NDDニュースレター 2001年 第15号 (通巻第24号)

2001/12/21

Table of Contents

部会運営委員選挙

運営委員選挙の通知

核データ部会員  各位

  核データ部会運営委員会内規に則って2002年度の運営委員、総数は14名を選
出するため更田豊治郎(現部会長)、川合將義(現運営委員)、片倉純一(部
会員)の3名によって選挙管理委員会が発足致しました。
  下記の方法と日程で選挙を行いますので、皆様のご協力をお願い致します。


                                           日本原子力学会  核データ部会
                                                 運営委員選挙管理委員会
                                                     委員長  更田豊治郎


                                  記

(1) 候補者の推薦
  運営委員の候補者は、部会員2名以上の推薦する者とすることになっており
ます。
    2001年12月27日(木)までにEメールアドレス:

   NDDstc-ele@ndc.tokai.jaeri.go.jp

宛に推薦する候補者名をご指名下さい。
  なお、候補者は、連名で複数の候補を推薦されることが望ましく、その場合
6名までにして下さい。

(2) 投票
  2002年1月16日に候補者リストを示します。2002年1月31日までに上記(1)の
Eメールアドレス宛に、候補者リストの中から不信任とする者を投票下さい。
  不信任投票の少ない候補者の順に当選者とします。

  なお、選挙管理委員会の委員は、候補者になることはできません。運営委員
会の内規については

http://wwwndc.tokai.jaeri.go.jp/~ndd/naiki.html

をご覧下さい。
また、選挙についてのご質問は、候補者推薦の宛先と同じEメールアドレス:
NDDstc-ele@ndc.tokai.jaeri.go.jp に下さい。

会合の報告

IAEA協力研究計画 RIPL-2 第3回研究調整会合報告

(原研核データセンター)深堀 智生

e-mail: fukahori@ndc.tokai.jaeri.go.jp

平成13年12月3日〜7日、オーストリア、ウィーンのIAEA本部にて開催された IAEA協力研究計画 (IAEA/CRP)「核データ評価のための原子核模型パラメータ のテスト(RIPL-2)」第3回研究調整会合に出席した。

平均中性子共鳴準位間隔に関して、中国、Minsk、Obninsk、Brusselsのデータ を比較した結果、ほぼ一致している。これらを含めたObninskの最新の解析結 果を最終ファイルとする。

光学模型パラメータ(OMP)に関して、中性子及び陽子に対する新しいグロー バルOMPのエネルギー依存式を提唱した。この式を用い、中性子実験データ70 核種、陽子実験データ14核種にフィッティングしてOMP(Koning OMP)を求め た。これにより、質量数A=24-209の核種に対して、1 keV - 200 MeVでの解析 結果を1つの式で与えることに成功した。また、準ミクロスコピックなアプロー チ(Jeukenne-Lejeune-Mahaux)により、グローバルOMPを作成した。このポテン シャル計算に必要な核子密度分布を表形式で提供することとした。上記及び各 国から提供されたパラメータをRIPL-2に格納した。これにより、全体で414種 類のOMPデータを格納した。

Hartree-Fock-Bogolyubov (HFB)、Finite-Range Droplet Model (FRDM)及び Audiらの質量表 (1995)を格納した。質量表に与えられた核種数は9000を超え る。HFBによる質量のAudiらのものからの残差は553 keV以下である。さらに、 BNL Wallet Cardの同位体存在比データをファイル化した。

ENSDFからA=1-266, Z=0-109にわたる2546核種の離散準位データベースを作成 した。159323のγ線遷移データも含んでいる。この離散準位データを基に625 核種に対する準位密度(Constant Temperature Model (CTM))に関連するパラ メータのファイルも作成した。

