NDDニュースレター 2001年 第4号 (通巻第13号)

2001/3/22

Table of Contents

会合の報告等

ND2001プログラム部会速報

中川 庸雄(原研核データセンター)

3月8日にND2001プログラム部会が三菱総合研究所大会議室にて開催されました. それに先だって,1月30日よりNEAのWebサイトにおいて,Abstract Review作業 が行われており,プログラム部会当日はReview結果に基づいて,講演の採択・ 棄却決定,口頭発表者の選択,プログラムの大まかな枠の作成が行われました.

審査した全Contributed paperの数は602件(内3件はinvited talkとして採択) で,発表申込が多かった上位5ヶ国は,ロシア(131件),日本(116件),アメリ カ(39件),フランス(31件),中国(30件)となっています.

8日の作業終了の段階で,

    Keynote talks            4
    Invited talks           54
    Contributed papers     509
となりました.contributed paperの内訳は,口頭発表118件,ポスター発表 391件です.Contributed paperは,全体数が90件減りましたが,その内訳は棄 却と取り下げが合計40件,他の発表と合併されたものが50件です.

ND2001事務局では現在,この結果を基にプログラム枠の微調整や,口頭発表者 の重複のチェック等の検討を行っています.プログラム部会の結果は,3月下 旬もしくは4月上旬に著者の方に連絡される予定です.その後,著者からの返 答によってはさらに変更される可能性があります.従って上記の数は最終的な 値ではありません.

炉定数整備専門家会議報告

片倉 純一 (原研核データセンター)

原研エネルギーシステム研究部核データセンター主催で,炉定数整備専門家会 議を平成13年2月22,23日,原研東海研第5会議室においてを開催した.原研内 外からの参加を得て,総勢59名(内,原研34名,所外25名)の参加者であった.

JENDL-3.3の評価が予定通りに行われており,まもなく公開される予定となっ ているが,JENDL-3.3が広く使われるためには,炉定数にするための処理を行 う必要がある.現在,各分野で使用されている炉定数についてその作成法や問 題点,更には,現在進められているJENDL-3.3に基づく積分テストにおける使 用経験,核変換技術開発での炉定数使用の問題点等,炉定数をめぐる最近の話 題について,講演及び議論が行われた.会議のセッションとして,熱炉,臨界 安全,高速炉,高エネルギー領域,燃焼計算,遮蔽,標準炉定数に分け,それ ぞれの分野における炉定数についての講演・議論が行われた.

また,会議の最後にはまとめとして,標準炉定数に関するフリーディスカッショ ンを行い,参加者の共通認識として作成主体がどこになるにせよreferenceと なるライブラリーが必要であるということが確認された.

なお,本会議の報告書として,英文の報文集(JAERI-Conf)を発行予定である.

原子力学会企画委員会報告

吉田 正 (武蔵工業大学)

3月14日(水)に日本原子力学会第6回企画委員会が東京で開催されました.当部 会の運営に直接関係する項目を中心に審議事項の概要を報告します.

● 新部会の設立

再処理・リサイクル部会の設立が承認された.

● 研究専門委員会の設立承認と設置期間の延長

1) 以下の研究専門委員会の設立が承認された.

   「再処理技術」研究専門委員会
   「核燃料新技術と応用」研究専門委員会
   「可搬・簡易放電型核融合中性子・陽子源」研究専門委員会
   「照射損傷評価」研究専門委員会

2) 以下の研究専門委員会の設置期間の延長が承認された.

   「先進核燃料サイクル物質科学」研究専門委員会
   「水化学最適化」研究専門委員会
   「先進的自由電子レーザー」研究専門委員会
   「核融合エネルギー総合システム」研究専門委員会
   「核融合エネルギー取出し先進熱システム」研究専門委員会

● 企画委員・プログラム委員の選任について

平成13年度に任期満了となる企画委員・プログラム委員の候補者が推薦され, 次回企画委員会で選任される.核データが主に関係する第二区分の現委員と任 期満了年度は以下のとおり.

