NDDニュースレター 2002年 第9号 (通巻第33号)

2002/8/30

Table of Contents

トピックス

Los Alamos滞在記

(九大総理工) 河野 俊彦

1年程前に九大の執行さんの方から全く同じ表題の記事をNDD Newsletter No.22に投稿して頂きましたが,私も今年7月中旬から1ヵ月間,LANLの Theoretical Division(T-Div)に滞在しておりましたので,その様子を簡単に 報告させて頂きます.

私の訪問先はT-Divの中のT-16という所で,Mark Chadwickをグループリーダと する原子核理論のグループです.このグループは,元もとT-2とT-5が合併して 出来た新しいグループで,核物理の基礎から応用に至る幅広い活動を行ってい ます.私は滞在期間中,U235の断面積に関する仕事をしていましたが,私の Visaでは何故かneutrino の研究を行う,となっていました.もちろんneutron の書き間違いですが,正式な書類ですので,表向きにはneutrinoをやっている ことになってしまいました.

T-Divの建物は国道に面しており,以前はセキュリティもさほど厳しくなかっ たそうですが,昨年のテロ以降,出入りがかなり厳しくなっています.

夏は雨のシーズンにあたるそうで,しばしば雨が降りました.雨期と言っても 日本の梅雨のようなものでは無く,2日に1度程度雷雨があり,それ以外は快晴 という変な天気です.落雷で町全体が停電になったことがありましたが,翌日, 落ちたワークステーションが起動しないというトラブルがあちこちで起こり, 大変でした.こういう時に限って管理者が休暇中だったりします.

夏は観光シーズンでもあり,サンタフェでは色々な催し事が行われています. サンタフェオペラは特に有名で,立見席の切符で見に行きましたが,1幕終了 後,空いていた席に案内してもらえました.また室内楽コンサートも毎晩開か れており,2回ほど聞きに行きました.切符は3〜4000円程度で,かなり有名な ソリストも出演し,お薦めです.もっともコンサートが終わってロスアラモス に帰り着くのは深夜になりますので,夜更しと夜間ドライブが苦手な人には厳 しいかもしれません.

会合の案内

核データ部会総会

原子力学会秋の年会(平成14年9月14-16日,いわき明星大学)において,下記の 通り核データ部会総会を開催いたしますので,是非ご出席下さい.

日時:平成14年9月16日(月)12:00-13:00
場所:C会場(講義館105講義室)

なお昼食を実費にて用意いたしますので,必要な方は9月5日(木)までに,原田 (harada@tokai.jnc.go.jp)へその旨ご連絡下さい.それ以降は,各自手配願い ます.

平成14年度核データ研究会

主催:本会「シグマ」特別専門委員会,日本原子力研究所シグマ研究委員会
日時: 2002年11月21日(木),22日(金)
場所: 日本原子力研究所 東海研究所 先端基礎研究交流棟会議室(茨城県東海村)

○予定講演と講師

1. JENDL-3.3の完成
      JENDL-3.3の概要                               柴田 恵一 (原研)
      JENDL-3.3の積分テスト(熱中性子炉)             奥村 啓介 (原研)
      JENDL-3.3の積分テスト(高速炉)                 千葉 豪   (JNC)
      JENDL-3.3の積分テスト(遮蔽)                   山野 直樹 (SAE)
2. トピックス
      ニュートリノ物理の新展開                      丹羽 公雄 (名大)
      原子核質量公式とその周辺(天体物理への応用)    小浦 寛之 (理研)
      共鳴トンネル核分裂におけるアクチニド原子核の核分裂片質量数分布
                                                    西尾 勝久 (原研)
3. 国産核データライブラリーに対する産業界からの要望
      産業界からの要望                              丸山 博見 (GNFI)
                                                    田原 義壽 (MHI)
      核種生成量評価WGからの要望                    安藤 良平 (東芝)
      MISTRAL                                       山本 徹   (NUPEC)
      材料損傷評価の観点からの要望                  福谷 耕司 (INSS)
4. 国際セッション
      Th-232の中性子反応断面積の計算と解析          Y.Han     (CIAE)
      TRR-1/m1研究炉気送管内の中性子スペクトル   V.Kajornrith (OAEP)
      TRIGA MARK II研究炉のモンテカルロシミュレーションを用いた
      JENDL-3.2, -3.3及びENDFのベンチマークテスト   M.D. Huda (INST)
5. JENDL FP核データ評価の現状と今後
      FP核データ評価の歴史                          川合 將義 (KEK)
      最新の実験データ                              井頭 政之 (東工大)
      新しい活動                                    河野 俊彦 (九大)
6. ポスターセッション(33件)

