NDDニュースレター 2000年 第5号 (通巻第5号)

2000/9/29

Table of Contents

会合の報告等

核データ部会第2回総会議事録

(名大) 井口 哲夫

日時  平成12年9月15日 12:00〜13:00
場所  青森大学5号館206号室(D会場)

1. 部会長あいさつ (更田氏)

2. 企画運営報告 (山野氏)

配付資料にて以下のような報告があった。

● 核データ部会推薦評議員候補

更田部会長及び吉田副部会長を推薦した。今後部会推薦方法につき、運営委員 会で内規を検討する必要がある。

● 韓国核データワークショップ出席報告

8月25日〜26日、韓国 Pohang の PAL で開かれた、Workshop for Nuclear Data Production and Evaluation に、小林捷平、吉田正、山野直樹の3氏が 出席した。

● 韓国との核データ研究分野の協力推進

日本原子力学会と韓国原子力学会との相互協力協定の下で、本核データ部会と 韓国核データ分野側 間で joint session 等を検討中である。学会への無料参 加などの処遇改善を、9月12日の企画委員会で要望した。

● 来年春の年会(武蔵工大)で企画セッション

来年春の年会で核データ部会独自の企画セッションを設けるかを議論した。

  ・できる限り行った方がよい。テーマを早めに考える。
  ・シグマ委特別専門委との関連や積極的な/長期的な部会活動を検討すべき。
  ・炉物理との接点(核データ・炉物理特別会合)は残すべき。
などの意見が出された。

● プログラム枠組み編成委員の推薦

核データ・炉物理両方をみられる方を部会から推薦したい。人選は、吉田副部 会長に一任する事にした。

3. 編集(馬場氏)

NDDニュースレターを発行した。第1号は4月19日、8月22日には第4号を出 した。ニュースレターの内容は以下のようなものである。

    ・部会からのアナウンスやニュース
    ・学会関連会合や国際会議等のアナウンスやニュース
    ・核データ関連ニュース
    ・部会員の成果(タイトル/氏名/e-mailアドレス)
    ・最近のトピックスのレビュー

部会員の方から編集委員へ情報提供(特に部会員の成果について)を要望した。

4. 会計(井頭氏)

9月7日時点で、収入¥16,000、支出¥1,050、寄付金¥0である。正確な部会費 収入を集計できていないので、会計報告を延期する。8月24日時点で、部会員 は 117 名である。

各部会の活性化および部会費の徴収法の改訂に伴い、2つ以上の部会に入るよ う要請されている。

5. その他

核データ部会のメーリングリストを作成した。部会員全員が投稿可能である。

部会HPを公開している。HPにたいするご意見を乞う。

河出編集委員長から、欧文誌への投稿要請(インパクトファクターは他誌と遜 色なし)と、査読委員を出してほしい、とのコメントがあった。

海外からの投稿を促進するために論文投稿規定の英語化に対する要望が出さ れた。

部会運営の透明性を確保して欲しいとの要望があった。

核データ部会第2回運営委員会議事録

(愛知淑徳大) 親松 和浩

日時  平成12年9月16日 13:00〜14:30
場所  青森大学
出席者
        部会長:   更田豊治郎 (環境科学技術研究所)
        企画担当: 真木紘一   (日立)
                   山野直樹   (住友原子力)
                   李  大遠   (韓国  釜山大学校)
        編集担当: 親松和浩   (愛知淑徳大学)
        会計担当: 井頭政之   (東京工業大学)
オブザーバー    : 片倉純一   (原研、中川(編集担当)代理)

部会運営開始後、最初の運営委員会であるため、部会規約に記された事業の確 認と細目の検討を行った。

1. 部会総会の開催について

原子力学会年会および大会ごと(2回/年)に開催する。

2. 部会運営委員会の開催について

部会総会と同様、原子力学会年会および大会ごと(2回/年)に開催する。ただし、 部会活動の活発化および迅速な案件処理のため、運営委員会のメーリングリス トを活用して随時審議および処理を行う。

3. 部会運営委員選出方法の内規作成について

以下の4点を基本とする内規を作成することを決定した。

  ・「自薦又は他薦」を原則とする
  ・部会運営委員の任期は2年
  ・重任をさまたげない
  ・庶務担当委員の新設 (次期委員より。後述の6項参照)

原案を真木委員が作成し、運営委員会で最終素案を決定後、部会メーリングリ ストに投稿する。次回原子力学会年会(武蔵工大)での部会総会で承認を得た後、 その次の秋の大会(北大)で次期委員選出を目指すことで一致した。

4. 部会からの原子力学会評議員推薦の内規作成について

原子力学会評議員推薦については、「自薦又は他薦」を原則とするものの、候 補者がいない場合には、部会長・副部会長を部会から推薦することを内規とし て定めることとし、原案を真木委員が作成する。

