平成15年度北関東支部オープンスクール実施報告書

 

と き:2002年10月25日(土)

ところ:日本原子力研究所那珂研究所(029-282-5111)

茨城県那珂郡那珂町向山801-1

担 当:日本原子力研究所

 

 

本年の「オープンスクール」は、日本原子力研究所那珂研究所の施設見学会開催日に合わせて10月25日に開催された。施設見学会全体では約1600名ほどの入場者があり、そのうちオープンスクールには約500名ほどの方々に会場に足を運んでいただくことができた。北関東支部からは昨年と同様に6つの企画を展示し、同じ会場内で開催された原研の放射線講習会と共に盛況をみせた。

また、会場で実施したアンケート調査では昨年を上回る159名分を回収できた。

 

1.オープンスクールの概要(別添1参照)

 

2.オープンスクール実行委員名簿(別添2参照)

 

3.アンケート集計結果(別添3参照)

 

4.収支決算書(省略)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北関東支部

オープンスクール担当

秋場真人(原研)


別添1

「北関東支部」主催 第3回「オープンスクール」報告

2003年10月25日 (於:日本原子力研究所那珂研究所)

 

概要

本年の「オープンスクール」(主催:日本原子力学会北関東支部)は、日本原子力研究所那珂研究所の施設一般公開に合わせて10月25日に開催された。一般公開全体では近隣在住の方を中心に約1600名の入場者があり、そのうちオープンスクールには519名の方々に会場に足を運んでいただくことができた。北関東支部からは昨年同様6つの企画を展示し、同じ会場内で開催された原研の放射線講習会と共に盛況をみせた。

また、会場で実施したアンケート調査の結果(159名分を回収)、参加者のほとんどが小中学生とその家族であり、また、感想も企画が非常に好評であったことを示すものであった。特に、アンケート回答者の約75%が放射線や原子力についてもっと知りたいと回答するとともに、今回のオープンスクールに参加して放射線・原子力に対して良い印象を持つようになった、と回答するなど、今回のオープンスクールが原子力に関する啓蒙活動として大きく貢献したことが明かとなった。

 

<展示企画の概要>

(1)低温で遊ぼう(担当:東京大学)

液体窒素を使って、普段見慣れているものが極低温になるとどのように変化するかを実演し、多くの参加者の興味を引いていた。液体窒素に浸して凍らせることにより石のように硬くなった果物の様子や生花が粉々に砕ける様子は、日常生活ではまず目にすることがないものであり、特に小中学生の参加者には、身近にある果物などの極低温下における変容ぶりが新鮮な映像としてとらえられていた。

 

(2)蛍光灯の虹を見よう(担当:高エネルギー加速器研究機構)

分光器を利用することにより蛍光灯などの光から虹を作る企画を催した。白熱電灯、蛍光灯、輝線スペクトルの良く分かる水銀ランプなどの光から虹を作ってみるとその違いがよくわかり、来場者の興味を引いていた。入場者には組み立て式の簡易分光器を配り、実際にいろいろな光の分光(虹の観察)を体験してもらうことで、光の不思議を身近に感じていただいた。

 

(3)ウランガラスの化学(担当:核燃料サイクル開発機構有志)

透明なビー玉、赤や青等を呈したビー玉の中に混ぜた呈色のない目立たないウランガラスのビー玉を用いて、紫外線ライト当てることによりまばゆい淡黄色の蛍光を発するウランガラスのビー玉を見つけ出させ、ウランガラスの不思議さを子供達に示す企画を催した。ウランガラスのビー玉のくじら絵やアンティークのウランガラスも合わせて展示した。ガラスに閉じ込められたウランの輝きへの驚きと興味を通じて放射線の新たなイメージ作りが出来たと思われる。また、キューリー夫妻のラジウムの発見も、ウランガラスの原料を通じてだという説明に驚く参加者もいた。

 

(4)原子力発電の仕組み(担当:M日本原子力発電)

沸騰水型原子炉の模型と燃料集合体の模型を展示し、原子力発電の仕組みの説明を行った。沸騰水型原子炉のデモは、圧力容器を模したアクリル製容器に水を入れ、燃料集合体を模したヒーターで水を沸騰させて蒸気を取り出し、その蒸気によって小型モーターに取り付けた羽根車を回転させて実際に発電を行うものであり、参加者に原子力発電の仕組みを直感的に理解してもらうのに効果を上げていた。

 

(5)SPEEDI-MP実演(担当:日本原子力研究所)

