海外情報連絡会 平成16年度 第1回講演会 要旨
The Ten Top Issues for the Renaissance of Nuclear Power in the U. S.
Larry Foulke 氏 (米国原子力学会会長)
(1) ANSについて
・ 1954年11月11日、国立科学アカデミーにおいてワシントンD.C. で設立。
・ 営利を目的としない国際的な科学と教育のための機関。
・ 原子力に関する科学と技術の総べての分野を統合。
・ 会員数11000名。 米国以外800名(7%)。参加47ヶ国。
35歳以下の会員8%、66歳以上15%。
原子力経験5年以下の(若い)会員数700名。
・ 19の分科会と技術グループ。役員70名。米国内に37支部。米国外に9支部・関連団体。
(2) 原子力に関するグッドニュースベスト10
@ 原子力による発電量の高記録を維持
・ 2000年〜2003年、760TWh〜780TWhを供給。
A 信頼でき安全なエネルギー供給として環境負荷の面から受容できる唯一の選択肢
B 安全面での卓越した実績
・ 事故発生率は、一般の製造業の1/10以下。
・ 1966年〜1997年間、被ばく事故による死者は0(含TMI)。
同期間の高速道路での交通事故死者数1511272名、電車事故21018名、
航空機事故2210名。
C 高水準の設備利用率を記録
・ 2001年〜2003年間、90%〜91%の設備利用率。
D 高い経済性
・ 原子力:1.71cent/kWh、石炭:1.85cent/kWh、天然ガス:4.06cent/kWh、石油:4.41cent/kWh
(資本費償却は含まない)
E 電力需要の急激な伸びが将来期待
F ライセンス更新とプラント寿命延長
・ ライセンス更新:23基、レビュー中:14基
G 環境に優しい
・ 化石燃料消費に伴う環境問題が広く認識されてきた。
H DOEによる「原子力2010」
・ エクセロン、エンタジー、ドミニオンの早期のサイト許可申請のNRCによるレビュー。
・ 2004年3月30日、2つのコンソーシアムがCOL(Combined Construction &
Operationg License)のデモを発表。
I 水素製造
(3) 米国での次期新規プラント建設に係る課題
@ 金融市場
A 新規プラント初号機の高コスト
B 規制緩和
C 現在の低い電力需要
D 機敏さの欠落 (建設期間、ライセンス取得のリスク)
E インフラ(原子力の労働力、気運の欠如)
F 廃棄物/輸送
G 安全文化の調和
H 大衆の理解(安全、セキュリティ、テロ、核拡散防)
I 果てしないチャレンジ
(4)結論
・ 1960年代以降原子力に対する政策的支援が今ほど高い時はなかった。
・ 電力会社は新規建設にはリターンがあることに興味を示している。
・ 2010〜2015の間で新規建設(または建設しないと)いうビジネスケースは
2〜3年以内に決定される。
・ 産業界と連邦政府はビジネスリスクの確認と軽減を行なっている。