5. 部会内規決定手続きの透明性の確保と公開

部会内規決定手続きについては、透明性の確保のため、運営委員会作成の原案 を部会メーリングリストに投稿し総会での審議の後決定する。内規はメーリン グリストやWebページ等で公開する。この手続きは、部会運営委員選出方法お よび評議員推薦の内規についても適用することに決定した。

6. 研究会・セミナー・講習会・講演会等の開催

部会として今後積極的に活動していくことを確認した。その際、対外折衝の担 当委員の明確化と業務量増加のため、庶務担当を次期委員から新設することを 決定した。

7. 次回年会の部会企画セッションについて

企画セッション案を公募することに決定した。担当は山野委員。

8. 日韓協力

日韓の原子力学会の部会間でのagreementを作成し、運用手続きを簡単化し、 活発な交流を進めていくことを決定した。本部会側の窓口は山野委員とする。 李委員には韓国側の窓口となる組織等に関する情報収集を行う。当面、部会企 画セッションでの韓国側講演者に対しては学会参加費と同額の謝金を支払うこ ととする。

9. 部会会計について

9月7日時点で、収入¥16,000、支出¥1,050、寄付金¥0である。現時点では正 確な部会費収入を集計できていない。

現在は117名の小規模な部会であるが、将来的な問題として、「次年度に繰り 越せる上限は100万円,ただし事業等の運営のための特別会計を5件まで設置 でき、それぞれの繰り越しの上限が100万円」との報告があった(井頭委員)。

10. 学生会員の部会費優遇の可能性

部会活動の活性化のため、学生会員の部会費低減等の処置が可能かどうかを検 討することにした。担当は井頭委員。

原子力学会企画委員会報告

(武蔵工大) 吉田 正

9月12日(火)に日本原子力学会第3会企画委員会が東京で開催されました。主な 審議事項は以下の通りです。

● 原子力青年ネットワーク連絡会

若手世代間の連携と活性化を目的にする標記連絡会(略称YGN)の設立が了承さ れた。35歳以下の会員から構成される。

● 部会予算について

部会活動に係わる予算を経常予算(単年度予算)と特別予算に分け,部会が開催 する国際会議など,複数年度にわたる事業を特別予算として執行可能とする枠 組みが前回に引き続き議論された。現行案では特別予算の計上は最大で5年と なっている。13年度より実施すべく,運用法を含め今後とも企画委員会で議論 する。

● 韓国原子力学会とのjoint sessionに関する要望書

核データ部会より提出された標記要望書が審議され,相互協力協定が締結され ている学会員であれば,一般セッションでは、本学会員と同待遇(参加費5千 円+発表申込料2千円)として行くことで了承された。但し,年会・大会等に おけるjoint sessionにおいて,相互に無料で発表することは難しいので,各 部会で手当するなどの方策をとっていただく。

● 第39回原子力総合シンポジウム計画

2001年5月15,16日に開催を予定されている原子力総合シンポジウムの素案が議 論され,「21世紀の原子力の道筋をさぐる」がメインテーマの第1候補に挙げ られた。内容は原子力長計,電力自由化,原子力発電高度化,原子力教育など。

原子力学会編集委員会報告

(住友原子力) 山野 直樹

原子力学会編集委員会が青森大学での秋の大会期間中に現地で開催されました。 核データ部会関連分野からは、原研柴田氏、九大渡辺氏、住友原子力山野の3 名が出席しました。欧文論文誌の査読要領改訂が検討され、査読規定や外国人 エディターの登用方針等が議論されました。改訂の要点は以下の通りです。

従来、非会員に認めていなかった学会誌・欧文誌への投稿を認める。(査読通 過後に入会を依頼するが、入会するか否かは寄稿した本人の意思とする)

査読担当の編集委員の権限・責任を明確にして、査読手続きの透明性を高める。 査読委員は、編集委員会で資格審査され登録承認された査読委員が行うが、欧 文誌編集幹事長の承認を得る条件で、査読委員以外の会員および非会員に査読 を依頼できる。査読期間は20日(ショートノートは10日)以内に短縮し、査読委 員は基本的に英文表現は見ない。英文表現が稚拙のため内容が不明確なものは、 査読以前の問題として返却(門前払い)する。

担当編集委員の判断により、査読通過後の英文校閲を学会が依嘱した外国人エ ディターが行う。外国人エディターは、内容に係る変更はできず、また守秘義 務を負う。

査読委員は現在約300名が登録。目標は500名程度を目指す。査読委員の任期は 原則として設けない。

Workshop for Nuclear Data Production and Evaluation

(住友原子力) 山野 直樹

2000年8月25-26日に、韓国浦項(Pohang) のPohang Accelerator Laboratory (PAL)と韓国原研 (KAERI) の共催で、PALで開かれたWorkshop for Nuclear Data Production and Evaluationに出席しました。