原研が開発した数値環境システムSPEEDI-MPを会場に持ち込んで実演を行った。SPEEDI-MPは環境シミュレーションプログラムであり、大気や海洋の変化を予測することができる。会場ではシミュレーション結果を大型スクリーンに投影し、アニメーションを利用してわかりやすく参加者に伝えていた。

 

(6)真空実験と真空ブランコ(担当:日本原子力研究所)

いわゆる「マグデブルグの半球」の原理を利用して、吊り縄を家庭用ステンレスボウルで連結したブランコを展示した。実際に参加者にブランコに乗ってもらうことで、自分の体重を支えることができる真空の力を実感していただくと共に、アクリル製の真空容器内に入れた袋入りのお菓子を減圧して破裂させる実験を通して、参加者に真空についての理解を深めていただいた。

 

写真 会場の様子

 

<オープンスクールの印象>

当日はすっきりしない空模様であったにもかかわらず500名以上の参加者を得て無事オープンスクールを開催することができた。会場で回収したアンケートの結果を見てもわかるように、「おもしろかった」「原子力に興味を持つようになった」という好意的な感想が大半であり、非常に好評だったことが伺われる。また、入場者の方からは「準備が大変だと思いますが、大変面白い企画なので、また来年もやってください」という激励の言葉もいただくことができ、講師の先生方のご苦労に十分報いるものであったと思う。

末筆ながら、講師の先生方にはご多忙中にも係わらず、当日は遠方よりお越し頂き心から感謝申し上げます。また、企画段階から当日の運営まで御助言や御協力いただいた関係各位並びに学会支部事務局の皆様にあらためて御礼申し上げます。


別添2

オープンスクール実行委員名簿

 

氏 名

所 属

企 画

1

秋場 真人

原研

真空実験

2

鈴木 哲

原研

真空実験

3

江里 幸一郎

原研

真空実験

4

本間 隆

原研

真空ブランコ

5

横山 堅二

原研

真空ブランコ

6

廣瀬 貴規

原研

真空ブランコ

7

谷川 尚

原研

真空ブランコ

8

永井 晴康

原研

SPEEDI-MP実演

9

古野 朗子

原研

SPEEDI-MP実演

10

寺田 宏明

原研

SPEEDI-MP実演

11

川合 將義

高エネルギー加速器研究機構

蛍光灯の虹を見よう

12

下ケ橋秀典

高エネルギー加速器研究機構

蛍光灯の虹を見よう

13

河村 成肇

高エネルギー加速器研究機構

蛍光灯の虹を見よう

14

但野 紅美子

高エネルギー加速器研究機構

蛍光灯の虹を見よう

15

吉川 英樹

サイクル機構

ウランガラスと廃棄物ガラス

16

河村 和廣

サイクル機構

ウランガラスと廃棄物ガラス

17

堀江 水明

サイクル機構(OB)

ウランガラスと廃棄物ガラス

18

夏暁 彬

サイクル機構

ウランガラスと廃棄物ガラス

19

塩浦 隆夫

サイクル機構

ウランガラスと廃棄物ガラス

20

天本 一平

サイクル機構

ウランガラスと廃棄物ガラス

21

阿部 歩

日本原子力発電M

原子力発電のしくみ

22

上田 隆

日本原子力発電M

原子力発電のしくみ

23

山本 修

日本原子力発電M

原子力発電のしくみ

24

勝村 庸介

東京大学

低温で遊ぼう・液体窒素を使って

25

室屋 裕介

東京大学

低温で遊ぼう・液体窒素を使って

26

田所 将志

東京大学

低温で遊ぼう・液体窒素を使って

27

赤川 忠久

東京大学

低温で遊ぼう・液体窒素を使って

28

山下 真一

東京大学

低温で遊ぼう・液体窒素を使って

29

岡  芳明

東京大学

原子力学会北関東支部長

30

出町 和之

東京大学

北関東支部庶務幹事


別添3

アンケート調査結果

今回の企画に足を運んでいただいた参加者に対してアンケート調査を実施した。調査結果を以下に示す。

特に、オープンスクールの大きな目的として、企画の内容を理解してもらうこと及び放射線や原子力についてもっと知りたいという意欲をもってもらうことが挙げられるが、今回の調査結果によれば、参加者の約75%は、原子力に興味を持ったと回答するとともに、今回のオープンスクールに参加して原子力対して良い印象を持つようになった、と回答している。

 

参加者の世代別構成

Q1 内容は良くわかりましたか?

 

 

Q2 教え方はどうでしたか?

Q3 参加しておもしろかったですか?

 

 


 

Q4 放射線、原子力について

もっと知りたいと思いますか?

Q5 このイベントに参加して、

放射線、原子力についての考えが

変わりましたか?

 

 

(有効回答数:159)