準位密度パラメータ(LDP)について、全準位密度及び部分準位密度に分けて 検討した。全準位密度に関しては、以下にあげる公式毎に検討した。 Gilbert-Cameron (GC)モデルに関しては、元々GCが与えたshell & pairing correctionを使うべきであることが報告され、これもRIPL-2に格納する。 Back- Shifted Fermi Gas (BSFG) モデルに関しては、ObninskデータをRIPL-2 とに格納する。Generalized Super-fluid Model(GSM)に関して、shell correctionにはMeyer-Swiateckiを使用し、この表もRIPL-2に含むこととした。 部分準位密度に関するいくつかの式からサブルーチンを作成し、RIPL-2ファイ ルとすることとした。また、HF-BCS, FRDM等のミクロスコピックなモデルから 求められた部分準位密度もRIPL-2として格納する。

核分裂関連データを核分裂準位密度のサブセグメントから新しいセグメントと して独立させることになった。核分裂障壁に関して、Extended Thomas-Fermi plus Strutinsky Integral (ETFSI)の枠組みで検討した結果を報告した。また、 RIPL-1で与えられていたSmirenkin及びMaslovのもの格納する。鞍点でのLDPを、 ETFSIの枠組みで、核分裂障壁及び変形パラメータから求めた。BSFGの形で内 側及び外側の障壁におけるLDPを与えた。

γ線強度関数については、E1共鳴に関して、使用した式の違いによる結果の比 較を行い、最も良いものを整理して、RIPL-2に含める。中性子ドリップライン 近傍では中性子ハローのため傾向が異なってくることを示し、ミクロスコピッ クな計算により求めた核温度に依存しないE1強度関数をRIPL-2に入れることと した。

以上のようにデータの格納状況を確認し、不足分及び修正分は2002年1月まで にIAEAに送付することを合意した。また、最終報告書のIAEA-TECDOCの原稿に 関して、2002年2月までに各担当部分を執筆することとした。本CRPの成果はラ イブラリ(RIPL-2)として2002年夏頃、wwwやCD-ROMで公開予定である。これに より原子核模型計算のための多くのパラメータの精度が向上し、入手が容易に なる。

会合等のお知らせ

核データ研究のプログレスレポート

シグマ研究委員会(原研)では、2001年になされた核データ関連研究のプログ レスレポートを作成します。執筆依頼文書が次の URL にありますので、ご覧く ださい。

http://wwwndc.tokai.jaeri.go.jp/JNDC/renraku/011205ProgRep.html

EMPIRE-II

(九大) 河野 俊彦

IAEAとBNL NNDCのWebページから,M.Hermanらによる核反応計算コードシステ ムであるEMPIRE-IIがdownloadできるようになっています.

http://www-nds.iaea.or.at/empire/
http://www.nndc.bnl.gov/nndcscr/model-codes/empire-ii/

直接過程,前平衡過程,複合核過程の全てを含む計算が簡単な操作によって行 える他,計算パラメータライブラリRIPLとの連携,EXFORからのデータの自動 取得,計算結果と実験データのグラフ化,結果のENDF-VIフォーマットへの変 換,等を含んだ統合的なコードシステムとなっています.なお,GUIによる操 作を行うにはLinuxが必要です.

不安定核物理に関する国際シンポジウム(ISPUN02)

The International Symposium on Physics of Unstable Nuclei (ISPUN02) will be held at Halong Bay (Vietnam) from November 20 to 25, 2002. It is organized by the Institute for Nuclear Science & Technique (INST, Hanoi) and Institute of Physics (IOP, Hanoi), and sponsored by The Institute of Physical and Chemical Research (RIKEN, Japan), Natural Science Council of Vietnam (NSCV) and Vietnam Atomic Energy Commission (VAEC).

詳細は以下をご覧ください。

http://www.vaec.gov.vn/inst/ispun02

部会員の最近の成果

C. Ichihara(ichihara@rri.kyoto-u.ac.jp), S. Hayashi,
I. Kimura, J. Yamamoto, A. Takahashi
    Measurement of Leakage Neutron Spectra from
    a Spherical Pile of Niobium Bombarded with 14 MeV Neutrons
    and Validation of Its Nuclear Data
    J. Nucl. Sci. Technol, 38, 959 (2001)

核データ部会からのお知らせ

● 現在の部会員数:134名(2001年12月10日現在)

●「国際会議等の会合」や「部会員の最近成果」に載せる情報を、 NDDeditors@ndc.tokai.jaeri.go.jp までお知らせ下さい。