講演題目は全て予定です.講師の方の敬称は省略させていただきました.参加
無料.但し参加希望の方は11月8日(金)までに事前登録して下さい.

問合せ・申込先: 〒319-1195  茨城県那珂郡東海村白方白根2-4
                             日本原子力研究所 核データセンター
                Tel: 029-282-5907, FAX: 029-282-6216
                e-mail: fukahori@ndc.tokai.jaeri.go.jp
WWW: http://wwwndc.tokai.jaeri.go.jp/nds/index_J.html

部会員の最近の成果

T. Kawano (kawano@aees.kyushu-u.ac.jp), K. Shibata
   Uncertainty Analyses in the Resolved Resonance Region
   of ^235^U, ^238^U, and ^239^Pu with the Reich-Moore
   R-Matrix Theory for JENDL-3.2
   J. Nucl. Sci. Technol. 39[8], 807 (2002)

E.Sh. Sukhovitskii, S. Chiba (sachiba@popsvr.tokai.jaeri.go.jp),
J. Lee, Y. Lee, J. Chang, T. Maruyama, O. Iwamoto
   Nuclear Level Structure, B(E2) Gamma-transitions and Nucleon
   Interaction Data for ^56^Fe by a Unified Soft-rotator Model
   and Coupled-Channels Framework
   J. Nucl. Sci. Technol. 39[8], 816 (2002)

M. Harada (harada@cens.tokai.jaeri.go.jp), M. Teshigawara, T. Kai,
H. Sakata, N. Watanabe, Y. Ikeda
   Neutronic Optimization of Premoderator and Reflector for
   Decoupled Hydrogen Moderator in 1 MW Spallation Neutron Source
   J. Nucl. Sci. Technol. 39[8], 827 (2002)

Y. Peryoga, M. Saito (msaitoh@nr.titech.ac.jp), V. Artisyuk,
A. Shmelev
   Effect of Transplutonium Doping on Approach to Long-life Core
   in Uranium-fueled PWR
   J. Nucl. Sci. Technol. 39[8], 838 (2002)

A. Yamamoto (a-yama@nfi.co.jp), T. Ikehara, T. Ito, E. Saji
   Benchmark Problem Suite for Reactor Physics Study of LWR Next
   Generation Fuels
   J. Nucl. Sci. Technol. 39[8], 900 (2002)

これらの論文入手については,直接著者に連絡してください.

核データ部会編集委員会からのお知らせ

核データ部会ホームページの画像募集

核データ部会のホームページ

http://wwwndc.tokai.jaeri.go.jp/~ndd/index.html

にある画像を募集いたします.現在の画像は断面積のグラフをデザインしたも のになっていますが,部会員の皆様から頂いた画像を一定期間,簡単な説明と 共にこの部分に表示いたします.実験施設の写真やイラスト等,内容はなんで も構いませんが,できれば核データに関連したものをお願いします.

画像サイズ : 縦200dot x 横300dot程度
フォーマット : jpg, gif, png

上のフォーマット以外でも受付ますが,編集の方で変換させていただきます. 画像を添付の上,編集委員 NDDEditors@ndc.tokai.jaeri.go.jp までメー ルでお送りください.なお,画像には簡単な説明をお願いします.また画像説 明から研究機関へのリンクを付けたい場合は,その旨御連絡頂ければ対応いた します.

核データ部会からのお知らせ

● 現在の部会員数:133名

●「部会員の最近の成果」に載せる情報をNDDeditors@ndc.tokai.jaeri.go.jp までお知らせ下さい.