Pohangは日本海に面した人口40万人程の中都市ですが、新日鉄を追越した、世 界一の鉄鋼生産量を誇る浦項鉄鋼の本拠地で、PALの付近はつくば学園都市の ように整然と都市計画された綺麗な街となっています。

本Workshopは年1回、韓国内の核物理・核データ研究者が集まって核データ分 野の研究発表や情報交換を行う研究会で、今年で3回目です。約50名の参加で 盛会でした。外国人は7名で、日本からの参加者は、京都大学小林捷平氏、武 蔵工大吉田正氏、住友原子力山野の3名でした。吉田先生と山野は核データ部 会の代表として参加し、吉田先生からは日本の核データ研究の現状と日韓核デー タ研究協力に関する発表を行いました。ワークショップの報文集は今年度中に KAERIより発行される予定です。アブストラクトはWWW

http://charm.postech.ac.kr/work2k.htm
で見ることができます。毎年この時期に開催されますので、ご興味のある方は 山野までご連絡下さい。

会合等のお知らせ

ND2001、招待講演の募集

(東工大) 井頭 政之

ND2001の各トピックスについての招待講演の募集が9月末で締め切られます。 これまで、海外からの招待講演の推薦は多数寄せられていますが、日本からの 推薦が極端に少ない状況です。

私は、現在の国内の核データ研究のactivityは海外と比較して遜色ない、むし ろ優れている部分も多くあると考えています。折角、我が国で開催するのです から、世界の核データ研究activityを反映した招待講演にしたいと考えていま す。

是非とも皆様からの推薦(自薦、他薦を問わず)をお願いいたします。お問い 合わせは iga@nr.titech.ac.jp まで。

核データ部会からのお知らせ

核データ部会会員数

8月24日現在,部会会員数は117名で、7月18日のNDDnewsletter No.3発行以降、 変化がありません。この内,学生会員は5人で、九大1、東工大3、京大1です.

部会員の最近の成果

部会員間の情報交換と成果を共有により部会活動の活性化をはかるため、第4 号より「部会員の最近の成果」として、核データ関係論文タイトルを掲載して います。

原子力学会誌欧文誌だけでなく,他の雑誌及び研究所や大学のレポートに出版 した論文についても掲載します。これらに関しては是非部会員の皆様から編集 担当委員(NDDeditors@ndc.tokai.jaeri.go.jp)まで御一報ください。

また、核データという分野の特性上、炉物理等の他分野とのボーダーラインが 明確でないため、編集担当委員のリストアップにもれが発生する可能性も否定 できません。その場合も遠慮なく編集担当委員までお知らせください。論文の リストアップには困難がありますが、部会活動の活性化のため、部会員の皆様 の御協力をお願いいたします。

本号では,ANSのNucl. Sci. Eng.誌 Vol.135, No.1-3,Nucl. Instr. Method Vol.444-450,および原子力学会欧文誌9月号に掲載された核データ部会員関連 の論文を掲載しています.

H. Unesaki (unesaki@kuca.rri.kyoto-u.ac.jp), et al.
   Analysis of Differences in Void Coefficient
   Predictions for Mixed-Oxide-Fueled Tight-Pitch
   Light Water Reactor Cells
   Nucl. Sci. Eng. 135, 1 (2000)

H. Takada (takada@omega.tokai.jaeri.go.jp), et al.
   Measurements of Activation Reaction Rate
   Distributions in a Lead Assembly Bombarded with
   500-MeV Protons
   Nucl. Sci. Eng. 135, 23 (2000)

M. Ibaraki (mamoru.baba@qse.tohoku.ac.jp), et al.
   Experimental Method for Neutron Elastic Scattering
   Cross-Section Measurement in 40 - 90 MeV Region
   at TIARA
   Nucl. Instum. Methods Phys. Res., A446, 536 (2000)

F. Maekawa (fujio@fnshp.tokai.jaeri.go.jp), et al.
   Development of whole energy absorption spectrometer
   for decay heat measurement
   Nucl. Instum. Methods Phys. Res., A450, 467 (2000)

S. Harnood (iga@nr.titech.ac.jp), et al.
   Measurement of keV-Neutron Capture Cross Sections
   and Capture Gamma-Ray Spectra of ^140^Ce and ^141^Pr
   J. Nucl. Sci. Technol., Vol. 37, No.9, 740 (2000)

H. Harada (harada@tokai.jnc.go.jp), et al.
   Measurement of Effective Neutron Capture Cross Section
   of ^166m^Ho using Two Step Irradiation Technique
   J. Nucl. Sci. Technol., Vol. 37, No.9, 821 (2000)