常置委員会の女性・若手委員の比率向上に向けた取り組み
アクションプランNo.3「常置委員会の女性・若手委員の比率を向上させる」を達成するため、常置委員会および学生連絡会、若手連絡会(YGN)とシニアネットワーク(SNW)に対して目標シートの作成を依頼しました。
目標シートはこちらを参照
各組織の2022年度と2023年度の比較
委員会名をクリックすると、各委員会から提出された「目標達成または未達の要因」および「今後の具体的方針」を見ることができます。
オレンジ色で塗りつぶしてある委員会は、2023年度に女性員が増員された委員会です。
2022年度 | 2023年度 | ||||||
委員会名 | 委員数 | 女性数 | 女性比率 | 委員数 | 女性数 | 女性比率 | 備考 |
学会誌編集委員会 | 22 | 4 | 18% | 21 | 4 | 19% | |
論文誌編集委員会 | 65 | 2 | 3% | 71 | 4 | 6% | 外国籍メンバー7名 |
ダイバーシティ推進委員会 | 20 | 14 | 70% | 18 | 12 | 67% | |
企画委員会 | 19 | 1 | 5% | 19 | 3 | 16% | |
総務財務委員会 | 10 | 0 | 0% | 6 | 0 | 0% | |
部会等運営委員会 | 31 | 1 | 3% | 30 | 1 | 3% | |
支部協議委員会 | 13 | 0 | 0% | 15 | 3 | 20% | |
広報情報委員会 | 12 | 5 | 42% | 12 | 5 | 42% | |
教育委員会 | 20 | 3 | 15% | 22 | 6 | 27% | |
国際活動委員会 | 20 | 0 | 0% | 22 | 2 | 9% | |
標準委員会 | 28 | 1 | 4% | 31 | 2 | 6% | |
倫理委員会 | 18 | 4 | 22% | 15 | 4 | 27% | |
会員サービス委員会 | 8 | 1 | 13% | 8 | 1 | 13% | |
標準活動運営委員会 | 12 | 1 | 8% | 10 | 0 | 0% | |
学生連絡会 | 20 | 3 | 15% | ||||
若手連絡会(YGN) | 23 | 3 | 13% | ||||
シニアネットワーク | 0% |
目標達成または未達の要因、今後の具体的方針
学会誌編集委員会
【目標達成または未達の要因】
学会誌編集委員会における女性委員および若手委員の登用については、相応の実績を上げていると考えます。なお学会誌編集委員会では女性委員や若手委員にも門戸を広げたオブザーバー制度を設け、その中から編集委員になっていただく回路も設けています。これはひとつの事例になろうかと思います。
以下は本件について編集委員会で交わされた議論であります。
ダイバーシティ&インクルージョン推進の本来の主旨は、対象となる組織において多様な意見を尊重し、包括していく趣旨だと理解します。女性や若手委員が極端に少ない場合、その構成比率を向上させることは大切だと思います。それに加えて例えば、女性に限らない多様性という点では、比較的取り入れやすい対策として、男性の中のダイバーシティ(たとえば、国際経験や専門・職業に関する経験、出産・育児や介護等のための休暇や時短勤務の経験の有無など)についても検討していきたい。
【今後の具体的方策】
学会誌編集委員会でのアウトプットは学会誌本体にあります。学会誌誌面においては女性や若手に限らず、原子力に批判的な方なども含めて多様な意見を紹介することを心がけており、ダイバーシティ&インクルージョン推進の主旨とかなう取り組みを今後も継続していく予定です。
論文誌編集委員会
【目標達成または未達の要因】
論文誌編集委員会は、学識経験を問い、年度ごとに人を大きく入れ替える組織ではないことから、急な刷新は非常に難しいのが現状である。また、本年度よりエグゼクティブ・エディタ(EE)制を開始し、論文編集に携わるEEとして10人が着任したものの、今のところ、10人すべてが男性となっている。EEは、各研究分野の第一人者相当で、その分野に見張りがきく人が務めており、性別による優先措置は行っていない。もちろん適任の女性研究者があれば採用を行う。現状、EEは5年間ほど勤めていただくことになるため、残念ながらしばらくの間は、女性の人数が増えることは望めない状況となっている。
【今後の具体的方策】
ダイバーシティ&インクルージョンの改善を念頭に、女性委員、若手委員の可能性を議論していく。またダイバーシティとしての外国人委員の増加についても議論を行っていくので、外国人の参加もダイバーシティの評価に加えていただけるよう、ダイバーシティ委員会での検討をお願いする。
ダイバーシティ推進委員会
【目標達成または未達の要因】
ダイバーシティ推進委員会は、既に女性委員の割合が50%を超えている。
【今後の具体的方策】
今後は、若手・男性委員の増加に努める。
企画委員会
【目標達成または未達の要因】
