「北関東支部」主催 第2回「オープンスクール」報告

 

2002年10月26日 (於:日本原子力研究所那珂研究所)

 

本年の「オープンスクール」(主催:日本原子力学会北関東支部)は、日本原子力研究所那珂研究所の施設一般公開に合わせて10月26日に開催された。当日は、あいにくの雨にもかかわらず、一般公開全体では近隣在住の方を中心に約1500名の入場者が有り、そのうちオープンスクールには約500名ほどの方々に会場に足を運んでいただくことができた。北関東支部からは6つの企画を展示し、同じ会場内で開催された原研の放射線講習会と共に盛況をみせた。

なお、会場で実施したアンケート調査の結果(138名分を回収)についても併せて記す。

 

 

展示企画の概要

 

@ウランガラスの化学(担当:核燃料サイクル開発機構)

紫外線ライトに照らされ、きれいな淡緑色の蛍光を発するウランガラスのタンブラーや置物などを展示し、参加者の目を引いていた。ウランガラスはアンティークばかりではなく、現在も作られていることを知り、驚かれた参加者もいた。また、「ウランガラスの他の利用法は?」など鋭い質問を投げかける参加者もいて、展示ブースは大いに賑わっていた。

 

 

A原子力発電の仕組み(担当:(株)日本原子力発電)

沸騰水型原子炉の模型と燃料集合体の模型を展示し、原子力発電の仕組みの説明を行った。沸騰水型原子炉のデモは、圧力容器を模したアクリル製容器に水を入れ、燃料集合体を模したヒーターで水を沸騰させて蒸気を取り出し、その蒸気によって小型モーターに取り付けた羽根車を回転させて実際に発電を行うものであり、参加者に原子力発電の仕組みを直感的に理解してもらうのに効果を上げていた。

 

 

B何が見えるかな。ダイナミックな瞬間(担当:東京大学)

日常では目に捉えることのできない瞬間的な現象を、高速度ビデオを用いて撮影し、その場で再生してみせることにより、ダイナミックな映像を参加者に披露した。水を満たした風船が破裂して内部の水が飛び散る様子は興味深く、多くの参加者が足を止め、映像に見入っていた。

 

 

C大強度陽子加速器とは(担当:日本原子力研究所)

大強度陽子加速器の大型模型を展示すると共にビデオを用いて、その仕組みや利用法について紹介した。大型模型では各設備が東海研究所のなかにどのように設置されるか具体的に示され、その大きさに多くの参加者が感銘を受けたようであった。また、その利用方法についても先頃ノーベル賞を受賞したカミオカンデのニュートリノとのちがいなど活発な質問が相次いでいた。

 

 

D放射線の減衰(担当:日本原子力研究所)

簡易放射線測定器「はかるくん」を用いて、密封線源からの放射線を参加者に実測してもらい、放射線の遮へい物による減衰及び距離による減衰の効果を理解していただいた。会場の都合から、本企画のみ別室での開催となったため、他の企画と比べると訪れる参加者が少なかったのが残念であった。

 

 

E真空の力(担当:日本原子力研究所)

いわゆる「マグデブルグの半球」の原理を利用して、吊り縄をステンレスボウルで連結したブランコを展示し、実際に参加者にブランコに乗ってもらうと共に、アクリル製の真空容器内に入れた袋入りのお菓子を減圧して破裂させる実験を通して、参加者に真空についての理解を深めていただいた。特に、真空ブランコでは、真空状態にした台所用のステンレスボウルで200kgくらいの重量を支えられるという説明に驚く参加者もいた。

 

 

 

アンケート調査結果