NDDニュースレター 2004年 第5号 (通巻第54号)

2004/6/17

Table of Contents

会合の報告

ICRS-10/RPS2004出席報告

(東工大) 山野 直樹

第10回遮蔽国際会議ICRS-10とANSのRPS2004が2004年5月10日〜14日、ポルトガ ルのフンシャル(マデイラ島)で開催されました。その中でNuclear Data for Shielding Applicationの核データに関するセッションがあり、それに参 加しましたので報告します。核データ関連では、5月10日午後のOral session で11件、5月13日午後のPoster sessionで5件、合わせて16件の発表がありまし た。

Oralでは、日本1件、米国4件、ベルギー1件、フランス1件、ロシア1件、ポー ランド1件、セルビア1件、韓国1件でした。Posterでは、米国2件、ロシア1 件、ポーランド1件、ドイツ1件です。このセッションでは、オーガナイザーの Leal(ORNL)が3件の発表と座長をかけ持ちして大活躍でした。CEA/Saclayの Leray女史と山野も知らないうちに座長にさせられてしまいました。米国は Guber, LealがORELAで行ったCl-35, Cl-37, Si 実験データを基に、共鳴領域 のSUMMYコードによるfittingやENDF/B-VIIに向けての評価活動や共分散解析の 話をしました。大御所のBlock教授はNdの中性子trasmissionとabsorptionの同 時測定の解析を発表しました。PolanskiがQMDの核分裂によるFP生成モデルや He-4〜Pb-207のpion断面積のfittingの話をしました。Titarenkoは中高エネル ギー領域でのMENDL2、IEAF-2001の検証やPb, Biの励起関数の発表、韓国のDo Heon KimはENDF/B-VI.8で作成した群定数の遮蔽ベンチマーク解析結果を発表 しました。LerayはADSにおける欧州中高エネルギー核データ(HINDAS)の話、山 野は革新炉用核データ総合利用システムの発表を行いました。これらの発表資 料はICRS-10のWeb (http://www.itn.mces.pt/ICRS-RPS/presentations.html) から閲覧することができますので興味のある方はご覧になって下さい。

日本のみならず、米国からもマデイラ島は遠かったらしく、ポルトガル航空( TAP Air Portugal)の遅延も重なって結構苦労してこの地を訪れたようでし た。二度と訪れる機会はないと思った参加者は私だけではなかったようです。

会合のお知らせ

原子力学会2004年秋の大会について

(原研) 深堀 智生

6月7日に開催された原子力学会秋の大会のプログラム編成会議の結果を お届けします。敬称は省略させていただきます。最終的には学会のホーム ページなどで確認してください。

● 原子核物理,核データ,核反応工学
9月15日(水) E会場
  9:00-10:00 中・高エネルギー核データ 
    座長: 石橋健二(九大工)
    発表者: 村田徹(アイテル)、金政浩(九大工)、渡辺幸信(九大総理工)、
            児玉章裕(九大総理工)
  10:00-10:45 核反応理論・実験
    座長: 千葉敏(原研)
    発表者: 高柳隆太(東大院工)、太田雅之(サイクル機構)、西尾勝久(原研)
  10:45-12:00 中性子捕獲実験
    座長: 馬場護(東北大)
    発表者: 大釜和也(東工大)、中村詔司(サイクル機構)、西山潤(東工大)、
            水本元治(原研)、坂根仁(サイクル機構)

● 核データ部会総会
9月16日(木) B会場 12:00-13:00

● 部会合同企画セッション(炉物理部会、核データ部会)
「核データ・炉物理研究と社会の係わり(中間報告)」
9月16日(木) B会場 13:00-15:00

部会員の最近の成果

T. Kai (tetsuya.kai@j-parc.jp), M. Harada, M. Teshigawara,
N. Watanabe, Y. Ikeda
   Coupled hydrogen moderator optimization with ortho/para
   hydrogen ratio
   Nucl. Instrum. Meth., A523, 398 (2004).

T. Ino, M. Ooi, Y, Kiyanagi, Y. Kasugai,
F. Maekawa (fujio@cens.tokai.jaeri.go.jp), H. Takada, G. Muhrer,
E.J. Pitcher, G.J. Russel
   Measurement of neutron beam characteristics at the Manuel Lujan
   Jr. neutron scattering center
   Nucl. Instrum. Meth., A525, 496 (2004).

これらの論文入手については,直接著者に連絡してください.

核データ部会からのお知らせ

● 現在の部会員数:147名

●「部会員の最近の成果」に載せる情報をNDDeditors@ndc.tokai.jaeri.go.jp までお知らせ下さい.