男性委員1名の交代時に女性への交代を要請するとともに、委員会での議論の活性化のための委員の1名増員に際して女性に就任を依頼することで、計2名の女性増員を果たした。
【今後の具体的方策】
・引き続き、委員交代時に趣旨等を理解いただき、女性及び若手委員の登用を要請する。
・必要に応じて委員の増員を検討する際には、女性又は若手に委員会への参加を要請する。
総務財務委員会
【目標達成または未達の要因】
・女性委員1名獲得を理事会に要請する。
・若手委員は今回の理事(候補含む)に該当者がいないため未達の見込み。
【今後の具体的方策】
部会等運営委員会
【目標達成または未達の要因】
本件についての意義や重要性を各部会及び連絡会に伝えて依頼を行ったが、各組織は独立した組織であり、委員選出についてもその自主性を尊重した結果このような数値となった。
一方で、若手の登用は各部会等の組織で進められており、目標を達成した。今後も、それぞれの組織(部会・連絡会)の自主性のもとで、さらに進むように働きかけたい。
【今後の具体的方策】
引き続きダイバーシティ&インクルージョンの意義を伝え、女性委員及び若手委員が増加するよう議論を行っていく。なお、本件は9/22のR5年度第一回部会等運営委員会でも、各組織に再度周知した。
支部協議委員会
【目標達成または未達の要因】
女性割合の目標値14%は、特別委員が別途1人加わり20%と達成できている。
若手の登用目標値1人も達成できている。
【今後の具体的方策】
支部協議委員会の構成員となる支部長は元より全支部の幹事においても女性は1名との特殊な現状を鑑み、委員数2名の女性枠を新設した。全8支部を4グループに分け、2名ずつ2年毎に当番2支部長の推薦で改選していく。女性割合を当面15%に近づけることができる。
女性委員の登用により、例えば次の効果が期待できる。すなわち、オープンスクール(OS)小委員会が2023年度から支部協議委員会の下部組織に移行することに伴い、女子生徒・学生が原子力・放射線を専門として志向してもらうきっかけ(リケジョ(理系女子の略)の発掘)・育成に関してアドバイスなどをして戴くことである。
活性化に重要な若手の登用に関しても、移行のOS小委員会を中心に増員を図っていく。
広報情報委員会
【目標達成または未達の要因】
委員会の内、女性割合については目標通りの達成(1名退任、1名新規で変化なし)となった。広報情報委員会の場合、ある程度経験を積まれた方が委員となる場合が多く、若手については本年度も獲得には至らなかった。
【今後の具体的方策】
女性割合については、今後も現状のレベル(40%)を確実に維持するとともに、継続して候補の方について、委員の方や関係各所に検討を依頼する。 若手の確保は、継続的な委員会活動に必要であり、女性候補者と同様に委員の方や関係各所に候補の方の検討を依頼する
教育委員会
【目標達成または未達の要因】
昨年の女性委員は再任いただき、副委員長含め3名の女性委員が新任され目標を達成できた。前委員長はじめ、現委員各位の努力の賜物と考えている。
若手登用については未達となっており、YGNへの働きかけができていなかった?ものと反省する。
【今後の具体的方策】
来年7月以降、場合によっては女性委員が4名に減少することも考えられ、引き続き増員の努力をする。一方、若手登用については、教育委員会の委員構成案?にあるようにYGNへの働きかけを第一に検討し、目標達成に向け委員会内でも議論したい
国際活動委員会
【目標達成または未達の要因】
女性委員の登用については、委員の交代のタイミングで女性委員の推薦をお願いできたこともあり目標値を達成できた。
一方、若手の登用に関しては、未達となっている。国際活動委員会の委員に関しては、本分野における人脈や経験を多くお持ちのベテランの委員の先生方に継続して委員をお願いしている経緯から若手の登用が進まないものと考えられる。
【今後の具体的方策】
女性や若手の登用に関して、委員会内で周知徹底していることから、委員の交代時期に合わせて世代交代することを進めていく。
標準委員会
【目標達成または未達の要因】
〇女性
2023/6の標準委員会において、女性委員1名を新たに選任し、同月の理事会にて承認され、目標を達成した。
〇若手
新たに若手1名の委員候補者を調整中であり、2023/9の標準委員会において候補者の選任について審議予定。これにより2023/10の理事会の承認を経て、目標達成の見込み。
【今後の具体的方策】
倫理委員会
【目標達成または未達の要因】
概ね目標を達成していると評価するが、下記方策に引き続き取り組んでいく。
【今後の具体的方策】
・倫理委員会では、交代的な委員であっても、新しい委員が入ることで活動が活発になった経験がある。また、現在、委員会の活動に人数による限界を感じることも少なくなく、委員会としても積極的に本事業に取り組み、委員を増やしていきたい。(継続)
・新たな委員は、学会のMLの活用による募集・立候補と、各委員による直接の勧誘にて取り組む。(継続)
