NDDニュースレター 2001年 第2号 (通巻第11号)

2001/1/12

Table of Contents

会合の報告

原子力学会編集委員会報告

山野 直樹(住友原子力)

昨年12月20日に開催された原子力学会の編集委員会と幹事会の様子をお知らせ します。

学会誌、英文論文誌の編集実務の機能強化を図るため、編集委員会の中に2つ の編集幹事会を組織し、その長として編集長を置くことが提案され、学会誌編 集長に近藤吉明氏、英文論文誌編集長に伊藤靖彦氏が就任することになりまし た。新体制は2001年1月からスタートします。編集幹事会では、グループ化に よる業務の明確化を通じた編集機能向上を目指すことになり、班長・副班長・ 協力委員が選任されました。山野は学会誌企画担当副班長、渡辺さんは電子化 媒体全体の副班長、柴田さんは外国人エディター校閲の班長になりました。ま た、次の連載講座に関して、核データ部会関連の次期テーマを2001年5月〜8月 号に掲載予定とすることが決定され、山野と渡辺さんが対応することになりま した。現在、運営委員会で連載講座の案が検討されていますので、近々部会員 の皆様のご意見を伺うことになります。その次の加速器ビーム部会関連の連載 講座は2001年9月以降となる予定です。

英文誌査読改善策について議論され、以下の趣旨を盛り込んだ規定を英文論文 誌幹事会で纏めることが承認されました。

(1)査読委員による論文査読を初回のみとする。

* 掲載可否を初回の査読のみで判断する。
* 新しい学問の芽の発掘と学問分野の多様性確保のために、論理展開の矛盾
   等による掲載否に該当しない場合は、基本的には掲載可とする。
* 再査読が必要な場合は掲載否とする。
* 英文校正の義務はない。英文あるいは論文の完成度が低い時はその旨明記
   して掲載否とする。(著者責任で修正した後、再投稿を勧める)
* 2回目以降の審査(査読ではない)は担当編集委員のみが行う。
* 審査所見および査読所見作成の際には、回答を要求するもの(修正意見)と
   回答を要求しないもの(改善意見)とに分ける。
* 担当編集委員は査読委員の判断を十分尊重して、審査所見を作成する。
* 編集委員は回答を要求する審査所見に著者が合理的な回答をしているかど
   うかを判断し掲載可否を決める。

(2) 編集委員、査読委員は投稿論文の内容に手を加えない。

* 査読は掲載可否の判断の資料を提供するものであり、論文の根本に係る内
   容の改善を図るのは目的でない。
* 論文内容の責任は著者にある。
* 安易な追加実験・解析の要求、あるいは論文作成指導と誤解されるような
   修正指示は慎む。提出された原稿そのものを審査の対象として査読する。

(3) 査読委員選任のミスマッチ防止のため、自分の投稿論文を評価できる人を 著者が4名程度推薦できるようにする。編集委員は著者推薦人を参考にして査 読委員を選任してもよい。ただし、選任の責任は編集委員が負う。

(4) 編集委員は査読の進捗状況等の責任を負う。

(5) 投稿者の査読判定への反論、および投稿者に再提出・再投稿の意志がある ときは査読委員の交代要求の権利を有することの周知を図る。

(6) ショートノートおよび資料を含め、編集委員は査読委員を兼務しない。

英文論文誌については投稿資格を問わず、学会誌の投稿資格は会員とするが本 会の認めた者(海外の協力協定のある学会等)はこの限りではないとする。和 文論文誌(創刊検討中)については、創刊されれば資格制限なしとする。

また、英文誌論文賞新設を理事会に提案することになりました。なお、査読通 過後の英文論文の英文表現をより良くするための「外国人エディター」を編集 委員の推薦により募集することになりました。

その他、英文誌特集号の新規提案として、「物理、化学、工学における同位体 効果」についての special issue の提案があり、承認されました。投稿締切 は 2001年9月30日学会事務局必着で、案内は学会誌に掲載されます。

原子力学会企画委員会報告

吉田正(武蔵工業大学)

1月10日(水)に日本原子力学会第5回企画委員会が東京で開催されました。当 部会の運営に直接関係する項目を中心に審議事項の概要を報告します。

● 平成13年度部門予算

核データ部会を含む各専門部会の予算案が基本的に了承された。会員管理費 (オフコンリース料)60,000円については、部会が増えたので値下げが可能か、 あるいは各部門一律か、等の検討を含め理事会に一任することとなった。

● 専門委員会運営方法

調査専門委員会・研究専門委員会に関連する事務局業務が膨大となり、他業 務を圧迫している現状を改善するため、これら業務を大幅に委員会自体に移管 する提案がなされ原則で了承された。

