NDDニュースレター 2002年 第7号 (通巻第31号)

2002/6/28

Table of Contents

会合の報告

第3回日韓ジョイントセッションに出席して

(武蔵工大) 吉田 正

● これまでの経緯

核データ部会と炉物理部会合同で「日韓ジョイントセッション」第1回が開催 されてから,この5月でちょうど1年になる。第1回は済州島(Cheju)での 韓国原子力学会春季学術発表会の枠内で,第2回は札幌での日本原子力学会秋 の大会の枠内で,それぞれ行われた。韓国側は核データと炉物理が分かれてお らず,Reactor Physics and Computation Science Division が両分野をカバー している。

● 光州

今回から,学術発表会は韓国原子力学会と大韓放射線防禦学会の共催となり, 南西部の都市,光州(Gwangju)の朝鮮大学校で,5月23〜24日に開催さ れた。光州は行政上は全羅南道の道庁所在地であり,われわれの世代には1980 年の光州事件の記憶が生々しい。また2年ごとに開催される現代芸術の祭典, 「光州ビエンナーレ」でも知られ,今年は開催年にあたっている。ワールドカッ プの開催地でもある。朝鮮大学校は,若い人が多く活気に満ちた市街地から東 に広がる丘陵の裾野にある。キャンパスは広く,緑が豊かである。

● 会議

ジョイントセッションは5月24日に開催され,午後いっぱいを取り,日本6 件,韓国5件の計11件の発表が行われた。うち4件が核データ,7件が炉物理 であった。核データの4件は,Tc-99の捕獲断面積測定(京大炉の李三烈氏が日 本側に立って発表),Mo-95,Tc-99,Ru-101,Rh-103の評価(KAERI),JENDL FP Decay Data File 2000の紹介(吉田),鉄56の二重微分断面積の評価(KAERI) である。韓国の評価活動は,網羅的でこそないが,Methodologyや使用コード が日本とは違っているので相補いあえる仕事であると言えよう。Abstractsだ けが製本され,論文そのものはCD-ROMで渡された。ハングルが(従って内容の はぼ99%が)文字化けするため,このCD,未だにうまく読めないのだが,今 後も解読に努力するので,韓国側の発表に興味のおありの方はご連絡頂きたい。

● おわりに

私は韓国は三回目なのだが,前2回は,この冬急逝された釜山大学校の李大遠 先生に丸ごとお世話になった。単独行は初めての経験であり,ハングルを読め ない私としては,少々心細い旅でもあった。もし,九大の工藤先生や東北大の 岩崎先生のグループに,前夜,ホテルでお会いできなかったら,ちゃんと会場 にたどり着けたかどうか。おおいに心許ない。この秋,韓国ではPHYSOR2002が あるので,秋の大会での合同セッションは予定されていない。従って,半年以 上の時間的余裕があるので,核データ部会として,今後このジョイントセッショ ンをどう位置づけ,継続して行くのか,一度落ち着いてご議論願いたい。

会合等のお知らせ

核データ研究会発表論文募集

開 催 日: 2002年11月21日(木)、22日(金)
会   場: 日本原子力研究所東海研究所 先端基礎研究交流棟大会議室
発表論文登録: 6月26日(水)18:00
http://wwwndc.tokai.jaeri.go.jp/nds/regist1_J.html

原子力学会2002年秋の大会

9月15日(日)13:00 - 15:00 「核データ・炉物理特別会合」
                                      座長: 吉田 正 (武蔵工大)
 (1) 核燃料サイクルと核データ
   1. 核燃料サイクル用核データ
                                         原田 秀郎 (サイクル機構)
    2. 各種核データライブラリーによるPIE解析
                                                 奥村 啓介 (原研)
    3. JENDL FP Decay Data File 2000と日米の崩壊熱スタンダード 
                                                 片倉 純一 (原研)
 (2) 半導体メモリのシングルイベントアップセットの研究  
                                                 渡辺 幸信 (九大)

9月16日(月)9:00 - 11:25
    「原子核物理、核データ、核反応工学」関連のセッション (9件)
9月16日(月)12:00 - 13:00
    「核データ部会総会」
9月16日(月)13:00 - 15:45
    「原子核物理、核データ、核反応工学」関連のセッション (10件)

NEA online bulettin

Nuclear Energy Agency (NEA)の最新版のニュースレターが以下のURLにあります。

http://www.nea.fr/html/new.html

MEDIUM02

The Kyudai-RCNP International Mini-Symposium
on Nuclear Many-Body and Medium Effects
in Nuclear Interactions and Reactions (MEDIUM02)
October 25 - 26, 2002, Kyushu University, Fukuoka, Japan
http://www.rcnp.osaka-u.ac.jp/~medium02

SNA'2003

International Conference on Supercomputing
in Nuclear Applications, SNA'2003
22-24 October 2003 at the Palais des Congres, Paris, France
http://sna-2003.cea.fr/

部会員の最近の成果

S. Ishimoto (isimoto@meteor.nucl.kyushu-u.ac.jp), K. Ishibashi, H. Tenzou,
T. Sasa
   Neutronics Study on Accelerator Driven Subcritical Systems
   with Thorium-based Fuel for Comparison between Solid and Molten-salt
Fuels
   Nucl. Technol., 138, 300 (2002).

A. Kimura (kimuratsu@popsvr.tokai.jaeri.go.jp), E. Takada,
Y. Hosono, M. Nakazawa, H. Takahashi, H. Hayami
   New Techniques to Apply Optical Fiber Image Guide
   to Nuclear Facilities
   J. Nucl. Sci. Technol., 39, 603 (2002).

S. Ishimoto (isimoto@meteor.nucl.kyushu-u.ac.jp), T. Omori,
H. Arima, K. Ishibashi
   Simple Calculation of Reactor Antineutrino Energy Spectrum
   by the Use of Nuclear Data Libraries
   J. Nucl. Sci. Technol., 39, 670 (2002).

これらの論文入手については、直接著者に連絡してください。

核データ部会編集委員会からのお知らせ

核データ部会ホームページの画像募集(再掲載)

核データ部会のホームページ

http://wwwndc.tokai.jaeri.go.jp/~ndd/index.html

にある画像を募集いたします.現在の画像は断面積のグラフをデザインしたも のになっていますが,部会員の皆様から頂いた画像を一定期間,簡単な説明と 共にこの部分に表示いたします.実験施設の写真やイラスト等,内容はなんで も構いませんが,できれば核データに関連したものをお願いします.

画像サイズ : 縦200dot x 横300dot程度
フォーマット : jpg, gif, png

上のフォーマット以外でも受付ますが,編集の方で変換させていただきます. 画像を添付の上,編集委員 NDDEditors@ndc.tokai.jaeri.go.jp までメー ルでお送りください.なお,画像には簡単な説明をお願いします.また画像説 明から研究機関へのリンクを付けたい場合は,その旨御連絡頂ければ対応いた します.

核データ部会からのお知らせ

● 現在の部会員数:133名

●「部会員の最近の成果」に載せる情報をNDDeditors@ndc.tokai.jaeri.go.jp までお知らせ下さい。