NDDニュースレター 2002年 第10号 (通巻第34号)

2002/10/3

Table of Contents

会合の報告

日本原子力学会2002年秋の大会核データ部会総会

核データ部会総会総会概要(案)

日時:平成14年9月16日 12:00〜13:00
場所:いわき明星大学 (C会場)
出席者:小林部会長他, 計20名

大澤運営委員の進行で進められた。

1.開会挨拶 (小林部会長)

上半期の動きについて以下の概要紹介があった。

  1) 部会員増を図るため、皆さんの周辺に居られる方々を勧誘して欲しい
    (学生さんも大いに期待しています)。
  2) 学会誌のモニターを募集中であり、こちらも勧誘の方お願いしたい
    (学生も可)。適切な方をお誘いし、その方のお名前、所属を部会長まで
     ご一報いただきたい。
  3) プルサーマルについても是非、核データ部会からも寄稿をお願いしたい。
  4) 二法人統合に関する要望書については、部会としての要望を原研、サイク
     ル機構の両理事長に提出した旨報告があった。
  5) H15予算改善ワーキンググループが、早速、9/19に開催されることに
     なったが、核データ部会としては村田運営委員(会計担当)にお願いし、
     代理として松村運営委員にお願いしたい。
  6) 春の年会での日韓ジョイントセッションの対応について話し合われたが、
     企画を中心に続けて検討していくことになった。

2.報告事項 (企画、編集、会計)

● 企画

原田運営委員より、二法人統合に関する要望書の準備、経緯について説明があ り、核データ部会として、原研に9/9,サイクル機構に9/13に提出したことが 報告された。文部科学省については、既に意見公募がHPにおいて開始されてい ることもあり、見合わせることになった。学会としても9月中に何らかの要望 書をまとめ、成合会長名で関係の機関に提出するようである。

● 編集

深堀運営委員より、

  1) Newsletter 第4号〜第9号を発行したこと、
  2) 編集にはいろいろの情報を送って欲しいことと、HPのデザインを募集中
     であるので、こちらの方も協力して欲しい旨、
要請があった。

● 会計

村田運営委員より、資料配布2をもとに、平成13年度会計報告および平成14年 度予算案について説明があり、承認された。会員管理費以外は未支出の状況に ある。

3.審議事項

● 法人統合に関する要望書の件

井頭運営委員から、要望書を出すことになった経緯の補足説明があった。統合 後の新法人が実施する基礎基盤研究について 統合準備委員会と学会での意識 の違いが危惧されたため、要望書を出すことになった。また、原子力学会の要 望書についても、要望書をまとめるように言い出した核データ部会が0次案を 作成することになったことが紹介された。

● 「大強度陽子加速器計画に関する4部会要望書」について

この件に関して、北大の鬼柳先生からの説明では、4部会から提案する事にな り、現在、他部会からも概ね了解を得ており、学会の企画委員会には報告済み で、理事会に諮るかどうかは検討中である。また、文部科学次官などへの提出 も検討中と言うことである。また、この要望書の中に、KEKにおけるニュート リノ研究の記述があるが、ニュートリノを発生させる技術には、原子力開発に も役立つ技術も含まれていることを参考情報としてお知らせしたいとのコメン トがあった。

● 企画、編集に関する審議事項(次回「春の部会」での部門企画セッション)

  1) 吉田先生より2時間の枠を申し入れており、講演者、テーマ、座長を
     11月頃までに連絡する必要があるとのことであった。
  2) 日韓ジョイントセッションとの関係がはっきりしてから議論をしてはど
     うか?両方を実施することは困難ではないか? と言う意見もあった。
  3) 加速器・ビーム科学部会長の馬場先生より、以下の紹介があった。加速
     器・ビーム科学部会の石橋先生がKAERIのJ. Chang氏と調整中である。韓
     国側は加速器の遮蔽用の核データが必要である要望があり、韓国側から
     加速器・核データの合同セッション開催の提案がある。
  4) 日韓ジョイントセッションは来年春の年会(佐世保)のみではなく継続
     的に実施することを検討したい。と言うことであったが、この件につい
     てははっきりしていない点もあり、今後はメールなどで意見交換を行っ
     ていくこととなった。

4.その他

  1) 16年度に大学が独立行政法人化する。これに伴い、独立予算のため、
     大学の加速器、原子炉などの設備が消えていく可能性がある。大学にお
     ける動きについても要望書を検討頂きたい、と言う意見があった。
  2) 大強度陽子加速器計画に関連して施設の利用計画の募集がある。部会か
     らも要望を出したいと考えている旨、企画担当から返答があった。