(シグマを含む特別専門委員会につては、その特殊性から、今回の対象には入 っていないが、今後何らかの影響は出てくる可能性があると思われる。)

● 「2001年春の年会」プログラムの決定

3月27日〜29日に武蔵工大で開催される春の年会のプログラムが以下のよう に決定された。

口頭発表718件、特別講演3件、招待講演3件、総合報告5件、部会・連絡会企 画セッション14件、学生連絡会パネルセッション、原子力青年ネットワーク設 立総会、第33回学会賞贈呈式・懇親会

● 「春の年会」「秋の大会」発表申込みの電算化

受付から予稿作成までを業者に委託した上で標記電算化を実施するとの提案 があり、その方向性が了承された。次回企画委員会で業者に内容説明をしても らうこととした。

● 日韓共同開催セッション

2001年5月に開催予定の韓国原子力学会(KNS)年会で、炉物理関係の日韓共同 特別セッションを設ける提案が炉物理部会よりあった。竹田委員長よりこれに 核データも加え、炉物理・核データの両部会で協力しながら継続して行っては との提案がなされた。

その他

● 「サイクル・再処理部会」設立提案

標記提案が審議され、バックエンド部会との関係を調整したうえで次回の企 画委員会に持ち越すこととなった。

● 専門委員会新設・延長

「再処理技術」、「原子力プラントにおける火災や燃焼化学反応を伴う熱流 動問題」、「核燃料新技術」、「核燃料新技術と応用」の3研究専門委員会の 新設が基本的に了承された。また6つの特別専門および研究専門委員会の1年 ないし2年延長が審議された。

会合等のお知らせ

炉定数整備専門家会合

原研核データセンターは、下記のとおり「炉定数整備専門家会合」を開催しま す。

  1.開催期日:2001年 2月22日(木)〜23日(金)
  2.開催場所:日本原子力研究所東海研究所第5会議室
  3.プログラム:以下のURL (日本原子力学会ニュース)を参照して下さい。
http://www1.todokete.net/atom/member/979024104.html

ND2001に多数の応募

本年10月7日から茨城県つくば市で開かれるND2001(科学と技術のための核デ ータ国際会議)は、アブストラクトの受付を終了しました。約600件の申し込 みがありました。今後、アブストラクトの審査を行い、プログラム作成の作業 に入ります。ND2001に関する情報は、

http://wwwndc.tokai.jaeri.go.jp/nd2001/
を見て下さい。

原子力学会2001年春の大会プログラム

武蔵工大で開かれる日本原子力学会2001年春の大会における核データ関連の発 表は20件で、3月28日の午後と3月29日の午前が「原子核物理、核データ、核反 応工学」のセッションに割り当てられました。

      3月28日
        13:00〜17:50     17件

      3月29日
         9:00〜 9:50      3件
        10:00〜12:00  「核データ・炉物理特別会合」
        12:00〜13:00  「核データ部会」部会総会
        13:00〜15:00  「核データ部会」総合講演

「核データ・炉物理特別会合」と「部会総合講演」のプログラムについては本 Newsletter No.9を見て下さい。

http://wwwndc.tokai.jaeri.go.jp/~ndd/archive/ndd0009.html

NEA online bulettin

Nuclear Energy Agency (NEA)の最新のニュースレターが以下のURLにあります.

                NEA Online Bulettin (Jan. 2001)
http://www.nea.fr/html/new.html

部会員の最近の成果

中原嘉則、須山賢也(kenya@cyclone.tokai.jaeri.go.jp)、他
    軽水炉使用済燃料の燃焼度クレジットに関する技術開発
    JAERI-Tech 2000-071 (Oct.,2000)

高野秀機(takano@cens.tokai.jaeri.go.jp)、他
    溶融金属鉛・ビスマス技術における腐食、水反応、ポロニウム
    揮発率及びBi資源量の調査・検討
    JAERI-Review 2000-014 (Oct., 2000)

A.A. Cowley, G.F.Steyn, Y.Watanabe(watanabe@aees.kyushu-u.ac.jp),
T.Noro, K.Tamura, M. Kawabata, K. Hatanaka, H. Sakaguchi, H. Takeda,
and M. Itoh
   Inclusive reaction ^40^Ca(p,p'x) at an incident energy of 392 MeV
   Phys. Rev. C, Vol. 62, 064604 (2000).

核データ部会からのお知らせ

● 現在の部会員数:120名

●「部会員の最近成果」に載せる情報を、NDDeditors@ndc.tokai.jaeri.go.jp までお知らせ下さい。