運転や保修作業のようなチーム作業を対象としたHMSを設計・開発する場合には、単にそのシステムに直接触れるメンバの作業支援のみに着目して性能や機能、インタフェースを検討していくだけでなく、そのシステムがチーム全体の日々のプラクティスにどのような影響を与えるのか、というような組織/社会的視点をもってシステムの設計を検討していく必要があると考えられます。そして、そのためにはHMS工学の研究・開発に従事するメンバと組織/社会学者とがコラボレーションしながら検討を進めることが望まれます。 しかしながら、現時点ではHMS工学の研究者・開発者と組織/社会学者との結びつきはそれほど強くないのが現状だと思われます。 本セミナーでは、「HMS工学者と組織・社会学者のコラボレーション」をテーマとして、HMS研究者、組織/社会学系研究者、さらには実際に実務に近い立場で両方を見据えながら研究されている方々に、それぞれのお立場からHMSのデザインに関する考え方、あるいはチームのプラクティス向上に関する考え方についてご講演いただきます。是非、多数の部会員がご参加いただき、今後の研究、開発、実務に役立てていただければ幸いです。 [部会長 五福 明夫]
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記 |
・日 時: | 2013年7月19日(金)13時30分 〜 7月20日(土)12時00分 |
・場 所: |
大阪弥生会館 〒530-0012 大阪府大阪市北区芝田2-4-53 TEL: 06-6373-1841 http://www.jrwelnet.co.jp/hotels/yayoi_kaikan/osaka/
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※ | 当施設は宿泊も可能な施設となっております。遠方よりお越しの方は是非御利用ください。ただし、部屋数には限りがございますので、満室となった場合にはご容赦願います。 |
【一日目】 | 7月19日(金) |
13:00〜13:30 | 受付 |
13:30〜13:40 | 開会 |
13:40〜14:40 | 講演1 「不便の効用を活用するシステムデザイン」京都大学大学院情報学研究科(共生システム論分野) 准教授 川上 浩司 先生
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我々が不便益と呼ぶのは、効率化偏重によって見逃されていたが実は人間機械系としては大切であった事象を、一般には不便と呼ばれる物や方式から掘り起こし、新たなデザインの糧にする試みである。不便な物事の方が、ユーザの対象系理解を促進し、能動性やスキルを向上させることが多い。これらの特質が発現する理由を突き止め、それらを応用することによって、安全性やモチベーションを高めることが期待できる。 |
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14:55〜15:55 | 講演2 「作業者の安全意識・行動様式に影響を与える状況の検討」株式会社原子力安全システム研究所 社会システム研究所
ヒューマンファクター研究センター 人的要因分析グループ リーダー兼主任研究員 前田 典幸 先生 |
事故・災害防止を目的に、現場のメンテナンス作業領域における、作業者の意識や行動に影響を与える「人を取り巻く状況」とは何かを具体的に検討した。その結果、設備の操作性・作業性といったプラントの設備的・組織運営的な世代要因が、そこで働く人々の行動様式を形作っていることが示唆された。現場の作業安全をより高めるためには、人々の行動の背後に存在する「状況」の影響を読み解き、職場に合ったマネジメントを行うことが必要である |
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16:10〜17:10 | 講演3 「大規模発電プラント運転操作システム開発に関する取組み」三菱電機(株)先端技術総合研究所
ソリューション技術部
研究員 鍵本 麻美 先生 |
大規模発電プラント運転の安全性向上を図るため、弊社研究所では運転操作支援システムの研究開発を進めている。従来の支援システムの目的は、運転クルー(運転員および監督者)の運転負荷の低減が中心であったが、近年は監督者個人のタスクに起因する負荷低減を目指したシステム開発に取り組んでいる。本講演では、監督者支援システムの開発事例について述べるとともに、次世代運転操作システム研究への取組みについても紹介する。 |
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18:00〜 | 懇親会(大阪駅周辺) |
【二日目】 | 7月20日(土) |
9:30〜10:30 | 講演4 「優れたチームパフォーマンスを導く組織要因に関する心理学的研究」九州大学大学院人間環境学研究院(心理学講座) 教授 山口 裕幸 先生
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優れたチームパフォーマンスは、いかなる組織要因によって導かれるのかについて、組織心理学およびグループ・ダイナミックスの研究成果に基づいて紹介するとともに、従来、よく取り上げられてきたチーム・コミュニケーションやモチベーションに加え、チームのコンピテンシーやレジリエンス等の特性について、それらを高める条件を検討するための新しい実証的研究方法について論じる。 |
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10:45〜11:45 | 講演5 「病院組織が変わる、変える仕組みとその実践―安全を導く組織的な学びを促すために―」大阪市立大学大学院医学研究科(医療安全管理学講座) 講師 山口 悦子 先生
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高度先進医療を行う医療機関では、一人一人のいのちを尊重するほどに結果は予測不能となり,人が介在するほどにエラーは発生し続ける。このような現場では,エラーや事故が発生しても,その被害を最小限に抑え迅速な回復を図る技術や能力,チームや組織の基礎力が質として問われる。本報告では,演者の病院で行っている改善活動の事例や患者安全教育の事例を紹介しながら,自律的・主体的・創造的な職員を育て、職員達を絶え間なく改善へと動員し、組織として発達する「学び」について議論したい。 |
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11:45〜12:00 | 閉会 |
日本原子力学会正会員、共催・協賛学協会員: | 5,000円 (不課税) |
一般非会員: | 10,000円 (税込) |
日本原子力学会学生会員、共催・協賛学協会学生会員: | 2,000円 (不課税) |
学生非会員: | 3,000円 (税込) |
*日本原子力学会正会員・学生会員の参加費については不課税となります *懇親会費:(税込)5,000円(任意参加) |
下記の申込書に必要事項をご記入の上、電子メールまたはFaxにて申込先へ提出下さい(電子メールの場合は、整理の都合上、タイトルに「HMS部会夏期セミナー参加申し込み」とだけご記入ください)。 | |
<申込先> |
〒 545-0053 大阪市阿倍野区松崎町1丁目2番12号 西日本旅客鉄道株式会社 安全研究所 ヒューマンファクター研究室 担当 :藤野 秀則 TEL:06-6627-8305, FAX:06-6627-8307 e-mail:hmsseminar2013@gmail.com |
申込締切日:平成25年7月12日(金) ★ セミナー当日、申込書のコピーをご持参ください。 <参加費> 参加費は当日、窓口にてお支払いください。 |