1) 企画委員

    鬼柳善明 (北大, 平成13年度)
    上蓑義明 (理研, 平成14年度)
    石橋健二 (九大, 平成15年度)
    吉田  正 (武蔵工大, 平成15年度)

2) プログラム委員

    神野郁夫 (京大, 平成13年度)
    片倉純一 (原研  平成14年度)
    横堀 仁 (新型炉開発, 平成14年度)
    奥田修一 (阪大, 平成14年度)
    波戸芳二 (KEK,  平成15年度)

● 学会誌改善案について

編集委員会の山野直樹氏が取りまとめた学会誌改善案が報告され,邦文誌上で の大会(年会)報告のあり方を中心に議論があった.継続して議論してゆくこと となった.

● 「春の年会」「秋の大会」演題オンライン受付について

当面は演題のみをオンライン受付する案が事務局より提示された.「要旨原稿」 を発表者自身がPDFファイル化し電子的に受け付けるにはまだ環境が十分でな いとする点に議論が集中した.継続して議論してゆくこととなった.

● 日韓共同開催セッション

本年5月に開催予定の韓国原子力学会(KNS)年会で,炉物理・核データ両部会 の特別セッションを設ける案が了承された.引き続き,秋の大会では炉物理・ 核データ両部会が中心となり,日本で特別セッションを持ち,次年度は別の部 会で引き継ぐという案が竹田委員長より提示された.

● 「春の年会」「秋の大会」開催地(案)が提示された.今後の予定は以下の とおり.

13年秋:9/19-21 北海道大学
14年春:3/27-29 神戸商船大学
14年秋:9/14-16 いわき明星大学
15年春:3/27-29 九州地区
15年秋:中部地区
16年春:中国・四国地区

● 科学と技術のための核データ国際会議から申請された国際会議経費分担申 請(申請額100万円)が承認された.

会合等のお知らせ

核データ部会総合講演

渡辺 幸信 (九大総理工)

「大型加速器施設を利用した核物理・核データ実験研究の最前線」というテー マで下記のとおり3件の講演を企画しております.講師の方々に中高エネルギー 領域の中性子および陽子入射反応に関連した核物理・核データの実験的研究, ならびに最近注目されている元素合成に関連した宇宙核物理の最前線を紹介し ていただき,今後の核データ分野における実験的研究の方向性について議論し たいと考えております.部会員の皆様(特に学生・若手の方々),奮ってご参加 ください.

   日時 3月29日(木)  13:00〜15:00
   場所 B会場
   講演
    (1) 数十MeV領域における核データの実験的研究
                                           馬場 護   (東北大)
    (2) 400MeVリングサイクロトロンを使った実験核物理
                                           畑中 吉治 (阪大)
    (3) 宇宙核物理とその実験研究
                                           久保野 茂 (東大)

原子力学会核データ部会関連(再掲)

● 核データ・炉物理特別会合
   3月29日(木)  10:00〜12:00 B会場
● 核データ部会総会
   3月29日(木)  12:00〜13:00 B会場
● 核データ部会総合講演
   3月29日(木)  13:00〜15:00 B会場

NEA online bulettin

Nuclear Energy Agency (NEA)の最新のニュースレターが以下のURLにあります.

       NEA Online Bulettin (March 2001)
http://www.nea.fr/html/new.html

その他の国際会議

● Haw01 :
   First Joint Meeting of the Nuclear Physicists
   of the American and Japanese Physical Societies
   Oct. 17 - 20, 2001, Maui, Hawaii,
   Outrigger Walilea Resort, U.S.A.
http://nucth.physics.wisc.edu/dnp/fall/

● NURT 2001 :
   International Symposium on Nuclear and
   Related Techniques
   Oct. 22 - 26, 2001, Havana, Cuba
http://www.ceaden.cu/nurt_2001/

部会員の最近の成果

J. Hori, S.T. Park, S.Y. Lee,
M. Igashira(iga@nr.titech.ac.jp), and T. Ohsaki
    Measurement of Capture Gamma Rays from the Broad
    53-keV and the Narrow 35-keV Neutron Resonances
    of ^23^Na
    J. Nucl. Sci. Techol., 38, 91 (2001)

T. Kawano(kawano@aees.kyushu-u.ac.jp), T. Ohsawa,
M. Baba, and T. Nakagawa
    Effect of the preequilibrium process upon
    fast neutron fission spectra from ^238^U
    Phys. Rev. C 63, 034601 (2001)

核データ部会からのお知らせ

「国際会議等の会合」や「部会員の最近成果」に掲載する情報を NDDeditors@ndc.tokai.jaeri.go.jp までお知らせ下さい.