IAEA主催「国際原子炉ドシメトリーファイルIRDF-2002に関する技術会合」

(原研核データセンター) 柴田 恵一

標記の会合が8月27日〜29日の3日間ウィーンのIAEA本部で開かれた.この会合 は,1993年に公開されたドシメトリーファイルIRDF-90V2が些か古くなってお り,これをアップデートしたいというIAEA Nuclear Data Sectionの意図によ り企画された.参加者は,L.Greenwood(米国), W.Mannhart(ドイツ), E.Zsolnay(ハンガリー), K.Zolotarev(ロシア), O.Bersillon(フランス), A.Nouri(NEA), R.Paviotti-Corcuera, A.Nichols, A.Trkov, V.Zerkin(IAEA) 及び筆者であり,こぢんまりとした会合であった.

基本的に,IRDF-2002のために新評価を行うというのではなく,既存の JENDL/D-99やロシアのRRDF-98をベースにIRDFを改訂すると言うことである. 既にE.Zsolnay女史により路線は決められており,本会合はそれを確認し,各 人に作業を分担させるというのもであった.私も幾つか宿題を仰せつかってし まいました.

IRDF-2002では断面積データに加え,残留核の半減期,ガンマ線の強度等の崩 壊データ及び同位体組成比がファイル化されることになった.O.Bersillonが これらのデータのファイル化を担当する.

ベンチマークテストは,Cf252核分裂スペクトル,熱中性子マックスウェル分 布,1/E分布,14MeV中性子源での測定値を考慮して行う.因みに,ベンチマー クテスト結果に基づくベストデータの決定は,E.Zsolay, L.Greenwood, W.Mannhartが行う.

タイムスケジュールとしては,今年の11月末までに試験版を作成し,ベンチマー クテストを経て,来年の10月末までに新ライブラリーを公開するとのことであ る.その為,私も本年10月末締め切りの仕事を引き受ける羽目になった.

8月末のウィーンは晴天続きで大変暑く,4泊6日の疲れる出張であった.

CGS11

Eleventh International Symposium on Capture Gamma-Ray Spectroscopy
and Related Topics

(東工大原子炉研) 井頭 政之

標記シンポジウムが2002年9月2〜6日の5日間、チェコのPrague 郊外の静かな 村、Pruhoniceで開催された。参加者は150名足らず、日本からは北沢、松嶋 (防大)、永井(阪大)、中田(千葉大)、古高(JNC)、金子(九産大)、堀端(青森大)、 水先(自然科学研)、大崎、松本、齋藤、筆者(東工大)の12名(敬称略)が参加し た。基調講演1件、口頭発表78件、ポスター発表約60件からなり、トピックス と口頭発表数(日本人)は、

  1) Nuclear Structure:23件
  2) Nuclear Reactions:10件 (井頭)
  3) Statistical Properties of Nuclei:12件
  4) Nuclear Astrophysics:13件 (永井、大崎)
  5) Nuclear Data:4件
  6) Applications:4件
  7) Facilities:6件
  8) Fundamental Physics:6件

であった。Nuclear Structureが圧倒的に多く、また、Nuclear Astrophysics の台頭がここ数回目立っている。Nuclear Dataのセッションでは、

  1) M. Chadwick: Nuclear Modeling of (n,xγ) Reactions and
     Determination of Partial Cross Sections
  2) R. Firestone: New Capture Gamma-Ray Library and Atlas of Spectra
     for All Elements
  3) M. Herman: EMPIRE-II and its Application to the Radiative Neutron
     Capture
  4) G.L. Molnar: New Intensities for High Energy Gamma-Ray Standards

の発表があった。次回は2005年に米国Notre Dame大学で開催することが決定し た。尚、少し詳しい記事を核データニュースに書きましたので、興味のある方 はそちらをご覧下さい。

会合の案内

M&C 2003

The American Nuclear Society's Mathematics and Computation
Topical meeting, M&C 2003
April 6-10, 2003, Gatlinburg, Tennessee, USA.
http://meetingsandconferences.com/MC2003/

部会員の最近の成果

O. Iwamoto (iwamoto@bisha.tokai.jaeri.go.jp), T. Nakagawa
   Evaluation of Neutron-Induced Reactions on ^238^Pu for JENDL-3.3
   JAERI-Research 2002-013 (2002)

これらの論文入手については,直接著者に連絡してください.

核データ部会からのお知らせ

● 現在の部会員数:140名

●「部会員の最近の成果」に載せる情報をNDDeditors@ndc.tokai.jaeri.go.jp までお知らせ下さい.