励がありました.

部会員の最近の成果

Y. Iwamoto, (iwamoto@shield4.tokai.jaeri.go.jp) N. Shigyo, D. Satoh,
S. Kunieda, T. Watanabe, S. Ishimoto, H. Tenzou, K. Maehata,
K. Ishibashi, T. Nakamoto, M. Numajiri, S. Meigo, H. Takada
   Measurement of pion induced neutron-production double-differential
   cross sections on Fe and Pb at 870 MeV and 2.1 GeV
   Phys. Rev. C70, 024602 (2004).

N. Nakao, T. Nunomiya, H. Iwase, T. Nakamura
(nakamura@cyric.tohoku.ac.jp)
   MARS14 deep-penetration calculation for the ISIS target station
   shielding
   Nucl. Instrum. Meth., A530, 379 - 390 (2004).

これらの論文入手については,直接著者に連絡してください.