・議論に女性が加わることで違う視点が入る有益さを理解したうえで、女性という視点だけではなく、若手、外国籍の方など、幅広くダイバーシティを進めていきたい。若手連絡会(YGN)との連携した活動の実施についてはすでに計画しており、その活動の中で、委員の勧誘についても検討したい。(継続)
・新しい委員が発言しやすく、また活動に意義を感じられるよう、委員会組織の文化や運営についても検討する。(継続)
会員サービス委員会
【目標達成または未達の要因】
・従来から会員サービス委員会は理事のみで構成されていたところ、女性理事の増員を図ったが、女性理事の人数との兼ね合いもあり、女性理事の追加配置には至らなかった。
・若手と女性参画のため、理事以外の委員の登用に努めたが、実現に至らなかった。理事以外の委員登用において、十分な活動ができなかったことが原因である。
【今後の具体的方策】
・女性理事の登用を精力的に勧めるよう理事会に働きかけていく。
・理事以外の若手、女性委員の登用に努める。会員サービスに関するアンケートを実施予定であるので、その中でご意見をいただけた若手、女性のうち、連絡先を記載いただいた方に対して、直接依頼する等の諸方策を実施する。
標準活動運営委員会
【目標達成または未達の要因】
本委員会は,委員の構成が本委員会の規定で決められており,委員長は委員を自由に選定する裁量権が無いため。また,2023年度はダイバーシティ推進委員会からの依頼文書に基づき,女性委員を1名増加した目標値を記載した。一方,前会長の意向により,理事が関与する委員会のスリム化に基づき,会長が任命する特別委員(理事)が3名(2022年度)から1名(2023年度)へ2名減員になり,女性の特別委員が1名から0名になったため。
【今後の具体的方策】
・女性委員
ダイバーシティおよびインクルージョンの推進の精神に則り適切な方々に委員に就任頂けるよう働きかける。
・若手委員
標準委員会委員長に若手を当委員会の委員へ指名して頂けるよう働きかける。
学生連絡会
【目標達成または未達の要因】
・従来から会員サービス委員会は理事のみで構成されていたところ、女性理事の増員を図ったが、女性理事の人数との兼ね合いもあり、女性理事の追加配置には至らなかった。
・若手と女性参画のため、理事以外の委員の登用に努めたが、実現に至らなかった。理事以外の委員登用において、十分な活動ができなかったことが原因である。
【今後の具体的方策】
・SNS(InstagramやFacebook)を用いて学生連絡会活動の紹介を行い、女性運営委員が連絡会活動の中心を担っていることを周知させる。・学生勧誘の場を学会ポスターセッションに場に限らせず、積極的に勧誘の場を設ける。具体的には全国の原子力学生数十名を集め、交流の場とする「学生シンポジウム」の企画を考えている。
若手連絡会
【目標達成または未達の要因】
今回ダイバーシティ推進委員会からの依頼もあり女性4名に委員就任依頼を発出。その結果として、2名に就任いただき、2名からは今年度国際プロジェクト対応と労働組合の役員実施などもあり、多忙につき辞退があった。若手×女性ということで、家庭、仕事、労働組合など色々な役割を任される時期でもあることが未達の原因と考えられる。ただし、3倍にはなっているため、継続してお声がけすることが重要。
【今後の具体的方策】
シニアネットワーク
【目標達成または未達の要因】
SNW会員は、リタイアしたシニアが主体で、後ろ盾となる企業、団体に所属しておりません。会員勧誘にあたってはもっぱら会員の過去の縁故関係に頼っておりますが、会員の高齢化に伴う減少の傾向が継続しており連絡会の存続の為の勧誘が課題となっています。
一方、SNWとしても裾野を広げるべく、規約にあるように、「会員それぞれが培ってきた知見と経験を活かし,地球規模のエネルギーと環境問題に対する原子力の果すべき役割について真摯に考え,発言し,あるいは提言をおこない,世代間の対話と様々な交流を通して,学術の発展と技術の伝承ならびに人材育成に協力し,真の理解者を広げることを目的とし」、以下の様な活動を行っております。
(1)大学での「学生とシニアの対話」活動などの世代を超えた対話を推進する。
(2)一般市民,教育現場の先生,マスコミ関係者への公開シンポジウムなどの啓発活動に取り組む。
(3)国が支援する原子力人材育成事業や広聴・広報事業,学校,企業,地域活動などに,求めに応じて企画支援,講師派遣などの協力を推進する。
女性の会員の比率向上に関して言えば、いまのSNW会員が現役の時代には女性の会員がほぼおらず、過去の縁故関係に頼る形での女性会員比率向上は見込みが立ちません。これは構造的な問題と思われ、SNWに今回の様な目標設定は馴染まないと考えます。何か大局的な観点から良いアイデアが無いものかと思慮しておりますが良い解が見当たらないのが現状で今回の目標は0となっています。ダイバーシティ&インクルージョン推進委員会御中と協議の上良いアイデアがあれば、実行していきたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。